Thu 230601 京都府立植物園のオオサンショウウオ/植物園が危機であるらしい 4375回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 230601 京都府立植物園のオオサンショウウオ/植物園が危機であるらしい 4375回

 昨日は更新を怠り、マコトに失礼した。5月16日から15日間、毎日書き続けてさすがのワタクシも少々疲れてしまった。

 

 雨が降るんだか降らないんだか、中途半端な天気の中、ふと「東京湾を一周してこよう」などというツマランことを思いつき、しかしどんなにツマランことでも実行に移してしまうのがサトイモ入道の悲しさ、朝10時にオウチを出て、ホントに東京湾をグルリと一周、21時すぎに帰ってきた。

 

 まあその詳細はまた半月後ぐらいにここに詳述することにして、東京・丸の内 → 横浜 → 横須賀 → 久里浜 → 東京湾フェリー → 浜金谷 → 千葉 → 東京・京橋というコース。いやはや前半はともかく、後半の電車の旅はいささか飽き飽きしてしまった。

 

 横須賀で「海軍カレー」を貪り、京橋でクロアチア料理をいただき、赤ワイン1本をカラッポにして帰ってきたら、さすがに「今日も今日とてブログを更新しよう」という殊勝な気持ちにはなれなかった。

(4月24日、京都府立植物園ではボタンの花が盛りを迎えていた 1)

 

 京都の府立植物園に、おそらくは鴨川だか賀茂川だかからオオサンショウウオが侵入してきたんだという。オオサンショウウオとは、昨年の夏に京都水族館で遭遇してきたばかり。こういう希少生物とは、水族館でしかお目にかかれないものと誤解していた。

 

 それでも京都の人々は「鴨川か、賀茂川か」にもこだわりがあるらしく、まずはその問題で侃侃諤諤(かんかんがくがく)。その後は「このオオサンショウウオが純粋国内種か、中国からの渡来種か、両者の交雑種か」で喧々囂々(けんけんごうごう)。なかなか難しい人々ではある。

 

「侃侃諤諤」と「喧々囂々」の違いについては、ぜひ諸君、辞書を引くなりネット検索するなりして、しっかり確認し、学習しておいたほうがいい。AI君に笑われる。面接試験でも嗤われる。「笑う」と「嗤う」も、やっぱり調べておいたほうがいい。

 

 京都の人に限らず、日本の人々にはホントに難しい人々が多くて、その辺のことを知らないと「何にも知らないんだな」と、確実に失笑される。失笑・冷笑・憫笑・嘲笑、ワタクシがよく文章の中で使用する4つのイヤらしい笑いについても、やっぱり調べたほうがいい。

(4月24日、京都府立植物園ではボタンの花が盛りを迎えていた 2)

 

 そこからさらに

「オオサンショウウオは、噛みつくよ」

「噛みつくと、雷が鳴るまで離さないよ」

「それはスッポンの話でしょ」

「ツチノコって、コイツのことじゃないの?」

「食べると旨いかも」

「うなぎのような味だよ」

とか、植物園のオオサンショウウオについて、もう果てしなく話が広がっていく。

 

 スッポンに噛みつかれる話は、十返舎一九「東海道中膝栗毛」の中にも出てくる。弥次さんだったか喜多さんだったか、東海道の旅の途中でスッポンに噛みつかれ、「いててててぇ」とのたうちまわるのだが、周囲は「雷にでも鳴ってもらわねえと、離すことはなかんべえ」と遠巻きにせせら笑う。

 

 ところがその中に1人、マコトに賢い土地の人がいて、

「スッポンに噛みつかれたら、その指とスッポンをタライの水につけるといいだ」

「水につければすぐに放してくれるべえ」とアドバイスをくれる。弥次さんだか喜多さんだかはすぐにその言葉に従い、救われる。どこにでも、賢くて優しい人はいるもんだべさ。

 

 このMac君はマコトに気難しくて、「じっぺんしゃ」か「じゅっぺんしゃ」かにも、物凄くこだわりがあるらしい。「じっぺんしゃ」ならすぐに「十返舎」と変換してくれるが「じゅっぺんしゃ」では諸君、変換は「10ぺん車」ときたもんだ。そりゃ諸君、酔っ払って帰ってブログ更新する気もなくなるわさ。

