Thu 221117 続ウェブリブログ・サービス終了の衝撃/金沢の思ひ出/鞍馬の火祭 4296回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 221117 続ウェブリブログ・サービス終了の衝撃/金沢の思ひ出/鞍馬の火祭 4296回

「大袈裟」と冷たく突き放さないで、まあ諸君、聞いてくれたまえ。いきなりウェブリグログが「2023年1月でサービスを終了させていただきます」と通告してきたのであるが、そんなこと言われたって、じゃあワタクシのたくさんの旅行記の行き場はどうなるというんだ?

 

 もちろん、諸君がいま読んでいらっしゃる今井ブログは、アメーバの今井オフィシャルブログである。だからこのブログが危機にあるのではない。力が衰えたりとはいえ、何しろブログの世界の横綱だ。横綱アメーバが、そうカンタンにいきなり「サービス終了宣言」なんか出してくるはずはない。

 

 しかし今井第2ブログ「ウワバミ文庫」は、ウェブリブログ・サービス終了の波をモロにかぶるのだ。2005年以来、約50回に及ぶ外国旅行記が全て整然とまとめられて「ウワバミ文庫」にズラリ、まるで県立高校の図書館の「◯◯文庫」みたいに、1つの書架にキレイに収められて読者の来訪を待っている。

  (10月22日、鞍馬の火祭りがいよいよ始まった 1)

 

 1回の外国旅行のスタンダードが、15日。2週間に及ぶ長い旅の記録を、1つの旅につき平均30回近いブログに、これ以上ありえないほど詳細に書き続けてきた。

 

 1回の旅につき、文庫本にして200ページほど。それを50回の旅で欠かさず書き続けたのだから、外国旅行記だけでも標準的な文庫本50冊ぶんになる。それほどの努力の結晶を、いきなり「来年1月31日でサービスを終了いたします」と宣言されたら、そりゃさすがの大ベテラン今井も意気沮喪する。

  (10月22日、鞍馬の火祭りの準備が全て整った 1)

 

 いやもちろん、これまで書いた記事が全部いきなりスポンと消滅するのではない。ウェブリブログは消えても、アメーバのどこかには全て残っている。記事は1本として消滅しない。アメーバの中を懸命に探索すれば、何とか全て読み返せるはずだ。

 

 しかし諸君、ワタクシが「ウワバミ文庫」と名づけ、整然と整理整頓したカタチでは残らない。文庫本200冊分として整理整頓しておいた原稿が、いきなり雑然とした物置の奥でバラバラ、どこに何があるか、全部ひっくり返してテンヤワンヤ、目的とする記事がいったいどの辺に隠れているのか、滅多なことでは見当がつかない。

  (10月22日、鞍馬の火祭りの準備が全て整った 2)

 

 というわけで、一昨日あたりから今井君は呆然と立ち尽くし、もう何をどうすればいいのかサッパリ分からない。「note」という代替策があるらしくて、「少しずつnoteに移行したらどうですか?」と言ってくれる人もあるのだが、その移行の手間と苦労を思うと、日が暮れて千里の道のりを歩き出す思いがする。

 

 これがもしも偉い&偉い作家の先生だったら、「センセーの原稿の散逸はありえない」「断簡(ダンカン)&零墨(レイボク)まで収集&整理して、決して散逸は許しません」みたいな、強烈な編集者やら出版社やらが助けてくれて、我が20年に及ぶ50編の外国旅行記は、ビシッとハードカバーの全集になったりするのである。

 

 しかし悲しいかな、今井君はこの世にオギャーと生まれてから延々と続けてきた怠惰な生活のせいで、そんなありがたい編集者やら出版社やらの影も形もない。完全に孤立無援、我が大切な旅行記は、ブログ不景気の強風に煽られて、マコトにミジメに散逸していくのを、手をこまねいて眺めているばかりである。

  (10月22日、鞍馬の火祭りがいよいよ始まった 2)

 

 唖然&呆然としながら、とりあえずこの10月&11月の旅の記録だけでも、ここに書き記しておこうと思う。10月21日、金沢で公開授業があって、JR湖西線で京都と金沢を往復した。

 

 コロナ騒ぎの直前まで、9月の金沢では600人から700人も集まる大規模な公開授業を実施するのが定番になっていた。2010年ごろから、10年以上も継続した定番だった、「金沢オペラ座に1100人」などという記録に残りそうな大盛会もあった。

 

