Mon 220829 セミとコオロギの総重量は?/那覇で講演会/群馬県沼田で公開授業 4260回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 220829 セミとコオロギの総重量は?/那覇で講演会/群馬県沼田で公開授業 4260回

 ワタクシは時々、「世界中のセミの総重量がどのぐらいなのか」を知りたくなることがある。

 

 8月中旬から下旬にかけて、京都・宝ヶ池のプリンスホテルに9日ほど滞在したが、猛暑の続いた8月の京都の山の中だから、朝&夕はヒグラシにツクツクボウシ、昼間になるとミンミンゼミとアブラゼミ、徹底したセミ軍団の攻撃で、朝寝も昼寝もままならなかった。

 

 まあ諸君、「大袈裟だ」などと言わないでくれたまえ。宝ヶ池のホテル周辺だけでこのアリサマなんだから、北山・東山、洛西に洛南に洛中、京都市内だけで物凄い数のセミたちがミンミン・ジージー・シャクシャク・ツクツクオーシ!!、マコトに元気に鳴き暮らしていたことになる。

 

 もちろんそれは、日本国内全ての土地でも同じことだったろうし、グッとカメラをヒキにして、アジア全体・ユーラシア全体・地球全体にして眺めた時、この夏オトナになって鳴きまくったセミの数は、それこそ天文学的であるはずだ。

 

 しかも諸君、セミ軍団を侮ってはならない。セミがオトナになって鳴き始めるまでに、暗い地中で7年もじっと過ごすということも考えれば、前段の「天文学的数字」に、さらに7とか8とかを掛けなければ、セミの総個体数は判断できない。

 

「天文学的数字」×7、「天文学的数字」×8、数字に弱い私大文系の皆さまはこの辺で目が回り始め、一方で「無限大に7や8をかけるだなんてナンセンス」と失笑を漏らす、「理系アタマ」の諸君も少なくないだろう。

(群馬県、沼田駅にて。ここからバス40分、気の遠くなるような山の中に「名刹 迦葉山」が存在するらしい)

 

 いや、「数字に弱い私大文系」だなんて、そんなアナドリもやっぱり時代遅れなので、今や諸君、早稲田大政経に合格するにも、一定以上の理系アタマは必要だ。「だって、共通テストの数学を受験しなきゃいけないんだぞ」なのである。

 

 ただし、そこもまあ冷静にどうぞ。「共通テストの数学」を一瞥して、さてこの問題を解くのにどのぐらいの理系アタマが必要なのか、それぞれに個人的見解を形成してみてくれまえ。

 

 昭和のむかしから、早稲田大政経に入学するコドモたちには、「東大不合格組」が圧倒的に多かった。センター試験の数学も受け、東大文系の赤本にも取り組み、東大文系数学の過去問でも、40%から50%の得点は取れていたのである。

 

 だから、ほんの少し入試制度が変化したからといって、マスコミやライターの皆さんみたいに「早稲田大学は大きく変貌した」「理系アタマを持つ学生が求められている」とか、変に持ち上げる必要は感じない。

(上越線・水上ゆき。かつてはほぼ全ての特急が停車した水上だが、今は各駅停車しか止まらない)

 

 ところで、前述のセミの総個体数「天文学的数字×7」ないし「×8」についてであるが、今朝や今晩のようにグッと冷え込んだ東京では、主人公がセミからコオロギに一気に交代したのである。

 

 京都はまだ猛暑が続いているようだから、宝ヶ池のホテル周辺では今もなお主人公はセミであるに違いないが、東京の夕暮れはコオロギ軍団に完全に占拠された。

 

 先ほどヤボ用があって代々木公園付近を通りかかったが、セミ時雨ならぬコオロギ豪雨のアリサマ。「コオロギにあらずんば虫にあらず」と、平時忠コオロギがニンマリ、祇園精舎の鐘の声なんか聞く耳を持たず、盛者必衰のコトワリを知るには、冬の到来を待つしかなさそうだ。

 

 すると今井君も、今度は「コオロギの総個体数」も知りたくなるのだ。2022年京都大学の第1問の第1パラグラフに、「人間の純粋なbiomass」についての言及があった。

 

 この問題文中の「biomass」は、「生物量」「ある一定の空間に存在する有機物量」である。よくもまあそんな難しいwordを注もつけずにスカッと出題したものだと思うが、京大の第1問によると、21世紀の時点で全人類の重量の合計は、野生の哺乳動物全体の8倍以上、人間と家畜の総量なら、他の哺乳類全体の22倍だというのである。

 

「うひゃ、すげーな人類」であるが、その人類と比較して、全セミ類はどうなのか、それを知りたくなる夏だったし、全コオロギ類はどうなのか、それを知りたくなる9月になりそうだ。他にも「全クモ類」なんてのはいかが。その場合「スパイダーマンをクモとヒトのどっちに入れるのか」、なかなか難しい問題ではある。

(上越線・沼田駅にて。「ようこそ ぐんまへ」ではあるが、観光客の姿はほぼゼロだった)

 

 こうしてワタクシの8月も、まもなく終わる。終わりそうにないのは、このブログでの夏の記録である。まだ7月の記録さえ完了していない。

 

 7月19日が埼玉県大宮、大宮で「城南予備校の閉校」を知って愕然とし、翌日が吉祥寺スタジオ、その翌日も吉祥寺スタジオ、京都大学と名古屋大学の2022年全問をあくまで丁寧に、あくまで丹念に解説。まあそこまでは、それこそ丁寧に丹念に記録した。

