Sun 230702 六波羅蜜寺の桔梗君/ツンデレデレ/六波羅飯店/大阪堺東の大盛況 4402回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 230702 六波羅蜜寺の桔梗君/ツンデレデレ/六波羅飯店/大阪堺東の大盛況 4402回

 昨日の記事の廬山寺、そのあまりの奥ゆかしさに、生まれも育ちも田舎者の今井君なんかは、自分で書いていてさえ「とても京都には、かないませんね」「生まれ変わって出直してまいります」と、思わず深い溜め息が出た。

 

 ただし1つだけ、もしも「不満です!!」と声を上げるところがあるとすれば、それは諸君、キキョウ君たちの態度である。「キキョウ君」とカタカナで書くのが気に入らなければ、奥ゆかしく漢字で「桔梗どの」「桔梗殿」と書いてあげてもいい。

 

 だって、どうしてそんなに冷淡にソッポを向くんだい? 読者諸君も、昨日の記事の桔梗殿たちの写真を、もう1度眺め直してみたまえ。ホントに冷たくツンと向こうを向いて、遥かな東国から訪れた今井君と、ホンのわずかのコミュニケーションさえ取ろうとしてくれない。

(六波羅蜜寺で、キリッとこっちを向いた桔梗君たちと遭遇 1)

 

 しかしその時ふとワタクシは、「そう言えば、イスタンブールでの自分がそうだったな」と思いおこすのである。もう10年も前のこと、「1年に80日」のペースで外国旅行を繰り返していたコロナ前の今井であるが、イスタンブールの絨毯売りの男に、桔梗殿とそっくりの冷淡な態度をとった。

 

 だって、事前に読み込んだいろんな情報では、

「イスタンブールで地元の人に話しかけられても、気軽に受け答えしてはいけません」

「どうせ絨毯の営業です。気がつくと50万円もする絨毯を買わされています」

「友情を装って、おいしいお茶をご馳走してくれますが、最終的にはジュータンの強硬な営業になります」

そういう記述しか見当たらなかった。

(六波羅蜜寺で、キリッとこっちを向いた桔梗君たちと遭遇 2)

 

 絨毯売りばかりではない。靴磨きの話もあった。「暢気に散歩なんか楽しんでいると、目の前を歩いている靴磨きのオジサンが、突然ブラシを落とします。親切に拾って上げると、『お礼だから』と言って靴を磨いてくれますが、最後に高額の靴磨き料金を請求されます」  

 

 タクシーの件もあった。「ワザと道を間違えて、盛んに自分自身を責めるポーズをとり、自分で自分の頭を殴ってみせたりしますが、結局はメーター通りの料金をふんだくっていきます」

 

 同じようなことは、ブエノスアイレスでもメキシコシティでも、マラケシュでもブダペストでもあったし、ニセ両替屋に、ニセ警官に、スリにひったくりに、リアル羅生門、外国はいろんな危険に溢れている。しかし、いやはや、それでも忘れられないのは、あの時のイスタンブールの青年の悲しそうな表情である。

(六波羅蜜寺で、キリッとこっちを向いた桔梗君たちと遭遇 3)

 

「どうしてそんなに冷たく対応なさるんですか?」と彼は嘆くのだった。

「日本人は、みんな冷たいね」

「全く話をしようとしてくれない」

「どうせ絨毯屋だと思ってるんでしょ?」

「だったらどうしてトルコまで来るんですか?」

「トルコ人と話をしたくないなら、トルコになんか来なきゃいいじゃありませんか」

何だか彼の目に熱い涙が溢れているように見えた。

 

 それでも「いや、それこそ絨毯売りの典型的な手口だ」と、ガイドブックの著者や投稿者はおっしゃるのだろうけれども、どうも日本人の中には、警戒レベルが高すぎて滅多やたらにツンツン、冷酷にソッポばかり向いて、心を固く閉ざしたままとにかく日本に無事生還、そういう人が多すぎる気がする。

 (京都六波羅「六波羅飯店」のギョーザとレバーもやし炒め)

 

 今井君は猫2匹との付き合いが長かったせいか、ツンツンツンで通すのは大嫌い、やっぱり猫同様のツン&デレを愛するのである。海外では「ツン」の方が多い「ツンツン&デレ」が安全、国内ならデレのカテゴリーを増やして「ツン&デレデレ」ないし「ツン&デレデレデレ」が一番楽しい。

 

 だから廬山寺でも廬山寺そばのレストランでも、今井はとにかく多めに他者とコミュニケーションを取るのである。

 

 もしもいま小5小6ないし中1中2ぐらいの娘と一緒の父親だったならば、娘はきっと耳まで顔を真っ赤になって「やめてよ!!」「うぜえな!!」「一緒にいると恥ずかしい!!」「2度と一緒に外出なんかしない」と激怒するレベルだ。

 

 まあ、分からないこともない。いつだったか、確かフランスのサンマロで、食事中に娘が激怒したまま帰ってこなかった家族連れを見たことがある。見た感じ、パパ55歳、ママも55歳、娘は16歳か17歳。いやはや、積極的パパの社交性は、フランス女子にとってもずいぶん恥ずかしいものらしい。