 しかしコロナ以後、9月の金沢はずっと見送り。2022年10月になって、「そろそろヤンワリを復活させましょうかね」と言ふことになった。それが前回の記事の1枚目の写真。まだまだ「1席あけ」の厳しい感染対策を継続して、ホテルの会場で130名、穏健で堅実で大人っぽい公開授業になった。

  (10月22日、鞍馬の火祭りの準備が全て整った 3)

 

 宿泊したのは、金沢駅前のANAクラウンプラザホテル。ここは2011年3月11日、あの大震災の日にワタクシが宿泊していたホテルである。今回は奇しくもあの日と同じ部屋に宿泊することになった。

 

 大震災の日、まだ若き今井君がこのホテルにチェックインしたのが14時45分。部屋に入るなりブラインドが大きく横に揺れ、その長周波振動のせいでブラインドが両側の柱にぶつかって「ゴン・ゴン・ゴン・ゴン…」、果てしない打撃音が部屋に響いた。

 

 テレビをつけると、「東北で大地震」のニュース、続いて大津波警報、しばらくして「名取川を大津波が遡っていきます」という衝撃の映像が流れた。北陸地方で大雪が降り始めた午後だった。

(10月21日金沢、大震災の午後と同じ時間帯に、同じ部屋にチェックイン。あの時をなぞるような体験をした)


 2022年10月、ワタクシはあの時と同じ部屋、あの時と同じ黒いブラインドを目にして、悲しい慨嘆に震えた。11年前の夕暮れは、富山での公開授業に向かい、その11年後のこの日は、やっぱり夕暮れから金沢でのお仕事が待っていた。

 

 しかも諸君、あの時と全く同じように、10月21日、チェックインした途端にテレビに映し出されたのは「東北地方で地震」「福島でやや強い地震」という速報であった。幸い大きな被害はなかったし、金沢のホテルのブラインドが揺れることもなかったが、いやはや偶然というものは恐ろしいものである。

 

(出町柳からの叡山電車。一番前の車両で、秋の鞍馬山の風景を満喫する)

 

 翌10月22日、金沢発午前9時の「サンダーバード」に乗り込んだワタクシは、前回のブログに示した駅弁「北前廻船丼」の酸っぱい酢飯に苦しみ、ポロポロと座席にこぼれ落ちるカニ肉に悩みながらも、何とか福井の駅を過ぎ、北陸トンネルを抜け、琵琶湖を左に眺めながら、昼前の京都駅に着いた。

 

 この日の宿泊は、堀川中立売、御所西の「ブライトンホテル」。つい一昨年の夏までは、ワタクシの京都滞在の定番だった宿である。どういう経緯で定宿が定宿でなくなったのか、その経緯を詳しく述べることは控えるが、とにかくこの1年、我が定宿の地位は宝ヶ池のプリンスホテルに移ったのである。

  (10月22日、鞍馬の火祭りの準備が全て整った 4)

 

 しかしまあ、そんなことはどうでもいい。10月22日の京都に宿泊すれば、その目的は「鞍馬の火祭り」に決まっている。いやもちろん、「10月22日の京都なら『時代祭』でしょ?」とおっしゃる方もいらっしゃるだろうが、いやはやワタクシ、時代祭は「意地でもパス」なのである。

 

 7月中旬の祇園祭をあれほど愛するワタクシが、何が何でも時代祭をパスする理由については、やっぱりここに明記することを控える。読者諸君の方で近い将来どちらも体験してみて、その上で今井のスキ&キライに無理があるかないかを判断してみてくれたまえ。

  (10月22日、鞍馬の火祭りの準備が全て整った 5)

 

 ブライトンホテルからタクシーで出町柳の駅まで移動。出町柳から叡山電車に乗って、終点の鞍馬まで30分ほど。高校か大学の学園祭みたいな「時代祭」からひたすら逃避し、京都北山を抜けてひたすら北上し、鞍馬の駅に到着したのは午後5時過ぎだった。

 

 山深い鞍馬の駅前にはすでに秋の夕闇が迫り、すでに「鞍馬の火祭り」はスタンバイ状態。欧米人を中心に、外国人観光客の割合が極めて高い。日本人より多いぐらいの勢いだった。

 

 何しろ「京都を代表する奇祭」なのだ。夕暮れからすでに、京都からたった30分は思えないほどのエキゾチックな雰囲気に包まれている。狭い街道に面した家々の前には巨大なタイマツが据えられ、火が点けられる刻限を今か今かと待ち受けているのであった。

 

1E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 1/2

2E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 2/2

3E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1

4E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.2

5E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT

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