Sat 230211 秒読み4,3,2,1,0/Launch/奈良・一条と京都・茂庵 4321回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 230211 秒読み4,3,2,1,0/Launch/奈良・一条と京都・茂庵 4321回

 今回は、記念すべき4321回である。何を「記念すべき」なのかというに、千の位から一の位にかけて、順番に「4,3,2,1」、ちょうど秒読みのように数字が並んでいる。当然のことながら、次は「0」であり、NASAのロケット打ち上げなら「Launch!!」と勇ましく絶叫するところである。

 

 こういう秒読み回は、こんなに長くブログを書き続けていても滅多にあることではなくて、前回は3210回、「3,2,1,0」の時であるから、2016年ごろ。7年前、今の大学受験生が小6の頃のことだった。

(奈良「和食 一条」にて、漬物盛り合わせをいただく。オイシューございました)

 

 では「次回の秒読み回は?」となると、もちろん5432回ということになるが、いくらワタクシが執念深く&粘り強いサトイモであっても、さすがにこの風前の灯火のブログ世界で、5432回まで踏みとどまる強靭さは持ち合わせていない。

 

 だって諸君、5432回までには、まだまだ約1100回の更新が必要だ。毎年250回の更新を続けたとしても、4年半が必要。実現するのは2028年、もう大阪万博も終わり、高齢者の人口割合は急激に増大し、日本という老いた国のカジトリが、ますます困難になっている頃だ。

 

 というわけで、今日のこの秒読み回「4,3,2,1」はマコトに希少な大チャンスであり、ではそれに続く「0!!」「Launch!!」ではいったい何をLaunchするのか、その目的語を真剣に考えなければならない。

(近鉄奈良駅前のアーケイド街で、ワタクシは「和食 一条」を選択)

 

 ごくごく辞書的に言えば、「Launch!!」の意味は「始める」「着手する」「乗り出す」「開始する」など。「参入する」「船出する」「発進する」「発射する」「打ち上げる」なんかも追加、たいへん勇ましい動詞である。

 

 他動詞として使うには、もちろん目的語が必要であるが、この動詞の目的語には「明確な意図や目的をもった積極的活動」こそがふさわしい。新規事業への参入や、一大キャンペーンの開始、「ミサイル発射」は論外としても、宇宙ロケットの打ち上げ、壮大な宇宙探査計画のスタートなどが含まれる。

(奈良「和食 一条」にて、焼き鳥盛り合わせをいただく。オイシューございました)

 

 では、かく言う今井君が「4,3,2,1」の秒読み回の後、「0!!」「Launch!!」の勇壮な叫びとともに何を開始し、何に向かって発進しようとしているのか、ここでは今のところ発表できない。Launch計画は3つも4つもあり、いやはやウズウズ、腕が鳴りすぎて、ポキポキうるさくて眠れないぐらいである。

 

 そういうウズウズ期には、やっぱり長い旅をして心を静めるのが何よりであるが、コロナの3年で旅感覚はすっかり錆びついてしまった。

 

 2019年までは1年に4回、1年平均で60日も海外を闊歩していたが、この3年はひたすら国内、しかも出張旅行と常に何らかのカラミがあって、思うに任せない日々が続いた。

 

 もちろん北海道に九州に中国&四国も満喫したが、どうしても近畿の旅が増えるのは、日本の歴史を考えればやむを得ないところ。「オマエは京都に住んでるのか?」と尋ねられるほど、来る日も来る日も京都市内や京都近郊をほっつき回って3年が経過した。

(奈良「和食 一条」にて、出汁巻き玉子をいただく。オイシューございました)

 

「それではなぜ奈良訪問が少ないの?」と問われると、グッと答えに窮するのである。奈良がキライなわけではない。京都1200年、奈良1300年、鄙びた奈良の近郊を歩けば、卒業文集の「まなびや」よろしく、旅行ガイドブックの定番「まほろば」の文字が、我が明晰な頭脳を酔わせるのである。

 

 しかしやっぱり、奈良にはなかなか足が向かない。せっかく奈良への出張があっても、東大寺や興福寺の周辺をぶらついて、シカをからかうぐらいが関の山。すぐに大阪か京都の宿に舞い戻る。

 

 もちろん、秋篠寺とか浄瑠璃寺、大好きなお寺も少なくないし、薬師寺に唐招提寺に法隆寺、修学旅行の定番だって決してキライではない。當麻寺もいいですな。しかし思えば春日大社、この年になるまで一度も訪ねたことがなかった

(奈良「和食 一条」にて、ちくわの磯辺揚げをいただく。オイシューございました)

 

 だから、春日大社「万灯篭」ももちろん未経験のまま。社殿回廊内の1000の灯篭と、参道2000の灯篭、合計3000の灯篭に火が灯されるというのだから、正確には「万灯篭」ではなくて「三千灯篭」なのであるが、その壮観は想像するに余りある。

 

