Sat 230610 江ノ島イカ1号&2号/リポビタンの「D」とは?/食欲が完全復活 4383回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 230610 江ノ島イカ1号&2号/リポビタンの「D」とは?/食欲が完全復活 4383回

 ワタクシが民放テレビを熱心に眺めていたのは20世紀の終末までであって、1991年あたりから滅多やたらに忙しくなったから、テレビを見るとしてもせいぜいNHKないしNHK-BS、だから「テレビCM」と言ふシロモノとはすっかり縁遠くなった。

 

 とは言ってもやっぱり、大学最終学年の10月1日に「どうしても電通に就職しよう!!」と思い立ったぐらいだから、CMの世界が大好きであることは間違いない。忘れもしない。学部卒業まで残りわずか6ヶ月の10月1日、もうみんな内定ぐらい獲得していたであろう電通の入社説明会に、今井君は初めて出かけてみた。

 

 だって(おそらく)みんなもうとっくに内定をもらっているんだから、説明会はマコトに穏やかな雰囲気。電通が制作した有名なテレビCMを次々とスクリーンに映して、就活生たちもみんなで明るく笑いさざめくというスタイル。「今日が初めての電通訪問です」などというフザけたヤツは、もちろん今井君ただ1人だった。

 

 あの日スクリーンに映し出された中に、大正製薬「リポビタンD」のCMが入っていたかどうか、今はもちろん記憶がない。そもそも電通制作だったのかも知らないし、CMとして名作だったのかどうか、判断がつきかねる。

   (江ノ島「遊覧亭」、5月30日のイカ丸焼き1号)

 

 しかし当時流行していたアーティスティックな名作ではないとしても、「ファイト、イッパーツ!!」の決め台詞で押しまくるスタイルは、芸術性なんかいっさい度外視して、とにかく消費者の心をグイッとつかむ、CMの基本ないし原点、あるいはお手本としてきわめて優れていた。

 

 歴史を辿れば、やっぱり世界のホームラン王・王貞治選手あたりから始まるのである。ブレイクしたのは、勝野洋と宮内淳のコンビ。その後の「ファイト、イッパーツ!!」は、真田広之に渡辺裕之(ダブル・ヒロユキ)、西村和彦にケイン・コスギに宍戸開。DNAは着々と受け継がれて半世紀、今はとうとう木村拓哉が登場しているらしい。

 

 筋肉隆々の男たちが、「ほぼ♡無謀」という冒険に、次から次へと臆することなく挑んできた。垂直の岩壁をよじ登り、濁流を漕ぎくだり、暴走するトロッコを止め、駆け回る馬を乗りこなし、崩れていく吊り橋から脱出し、鉄道線路から巨大な倒木を取り除き、倒木の橋をかけて奈落のような深い谷を渡った。

 

 そして最後に、たくましい落ち着き払った男子の声で「タウリン1000mg配合」の一言。「タウリン」とは何か、そもそもリポビタンDの「D」とは何者であるか、まさか「Delicious」のDとは思わず、あるいは「Dynamic」の「D」でもあるとも知らず、「1日何本まで飲んでも大丈夫なんですか?」とか、みんなホントに無邪気にたった1瓶で目いっぱい元気になった。

(江ノ島「遊覧亭」のイカ丸焼き2号と、釜揚げしらすの光景。ビールのCMとしてもベストなシーンだ)

 

 今井君の授業中の定番トークに、「栄養剤のハナシ」があった。5月下旬から6月いっぱいの受験生は、もう体力も精神力も知力も限界だ。だって今からホンの10年前までの予備校英語は、6月になってもまだ「SVOCが重要」とか「5文型がわかれば英語は分かる」とか、奇跡的なほど古色蒼然としたことを夢中でやっていた。

 

 だから今井君としては、少しでもいいから受験生たちを元気にしようと、せめて栄養剤の話でもちょっと息抜きに挟み込んで、「飲んだつもりで元気になる効果」を狙った。

 

