Tue 220809 出張旅行で馴染みになった町/昔の金沢は遠かった/金沢の大盛況 4255回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 220809 出張旅行で馴染みになった町/昔の金沢は遠かった/金沢の大盛況 4255回

 もしこの職業に就いていなかったら、金沢の町がこんなにワタクシの馴染みになることは、きっとなかったと思う。

 

 1年に2度も3度も出張で訪れ、それが今の職場で18年目にもなれば、金沢駅前も片町も、東茶屋街も兼六園も、もうみんなすっかり馴染みの風景。1年に3泊したとして、すでに50泊を超えている勘定だ。

 

 こういう町が日本中にたくさんあって、例えば熊本や長崎、例えば姫路や広島、そのレベルまではいかないにしても、松山に静岡に富山、岐阜に函館に札幌、北見に旭川に那覇に福岡、出張のおかげで大好きになった町は少なくない。

 

 そう言えば、最近は福岡を訪ねる頻度が下がった気がする。35歳から37歳までの3年間、まだ今井君が駿台予備校の若き超人気講師♡だった頃は、毎週金曜日が福岡校に出講の日。木曜に池袋で17時まで仕事をした後、羽田からヒコーキで福岡に飛んで、天神「西鉄グランドホテル」に1泊した。

 

 金曜朝8時半から、福岡校浪人生クラスの授業を6コマ担当。さらに高3の九州大学クラスを1コマこなして、福岡校を出るのは夜8時半、最終便で羽田に飛んで帰り、当時は埼玉県の奥の奥にオウチがあったから、オウチに帰り着くのは日付が変わる頃だったが、翌土曜日はまた元気に朝8時半から東京で授業に取り組んだ。

 

 驚くべきことに、こんなスケジュールの中でも、福岡市内での飲み会にも参加していたのである。京都や大阪から福岡校に出講していた先生方とも飲んだし、福岡校スタッフの皆様とも飲んだ。こういう生活をしていて、出講先の町が大好きにならないわけはない。

(金沢、約200名の大盛況。ただしキャパ1/2、この風景が常態化しそうだ 1)

 

 こういうふうで、たとえ出張旅行であっても、訪問の回数が増えれば増えるほど、比例するようにその町への愛着も大きくなる。夏の甲子園なんか、もうどこを応援すればいいのか分からない。どの都道府県のチームでもみんなほとんど一律に、深い愛着の対象になってしまう。

 

 その辺は海外の町でも全く同じことなので、リスボンもアムステルダムもマルセイユもイスタンブールも、要するに世界中どの町でも、訪ねたことさえあれば、もう好きで好きでたまらない。去年の東京オリンピックなんか、どこの国の選手を応援したらいいのか、なかなか決断がつかなかった。

(最近気に入っている東京駅の「からあげ弁当」。確か春の頃は、唐揚げが5個だか6個だか入っていたように思う)

 

 出張のおかげで何度も訪れた飲食店も多い。旭川ならラーメンの「すがわら」、札幌の場合は恥ずかしながらサッポロビール園でマコトにベタなジンギスカン、松山なら鍋焼きうどんの「アサヒ」に「ことり」、金沢の場合は高級料亭「山の尾」である。

 

 しかしやっぱり、すでに2年半が経過したコロナ蔓延のせいで、どの店からも足が遠のいてしまった。あえていえば、今年の早春の金沢で「山の尾」を訪ね、恐ろしく贅沢なカニ三昧を満喫したが、満喫しすぎてふと甲殻類のカホリに我慢がならなくなり、今では甲殻類の出汁の匂いにムセてしまうほどだ。

(もし唐揚げの数が減ってしまったのだとしたら、マコトにセチがらい世の中だ)

 

 さて7月11日、ワタクシは久しぶりの金沢を訪問。18年も出張での往復を重ねていれば、金沢の町も大きく変化する。ホンの10年前までは、金沢はまだまだ京都&大阪文化圏であって、人々が話すコトバにもハッキリ「関西文化園です」という温かな風情があったが、新幹線の開通以来、金沢はグッと東京に接近してしまった。

 

 思い起こせば新幹線開通以前、金沢はなかなか接近しにくい遠い町だった。松本清張「ゼロの焦点」なんかでも、失踪した夫の行方を追って金沢に向かう若い妻は、上野から夜汽車に揺られ、長い長い旅の果てに異郷の駅に呆然と立ち尽くす。

 

 18年前のワタクシの場合は、まず東京駅から上越新幹線の越後湯沢に向かわなければならなかった。越後湯沢で第3セクター「ほくほく線」経由の在来線特急「はくたか」に乗り換えた。

 

 その乗り換え時間が、行きも帰りも約5分しか設定されていなかった。もし乗り遅れれば、越後湯沢の駅で1時間も待ちぼうけを食う。他の乗り換え客と競うように、夢中で駅構内を駆け回った。懐かしすぎる思ひ出である。

 

