Thu 230518 夏期講習の申込みが華やかだった頃/とうすん/京都の夜桜で震える 4362回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 230518 夏期講習の申込みが華やかだった頃/とうすん/京都の夜桜で震える 4362回

 いやはや今日もまた暑い1日だった。こんなに暑くていいはずはない。東京や京都で30℃を超えたとか、東海や関東や東北で35℃を超えたとか、そんなのは完全に常軌を逸している。

 

 ついでに、投資家のヒトビトには申し訳ないが、今日1日で日経平均株価が480円も上昇、「あれれ、このまま4万円に向かって突き進むの?」という株価もまた異様。「NISA & NISA」の大合唱は今日も続いているが、もう少し「堅調」という雰囲気の、なだらかな上昇曲線がいいんじゃないか。

 (4月3日、満月の京都府立植物園で夜桜を満喫する 1)

 

 5月18日といえば、むかしむかしは予備校の夏期講習の申し込み開始の日。佐々木ゼミ(仮名)でもどうすんだい?(仮名)でもPretty塾(仮名)でも、前の日の晩から受験生が徹夜で長い列を作り、朝一番の申し込み開始から、超人気講師の講座はあっという間に満員〆切になった。

 

 21世紀の受験生諸君は、おそらくその辺ほとんど理解不能かもしれない。夏期講習の申し込み前夜、本当に徹夜の列が本部校舎の周囲にぐるぐる何周もトグロを巻いて、午前9時の受付開始から十数分で、もう「〇〇講師の講座は全て満員〆切になりました」の貼り紙が出された。

(京都府立植物園にて。ワタクシはここの年間パスポートを所持している 1)

 

 地方の受験生は、都会にいる叔父さん叔母さんやら、一足先に都会に出た兄&姉に頼み込んで、その徹夜の列に並んでもらったりしたのである。

 

 もしも運良く申し込めれば、叔父叔母や兄姉から「電報」が来る。「オメデトウ、ブジモウシコメマシタ」。〆切に間に合わないと「ザンネンムネン。シメキリニマニアワズ」。大学に合格か不合格かよりも、熱い熱いあまりに熱い予備校講座申し込み合戦が、5月の夏期講習申込日には戦われたのである。

(京都府立植物園にて。ワタクシはここの年間パスポートを所持している 2)

 

 諸君、「大げさだ」「ウソだ」とニヤニヤ、20世紀の予備校の熱気を知らなければ「そんなの絶対ウソ」と失笑するだけだろうけれど、今やすっかりサビれてしまった代々木や御茶ノ水の予備校の周囲の街は、何と20世紀終盤まで、そんなお祭り騒ぎの舞台だったのである。

 

 あれを知っているからこそ、みんな予備校講師に憧れた。要するにスターだったのであり、タレントさんやシンガーやお笑い芸人になるより、「予備校講師になりたい!!」と目をキラキラ輝かせる知的な若者のほうがずっと多かった。

(小リップ。小リップと、中リップと、大リップがあり、これは小リップの代表選手だ♡)

 

 しかし諸君、20世紀の5月中旬から下旬は、まだまだ肌寒い日が多かった。テレビのニュースなんかが夏期講習の徹夜の列を中継し、「初夏と言ってもまだ5月、寒さが身にしみる徹夜の申し込みは、予備校生たちもたいへんです」とか、からかい半分&面白半分でコメントすることもあった。

 

 近くには、温かいうどんやそばの屋台も出たし、21世紀の若者諸君は信じられないだろうが、列に荷物を置いていわゆる「場所とり」をした上で、居酒屋で一杯引っ掛けてくるようなヤツだって、当時は少なからず存在した。まだその辺のことを大目にみる世の中だった。

(1本の木に、赤い花と白い花が咲く。だから「源平」と呼ばれる 1)

 

 そんな時代だから、予備校に通う若者が主人公の映画というのも少なくなかった。中上健次原作、藤田敏八監督「十八歳、海へ」だったか、いや柳町光男監督の「十九歳の地図」だったか、ちょっと忘れてしまったが、まさにその「夏期講習」が舞台の映画があった。まあ諸君、いろいろググって調べてくれたまえ。

 

 そんなふうにして徹夜で列を作って、夜の寒さに耐えるために熱い蕎麦やうどんをすすり、ついでに熱燗を1本も2本も引っ掛けて、「それで結局どういう授業を受けたのか」、それもこの映画であまりにもハッキリ分かり、あまりのクダラン授業内容に、21世紀の受験生はひっくり返るほど驚くと思う。

(1本の木に、赤い花と白い花が咲く。だから「源平」と呼ばれる 2)

 

 これもまた記憶に頼るのであるが、何しろ今井君の記憶だ、その強固さたるやプラチナどころかダイアモンドレベル、おそらく間違いはない。

 

 映画の主人公が、愛媛県今治から夏期講習のために短期上京し、姉のアパートに転がり込んで受ける夏期講習の予備校は「御茶ノ水ゼミナール」。実際に今も東京・水道橋に同名の塾が存在するが、その塾とは一切関わりない。

 

 永島敏行と森下愛子という伝説のコンビが見事に演じていた。小林薫も出演、(新人)ということになっている。今治からの受験生が永島敏行、その相手役の美少女が森下愛子だった

 

 要するに、「どうすんだい?」の所在地・御茶ノ水と、かつて日本最大の予備校だった「佐々木ゼミナール」とを、冗談半分にくっつけて作った(仮名)に過ぎないのであるが、まあ小説だ、まあ映画だ、そのぐらい許してあげていいじゃないか。