「どうしてあんな危険な冒険をし終わった『後で』飲むんだろう」「危険な冒険を始める『前に』飲んだ方が効果的なんじゃないか?」と授業の中で疑問を呈すると、マジメな顔の男子がすぐに講師室を訪れて「タウリンって、冒険の後の疲労回復のために飲むんですから、冒険の前じゃダメなんですよ」と親切に教えてくれたりした。いやはや暢気な時代だった。

(江ノ島「遊覧亭」のイカ丸焼き2号と、釜揚げしらす。サザエの壺焼きも参戦。昭和まるだし、後方の小あがりテーブルとともに、ビールのCMとして間違いなくベストシーンだ)

 

 そしてリポビタンは、ライバルたちも次々と退けた。「男には男の武器がある」の「アルギンZ」、「24時間戦えますか」でバブルの象徴になった「リゲイン」、「さんさん30代も、グロンサン」の「グロンサン」、他に「グロモント」「エスカップ」「チオビタ」「アリナミンV」、枚挙にいとまがない。

 

 しかしやっぱり「ファイト、イッパーツ」で一点突破を貫く戦略が功を奏した。価格帯として4倍も5倍もする「ユンケル」と「サモン」後継の「ゼナ」は、リポビタンとはターゲットを別に設定する戦略をとって、リポビタンに駆逐されることなく生き残った。

 

「オロナミンCがライバル」と考える人が多いが、あれはあくまで「清涼飲料水」のカテゴリー。リアルゴールド・タフマン・チョコラBB・レッドブルの類いだ。漢字で攻める戦術もあって、「眠眠打破」がそれ。そのまたライバル「メガシャキ」のインターネットCMに、今井君が登場したこともあった。

(江ノ島「遊覧亭」から、夕陽に照らされる太平洋が美しい。対岸は、茅ヶ崎・大磯・二宮・小田原のあたりだ 1)

 

 さて、いったいどうしてこんな話に目いっぱい盛り上がっちゃたのかというに、やっぱりホンの短期間でも「電通」に在籍した今井君の若き血が騒ぐのかもしれない。

 

 ヤフーニュースなんかをネロネロだらしなく眺めていて、「イカにはタウリンが豊富」「イカのタウリンで寿命が伸びます」という記事を見つけたら、なんだか急に嬉しくなった。

 

 だって諸君、5月30日のワタクシは、鎌倉・明月院のアジサイとハナショウブに感動&感激した後、先週訪れたばかりの江ノ島「遊覧亭」にまた腰を落ち着け、大っきなイカの丸焼きを2ハイ、「1号」「2号」と名付けて遠慮なくワシワシ貪ったのである。

(江ノ島「遊覧亭」から、夕陽に照らされる太平洋が美しい。対岸は、茅ヶ崎・大磯・二宮・小田原のあたりだ 2)

 

 今日の1枚目の写真を、ぜひもう一度眺め直していただきたい。大きな大きな、実に充実したイカ丸焼き1号だった。こんなに充実していたんじゃ、丸焼き1切れにタウリン1000mgぐらい配合されていたんじゃないか。

 

 デリシャスでダイナミックなリポビタンD1本で1000mg配合のタウリンなんだから、このイカ1パイで5000mg? 8000mg? 何だかそれを思っただけで、酔っ払った今井は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

(小田急・片瀬江ノ島駅で、美しいクラゲ君たちと遭遇する 1)

 

「3皿目も行っちゃうかな?」と、店のオバサマと目を合わせよう&目を合わせようと頑張ってみたが、釜揚げしらす、サザエのつぼ焼き、そこまで運んできたところで、オバサマもさすがに今井に恐れをなしたか、厨房の奥に入ったまま、なかなか出ていらっしゃらない。

 

