Thu 230914 リビアが心配/ハモと天ぷら/名古屋「味仙本店」で夏のフィナーレ 4429回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 230914 リビアが心配/ハモと天ぷら/名古屋「味仙本店」で夏のフィナーレ 4429回

 モロッコの大震災が心配だと嘆いていたら、今度はリビアで大洪水、死者はすでに5000人を超え、行方不明者の安否が明らかになれば、これはもう今世紀最大級の大災害になってしまうのかもしれない。

 

 さすがのワタクシも、リビア・チュニジア・アルジェリアの3カ国は、いまだに未踏破のまま。しかしコロナ直前の2019年に作った計画表では、2025年までにこの3カ国も訪問する予定になっていた。

 

 南仏マルセイユの港には、当然のようにアルジェリアからのフェリーが入港するのである。地中海の対岸にはアルジェ、チュニス、トリポリの港が並んでいる。中世からルネサンス期には、北アフリカの海岸を根城にする海賊が猛威をふるった地域だ。

 

 古代ローマの時代には、北アフリカの地中海沿岸に多くの植民都市が建設された。だからローマ式の闘技場や宮殿跡に浴場跡、観光で訪れればマストな名所旧跡は多い。

 

 世界史選択の諸君なら、ローマ皇帝セプティミウス・セヴェルスを思い起こすだろう。ワタクシの記憶が確かならば、彼はリビアの町レプティス・マグナの出身。レプティス・マグナはリビアの首都トリポリから東100kmほどにあって、ユネスコの世界遺産にも登録されている。

 

 彼の息子が「カラカラ浴場」で有名なカラカラどん。カラカラの弟にゲタという名の人物がいて、この2人の兄弟仲の悪さは有名だが、まあここから先は世界史の先生に質問するなり、徹底的にググるかしてじっくり研究していただきたい。

(8月11日、大阪ミナミ「スイスホテル」高層階から、天王寺方面を望む)

 

 洪水の光景は、あまりにも強烈だ。ダムが決壊したのがカタストロフィを決定づけた。ダムはコンクリートではなく、泥と砂を固めて河川を堰き止めたものだという。そこをメディケーンが襲った。泥と砂のダムはひとたまりもなく、下流の町はほとんど一瞬で濁流に押し流された。

 

 ニュース報道によると「濁流が勢いよく流れくだった」というのだが、ワタクシはこういう場合「勢いよく」という修飾語を使ってほしくない。

 

 このあいだの茨城と千葉の洪水でもそう、岩手や秋田の洪水でもそう、7月の長崎・福岡・山口の洪水でもそう、報道関係者はマコトに無神経に、洪水の濁流に「勢いよく」という修飾語をつける。

 

 しかし諸君、「勢いよく」とは、「よく」という部分をみれば分かる通り、明らかに肯定的な修飾語。水の流れをプラス評価して「普段はチョロチョロ優柔不断に弱々しく流れているけど、今回はすごく勢いがいいですね」と、流れの激しい勢いを心地よく感じている時に使う修飾語だ。

 

 今年の日本は、どこもかしこも警報級の大雨に襲われ、どこもかしこも線状降水帯の餌食になって「10年に一度の豪雨」に襲われた。「いったいどこでコメや野菜がすくすく育っているの?」というぐらいの惨状、かと思えば新潟では、渇水と猛暑のためにコメの生育が思わしくない。

 

 こんな時代に、報道関係者ともあろうものが、「濁流が勢いよく流れています」「大量の倒木を浮かべたまま茶色く濁った川の水が勢いよく下流に向かっています」などと、無神経で無反省な現地リポートなんかをやっていていいものだろうか。正しくは「濁流が激しい勢いで」だろう。

     (8月10日、大阪で文楽を満喫する)

 

 さて8月11日、ワタクシは昼の電車で大阪を出発、名古屋を目指した。夕暮れから岐阜県で公開授業があり、ちょっと早めに名古屋に移動したのである。

 

 前日10日には、恐竜時代からの友人と国立文楽劇場で「夏休み文楽特別公演」を満喫。文楽の後は馴染みの心斎橋「とらふぐ城」でハモ料理、夏の大阪でハモ料理というんだから、これで満足しないわけはない。

 

 ハモの後は猛暑の北浜をぶらついて、屋台風の小さな店で天ぷらを貪った。ハモのコースで満腹した直後、まだ天ぷらを7品も8品もむしゃむしゃやるんだから、今井君も胃袋だけはまだまだマコトにヤングなのである。

 

 翌朝11日も気持ちよく目覚めた。胃袋だけじゃなくて、精神も頭脳もみんな超ヤングであって、「こりゃ名古屋に移動する前に、まだ大阪の旨いメシが食える」と判断。なんば地下街「なんなんタウン」の馴染みのお店に入って、10時半から11時半までまだワシワシやったのだが、残念ながらその辺の写真が全く残っていない。

 

 大阪といっても難波だから、ここから名古屋に移動するのに新幹線は不便である。スイスホテルをチェックアウトしたワタクシは、近鉄の難波駅に降り、近鉄の誇る豪華特急「ひのとり」に乗車。難波から名古屋まで2時間、乗り換えなしで行ける。

