Mon 230102 あけまして/今年もご愛読ください/平家が大好きだ/安芸の宮島 4308回
新年あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくご愛読ください。
昨年の暮れからはほぼ独眼竜の状況で、しかも長々と1時間もかけて書き続け、何しろ Mac君の画面にサトイモの顔面を極端に接近させ、裸眼視力0.01の右目だけで愚にもつかぬ文章をものしております。
ワタクシがいま最も気にしているのは、誤字脱字でございます。なにしろこんな視力のありさまなので諸君、キーボードのミスタッチの頻度が極めて高い。1行書くのに3回、1ページ書くのに100回、そのたびに舌打ちをして修正する。それでも意地になって書き続けております。
(新年のご挨拶には、広島・厳島神社を選びました)
手術を受けた左目の回復はマコトに順調。網膜を安定させるために眼球内に注入した治療用ガスが次第に眼球の外に抜けて、1月2日現在、ガスは眼球全体を覆う球状に縮小し、その上部の半円が常に左の視界を覆っています。
ガスが全て眼球外に抜けるまで、あと4週間。その4週間は、次第次第に球状のガスが小さく萎んでいくのを眺めながら、大人しく大人しく過ごしていなければなりません。
(厳島神社の勇姿 1)
ヒコーキに乗るのも厳禁。ヒコーキなんかに乗って急速な気圧の変化に遭遇すると、眼球内のガスが急激に膨張したり、急激に収縮したりして、眼球が破裂の危機に陥るわけです。破裂しないまでも、緑内障やら白内障やら、その他いろんな病気の発症率も高まるそうです。
だから、大好きなヒコーキも2月いっぱいまではガマン。ワタクシはすでに11年間も、ANAのダイアモンドメンバーを継続してきた猛者ですが、どうやら今年はダイアモンドの危機に直面いたします。
1月末の小倉への出張も、東京から小倉まで5時間、新幹線でどんぶらこ、陸上移動に耐えることになります。気楽に「どんぶらこ」などと言っていますが、眼球内のガス玉を見つめながら片道5時間、と言ふことは往復で10時間のどんぶらこ、なかなかの試練だと覚悟しております。
(うさぎさん、新年あけましておめでとうございます。11月17日、瀬戸内海「大久野島」にて)
さてそろそろ年賀状がわりの「ですます体」は終わりにして、本日の写真は安芸の宮島・厳島神社のものと決めた。11月14日の広島の仕事の後、ワタクシは宇品島のグランドプリンスホテルにしばらく滞在して、久しぶりの広島観光を楽しむことにした。
新年の写真なら、普通なら富士山を据えるところ。初夢だって、① 富士 ② 鷹 ③ ナスビと相場は決まっていて、諸君もきっと富士やらタカやらナスビの夢を見て、今頃はきっと「今年は縁起が良さそうだ」とか、家族や友人たちと快哉をさけんでいらっしゃるはずだ。
今井君が見た初夢は、残念ながら眼球内の球状ガスに妨げられ、何を見たのかハッキリ分からないという始末なのであるが、富士でも鷹でもナスビでもなかったことは間違いない。
(昨年11月26日朝、京都の旅に向かう新幹線からの富士の勇姿。おお、マコトにおめでたい)
そもそも諸君、お正月にナスビの夢だなんて、いったい普段どういう生活をしていれば、そんなものが初夢に登場するんだ? 今井君は、たとえ天ぷらでも、ナスとカボチャは願い下げだ。
大好物の天ぷらだ。万が一初夢に天ぷらが出てくるなら、意地でもメゴチかキスか、牡蠣か口子か、意外に好きなユリネやクワイがいい。
クワイ、いいですな。葛飾北斎は64歳でスーパー名作「神奈川沖浪裏」をクリエイトしたが、その北斎の好物がクワイ。来る日も来る日もクワイをかじって、クワイのパワーでその後も名作をクリエイトし続けた。
(ただし昨年暮のワタクシには、富士山はこんな姿にしかみえなかった。12月1日、京都からの帰りの新幹線より)
今年のお正月は、何しろお目目の手術の直後であって、左のお目目はまだ四谷怪談のお岩さんみたいな有様。とても人前に出られるご面相ではないから、馴染みの店の天ぷらカウンターに座ってクワイを味わえる状況ではないが、いつ何時このワタクシが北斎並みのブレイクを果たすか、諸君も決して油断はできないのである。
