Sat 220924 東京渋谷区も豪雨/8月福井の大盛況/列車の運転見合わせについて 4271回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 220924 東京渋谷区も豪雨/8月福井の大盛況/列車の運転見合わせについて 4271回

 いやはや、たいへんな雷と豪雨だった。再び三たび「NHKの天気予報よろしく」ではあるが、「ここ東京・渋谷では」、午後4時ごろにまず重い遠雷が轟き、雷はだんだん近づいてオウチがビリビリ揺れるようになり、その頃から雨が急激に激しくなった。

 

 長い長い今井君の人生であるが、その長い今井史上、おそらくトップクラスの激しい雷鳴を体験した。2015年のナポリ以来かもしれない(Sat 150808 往生際が悪い 円陣を組んで雨と戦う 昼メシで温まる(ナポリ滞在記43))。豪雨の方も同様に今井史上トップクラス。午後4時半から6時過ぎまで、50mmの豪雨が降り続けた。

 

 午後5時半、テレビの音も聞こえないほどの豪雨になったが、見ていたNHKのお相撲の画面には「世田谷区の仙川で氾濫危険水位超」「目黒区の目黒川で氾濫危険水位超」の情報が出た。「京王井の頭線が運転見合わせ」、おやおや、全てご近所であって、我が渋谷区もウカウカしていられなくなった。

(8月20日、福井の大盛況。キャパ1/2ルールは相変わらず厳守している 1)

 

 どうも諸君、やっぱりこれは「不都合な真実」なんじゃないか。この1ヶ月、日本中でずっと同じようなことが続いている。例えば8月20日、福井に出張したワタクシは北陸本線の運転見合わせでヒドい目に遭っていた。

 

 もちろん、昨日深夜の東海道新幹線ほどの「ヒドい目」ではない。小田原で7時間も停車したあげく東京駅に引き返したとか、静岡県内の線路上で停止したまま食料とドリンクを配られて夜明かしになったとか、静岡駅構内「列車ホテル」とか、そこまで深刻な状況に追いこまれたわけではない。

 

 静岡県は、台風の際に豪雨になりやすい。地図を見れば分かるが、東向き斜面と南東向きの斜面が多いのだ。台風の反時計回りの風が山の斜面にぶつかって、積乱雲を生み出しやすい地形になっている。

 

 ワタクシ自身、名古屋に向かう新幹線に閉じ込められそうになったことがある。ハッキリ記憶しているが、静岡の掛川駅、1998年夏のことである。うひゃ、25年も前、4半世紀も前の記憶だが、さすが今井君の記憶力は凄まじい。

 

 掛川に止まるはずのない「のぞみ」が、掛川で急停車したのである。当時のワタクシは代々木ゼミナール超人気講師♡。水曜日が横浜で18時半まで5コマ、木曜日が名古屋で朝9時から5コマ、18時半まで授業に励み、次の金曜日が代々木本校で5コマ。ホントに激しい日々だった。

 

 掛川で停止した「のぞみ」は、恐ろしい稲妻と雷鳴と豪雨の真っただ中、「運転再開の見通しは立っておりません」のアナウンスが続き、そのまま1時間立ち往生。1時間後に何とかノロノロ動き出して、23時過ぎの名古屋駅にほうほうのていで到着した。

 

 1998年の名古屋は、まだ「マリオットホテル」が完成していなかった時代。25年前の若き今井君は、新幹線口の「名鉄ニューグランドホテル」に宿泊していた。その後名古屋の定宿を駅反対側の「名鉄グランドホテル」に代えたけれども、いやはやマコトに懐かしい古色蒼然とした時代である。

(8月19日、京都府立植物園を出た後、炎暑の中を北大路まで鴨川沿いに散策した)

 

 あれから幾星霜、25年後の2022年8月、すっかり苔むした大ベテラン今井閣下は、福井での公開授業に備えて京都から福井を目指した。京都は晴天、しかも湿度の強烈に高い熱波であって、まさかこの晴天の夕暮れに、福井の豪雨で大ピンチに陥るとは全く予想しなかった。

 

