Sun 220911 「つけるクスリなし」/サプリじゃ、ダメよ /メシを遠慮なく貪る 4264回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 220911 「つけるクスリなし」/サプリじゃ、ダメよ /メシを遠慮なく貪る 4264回

 お医者さんが「処方箋を出しときます」と言って自信たっぷりにニッコリしてくれれば、患者としてこんなに嬉しい瞬間はない。薬局に立ち寄ってそのオクスリをもらってホクホク、長い間悩んでいた病気は「これでケロリと治るだろう」と信じ、毎日欠かさず勤勉にオクスリをのむ。

 

 モリエールにも「病は気から」という名作があって、岩波文庫版では「病は気から」(訳:鈴木力衛)、新潮文庫版では「気で病む男」(訳:内藤濯)、お医者さまに「オクスリがない」などと無慈悲な宣告を受ければ、気で病む男も気で病む女もすっかりションボリして、その一言で「病、膏肓」のアリサマになる。

 

「病、膏肓に入る」の「病、膏肓」は、いつからか「ヤマイ、コウモウ」と読む人が圧倒的多数派になって、正しく「ヤマイ、コウコウ」と発音したりすると、「今井は何にも知らないんだな、それを言うなら『ヤマイコウモウ』だろ?」とか、ニヤニヤ笑顔で訂正されたりする。

 

 そのあたりが世の中のヒトスジ縄ではいかないところであるが、お医者さまたちもおんなじぐらい難しい立場に立たされていて、必ずしも「正しいから正しい」と言ってみんなに感謝されるわけではない。

(8月3日、大阪なんば地下街「岡長」で、おでんランチを満喫する。ダイコンにじゃがいも、ちくわに厚揚げ、何もかも旨い)

 

 中でも「まあしばらく様子を見ましょう」の一言ほど嫌われるものはなくて、どうしても「しばらく様子を見ましょう」としか言いようがない場合、または「しばらく冷静に経過を観察する」のが最も正しい処置である場合でも、患者の多くはそれが大キライ、とにかく特効薬がほしい、とにかく今すぐ何とかしてほしいのである。

 

 もちろん「アナタほどの怠惰の病の場合、つけるオクスリがありません」と宣告される患者の精神的な打撃は大きい。「つけるクスリがない」「処置なし」と言われたら、要するに見放されたということであって、天を仰いで座して死を待つしかないのである。

(おでんばかりじゃ物足りないので、なんば岡長の名物「鯛かぶと」も注文する)

 

 今井君の場合、高1の春から「怠惰の病」がグリグリ悪化して、高校の先生にも両親にも友人たちにも、「オマエの怠惰病にはつけるクスリはないな」と言われ続けた。

 

 最初のうちは「器用貧乏」「何でもソツなくこなせるのに、努力の量が決定的に不足している」と、優しく日々の努力を勧めてくれていた友人もいたが、今井があんまりワガママで、ニンジンもトマトも食べる努力をしない頑固さに愛想をつかして去っていった。

 

「怠惰病」はどうやら不治のヤマイであって、そんな重病を抱えたまま今井がこの年齢まで生きのびてきたのは、おそらく奇跡に近い。というか、ミラクルそのものであって、そこで諸君、そのミラクルを実現してきたワタクシこそ、怠惰病に侵された若い諸君にアドバイスなり「処方箋」を授けてあげられる稀有な存在だと信じる。

(だんだん「岡長」が混雑してきたので、すぐ近くのタコ焼き店にいったん移動する。タコ焼き10ケ、オイシューございました)

 

「自分はどうやら怠惰病だ」と悩んでいる諸君、若い頃「つけるクスリがない」とか「処方箋は出せません」とか、医者でもないヒトビトに冷たく突き放された今井君のアドバイスをよく聴きたまえ。

 

 処方箋をコッソリ見てみたら完全に空白、それどころか「こんな怠惰病の患者につけるクスリなんかあるわけありません」の1行を発見、そんな絶望的な状況から、いったいどうやって立ち直ってミラクルを起こすんだ?

 

 クスリがなければ、まあ手近にあって気軽に頼れるのは「サプリ」ぐらい。しかし諸君、サプリほど何にもならないものって、他にありますかな?

 

 あんなにテレビショッピングで「効きました」「効きました」「もうこれナシでは生きていかれません」と、ジーチャンタレントやバーチャンタレントが熱く連呼しても、下の字幕でピシャッと「個人の感想です」と自ら否定するのである。

 

 だから諸君、とにかくサプリに手を出すのはヤメたまえ。たとえゼロ円でも、ほぼゼロ円に近くても、要するに売っている方で「どうせ効きませんが」と字幕を出して告白しているシロモノだ。一言で言えば「カミダノミ」、得体の知れないツボを買ったから幸福になれると考えるのと大差はない。

(タコ焼きを平らげた時点で、再び「岡長」に移動、まだおでんを貪る。普段は冷静きわまりない店のオネーサマも、さすがに爆笑してくれた)

 

 処方箋に「つけるクスリはありません」「処置ナシだわ」と言われた怠惰病患者なんだから、まあごく一時的に「サプリで何とかゴマかそう」と考えるのもムリはない。しかし可及的スミヤカに「こんなの無駄だ」「100%ムダだ」と気づいてくれたまえ。

 

 すると諸君、残るものはいったい何なんだ? ハッキリ言おう。「メシ」である。朝も昼も晩も腹いっぱいメシを貪って、メシの力で怠惰病の病巣をグリグリ攻撃するしかない。

 