 

 その翌22日は名目上は「仕事ナシ」、久々の休日だったが、今井君は今日も今日とて羽田空港に向かう。翌23日の沖縄・那覇での講演会が14時スタートなので、どうしても那覇に前ノリしておかなきゃいけないのである。

 

 コロナ第7波の真っただ中ではあったが、さすがやっぱり夏休みだ、ANAの那覇便は超満員。ヒコーキ中みんなが大ハシャギで、「コロナどこ吹く風?」のアリサマ、機内全体がワンワン唸りを上げそうだ。さすが「全野生哺乳類の8倍」、人間サマの集団は凄まじい。

 

 で、那覇に前ノリして仕事のない夜を今井君がどう過ごしたかであるが、その中身はすでに前回の記事の写真で示した通り、定宿にしているホテル前の日本そば屋で長い独酌を満喫した。ジーマミー豆腐、さつまあげ、大盛そばを貪りながら、日本酒4合を痛飲。「たいそうオイシューございました」の一言である。

 

 23日は、13時にスタッフとホテルロビーで待ち合わせて会場へ。ちょっと密に見えるから写真掲載は遠慮するが、保護者を中心に出席者約120名。沖縄ではまさにこの前日「医療緊急事態宣言」が出ていたが、それでもこんなに熱心に詰めかけてくださった。スタッフの皆さまの熱い努力に感謝する。

(上越線・沼田駅にて。「日本一有名な河岸段丘」のノボリが夏の夜風に揺れていた)

 

 先を急ぐようで申し訳ないが、ここからはちょっと急ぎ足で記録を書かせていただく。残った公開授業は、猛暑の中でも特に厳しい猛暑の関東平野を右往左往、熱中症寸前の日々が続いた。いま思い出しただけでも猛烈な汗が噴き出してくるほどである。

 

 24日、沖縄から帰ったその足で、一気に群馬県北部の「沼田」という町に向かう。この移動もまたなかなか凄まじい。ヒコーキ2時間半で羽田に到着、品川まで京急線、品川から東京駅まで山手線、東京から高崎まで北陸新幹線、高崎から沼田までは、上越線の各駅停車で約50分かかる。

 

 到着する頃にはもうヘト山ヘト之助、杖にすがって歩きたいほどだった。ただし上越線の沿線風景、利根川上流の河岸段丘の絶景、今井君にはマコトに懐かしいのである。18歳から22歳まで、何度も繰り返した東京と秋田の往復は、上越線経由の特急「いなほ」に乗って、この風景を満喫しながら旅したのである。

    (午後9時前の沼田駅。他には誰もいなかった)

 

 沼田は、昔は北関東の交通の要衝。高低差100メートル近い「日本一の」険しい河岸段丘を登った所に、16世紀に造られた「沼田城」があって、沼田城争奪戦は激烈を極め、上杉謙信・武田信玄・北条氏康が3つどもえの戦いを繰りひろげた。

 

 いかにもレキジョの皆様方の大好きそうな世界であるが、3つどもえの戦いの後には真田昌幸やら真田幸村やらも登場して、レキジョ軍団まさに狂喜乱舞、「沼田」という町の名前は地味でも、天空の町・沼田の魅力はなかなか侮れない。

 

 あの猛暑の日も、鉄道の駅から一気に河岸段丘を上がると、崖の下の町の明かりが星のように煌めいてマコトにロマンチック。いやはやナンボでもカップルがうようよしていそうな雰囲気であるが、旨そうな居酒屋がズラリと並ぶ旧市街を抜けて、すでに汗まみれの今井君は今日の会場へと案内された。

 

 沼田の会場は、「元は結婚式場でした」というキレイな建物で、やっぱりこの町、侮れないのである。出席者、約120名。19時開始、20時半終了。こんなに熱く盛り上がってくれれば、10分でも15分でも延長してまだ長々と喋りたいのだが、なかなかそうもいかない。

(高崎駅のホームで、上越新幹線開業当時の痕跡を発見。40年前、速達タイプが「あさひ」、各駅こだまタイプが「とき」。40年前のヒトビトは、狂喜乱舞しながらこの列に並んだのだ)

 

 何故「そうもいかない」のかというに、今井君が今日のうちに東京に帰り着くには、沼田発21時前の電車に乗らなければならないのだ。それが最終、もし乗り遅れれば帰れないし、沼田周辺に目ぼしい宿泊施設は見当たらない。

 

 もちろん、上越線で2駅だったか3駅だったかさらに北上すれば、「水上温泉郷」はある。太宰治がこよなく愛した温泉で、彼は執筆に疲れると、上野駅から列車に乗って水上温泉を目指した。ついでに好ましからぬ事件なんかも起こしているが、まあその辺の詳細は諸君でググッてくれたまえ。

 

 というわけで、もう他の客どころか駅員さんも見当たらない沼田の駅で一人、なかなか来ない各駅停車を待った。新前橋まで40分、新前橋で乗り換えて高崎まで10分。高崎から新幹線で40分、何とか高崎の売店で缶ビール2本を手に入れたが、いやはや23時半、ほうほうのていでオウチにたどり着いた。

 

1E(Cd) Kirk Whalum:UNCONDITIONAL

2E(Cd) Sheila E.:SEX CYMBAL

3E(Cd) Sheila E.:SHEILA E.

4E(Cd) Incognito:BENEATH THE SURFACE

5E(Cd) Incognito:100°AND RISING

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