 京都から福井へは、もちろん湖西線の特急「サンダーバード」を利用する。ただしこのサンダーバード、気象条件にマコトに脆弱なヤツであって、関西人の多くはあまり信用していない。ハメハメハ大王の子供達よろしく、風が吹いたら遅刻して、雨が降ったらお休みだ。

 

 2005年の東進移籍以来、金沢・富山・福井に出張するたびにこの特急の世話になってきたが、いやはや、どうもイヤな思い出が多い。2011年3月11日、忘れもしない東北の大震災の日も、直前までサンダーバードに乗って金沢に移動していた。

Wed 110316 誰も今井君を知らないシュールな大宴会 トワイライトエキスプレスと遭遇

Thu 110317 巨大地震についての虫の知らせ 富山での講演会 巨大地震発生前後のこと

 

 我がブログを検索してみると、その前年2010年の夏にも、「これしきの雨でサンダーバードは何故ひたすら徐行するのか」と問いかけている。うーん、とにかく早く北陸新幹線が敦賀まで開通して、サンダーバードに頼り切りの日々を終了させてほしいのである。

Sat 100710 これしきの雨でサンダーバードは何故ひたすら徐行するか 5年という月日

(8月19日、北大路のお蕎麦屋さんを訪問。「週に3日しか営業いたしません」とおっしゃる)

 

 2022年8月20日、京都駅から福井に向かったサンダーバードは超満員。コロナ以来、こんな超満員の列車は初めてだったが、福井県の鯖江で何かアニメ系の大イベントがあったらしくて、乗客のほとんどが20歳代から30歳代と思われる女子。紫の衣装、紫のスーツケース、紫アタマ、紫に塗ったお顔。グリーン車も紫ムスメたちに占拠されてしまった。

 

 ま、里芋オジサマとしては、この種のシュールな雰囲気には全く不慣れだから、紫のセーラー服をギュッと纏った2人のオネーサマが通路の向こうに並んで座った光景にビクビク、とても生きた心地はしなかった。

 

 その彼女らが鯖江で降り、すっかり車内がガラガラになった頃、外にはいかにも生ぬるそうな雨が降り出し、何となく切迫した雰囲気が漂い始めた。「ここから先は豪雨のせいで徐行区間があり、金沢到着が大幅に遅れる見込みです」と、車内アナウンスが伝え始めたのである。

 

「京都・大阪方面の列車には、運転休止が見込まれます」と、暗い声のアナウンスは続いた。それでも、福井には10分前後の遅れで到着。改札を出たところでスタッフと待ち合わせ、「何でこんなに切迫してるんですか?」と尋ねると、「16時半ごろから、特急が全て運休になる予定です」という答えが返ってきた。

(大繁盛のお蕎麦屋で、最高に基本的な盛り蕎麦をいただく。オイシューございました)

 

 確かに、福井駅「みどりの窓口」にはすでに長蛇の列が出来ている。列は「みどりの窓口」から溢れでて、蒸し暑い駅構内からさらに溢れ出し、何と駅の外まで続いている。

 

 何しろこの2時間半後に「特急の全てが運転とりやめになる」というのだから、乗客の方も必死だ。「各駅停車は動かします」ということなので、金沢までなら各駅停車で1時間半、ギューヅメを我慢して立って行くのも何とかなるが、京都&大阪まで各駅停車で4時間、「立って行け」と言われても困る。

 

 しかしこの列、何とか出来ないのか。クーラーもほとんど効いていない駅構内で、人々はマコトに我慢強く列に並んでいる。子供はグズり、赤ちゃんは泣き出し、奥方はむくれ、ダンナもむくれて、ほぼ地獄絵図だ。

 

 駅員とセキュリティ係員がハンドマイクで何だか叫んでいるが、要するに「頑張って、この試練を耐えぬいてください」「とにかく16時44分の列車以降は全て止まります」「我々には何にも出来ません」というだけのことである。

 

 もちろん今井君はヨーロッパやら中南米やら北アフリカやらで、突如として消えてなくなる列車の理不尽を熟知している。フランスやドイツやイタリアだって、ホントにいきなり、あるはずの列車が駅の掲示板からスカッと姿を消してしまう。

 