 諸君、「一日一食」とか、そんな控えめなことを言っていないで、徹底的にメシを食い、そのぶん徹底的に運動して、充実の日々を続けるしかない。もちろんこの場合、「メシ」とは「授業を受ける」ことである。真っ当な授業をたくさん受けたまえ。

 

 吉野家の朝定食に「Wハムエッグ牛小鉢定食」がある。ロイホの朝メニューに「ブランチプレート オニオングラタンスープ付」がある。マックの朝メニューにも「ビッグブレックファスト デラックス」がある。諸君、朝からそのぐらいの気合いで授業を受けまくりたまえ。

 

 ランチもいいですな。ディナーもいいですな。味噌ラーメンもいいし、カレーもいいし、ハンバーグもナポリタンも、エビフライもトンカツも、負けず劣らず素晴らしいじゃないですか。

(8月1日、大阪心斎橋の店で土鍋の鯛めしを貪る。オイシューございました)

 

 今の塾&予備校の世界には、大評判の洋食屋さんや町中華の数々に負けないほど、充実の授業セットがナンボでも並んでいますぜ。何でそんなに気難しい顔をして「もう授業なんか出ても意味がない」とか、ムスッとホザいでいらっしゃるんですか?

 

 腹がはちきれるほど食べまくる。胃薬が必要なほど食べまくって、だからホントにたまには苦い胃薬ものんで、人生を突き進む。こりゃ楽しいや。

 

 もう一度ハッキリ言いましょう、何を隠そう「おいしいゴハン」とは、今井の授業のことである♡ 「今井のC組」「B組」「A組」のことである♡

 

 今井の授業は楽しくて楽しくて♡下品なほどに盛りだくさん♨︎ ハンバーグとロースカツとナポリタンと目玉焼きとエビフライ、お味噌汁も美味、丼メシも美味、そこにオマケの小鉢でカレーもついてくる。胃もたれするぐらいの大盛りだ。

 

 そんなのを朝昼晩むさぼっていたら、元気が出すぎて困っちゃう。そこで、胃薬がわりに模擬試験。整腸薬のつもりで赤本に過去問演習。「おおスッキリした」と思ったら、またまた今井食堂のスペシャルランチや特盛定食に挑戦する。

(鯛めし後のデザートは、フルーツ大福。さすがのワタクシも、ちょっとギブアップ気味だった)

 

 怠惰病に取り憑かれそうな若い諸君に、ワタクシはそういう人生の選択を勧めたい。何でそんなにヤセ我慢してビクビク怯えてるんだい? 

 

 来る日も来る日もモリモリ食べて、食べたことに罪悪感を感じたら、今度はモリモリ運動して食べた分をモリモリ消化すればいいだけのことだ。

 

「運動」と「消化」が何を意味するかは、諸君の方で考えてくれたまえ。要するに「クリエイト」全般のことであるが、食ってはクリエイト、食ってはクリエイト、何でもいいから生産すればいいし、受験生世代ならクリエイトの代わりに問題を解きまくればいい。

(大阪道頓堀、お好み焼きの名店「おかる」。お好み焼き + 焼きそばで盛り上がるのもいい 1)

 

 前回書いた「授業に出ないアオハル系カップル」の意見が間違っている理由は、メシをたっぷり食べない点である。「自分で問題を解く能力をつけよう」というクリエイト精神は素晴らしいが、その前にメシをたっぷり食わないから、そんなに表情が暗くなり、せっかくクリエイトするものも青白く痩せ細ってしまう。

 

「まだ授業なんか受けてるの?」「もう授業はたくさんだ」というタイプの考え方も、同じこと。どんなに若い頼りないセンセでも、彼ら彼女らの授業だってそれなりに栄養になる。ワラビだって、フキだって、ゼンマイだって、見た目は頼りなくても栄養はたっぷりだ。

(大阪道頓堀、お好み焼きの名店「おかる」。お好み焼き + 焼きそばで盛り上がるのもいい 2)

 

 ましてや今井クラスの大ベテランになれば、おむすび5個というか、寿司20貫というか、ステーキ500グラムというか、名古屋の矢場とん2皿分というか、ジンギスカンのオカワリ自由というか、牛丼の超特盛2つというか、「胃薬おねがいしまーす」の世界。ぬるいお水でサプリ1粒を流し込んで満足しているようじゃ、この重量感に勝てるわけがない。

 

 まあ諸君、「9月の受験生が心配だ」と書いた前回の続きがこんなにふざけた処方箋じゃ、中にはムンムン激しくむくれちゃう読者もいらっしゃるだろうが、今井としては「遠慮なく豪華にむさぼりつづけようじゃないか」という意見を表明せざるをえない。

 

 だってやっぱり、せっかく生まれてきたんだ。知的な面では「食べきれないほどの豊穣」がいいじゃないか。読みきれないほどの本、どっさりの音楽と映画と芝居、めくってもめくっても続いていくページ、ワタクシはそういうのが大好きなのだ。

 

1E(Cd) David Sanborn:INSIDE

2E(Cd) David Sanborn:TIME AGAIN

3E(Cd) David Sanborn:LOVE SONGS

4E(Cd) David Sanborn:HIDEAWAY

5E(Cd) Jaco Pastorios:WORD OF MOUTH

8D(DPl) 文楽:菅原伝授手習鑑①「大序 大内の段」「加茂堤の段」竹本三輪太夫「筆法伝授の段」竹本綱大夫「築地の段」豊竹呂勢太夫

total m23 y729  dd27758