Fri 230106 仕事始めに感激/SEA SPICA/寄港地の記憶/キティちゃん 4310回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 230106 仕事始めに感激/SEA SPICA/寄港地の記憶/キティちゃん 4310回

 1月6日、夕方から吉祥寺のスタジオに出かけて、2023年の仕事始めを済ませてきた。とは言っても、まだ手術後の左目の視力はほとんどない。仕事始めはホンの2分ちょい。「受験生応援メッセージ」、2分15秒のごく短い素材を1本だけ収録して、すぐにスタジオを後にした。

 

 スタジオには、東進移籍以来18年、いっしょに仕事をしてきた懐かしいメンバーが勢揃いしてくれた。18年前はまだ30歳代に入ったばかりだったメンバーの皆さまも、すでに幹部に成長して貫禄も十分。「うちの娘がいま今井先生の『A組』を受講しています」と告げられると、気弱になっている今井君は、思わずホロッと熱い涙がこみ上げる。

(SEA SPICAの寄港地・下蒲刈島で「ねこ注意」の大きな看板を発見)


 前回の右目の方の網膜剥離は、2010年の11月だった。2018年ごろから今井君を担当してくれている英語科のスタッフなんか、あの2010年の頃にはまだ高校生で、今井君の授業を熱心に受講してくれていたはずである。

 

 ベテランスタッフの息子さんも、高校生時代に今井君の授業を「C組」からスタートして夢中で受講してくれた。都内の最難関私立大に「パパの後輩」として入学し、今年めでたく卒業、立派に就職も決まったとおっしゃる。これを書きながら、やっぱり涙がこぼれそうになる。

(SEA SPICAの寄港地・下蒲刈島を散策して、「松濤園」に立ち寄る)

 

 あの右目の手術から12年、2週間前の左目の手術も術後経過は順調で、あと4週間で完治の予定。スタッフの皆さま全員に深く感謝する。いま今井講座を受講中の諸君も、10年後、12年後、18年後、社会の素晴らしい中堅に成長し、もし街で今井君に出会ったら、遠慮せずに明るく挨拶してほしい。

 

 まだ眼球内に治療用ガスの大きな気泡が残っていて、視界の左側はほぼ何にも見えない。左側から自転車やら歩行者やらが迫ってきても、ちっとも分からない。

 

 マコトに剣呑なので、贅沢をして吉祥寺の往復にもタクシーを使う。そのタクシードライバーの皆様も、事情を伝えると驚くほど親切に対応してくれる。「こりゃいかん、世の中に迷惑をかけている」と1人慌てふためき、「視力が完全に回復したら、何倍にも何十倍にもして還元しなきゃ」と自分に誓うのである。

(SEA SPICAの寄港地・下蒲刈島「松濤園」にて。11月中旬、ツワブキの花が盛りだった)

 

 というか、だからこそ今日の「応援メッセージ」も、たった2分ちょいではあるが最高の出来ばえにして、受験生諸君のココロに長く残るものに仕上げたかった。

 

 少しふざけすぎたかもしれないが、ワタクシとしては満足のいく仕上がりだ。どうしたら視聴できるのか、詳しいことは分からないが、若い読者諸君なら誰だって、その辺のことは詳しいはずだ。

 

 ぜひ我々のHPにアクセスして、1月6日今井の悪戦苦闘の結果を目撃してくれたまえ。視聴できるのは、1週間後か、10日後か。共通テストの日に何とか間にあうといいが、難関私大本番や国公立大本番には必ず間に合うはず。「おおコイツ、この直後に熱く涙したんだ」とニヤニヤしてくれれば、心も落ち着くだろう。

 (SEA SPICAの寄港地・大久野島で、ウサギさんと戯れる

 

 さて今日の写真であるが、相変わらず11月中旬の広島滞在時のもの。広島から三原に向かう豪華観光船「SEA SPICA」の旅の後半部分である。

 

 快晴の瀬戸内海を、西から東へ、午前の陽光を右からいっぱいに浴びて船は進む。広島から呉を経由して「音戸の瀬戸」の隘路を抜けると、まもなく最初の寄港地・下蒲刈島に到着。ここで70分の停泊時間があり、乗客は島に上陸して散策を楽しむプランになっている。

 

「寄港地」と書いてふと思い出したが、もう20年以上昔の代々木ゼミナール時代、代ゼミ広島校に「滝川くん」(仮名)という名前の素晴らしい秀才がいた。広島の有名高校でオーケストラの指揮者を務めており、全国模試で何度も「全国1位」という驚くべき成績を収めていた。

(SEA SPICA、三原港に接近する。またまた網膜剥離の黒い影に悩まされ始めていた)

 

 今井宏講師の大ファンで、衛星生中継「サテライン」で受講、今井の単科ゼミも5つ全て受けてくれた。何度か手紙をもらったし、わざわざ東京代々木の本校まで会いにきてくれたりもした。会いにきてくれた時のオミヤゲに、CDを1枚もらった。

 

 ジャック・イベール「寄港地」、マルティノン指揮、フランス国立放送局管弦楽団。今もCDはワタクシの書斎に存在し、1年に3回ほど、ということはこの20年で60回ほど、懐かしさに涙を流しながら聞いている。

 