(4月24日、京都府立植物園ではボタンの花が盛りを迎えていた 3)

 

 賀茂川だか鴨川だかからオオサンショウウオが侵入してきたというこの京都府立植物園、現在もっともっと大きな騒動が持ち上がっている。

 

 日本最古の植物園であり、ワタクシも深く愛するこの植物園が、今や未曾有の危機の中にあるのだ。「みぞう」か「みぞうゆう」かで日本の政界がモメたことがあったが、もう今はそんなことはどうでもいい。

 

 ワタクシの植物園♡愛がどのぐらい深いか、諸君には理解も納得もできないだろうが、何とワタクシ、京都府立植物園「年間パスポート」の所有者なのだ。

 

「は?」であり「え?」であり「アホちゃうか?」であろうけれども、東京都民であり、渋谷区民である今井君が、京都府立植物園の年間パスを所有しているというその事実だけで、ワタクシの深い深いマリアナ海溝よりも深い愛を理解してもらえると信じる。

(4月24日、京都府立植物園ではボタンの花が盛りを迎えていた 4)

 

 危機というのは、植物園の南側に隣接する京都府立大学に、新しい大ホールを建設する計画があるというのだ。それが完成してしまうと、植物園南側の日当たりが悪くなり、植物の生育に大きな影響を受ける。

 

 ワタクシと同じように年間パスをもち、毎日の散歩にここを訪れる人々が、一斉に建設反対を叫び始めた。新しいものができるのも素晴らしい、しかし古いものとの共存を図るのが京都のホントの素晴らしさじゃないか、そういう意見である。

(4月24日、京都府立植物園ではボタンの花が盛りを迎えていた 5)

 

 さすがに今井君は、「毎日」「毎朝」散歩に訪れることはできない。そのためには京都の北山か北大路か、せめて松ヶ崎か岩倉か、そのあたりに引っ越さなきゃ無理だ。

 

 しかし、梅が咲けば梅を見に、桜が咲けば桜を見に、チューリップが咲けばチューリップを眺めに、秋のバラが咲けば秋のバラのカホリを楽しみに、ヨソモノとしては驚異的な頻度でこの植物園を訪ねる「花活おじさま」だ。竹や睡蓮やサルノコシカケの位置も熟知しているし、温室の中なんか、ほとんど暗記しているぐらいだ。

 

 だからやっぱり「大ホールの存在で日照が遮られる」「生育に影響がある」などということになっては困るのだ。日照が少ないと、例えば梅がウドンコ病にかからないか、カイガラムシが発生したりしないか、病虫害の発生と蔓延が一番心配だ。

   (ドイツアヤメ。日本のアヤメより2回りも大柄だ)

 

 むかしむかしオウチの庭に、ヒメシャラの木が1本生えていた。日当たりと風通しの悪い場所で心配していたのだが、ある時ミノムシが3つ高い枝からぶら下がっているのを発見した。

 

「ミノムシだ」「ミノムシだ」「ミノムシだ」と、それこそ「アホちゃうか?」ぐらいにハシャいでいたら、翌年の夏から盛んに葉っぱが食い荒らされるようになり、ということは光合成が妨げられて、ヒメシャラの木はずんずん痩せ衰えていった。

(京都府立植物園にて。森の中の散歩の気分を満喫できる)

 

 そこから、庭中の木々がどんどん健康を害していった。「エゴの木」も1本元気に生えていて、エゴの花にはたくさんのアブが集まってきて剣呑なのが玉にキズなのだけれども、とにかく元気に生育していた。

 

 ところがこのエゴどんも、ヒメシャラどんが病気になった直後から調子が悪くなった。日当たり、風通し、この2つは植物にとっての生命線なのである。

 

 というわけでワタクシ、「大ホールの建設で日当たりと風通しが悪くなる可能性がある」と耳にした途端、もう心配で心配でならないのだ。

 

 植物園では、植物を心底から愛するたくさんの人が、毎日懸命に働いているのを知っている。真夏の京都の強烈な日差しの中で、泥まみれ&汗まみれになって働いていらっしゃる。彼ら彼女らががっかりするような事態にだけは、絶対にしないでいただきたいのだ。

 

1E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 1/2

2E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2

3E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 1/2

4E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 2/2

5E(Cd) Menuhin:SCHUBERT/SYMPHONY No.3, No.5 & No.8 

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