 

 名古屋の宿泊は、駅直結のマリオットホテル。しかし諸君、いやはや驚いた、広大なマリオットのロビーにはチェックインの長蛇の列ができて、ほとんどディズニーの人気アトラクション並みだ。考えてみればお盆の真っただ中、ホテルが混み合うのは分かっているが、これはさすがに常軌を逸している。

 

 ホテルのスタッフに尋ねたら「チェックインには30分か40分かかります」と平然としている。まあその辺を上手に小ズルく&すばしこくすり抜けるのは今井君の得意技であるから、「最低30分はかかります」というチェックインを、どういうわけか10分足らずで済ませた。

(2023年夏、公開授業のフィナーレは岐阜県可児にて。可児と書いて「かに」と読む)

 

 夕暮れ近く、名古屋から名鉄の準急電車で、この日の会場の「可児」という町を目指した。「可児」と書いて「かに」と読む。普通の人にはなかなか読めない難読地名だが、今井君は「可児」、はるかな昔から熟知している。

 

 甲子園で活躍した可児(かに)哲也という選手がいた。県立岐阜商のエースだった。高1・高2・高3と3年連続で甲子園に出て、その後は法政大でも活躍した。

 

 高1の1985年、滋賀の甲西高に2回戦で敗退。高2の1986年、1回戦は西日本短大付に勝利したが、2回戦で鹿児島商に敗退。高3の1987年は、1回戦で広島商に勝利するも、2回戦で東海大山形に惜敗した。

 

 ちょうど今井君の人生で一番キビシイ時代と重なるので、若き今井君は連日テレビにかじりついて可児投手の孤軍奮闘を見つめた。いわゆる「力投タイプ」、汗まみれ&泥まみれで熱投する姿が印象的だった。

(8月11日、単独祝勝会は名古屋今池「味仙本店」。ただし「今井先生だ!!」のお祭り騒ぎになったので、写真はナシ。この写真は後日、東京・経堂の「日高屋」、ギョーザ君たち 1)

 

 というわけで、2023年の猛暑の中で奮闘したワタクシも、そろそろ汗まみれ&泥まみれである。2023年夏のフィナーレとなる公開授業は、西可児の駅からクルマで10分ほどの医療系大学が会場。約100名ほどのマコトに熱心な聴衆を前に、全エネルギーを傾注して熱弁をふるった。

 

 終了後、可児から一気にタクシーで名古屋市内まで戻った。1時間、タクシーメーターは13000円まで上がったが、何しろ夏のフィナーレだ、そのぐらいいいじゃないか。運転手さんとも大いに語り合い、大いに仲良くなれた。

 

 なぜタクシーを使ったかと言うに、直後に単独祝勝会を企画していたからであって、場所は名古屋・今池の「味仙本店」、地元の人は「観光客しか行きませんよ」と冷たく突き放すが、〆の台湾ラーメンが有名な名店である。

 

 しかし諸君、この「味仙本店」でたいへんなお祭り騒ぎになった。「あっ、今井先生だ」「おっ、今井先生だ」「ホントだ、今井さんだ」「ウソだろ、ホンモノの今井さんだ」「今井だ♡」「今井だ♡」「今井さんだ!!」という、前代未聞の今井大明神祭が始まってしまったのだ。

(8月11日、単独祝勝会は名古屋今池「味仙本店」。ただし「今井先生だ!!」のお祭り騒ぎになったので、写真はナシ。この写真は後日、東京・経堂の「日高屋」、レバニラ君 2)

 

 最初に今井に気づいたのは、お隣のテーブルで少し酔っぱらっていた男子2名。15年前に今井の授業に酔いしれた2人は、早稲田大学に進み、ラグビー部に入部し、数々の早稲田の名選手と同じ寮で4年を過ごした猛者たちであった。

 

 ラグビー部でのポジションは、1人はプロップ、もう1人はフランカー。「いかにも」という強烈な体軀の2人が、広い店中に響き渡るような声で「今井さんだ」「夢じゃないの」「ちょー嬉しい」「写真撮ってください」「握手してください」と、天地を揺るがすほどに盛り上がっちゃった。

 

 すると諸君、そこから一気に騒動は味仙本店の全域に「勢いよく」広がった。あっちのテーブルでも「ホントに今井さん?」、こっちのテーブルでも「まじ?マジ?」「MajiでKoiするマジ今井?」と、立ち上がる人、駆けつける人、知らない人まで「今井って、誰?」「今井って、何?」と、訝しがりつつ立ち上がってこちらの様子を伺うのである。

 

 そういうふうで、この味仙♡単独祝勝会でいったい何を食べ、何を飲み、何が楽しかったのか、ほとんど記憶にないのである。しかしホントに楽しい時には、何を食べ。何を飲み、何が楽しかったのかなんかは、もうどうでもいいのだ。

 

 少なくとも、ワタクシにそうやって挨拶しにやってきた若者たちは、みな立派な社会人に成長して、力強く日本を支えている様子。何が嬉しかったかと尋ねられれば、そこんところを一言だけ言えば、もうそれで十分なのだ。

 

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES4/6

2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 5/6

3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 6/6

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