「この曲をボクの指揮で、高校の学園祭で演奏したんです」と、滝川くん(仮名)は胸を張った。あれから20年、彼ももう40歳のオトナになって、その後どんなふうに暮らしているか分からないが、あれほどの秀才だ、社会の中堅で大活躍なさっているに違いない。

(20年前に代ゼミ広島校の秀才・滝川君(仮名)からもらったジャック・イベール「寄港地」のCD。今も愛聴している)

 

 さて「SEA SPICA」から上陸した「下蒲刈島」であるが、ワタクシの悪い癖で、連れていってもらった有名観光地には全く興味が湧かないのである。

 

「松濤園」「蘭島閣」など、この島にはMustな観光地が数々存在し、致し方なく「松濤園」は訪ねてみたが、困ったことにちっとも食指が動かない。むしろ港でミカンを売っていた賑やかなオバチャンたちと、いつまでも会話を楽しんでいたかった。

 

 高齢化の急速な進行を如実に感じる小さな島で、「ねこ注意」の大きな看板を発見。それが今日の1枚目の写真であるが、何しろ2匹のネコと17年も生活した今井君だ、「ねこ」という文字には敏感に反応する。

 

「ねこ注意」、化け猫でもウロついているのか。むかしの日本では「猛犬注意」という看板をナンボでも見かけたが、もちろんそういう話ではなくて、外猫として飼っている猫が近所を歩き回っているから、「高齢ドライバーの皆さん、猫をひかないように注意して運転してください」という意味だろう。

(ウサギと遊べる大久野島。こんな恐ろしい資料館も存在する)

 

「SEA SPICA」はその1時間後、もう1つの寄港地・大久野島に到着する。ここで30分ほど停泊、乗客は「大久野島のウサギさんたちと交流」というプランになっている。

 

 ただし「ウサギと交流」と言っても、そんなにウサギがうじゃうじゃ、ぴょんぴょん飛び回っているわけではない。ホンの十数匹、しかもウサギというものは、人に慣れた犬や猫みたいに親しくじゃれてくれる動物ではないから、「ウサギとの熱い交流」を期待して船を降りても、期待は裏切られる可能性が高い。

 

 それでも何しろ今井君はネコとの付き合いが長いから、小動物の扱いはマコトに得意。のそのそ動き回る地味なウサギさんを、エサにも頼らずに上手に手なづけて、何とか数枚の写真に収め、ウサギ年に間に合わせることができた。

(三原名物「たこめし」。駅弁売り場の閑散ぶりが悲しい 1)

 

 こうして広島 → 呉 → 下蒲刈島 → 大久野島 → 三原、5時間にわたる船旅は無事に終了。三原の港に接近するにつれて、またまたワタクシは左目のツラい症状が気にかかり始めた。美しい瀬戸内海の風景に、網膜剥離の暗い影が好き放題に跳梁を続けていた。

 

 三原から広島までは、新幹線で帰る。三原といえば「やっさ踊り」であるが、その「やっさ踊り」で有名な三原の町が、こんなに海に近いとは知らなかった。三原港から三原駅まで、徒歩でホンの5分しかからない。

(三原名物「たこめし」。駅弁売り場の閑散ぶりが悲しい 2)

 

 三原から乗った新幹線「こだま」は、思いもかけず「キティちゃん新幹線」。ついこの間もキティちゃん新幹線に乗ったばかり、確か2022年で2回目のキティちゃんだった。

 

 誤解しないでほしいが、狙って乗ったのではない。1時間に1本しかない「こだま」に乗ったら、それが新大阪発11時29分のキティちゃんだっただけのことである。

 

 何しろ「こだま」だから、乗車しているのは地元の地味なオジサマばかり。しょんぼりスマホをネロネロいじっているか、パソコンのキーボードをつらそうにたたきまくっているか、要するに典型的な中高年のオカタばかりだ。

 (三原から広島まで、キティちゃん新幹線に乗車する 1)

 

 どうしてこの時間帯の「こだま」をキティちゃんにしちゃうのか、ワタクシは中高年オジサマたちが可哀想でならない。キティちゃんに夢中になる世代の女子なんか、ちっとも見当たらないじゃないか。

 

 この辺は、「ポケモンジェット」その他のヒコーキも同じこと。コドモの姿なんかほとんど見当たらない平日の昼下がり、約95%がビジネス客のヒコーキや新幹線で、キティちゃんその他のキャラクターの声で車内放送&機内放送が入る光景ほど、わびしく物悲しいものはない。

 (三原から広島まで、キティちゃん新幹線に乗車する 2)

 

 11月中旬の昼下がり、稲刈りもとっくに終わり、紅葉も木枯らしにすっかり吹き払われた三原や東広島の駅で、キティちゃんだらけの「こだま」は「10分ほど停車します」「13分停車します」が続く。そのすぐ脇を、時代のヒーロー:のぞみ君たちが高速で2本も3本も追い抜いていく。

 

 地味なオジサマたちは無言でスマホ、押し黙ったままキーボード。しかし壁にもドアにもシートカバーにも、無数のキティちゃんがひらひら、「次は、広島に止まるよ♡」と、これ以上なく明るい声で、何度も何度も案内してくれるのであった。

 (三原から広島まで、キティちゃん新幹線に乗車する 3)

 

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 6/10

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10

3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10

4E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 9/10

5E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 10/10

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