Fri 230127 いくぞ、雪国マウント/春遠からじ/札幌、1100人の超大盛況 4315回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 230127 いくぞ、雪国マウント/春遠からじ/札幌、1100人の超大盛況 4315回

 1月24日、「10年に一度の大寒波」が始まったばかりの朝、ワタクシは京都に滞在していた。

 

 22日から短い旅に出て、22日は東山あたりの湯豆腐で温まった後、大徳寺「黄梅院」を散策。23日は午前中に京都府立植物園で早咲きの梅を眺めた。

 

 23日夜は大阪の国立文楽劇場で人形浄瑠璃を満喫。長堀橋の店でフグ鍋をつつき、ひれ酒と熱燗を6合ほど痛飲して、特急「はるか」で京都に帰還した。

 

 京都の宿はいつもの通り「宝ヶ池プリンスホテル」。何しろ北山の深い山の中だから、真夜中に帰還したワタクシは一息大きく空気を吸い込んで、「これはたいへんな積雪になるな」と直感した。

 

 予定では、翌24日は夕暮れまで京都に滞在して、17時ごろの新幹線で東京に帰るスケジュールだったが、幼年期と青年期18年を雪国♡秋田で過ごした今井君は、すぐに「こりゃいかん」と方針を転換。「こりゃ夕方には電車が止まる」「こりゃ昼頃までに京都を離れなきゃいかん」と、大急ぎで予約を変更した。

(春遠からじ。1月23日、京都府立植物園では梅が咲き始めていた 1)

 

 予定していた17時の新幹線から、12時ののぞみちゃんに変更。そのたった5時間の違いで、何しろ雪に弱い東海道新幹線だ、何が起こるか分かったものではない。「関ヶ原付近の積雪で、徐行運転をいたします」のアナウンスが入ったら最後、「もうピクリとも動かない」という事態になりかねない。

 

 京都のお空を見上げるに、正午ちょいの新幹線なら、まだ大丈夫そうだった。しかしすでにその時間帯、福岡など九州地方では激しい降雪に見舞われていた。博多発の新幹線だと、もう運休になりかねない。広島あたりも意外に雪が深くなるから、広島発ののぞみちゃんも避けたほうがよさそうだ。

(春遠からじ。1月23日、京都府立植物園では梅が咲き始めていた 2)

 

 ここは何としても、新大阪始発の列車を選択すべきだろう。欧米からの観光客グループやら、東京からノンキに上洛してきた修学旅行の大軍団やらで、お昼の京都駅は大混雑だったが、すかさずワタクシは新大阪からやってきた新幹線に乗りこみ、一路東京を目指した。

 

「ぎりぎりセーフ」という安心感があった。すでに京都駅ホームには強めの雪が舞い込み、雪の粒の大きさから「これは確実に5cm以上積もるな」と判断。関ヶ原での立ち往生に備えて、お茶1本、ビールと日本酒を数本、お弁当2種類、ついでだからホームでたまごサンドイッチも購入した。

 

 多すぎるかもしれないが、「何かあったら、すぐお弁当」というのは雪国出身者の常識。5時間も10時間も「列車ホテル」に閉じ込められる可能性は十分にあるから、弁当と水分は必ず多すぎるぐらいに買い込んで乗車する。もし残ってしまったら、百貨店の「駅弁フェア」にでも行ってきたことにすればいい。

(春遠からじ。1月23日、京都府立植物園では梅が咲き始めていた 3)

 

 JR京都線や琵琶湖線が立ち往生し、たくさんの乗客が電車内に閉じ込められる事態になったのは、その7時間後のことである。ワタクシはとっくに東京のお部屋に帰ってヌクヌク、30年前に購入した羽毛ぶとんにくるまって、スーパー寒波の暴風の音に耳を澄ましていた。

 

 狭い通勤電車内に7時間も10時間も閉じ込められた乗客の皆さんの疲労やら心労やらは、まさに察して余りある。混雑した電車の中で立ったまま、トイレだって我慢、空腹も渇きももちろん我慢、それでも騒ぎ出さない民度の高さにも感服する。

 

 そこで諸君、雪国出身者としてホンのちょっとマウントをとるのであるが、雪国マウントというより、正確には「古老の知恵」として素直に耳を傾けてほしい。

 