 もちろん昔の金沢ゆきは、「小松空港までヒコーキ」のほうが定番だった。しかし小松空港から金沢までは、高速バスで1時間近くかかる。「タクシー!!」という贅沢を選択すれば、軽く13000円は飛んでいく。気が引けて、なかなか「タクシー!!」の決断がつかず、結局満員のバスを選んだ。

(金沢駅構内で「かにいなり」を購入。オイシューございました)

 

 この小松空港経由で一番忙しかったのが「プレミアムシートでの食事」である。越後湯沢の駅構内で猛ダッシュする必要はないが、たった30分ほどのフライト時間で一気に胃袋に流し込む食事は、勝るとも劣らぬ咀嚼と嚥下の猛ダッシュが必要だった。

 

 羽田 ⇄ 大阪便でも羽田 ⇄ 富山便でもそうだが、今もなお続いているプレミアム席でのお食事、そろそろヤメにしていいんじゃないか。シートベルトサインが消えるなり、CAの皆様が猛ダッシュで食事を配り、乗客は猛ダッシュで全てを飲み込み、約10分後にはお弁当の回収が始まる。お互い、恐るべき早業が必要だ。

 

 コロナ以後、「新聞の配布」はヤメにしてくれた。これだけはマコトにありがたい。周囲の乗客が新聞紙をバザバザめくる音は耳に障る。しかも新聞紙というものには意外に臭いニオイがある。隣りの乗客が選択したスポーツ紙には、とても女性客に見せられない記事だってデカデカと載っている。

 

 この2年半、新聞配布に悩まされることはすっかりなくなった。今や機内誌さえもネットで配信。紙の冊子を特に希望の人にのみ、小型の冊子をそっと持ってきてくれる。今後とも、新聞も機内誌も今のままでいい。あとは、あのチョー忙しいお食事の習慣を、「希望なさらない方には、マイルを進呈いたします」に変更していただければ大満足だ。

(旨かった「かにいなり」。実はもう1個あったのだが、写真を撮る前に飲み込んでしまった)

 

 ま、「金沢」と聞いただけでワタクシの頭の中には、以上のようなとりとめもない思いが、奔流のように駆け巡るのである。金沢に到着して、すっかり馴染みの駅前風景に目を細め、これまた馴染みのANAクラウンプラザホテルにチェックインする。

 

 到着が14時、仕事は19時からだから、それこそ「ホテルライフを満喫」したわけであるが、18時にロビーにてスタッフと待ち合わせ、19時から「金沢歌劇座」で、参加者約200名の公開授業。あんまり暢気に「ホテルライフ」なんかをやっていると、いざ仕事という時になかなかエンジンがかからない。

 

 もう10年以上むかしのこと、同じ「金沢歌劇座」で1100名の大講演会に登場したことがあった。あの時の聴衆は中3生とその保護者。一家で2人も3人も参加するわけだから、中年オジサマの講演に1000人を超える人が集まっても、まあ不思議はなかった。

 

 しかし確かその前日だったか前々日だったか、AKB系アイドルグループのライブが同じ会場であって、ワタクシの講演の方の参加者が若干多かったとか少なかったとか、とにかくたいへんな評判になったものである。

     (会場は、懐かしの「金沢歌劇座」だった)

 

 あれから秋の今井の金沢講演が定番になり、しかしなかなか金沢歌劇座を会場として押さえることができず、金沢駅前のホテルの大ホールを常に超満員にしての開催に変わった。それでも10年も続けて必ず600名とか700名とか、「光栄」としか言いようのない数の出席者の前に立って講演を続けた。

 

 しかし諸君、もちろん2020年以降は、恒例の9月講演会も3年連続で中止。今回は金沢歌劇座を借りられたが、あの時の大ホールではなくて、大会議室にテーブルと椅子をズラリと並べたいわゆる「スクール形式」の公開授業となった。

(金沢、約200名の大盛況。ただしキャパ1/2、この風景が常態化しそうだ 2)

 

 対象は、高1生と高2生に限定。テキストは難関国公立大タイプ、長文読解の「C」を使用。美しく輝くド派手シャンデリアの下で90分、またまたダラダラ大汗を流しながら燃えに燃えた今井君は、終了間際にはすでに熱中症一歩手前と言ふアリサマ。終了後はまるで逃げるようにホテルに帰った。何が何でもすぐに水分を摂取したかったのである。

 

 もちろんこういう場合のワタクシが求める水分とは、美しい白い泡を豊かに浮かべた黄金色の液体だ。冷たく冷えたアルミ缶から、冷蔵庫で冷やしておいたグラスに注げば、2缶でも3缶でも4缶でも、あら不思議、たちまちのうちに力強い胃袋に吸収されていくのであった。

 

1E(Rc) Solti & London:HAYDN/SYMPHONY No.101 & 96

2E(Rc) Collegium Aureum:VIVALDI/チェロ協奏曲集

3E(Rc) Corboz & Lausanne:VIVALDI/GLOLIA・ KYRIE・CREDO

4E(Rc) Elly Ameling & Collegium Aureum:BACH/HOCHZEITS KANTATE & KAFFEE KANTATE

5E(Rc) Backhaus:BACH/ENGLISH SUITE・FRENCH SUITE

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