Thu 230330 一冊の本、6日で一気に書きあげた/神戸のジャズ喫茶と中華料理屋 4341回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 230330 一冊の本、6日で一気に書きあげた/神戸のジャズ喫茶と中華料理屋 4341回

 ちょっと思うところがあって、いま新しい本を1冊執筆中。3月25日から書き始め、自分で厳しく締め切りを設定して「3月31日までに描き終えよう」と決め、ワタクシとしては前代未聞に集中して、どうやら今日3月30日、予定より1日早く書き終えることができそうだ。

 

 別にどこかの出版社から依頼されたものではなくて、どこから出版してもらうかは、これからいろいろ当たって決めるのであるが、とにかく1冊ちゃんと書き終えるのは、5年ぶりか? 7年ぶりか? 自分でもそれを忘れてしまうほど、ホントに長い間、怠け放題に怠けていた。

 (2月中旬、神戸三宮のこんなジャズ喫茶に入り浸った 1)

 

 すでに原稿はひと通り最後まで書きあがっていて、これから今日&明日と丸2日を、厳密な推敲に当てるつもりであるが、もしも「一通り最後まで書きあがる」というのを「脱稿」と呼んでいいとすれば、まさに先ほど午前8時半に脱稿。29から30日の朝8時半まで徹夜して、一気に脱稿したわけである。

 

 そのぶんこのブログの更新がおろそかになって、読者諸君には大いに心配をかけただろうが、長い付き合いのワタクシと諸君のことだ、ホントにしばらくぶりの脱稿について、諸君と大いに喜びを分かちあいたいと思い、徹夜のまままだ起きてこれを書き、きちんとご報告申し上げたいと思うのだ。

 (2月中旬、神戸三宮のこんなジャズ喫茶に入り浸った 2)

 

 これがまあ、以前から何度かこのブログにも書いてきた「もうひと花咲かせたい」「もうひと旗あげたい」という「ひと花」であり「ひと旗」の1回目であるのだが、その中身を読者諸君に具体的にお見せできるまで、まだもう少し時間がかかりそうだ。楽しみにお待ちいただきたい。

 

 なんだ、本1冊書くぐらいのことを「ひと花」「ひと旗」と言うんなら、これから「十花」でも「二十花」でも咲かせられる、「五十旗」でも「百旗」でも上げられる。ということは、もう「ひと人生」を生き直すこともできそうだ。いやはや、明後日からは新年度、次の新しい「ひと人生」ぐらい、ホンキで始めるのも悪くない。

    (神戸三宮で、こんな老舗のクスリ屋も発見)

 

 久しぶりの執筆を思い立ったのは、2月中旬から下旬のかけてのこと。2月8日から京都に滞在し、10日には京都駅前キャンパスプラザで250名規模の公開授業があり、そのまま15日まで宝ヶ池プリンスホテルに滞在した時のことである。

 

 ワタクシはその時、周囲の人々にも「これから1ヶ月、ワタクシとしては前代未聞に頑張ってみせるよ」と公言し、3月末日までそれこそ「前代未聞」の努力を誓った。

 

 今井君の誓言なんか、今までの人生で一度も守ったことはなかったが、おお今回は、書きあげた本の今後の売れ行きは全く別として、とりあえず執筆だけは、ちゃんと最後までやりぬいたのである。

(神戸元町「別館 牡丹園」の春巻き。オイシューございました)

 

 思い立った場所は、神戸のジャズ喫茶。京都宝ヶ池に宿泊していた1週間のうち、なぜか神戸に3回も遠出して、その3回とも神戸三宮のジャズ喫茶に入った。

 

 三宮の周辺に昭和の中頃から続いているジャズ喫茶は数軒あるのだが、今回ワタクシが選んだのは、薄暗い階段で地下に降りていく「Jam Jam」という名の老舗だった。

 

「ドアを開けばそこは昭和、ないし20世紀なかば」というマコトに懐かしい雰囲気の店で大音量のジャズを満喫しながら、「1冊書こう」「もうひと旗」と心を決め、「これから長い出張の東奔西走が始まるけれど、スケジュールとしては出張の終わりが3月23日。1日だけ余裕をみて、3月25日から一気に書き抜こう」と自らに誓った。

 (神戸「別館 牡丹園」の麻婆豆腐。オイシューございました)

 

 昭和の時代、東京のジャズ喫茶とかクラシック喫茶といえば、どこもみんなこの上なく気難しいオジサマの天下だった。店内で少しでも会話しようものなら「オマエは音楽の敵だ」みたいな厳しい視線で睨みつけられた。

 

 そういう厳しいオジサマが、1軒の店に数人「常連」として常駐していたから、あまりに怖くてなかなかジャズ喫茶なんかに入れたものではなかった。

 

 クラシックの名曲喫茶となれば、オジサマ1人の迫力はジャズ喫茶の5割増し、オジサマの数も5割増し、コワさはジャズ喫茶の数倍に達して、とてもとても若いモンの近づけるような場所ではなかった。

(神戸「別館 牡丹園」のチャーハン。オイシューございました)

 