 昨年は3月に東大寺二月堂のお水取りも経験し、「さあいよいよ奈良」という次元に入りつつあるが、いきなり万灯篭では刺激が強すぎるから、11月28日のワタクシは「とりあえず初体験」ということにして、夕暮れの萬葉植物園と、万灯篭の模型を眺めるにとどめた。それが前回の写真1枚目である。

   (京都・宝ヶ池の散りモミジ、昨年11月29日)

 

 春日大社の長い長い坂道を降りてきて、高級オジサマの高級革靴のアンヨがそろそろ疲れ果てた頃、「奈良でメシでもゆっくり食べて、それから京都の宿に帰ろうかね」と思い立つ。しかし諸君、近鉄奈良駅前の賑やかなアーケード街を歩きながら、どうもヨサゲな店が見つからない。

 

 ワタクシの足が奈良になかなか向かないのは、この辺の事情が原因なのかもしれない。京都でも梅田でも心斎橋でも、「メシでも食おうかな?」と思ってぶらつけば、ものの5分も経たないうちにヨサゲな店が目に入る。しかし奈良では、そうは問屋がおろさない。

(京都の名店「茂庵」。吉田山の東斜面、鬱蒼とした森の中だ)

 

 そういう事情は、アングロサクソン系の都会でもおんなじだ。南欧系のローマにミラノ、マドリードにバルセロナ、アテネでもリスボンでも、「こりゃ旨そうだ」という店がいつでもこちらに熱視線を向けていて、空いたテーブルに黙って腰を下せば、笑顔のウェイターがすぐに飛んでくる。

 

 フランスでもベルギーでも、ドイツだってそうなのに、ロンドンやニューヨークとなると、そういうお店はなかなか見つからない。まだロンドンならパブという手があって、若干の内輪臭を我慢すれば何とかなるが、ニューヨークとなると、スーッと入ってあっという間に打ち解けるタイプの店は多くない。

      (京都「茂庵」近くの散りモミジ 1)

 

 11月28日、手頃な店を求めてずいぶん長くさまよった挙句、私が選んだ店は「和食 一条」、何の変哲もない居酒屋であったが、焼き鳥に出し巻き玉子に磯辺揚げ、全て「アタリ!!」でマコトに心地よかった。

 

 中でもシメに注文した「漬物の盛り合わせ」がよかった。行儀が悪くて申し訳ないが、ワタクシはどんなお店でも漬物盛り合わせで茶漬けをすする。

 

 それも「鯛茶漬け」とか「シャケ茶漬け」とか「梅茶漬け」とか、店のメニューにあるお茶漬けではなくて、お茶碗一杯の熱いゴハンを注文し、それに煎茶やほうじ茶や、烏龍茶でも構わない、とにかく熱いお茶をかけて一気にすするのである。

 

 こうなると、せっかくの奈良の「漬物盛り合わせ」だ、もっともっと奈良漬けがたくさんほしいところであるが、残念ながら諸君、奈良の地元の人たちは、奈良漬けの価値をあんまり高く評価していらっしゃらないのかもしれない。奈良漬けはたった1切れ。欲求不満がそこに残ってしまった。

      (京都「茂庵」近くの散りモミジ 2)

 

 翌日の京都は、晩秋の冷たい雨に降られた。雨の散りモミジが美しかった。ワタクシは午後から、吉田山の名店「茂庵」を訪ねてランチをいただいた。吉田山の西には京都大学の広大なキャンパスが広がっているが、「茂庵」はその吉田山の東斜面、鬱蒼とした森の中に茶室と食堂が点在している。

 

「茂庵」と書いて「もあん」と読む。ここのランチは、自ら厨房で調理するではなく、有名料理店「三友居」のお弁当を注文し、お客は晩秋の雨の風景を眺めながら、静かにお弁当をいただくのである。東向きのテーブルを確保すれば、雨の向こうに大文字が眺められる。

(京都「茂庵」にて、三友居のお弁当をいただく。オイシューございました)

 

 何しろ仕事と無関係の気楽な旅であるから、ランチでももちろんビールにワインも痛飲できる。ただし何しろ、あまりにも穏やかな雰囲気に遠慮が先に走り、「痛飲」というシチュエーションには至らない。

 

 美しい散りモミジの風景を眺めつつ、せいぜいグラスワイン2杯、いや「いそうろう、3杯目にはそっと出し」よろしく、今井君も3杯目のワインは恐る恐る、消え入るような声でそっと注文。美しい散りモミジというより、ちょっと悲しい散り落ち葉の気分を噛みしめたのであった。

 (京都「茂庵」、東側の窓から、秋の濃霧の大文字を望む)

 

1E(Cd) Coombs & Munro:MENDELSSOHN/THE CONCERTOS FOR 2 PIANOS

2E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 1/2

3E(Cd) Barenboim:MENDELSSOHN/LIEDER OHNE WORTE 2/2

4E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 1/2

5E(Cd) Barenboim & Chicago:SCHUMANN/4 SYMPHONIEN 2/2

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