 (4月3日、満月の京都府立植物園で夜桜を満喫する 2)

 

 もしも「そんなの許してあげない!!」とプンプンする人たちがいるとすれば、「御茶ノ水」と「ゼミナール」のどちらにも入れてもらえなかった「河」関係の人々、「Pretty塾(仮名)」の人々かもしれない。

 

 なぜ「御茶ノ水」と「ゼミナール」だけで「河」が仲間はずれになっちゃったのかと言えば、それは仕方ないだろう、原作の小説が1977年、映画の封切りが1979年。その当時はまだ「河」の字のつく予備校が、東京ではマイナーな存在だったのだ。

 (4月3日、満月の京都府立植物園で夜桜を満喫する 3)

 

「Pretty塾(仮名)」の東京進出は、1970年代の終盤。名古屋での大繁盛は誰もが知っていたが、当時の東京や近畿の人々から見ればまだまだ「だってあそこは、名古屋だけだろ?」という存在だった。

 

 東京世田谷区・東北沢の駅近くに初めての首都圏校舎を開校した時には、さすがに御茶ノ水の人々や佐々木ゼミの人々も「おお、とうとうPrettyちゃんが東京に来たか」と目を丸くした。

 

 それからまもなく半世紀。「実際には東北沢なのに、駒場校を名乗るの?」とみんなが首を傾げた河合塾駒場校は、2008年に閉校になって、今は老舗の材木会社のオフィスに転用されている。

 (4月3日、満月の京都府立植物園で夜桜を満喫する 4)

 

 そういう事情があるから、1979年制作の映画の中にはさすがに「東京の予備校」として「河」の文字は登場しない。首都圏に進出する以前の話だったのである。

 

 もし2023年に同じような映画を制作するとしたら、予備校の(仮名)はどうしたらいいだろうか。「駿」と「河」、今でも世間のオトナたちが「2強」と捉えている2文字は、どうしても入れなきゃいけない。

 

 ションボリしぼんじゃったとは言え、かつての栄光を考えればやっぱりどうしても「佐々木ゼミ」、映画やドラマの(仮名)ならちょこっと入れてあげたい。何というタイトルだったか、30年も昔に大流行したマンガでは「駿河合ゼミナール」という予備校が登場した。テレビドラマにもなった。

         (夜リップの皆さん 1)

 

 しかし2023年、さすがに我々の存在を忘れてもらっては困る。どこかに「東」の文字を入れてなきゃ、予備校の(仮名)として成り立たないじゃないか。

 

 そこでこの今井君が、小説家や映像作家の皆様に推奨する予備校の(仮名)は、「東駿河ゼミナール」。どうだい、「ひがしするがゼミ」、「ひがしするが」を略して「とうすん」。おお、「とうすん」、いい発音じゃじゃないか。「どうすんだい?」の人々のメンツとプライドだってくすぐれる。

         (夜リップの皆さん 2)

 

 ところで諸君、実は今日のワタクシは、こんなことを延々と書くつもりではなかったのだ。「5月の夜はもっとずっと寒かったはず」というところから、グイッと話を京都の夜の夜桜見物の方に展開し、4月3日の夜の京都がどれほど寒かったか、それを語るつもりでいたのだ。

 

 4月3日の今井君は、銀閣寺そばの「ゴスペル」で長すぎるヌン活の光景に一驚を喫し、快晴の岡崎&黒谷を踏破して平安神宮にいたり(昨日の記事参照)、夕暮れから北山の「京都府立植物園」に入って、夜のチューリップと、夜の温室の熱帯植物を堪能し、満月の夜の夜桜を満喫した。

 

 しかしやっぱりまだ4月3日、京都北山の夜の冷え込みは、20世紀の予備校の夏期講習申込日の徹夜の冷え込みよりも、もっともっと厳しかった。そういうストーリーにまとめ上げようと考えていたのだった。

 

 でも、もう遅い。ストーリーはあっちへ飛び、こっちへ飛躍し、世界中の生成AI諸君がどんなに論理的な思考で今井を追い詰めようとしても、論理の手をスルリとかわす飛躍と逸脱をとらえきれず、ついには悲鳴をあげて崩壊するような、そんな記事を今夜もまた作成したのである。

 (4月3日、満月の京都府立植物園で夜桜を満喫する 5)

 

 ただ1つだけ、4月3日の京都北山のあまりの寒さに凍えそうになった今井君が、たった1つ「論理的な、あまりに論理的な」というニーチェ的行動をとったことだけを、ここに記録しておきたい。諸君の灰色の脳細胞が、今井の明晰な論理に追いついて来られることを切に期待する。

 

 京都北山の4月の夜は、油断しているサトイモには耐えられないほど寒い。寒さに耐えるには、熱く熱した液体を胃袋に流し込むのが1番だ。熱した液体には、十分なアルコールが含まれているのが望ましい。

 

 植物園がある北山からは、「北大路」の駅まで地下鉄でたった1駅だ。そこには、アルコール入りの熱い液体と、400円以下で貪り放題の熱いオボロ豆腐と、うまい蕎麦やうどんとが、もうもうと湯気を上げながら、凍えそうな人間たちを待ちうけている。

 

 以上から導かれる論理的帰結を諸君、導いてみてくれたまえ。いったい今井がどんな行動をとったのか、それが分からないような人を、ワタクシはあまり好きになれないかもしれない。

 

1E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.2

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 1/10

3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 2/10

4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 3/10

5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 4/10

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