 だからワタクシは、こういう事態には全く慌てない。イタリアで、指定したはずの座席が見当たらなくて、車掌さんに問いただすと「ノンチェ」=「そんな席は存在しません」の一言で済まされてしまったことだってある。

 

 ま、この程度のことなら、スマホで30秒、カンタンに片がつく。「e5489」をポチッとやって、予約していた18時半のサンダーバードを、運転休止になる直前の16時44分のサンダーバードに変更すればいいだけのこと。ただし保険のために紙のチケットも自販機で手に入れて、落ち着いて仕事場に向かった。

(16時44発、この日の最終となるサンダーバードのチケットをゲット。福井発の段階ですでに1時間遅れていた)

 

 福井での公開授業は、14時半スタート、16時終了。出席者200名。相変わらずキャパ1/2ルールに忠実に、写真で眺めるとやっぱり3年前までのアンコがハミでそうな超満員が懐かしくなるが、このぐらいの盛況ぶりが今後のスタンダードになりそうだ。

 

 福井は、小雨。遠くで雷鳴が轟き、湿度も呆れるほどに高いが、「サンダーバードをすべて運休にします」というほどの荒天とはとても思えない。

 

 仕事が終わって16時、福井駅に帰ってきてみると、2時間前の長蛇の列はさらに長くなって、こりゃとても全て休止の16時45分までに列が解消するとは思えない。

 

 とうとう余りの蒸し暑さのせいで、列の真っただ中で嘔吐しちゃった人もいたらしい。駅員さん総出で吐瀉物を片付けていらっしゃる。列の長さといい、蒸し暑さといい、ほとんど非人道的な状況にさえ見える。

 

 断っておくが、ワタクシは「西日本」は大好きだ。今年なんか、ブログ読者はみんな分かってくれるだろうが、ずっと西日本に滞在している。京都か、大阪か、そうでなければ広島だ。「西日本大好き」が嵩じて、とうとう京都移住計画さえ立て、京都のマンションの資料まで取り寄せた。

 

 しかし「西日本」の前に「JR」がつき、「JR西日本」となると、残念ながらお世辞にも好きとは申し上げられない。やることがあんまり高圧的なのだ。こんなふうにいきなり電車をみんな止めてしまって、「頑張ってください」「我々には何にも出来ません」と、要するに乗客をスカッと放り出して何の対策も取らない。

 

 だから昭和の昔の関西の人は、あんまり国鉄を利用しなかった。阪急・阪神・南海・近鉄・京阪、サービスの行き届いている私鉄を心から愛した。この間の「超大型で猛烈な」台風の時も、JRは何もかも止めてしまったが、私鉄各社は何とか運行を続けて人々の愛情に応えた。

 

 最近になってJR西日本は「赤字路線のバス路線転換も視野に」と無慈悲なことを言い出した。中国山地を走る赤字路線は、そりゃ経営には大きな負担だろうが、だからと言って「バス路線で我慢してください」「地元の皆さんで頑張ってください」とポイッと投げ出すんじゃ、かつて公的機関として優遇されたインフラ企業の名がすたる。

 

 赤字路線については、まず「こんなスカスカなダイヤで、どうやって利用するんですか?」と問いかけなきゃいけない。せめて1時間に1本走っていれば、インフラとして有効と言ってもいいが、1日に往復3本、要するに高校生と病院通いの高齢者しか利用できないじゃないか。

(8月20日、福井の大盛況。キャパ1/2ルールは相変わらず厳守している 2)

 

 この日の福井駅でも、ワタクシの怒りはメラメラ燃えさかった。2時間も列に並ばせて、懸命に対応する職員さんたちはハンドマイクで同じことを叫び続けるだけだ。熱中症で嘔吐する人さえ出ているのに、クーラーを強くする対策さえ思いつかない。

 

 しかもどうやら、列の並んでいる人の大半は「特急券の払い戻し」が目的だ。払い戻しなら、この日付のサンダーバードのチケットについてのみ「後日の払い戻しでOK」の特例扱いにし、それを保証する印刷物を配布すれば、列の人数はあっという間に半分以下に減るはずだ。

 