      (京都六波羅「六波羅飯店」の勇姿)

 

 そういうワタクシであるから、廬山寺の桔梗殿たちにあんなにツンツン厳しくソッポを向かれたら(ぜひ昨日の桔梗殿たちの写真、もう一度見直してくれたまえ)、どうにも悲しくたまらなくなって、真っ正面からしっかりこの田舎オヤジの里芋顔を見つめてくれるキキョウを探し、翌日もまた京都の街をぶらぶら、あてもなく歩きたくなった。

 

 優しいキキョウは、六波羅で見つかった。この日もまた蒸し暑い曇り空の1日だったが、やっぱり阪急の特急電車で大阪梅田から京都河原町へ。鴨川をわたって祇園の西側をゆっくりと南下し、建仁寺 → ゑびす神社 → 摩利支尊天と巡って六波羅に向かった。

 

 かつて平清盛が勢威の限りを尽くした六波羅であるが、その清盛の穏やかな表情の像と、今や人気絶頂の空也上人「南無阿弥陀仏」の像が、六波羅蜜寺の奥に安置されている。

 

 久しぶりに訪問してみると、清盛も空也上人も、お寺の奥に新設された宝物館のようなところに、恐ろしい「奪衣婆」の像と一緒にギュッと集められて、何だか人口密度が高すぎる気がする。

(京都六波羅「六波羅飯店」のチャーハン。たいへんオイシューございました)

 

 前回訪れた時は、こんな博物館みたいなところに閉じ込められた宝物ではなくて、みんなお寺の中でまだ生き生きと生きていらっしゃった。ワタクシは、宝物館の中に眠る硬質な宝物より、お寺の中で生きていらっしゃる生々しい仏像の方が好きなので、何となく納得がいかなかった。

 

 しかし六波羅蜜寺、キキョウ諸君はみんなキリッと正面を向いて、元気に明るくワタクシを迎えてくれたのである。どうだい諸君、これこそ生きた花の生き生きとした「ツンデレ」の妙だ。

 

「此付近 平氏六波羅第 六波羅探題府」の石碑はまだ新しいが、100年後、200年後、300年後、老いさらばえたこの石碑君を取り巻いて、キキョウ諸君はそれでもなお、キリッとツンデレを継続しているに違いない。

(京都六波羅「六波羅飯店」の「ジンギスカン」。オイシューございました)

 

 すっかり満足したワタクシは、六波羅蜜寺からすぐ近く「六波羅飯店」で今日の昼食を貪ることにした。

 

 すぐ近くには「滅多に予約のとれない洋食の名店」やら、欧米人&中国人観光客が長い列を作っているキレイめのカフェなんかもあるが、やっぱりワタクシは、京都・町中華の真骨頂「六波羅飯店」、是非とも訪ねてみたかったのである。

 

 初入店であるが、こりゃまさに求めていた雰囲気そのもの。近所のおじさま単独、近所のおじさま4人組、近所のおばさま単独、いやはやもう「ご近所づくし」であって、京都やヴェネツィアを襲うオーバーツーリズムの面倒くさい影は、この店には全く感じられないのだった。

(大阪・堺東の大盛況。今井のアップで申し訳ありません 1)

 

 注文したのは、「ジンギスカン」「レバーもやし炒め」「チャーハン」「餃子2皿」。「オマエ単独でそれ全部ホントに食べられるのか?」というたいへんな分量、いま写真を眺めても、確かに常軌を逸している気はする。

 

 しかしそれ以上に常軌を逸した行動として、実は諸君、この翌日もまたこの「六波羅飯店」を訪ね、お店のオバサマとも言葉を交わして、何だかすっかり仲良くなった。今井君お得意の「ツンデレ&デレデレ」であるが、この日はさすがに初めての訪問だ。「ツンデレ」の最初の「デレ」だけにとどめておいた。

(大阪・堺東の大盛況。今井のアップで申し訳ありません 2)

 

 夕暮れから、大阪府堺東で公開授業。大阪難波から南海電車で15分ほど、堺東は今や、西宮北口・天王寺・京都駅前と並ぶ近畿圏の塾のメッカであって、駅前の雑居ビルはほとんどが塾に占拠されている。

 

 ワタクシの公開授業会場は「フェニーチェ堺」。各種ライブコンサートや講演会が連日開催される大きなハコモノである。公立なら三国ケ丘高、私立なら清風南海高、名門も近くに数々ひしめいて、公開授業はいやが上にも盛り上がる。

 

 出席者、約170名。ただし「会場全体が見渡せるような写真をお願いします」とお願いするのを忘れてしまい、我がスタッフが撮影した写真は、残念ながらサトイモ今井のアップだけだった。マコトに申し訳ないが、今回はこの2枚で勘弁してくれたまえ。

 

1E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2

2E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 1/2

3E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 2/2

4E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.3, No.5 & No.8 

5E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.9

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