 JRしかない地域はどうしようもないが、私鉄が縦横に走っている都会であれば、

「雪が降ったら、JRに乗ってはいけない」

「雪が降りそうなら、少し不便な場合でも、必ず私鉄を選択したまえ」

(JR北海道、札幌駅にて。むかしむかしの質実剛健な国鉄は、やっぱり絶対の頼り甲斐があった)

 

 実際にあの日、関西の私鉄の多くは余裕で平常運転を続けていたのである。JR京都線を左右から挟むように並行して走る京阪電車と阪急電車も、雪野原と化した京都盆地を、平然と&悠然といつも通りに走り続けていた。

 

 35年前までの近畿の人は、みんな私鉄を選んだ。JRというか、その当時は「国鉄」であったが、「国鉄になんか、関西人は乗らへんで」と、むしろ国鉄をせせら笑うぐらい、それが近畿の人のキョージだった。阪急も京阪も、阪神も南海も近鉄も、設備でもサービスでも安定感でも、国鉄を上から目線で眺めるぐらいの勢いがあった。

 

「JR西日本」と言ふものが誕生し、何よりスピード優先の「新快速」が走り始めてから、形勢は逆転。福知山線であんな悲惨な大事故が起こっても、それでも何となく新快速に回帰する。あの異様なスピードにはやっぱり何らかの問題が隠れているように思えるのだが、人々はあまり意に介さない。

(列車の運行が心配な時は、とにかく駅弁を買いたまえ。札幌の公開授業会場で、長万部駅の「かにめし」をいただいた 1)

 

 そして、雪がたった5cm積もっただけで、動けなくなる。西大路駅と京都駅の間で立ち往生して、7時間も10時間も動けない。そんなの、歩いても移動できる距離だから、「外に出て歩きたい」という乗客がたくさんいるのも当たり前。東京なら、新橋 – 東京間ほどの道のりだ。しかし意地でもドアを開けない。

 

 とうとう車内アナウンスで「自己責任で」などと驚くべき発言をする。実は前日の23日夜、人形浄瑠璃を見た後でフグ鍋をつつきながら、ワタクシは太古の昔の友人とともに、「JR西日本が心配だ」「明日の大雪で何か困ったことになるんじゃないか」と話し合っていたばかりだ。

 

 翌日になって、国土交通省のお役人からJR西日本に「文書で指導」が入る。すると何しろオカミの権力にはマコトに弱いから、社長だったか誰だったか、ワザとらしい神妙なお顔で現れて、マスコミの人々には深く頭を下げる。しかしオカミとマスコミ以外の一般乗客には「自己責任で」と、木で鼻をくくったような皮肉で冷たい態度を隠さない。

(列車の運行が心配な時は、とにかく駅弁を買いたまえ。札幌の公開授業会場で、長万部駅の「かにめし」をいただいた 2)

 

「山科駅の地下通路で夜明かし」なんてのも、どう考えても酷すぎる。山科駅の地下通路は、ワタクシもしょっちゅう利用するからよく知っている。あそこは、寒い。スーパー寒波の暴風が、雪とともに無慈悲に吹き抜ける。

 

「どうしようもないだろ?」と言われても、やっぱり古老の知恵として「雪が降ったらJRは避けなさい」「雪が降ったら私鉄に乗りなさい」、これは忘れてほしくない。これからいよいよ受験本番、閉じ込められて受験機会を逸し、しかも「自己責任」とニヤニヤされては、心の傷はなかなか癒せない。

(駅弁だけでなく、パン類の購入も忘れずに。札幌、ホテル付属のセイコマートで、北海道名物「ちくわパン」を購入する)

 

 まあ諸君、ここまで強烈に寒くなれば、いよいよ冬の終わりが近いのだ。1月23日、京都府立植物園では梅がチラホラ咲き出していた。タクシーの運転手さんに尋ねたら、「北野天満宮の梅も、もう咲き出してますよ」とおっしゃる。まさに「春遠からじ」の季節である。

 

 それなのに、ブログ上の今井君はまだ11月23日の札幌をウロウロしている。もっと勤勉に、むかしみたいに毎日毎日欠かさず更新しなければならないが、いやはやいまだに左目の中には治療用ガスの大きな気泡が残っていて、「毎日書くぞ」という気力がなかなか湧き上がってこない。