そのお岩さんなご面相で、今井君は間もなく2023年の仕事始めに望もうとしている。1月6日、ワタクシは久しぶりに吉祥寺スタジオを訪問する。「受験生応援メッセージ」の収録であるが、公開授業以外のカメラの前のお仕事は、昨年7月の京都大学の過去問解説以来5ヶ月ぶりだ。
(厳島神社の勇姿 2)
ホントなら、お断りすべきなのかもしれない。スカッと健康で知的なイケメンの今井なら♡、応援メッセージの動画にも勇んで出演すべきところであるが、2021年10月は右のお目目の手術、2022年12月には左のお目目の網膜剥離の緊急手術、まだお目目は赤く腫れている。そんな姿で応援メッセージだなんて、少なからずおこがましい気がする。
しかし諸君、許してくれたまえ。こんな姿だからこそ、受験生諸君に「不撓不屈」を強く訴えかけることもできるはずだ。年齢を重ね、刀折れ、矢も尽き、右目も左目も医師の助けを借り、それでも諸君、サトイモ弁慶はナギナタを片手に敵の大軍の猛攻をしのぎ続けるのである。
(厳島神社の勇姿 3)
というか、ワタクシは源氏より平家が圧倒的に好きだから、「気分は平知盛」なのだ。重盛や重衡、資盛や宗盛だって好きなぐらいだ。「見るべきほどのことは見つ」、大イカリを抱いて壇ノ浦の海に沈む平知盛って、ある種の男子の憧れのマトに間違いない。
NHK大河ドラマをコドモの時からずっと見続けたワタクシだ。大碇とともに瀬戸内の海に沈んでいく平知盛の勇姿を、すでに7回も8回も目撃した。
12世紀当時の日本の奥ゆかしい戦時国際法を、次々に踏みにじって勝利を重ねていく源義経やら、味方の背後で陰険に糸を引くだけの頼朝なんかより、平知盛、圧倒的にカッケーじゃないか。
(厳島神社の勇姿 4)
そういう気持ちも込めて、今年の年賀状がわり、2023年の第1回ブログは徹底的に厳島神社。網膜剥離寸前の左目は黒い大きな軟体動物に占拠され始めていたが、11月15日、宇品島のグランドプリンスから船で宮島に到着したワタクシは「あれれ、ずいぶんシカが減ったみたいだな」と思いつつ、おそらく10年ぶりの厳島神社に参詣した。
神社の背後の坂道をしばらく登っていくと、まずはモミジの名所「紅葉谷公園」があり、その紅葉谷公園を抜けたところにロープウェイの乗り場がある。2本のロープウェイを乗り継ぐと、意外なほど険しい宮島の山頂に到着して、山頂からは瀬戸内海の絶景が眺められる。
こんなに長く生きてきて、宮島にも何度も何度も訪問を繰り返し、しかし宮島のてっぺんからこんなに美しい海の風景が楽しめるとは知らなかった。しかしマコトに残念なことに、その絶景もやっぱり網膜剥離の暗い影の向こうに霞んでいたのである。
(安芸の宮島のてっぺんから、瀬戸内海の絶景を望む。牡蠣の名産地、大黒神島が見おろせた)
だからワタクシは、まるで逃げるようにそそくさと帰りのロープウェイに飛び込み、宮島の港に近い土産物屋街のお蕎麦屋に入って、焼き牡蠣やらお蕎麦やらを注文した。熱燗のお酒をクイクイやれば、眼球の奥の黒い影のことは忘れられると思った。
その焼き牡蠣やお蕎麦の写真は、昨年大晦日の記事を参照してくれたまえ。残念なことに、入店した段階で「ラストオーダーまで、あと15分しかありません」と冷たく宣告されてしまったが、まあいいじゃないか、注文するものはサッサと注文して、あとはゆっくりやればいい。
「それにしても、午後4時ラストオーダーとはずいぶんタイトなお店だな」と思ったが、要するに4時でいったん閉めて店員さんたちはマカナイをワシワシやりながら笑いさざめき、午後5時からまたオープンして夜の部に突入、そういうことであったらしい。
1E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 1/5
2E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 2/5
3E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 3/5
4E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 4/5
5E(Cd) Eschenbach:MOZART/DIE KLAVIERSONATEN 5/5
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