 しかしあの時代から幾星霜、2023年2月の神戸のジャズ喫茶は、「リスニングスペース」と「会話スペース」に2分され、リスニングスペースのほうはやっぱりまだ厳しいオジサマたちに占拠されているとしても、会話スペースなら今井君みたいなシロートでも、何とか受け入れてもらえそうだった。

 

 というか、昭和ないし20世紀にコワゴワこういう店に闖入していた若者たちが、すっかり高級なオジサマに成長し、いまリスニングスペースを占拠しているのである。それならワタクシと同世代だから、ちょっとコワい視線を浴びても、別にそんなに怖くない。

 

 だからワタクシは、連日のように京都から神戸に通い、薄暗い「Jam Jam」の会話スペースのテーブル席で、懐かしいジャズを1時間も2時間も聴きまくった。するとマコトに不思議なことに、むかしむかしの執筆意欲が強く刺激されて、こうして短い時間で一気に1冊、書き終えることができた。ジャズ喫茶に、深く感謝する。

(神戸元町「別館 牡丹園」の海鮮焼きそば、ハードタイプ。オイシューございました)

 

 ジャズ喫茶の向かい側には、老舗の中華料理屋があって、その名も「別館 牡丹園」、歴史も由緒もある名店だ。最初はむしろワタクシは、ジャズ喫茶よりこの「別館 牡丹園」の春巻きを味わうのが目的で神戸三宮を訪ねたのだ。

 

「別館 牡丹園」のすぐ近くに、背中を接する位置関係で「本館 牡丹園」という店もある。「別館」と「本館」なら、普通「本館」のほうが格上で、「別館」はノレン分けか何か、「本館」にペコペコする立場か思うのだが、同じ「牡丹園」を名乗る本館と別館は、お互いに「完全に別物でございます」「混同しないようにお願いします」とツンツン、なかなか難しい間柄のようである。

(別館 牡丹園と本館 牡丹園の間には、長く熾烈な対立があるらしい)

 

 確かに、予約の電話をかけてみると、別館 牡丹園は「はい、別館です」との返事。「別館」だけ名乗って、「別館 牡丹園です」とは言ってくれない。もちろんワタクシはその類いの難しい関係に割って入るほどの大物でも何でもないから、訪問の主目的の春巻きを心から満喫して、それ以上は何にも突っ込まず、満腹の後はジャズ喫茶に逃れた。

 

 ただし満腹のためには、春巻きだけじゃもちろん足りない。チャーハンに麻婆豆腐、せっかくだから海鮮のたっぷり入った焼きそばハードタイイプも注文して、腹の皮がはちきれるほど目いっぱい貪った。

 

 どれもこれも「ホントにオイシューございました」であるが、特に春巻きについては、次回かまたその次の回ぐらいに「東西春巻き研究」と題して詳述し、春4月初旬には必ず巻き起こる食文化の対立と、その対立から発生する苦悩について、ワタクシなりの解決法を提示したいと思う。

 

「何を大袈裟な」とおっしゃるかもしれないが、食文化の対立とショックと苦悩は、大学の新入生や、思わぬ地方に配属が決まった新入社員にとっては、一生影響を与え続ける大問題にもなりかねない。「春巻き」だから「春4月に必ず巻き起こる」と続けるあたり、さすがに今井君、文才の豊かさに諸君も感激してくれたまえ。

    (神戸三宮駅から至近、生田神社に参拝する)

 

 三宮からは、生田神社が近い。徒歩で10分もかからない。生田神社の背後の「生田の森」は、一ノ谷合戦の時、源範頼が源氏の大軍を率いて本陣を置いたところ。ヒーロー義経の「鵯越の逆落とし」は「搦手(からめて)」の奇襲作戦に過ぎないので、本体はあくまで凡将と呼ばれた源範頼の軍だった。

 

 ワタクシはどこまでも天邪鬼だから、オキテ破りばかり繰り返した天才♨︎義経はあんまり好きではない。安定した世の中をしっかり運営し前進させているのは、オキテ破りのヒーローたちや、型破りの目立ちたがり屋ではなく、ガッチリと型にはまったごく平凡なリーダーたちなのだ

(生田の森。一ノ谷合戦時、源範頼はここで源氏の大軍を率いた)

 

 まあ諸君、例えば名画と呼ばれる「今を生きる」、時間があったらちょっと見てくれたまえ。

 

「Seize the day!!」と生徒たちに絶叫させる型破り先生の手腕はなかなか勇ましいけれども、もしこの先生さえいなかったら、シェイクスピア「夏の夜の夢」が大好きになってしまったあの男子は自殺なんかしなかったんだし、余計な波乱なしに平穏無事に一歩一歩みんなで前進、たくさんの花を咲かせ、たくさんの旗を立てていたんじゃないか。ワタクシはそう思って、ちょっと悲しくなるのである。

 

1E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3

2E(Cd) King’s College Choir:ABIDE WITH ME(50 Favorite Hymns) 1/2

3E(Cd) King’s College Choir:ABIDE WITH ME(50 Favorite Hymns) 2/2

4E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 1/2

5E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2

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