(新千歳空港の通路で「あんバタサン」の広告を発見。「アンバサダー」をもじったネーミングがいいじゃないか。次の北海道旅行のお土産にいかが)

 

 11月23日の札幌は、1100名のスーパー大盛況だった。ただし、まだまだ「キャパ1/2ルール」は遵守しなければならない。カナモトホールに集結した1100名を、午前の部550名、午後の部550名に2分割してダブルヘッダーとした。

 

 カナモトホールは、別名:札幌市民ホール。NHK札幌支局に隣接する大ホールであって、キャパ1500名、北海道を代表する大ホールである。

(札幌の会場は、昨年と同じ札幌市民ホール。キャパ1500名の超大型ホールで、基調講演者が真剣にリハーサルに励んでいた)

 

 ぎゅっと詰め込めば、楽々1500名も入る入れ物に、午前550名、午後550名、1/2ルールを遵守するにはこの方法しかないが、後から写真で眺めると、やっぱり若干の寂しさは拭えない。

 

 昨年も書いたが、11月の札幌はすでに10年以上続けているワタクシの一種のライフワークであって、10年前に200名ちょいで始まった公開授業は、毎年100人ずつ参加者が増加、やがて「ついに600名突破」と歓声をあげていたら、昨年は「とうとう1000名を超えました」という大喝采になった。

 

「2022年には一気に1500名、札幌市民ホールを満員にしちゃいましょう」と、スタッフの皆さんも意気軒昂。「その頃にはコロナもすっかり収束して、大祝勝会だって可能になっているでしょう」と、2019年以来の祝勝会も視野に入っていた。

(11月23日、札幌1100名の大盛況。550人ずつのダブルヘッダーになった)

 

 しかし2022年11月、残念ながらコロナどんは、収束どころか第8波の真っただ中。「カナモトホール超満員♡」も「久方ぶりの大祝勝会♡」も、2023年秋まで待たなければならなくなった。いや、実際には2024年になるかもしれない。

 

 そうは言っても諸君、今井君がいったん舞台に立ってしまえば、キャパ1/2ルールの寂しさなんか、もう微塵も残らない。冒頭からボッと真っ赤な炎が燃え上がり、サトイモの頭からはもうもうと湯気の煙が上がり、会場はガラガラ感をすっかり忘れて大爆笑の渦となる。

(札幌のダブルヘッダーが終わって、ホテルに帰る。テレビ塔の時計が4時01分を示していた)

 

 中でも特筆すべきなのは、札幌のスタッフの用意周到ぶりだ。配布する資料も充実、パワポの資料も充実、今井の前に基調講演を行う若いスタッフの話術もマコトに巧みで、「基調講演30分」の予定を5秒も違えずにビシッと決めてみせるのである。

 

 ワタクシは意地悪だから、あえてその基調講演にたくさんツッコミを入れる。ツッコミが絶品なので、大爆笑のクオリティはますます上がる。ツッコまれたスタッフが気を悪くすることも一切ナシ。むしろツッコミの材料をワザと提供してくれて、「どんどんツッコミを入れてください」とニッコリ、爽やかに笑ってくれる。

(帰りの新千歳空港で、函館五嶋軒のホタテ入りカレーをいただく。オイシューございました)

 

 こういうふうだから、評判は評判を呼び、クチコミはクチコミを呼んで、すでに札幌のパパたちやママたちの間では、11月下旬の今井講演は定番というか伝統というか伝説というか、「受験生の親なら、一度はどうしても参加しなきゃ♡」という恒例イベントに成長しつつある。

 

「毎年100人増える」「200名だったのが、いつの間にか1500名を目指す」という10年かけての成功事例は、スタッフの皆さんと今井君との絶妙の掛け合いの中で、必然的に生まれてきたものなのだ。やっぱり自分でも、思わず「ライフワーク」と自画自賛したくなるのである。

 

1E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES4/6

2E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 5/6

3E(Cd) Solti & Chicago:BEETHOVEN/SYMPHONIES 6/6

4E(Cd) Kempe & Münchener:BEETHOVEN/SYNPHONIE Nr.6

5E(Cd) Karajan & Wiener:BEETHOVEN/MISSA SOLEMNIS 1/2

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