 ま、ワタクシはそのぐらい困ったオジサンなのである。何かがスゲー気に入って、「もう1皿オカワリ」「さらにもう1皿」と勢いがつき始めると、もう誰にも止められない。博多中洲の名店「河太郎」で、いけすを泳ぎ回るイカ3匹の命、全て刺身で容赦なく奪ったこともあった。

(小田急・片瀬江ノ島駅で、美しいクラゲ君たちと遭遇する 2)

 

 しかしこの2年か3年、あのバカバカしい食欲もしょんぼり下火になっちゃった。コロナ&コロナで丸3年、日本国内で大人しく寂しく逼塞しているうちに、胃袋も小腸もすっかり収縮して、何だか「固いもの」「噛みごたえのあるもの」への野蛮な欲望と欲求の炎が、まさにいま消滅寸前のアリサマになっていった。

 

 400グラムのステーキを嚥下した後、同じ400グラムのハンバーグも胃袋に流し込んで、佐賀県唐津の店のマスターを驚かせたあの激烈な食欲はどこに行ったんだ? アルゼンチンのステーキ屋「エスタンシア」のオヤジ♡ウェイター諸君を狂喜させた、あの日本人離れした咀嚼力と嚥下力はどこに消えたのだ?

 (今年も江ノ島、2度も訪問して、サイコーに楽しかった)

 

 だが読者諸君、安心してくれたまえ。どうやらこの江ノ島の旅の頃から、ワタクシ一気に復活してきたようなのだ。「ハラヘッタ」と朝から叫び、「肉、喰いてえ」「魚、喰いてえ」、まさに昭和の男子中高生よろしく、元気なヨダレを止められない。おお、自分で自分がおぞましくなるぐらいだ。

 

「さてそろそろワタクシ、もうコロナのしょんぼりはオシマイにしましょう」「これからはワシワシ食べまくりますぞ」と、ほとんど腕まくりしそうな勢い。実はついさっきも、大っきな鶏の唐揚げを6つ、ほとんど飲み込むように胃袋に流し込んだばかりだ。

(片瀬江ノ島発、新宿行きの特急「えのしま」車内。いやはや、他には誰も乗っていない)

 

 5月30日の江ノ島では、今からもう10日も前のことだから、まだ「復活のきっかけを掴んだばかり」「復活の糸口を見つけたばかり」という程度。ワタクシも遠慮して、イカ丸焼き2皿、釜揚げしらす2皿、サザエのつぼ焼き1皿、その辺でヤメにして、帰りの電車に向かった。

 

 江ノ島からの帰りは、片瀬江ノ島駅始発、1日にたった2本だか3本だかしかないマコトにレアな小田急の特急電車でゆったりと新宿に向かう。

(江ノ島からの帰りの定番は、ソーセージの揚げパン。江ノ島から藤沢に着く前に、もうとっくに平らげている)

 

 片瀬江ノ島駅前の小さなコンビニで、油で揚げたソーセージパンを1個購入。ガラガラの電車の座席でそれをむしゃむしゃやるのが定番なのだが、そういえばこの3年、鎌倉に小さな旅をしても、「胃袋に入れたのは丸1日でこのパン1つだけ」などということもあった。

 

 この3年、どれほどしょんぼりしてしまっていたか。今思えば、ガッカリ&ションボリ → すっかりしぼんじゃって、ホントに情けない日々を過ごしてきた。

 

 それをどう挽回するか。昔の時代劇なら「とにかくメシを食え」「いいから黙って食え」と、先輩方に急かされながら、ドンブリ飯にお茶をかけてザクザク、激しくメシを何杯も掻き込むところである。

 

1E(Cd) King’s College Choir:ABIDE WITH ME(50 Favorite Hymns) 1/2

2E(Cd) King’s College Choir:ABIDE WITH ME(50 Favorite Hymns) 2/2

3E(Cd) Bobby Caldwell:BLUE CONDITION

6D(DMv) THE BANK JOB

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