 運休に伴う列車変更についても、「今すぐここで『e5489』の会員になっていただければ、スマホですぐに列車変更が可能です」と言ってあげればいいのだ。

 

 だって列に並んだ人のほとんどが、ずっとスマホをいじっている。ならば、蒸し暑さに嘔吐しそうになりながら2時間も3時間も並んでいるより、そのスマホでJR西日本の会員になってポチポチ、6ポチか7ポチで列車変更はカンタンにできる。今井君が福井到着直後にやったのと同じポチポチ。今井君なんかより、ずっと上手にできるはずだ。

 

 ところが諸君、ハンドマイクをワシづかみに必死で叫ぶ駅係員の口から、「そのスマホですぐに列車変更ができますよ」の言葉は聞こえてこない。ひたすら「16時44分が最終です」「もう特急は来ません」「各駅停車をご利用ください」、そう連呼するばかりなのだ。

 

 ホンの10年前までの今井君なら、あの時あの場で係員の皆様に、その件を厳しく伝えてあげていたに違いない。その「厳しく」が功を奏して、いろいろお役に立ったこともあった(Tue 120121 埼玉県大宮での講演会 金沢から大宮は北回りルート 成長したクマ蔵)。

(2時間近く遅れて京都に到着。汗びしょびしょで無気力になったサトイモは、京都駅のコンビニで調理パンと菓子パンを大量購入。これを晩メシとして、相変わらず深夜まで晩酌を楽しんだ)

 

 しかし諸君、まず、①ワタクシもずいぶん年を重ねて、とんがったところがすっかりなくなった。そして、②ワタクシを知る人がずいぶん多くなって、こんなところで「厳しく」なんてのをやっていると、「今井が福井でキレていた」みたいな情報がSNSで盛り上がりかねない。

 

 だから臆病になった今井君は、蒸し暑さで自ら嘔吐しかねない状況を考え、福井駅近くの居酒屋に闖入。誰もいない立ち飲み屋で、ビール数杯を痛飲、さらに福井の地酒も数杯痛飲して、16時44分のサンダーバードを大人しく待った。

 

 福井駅のホームに、キオスクの類いが1つも見当たらないのも、やっぱり気に入らない。仮にも県庁所在地の駅である。冷たいドリンクや食料のズラリとならぶキオスクぐらいあると思うじゃないか。しかしホームに出たが最後、売店も何も一切ナシ。自動販売機が2つか3つ、寂しく並んでいるだけなのだ。

 

 しかも驚くなかれ「弱り目にたたり目」というか「泣きっ面にハチ」というか、この段階で「福井駅のチケット販売機がダウン」という事態になった。あんなに頑張って長蛇の列に並んでいた人々が、どれほどの絶望に陥ったか、想像にあまりある。

 

 17時半すぎ、最初は「35分遅れ」だったのが「45分遅れ」になり、やがて「55分遅れ」の表示に変わり、要するにまるまる1時間遅れでサンダーバードが福井に到着。すでに汗まみれ、「スーツを着たままお風呂に入ったんですか?」と問われるレベルにまで汗まみれのワタクシは、すでにほぼ満員のグリーン車に乗り込んだ。

 

 中では、ノーマスクの酔っ払ったサラリーマン諸君が大声で語り合っている。手に手に缶ビール。お弁当を貪りながらグビグビ、さぞかし飛沫が飛びかっているだろうに、列車がこれほど遅れると、車掌さんもなかなか彼らにチャンと注意できない。ま、致し方ないところかもしれない。

 

 ここからサンダーバードはさらに延々と徐行を継続。福井から敦賀まで1時間。北陸トンネルの中だけは豪雨の心配がないからスピードを出したが、北陸トンネルの前の鯖江からは、さっきのアニメ系の紫オネーサマ連が乗り込んできて、帰りもまた超満員。21時すぎ、ほうほうのていで京都に帰り着いた。

 

1E(Cd) Pešek & Czech:SCRIABIN/LE POÈME DE L’EXTASE  +  PIANO CONCERTO

2E(Cd) Ashkenazy(p) Maazel & London:SCRIABIN/PROMETHEUS + PIANO CONCERTO

3E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 1/3

4E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3

5E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3

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