Fri 220729 楽しいランチ、寂しい晩酌/迷惑ジーチャン/誕生日のひょうたん 4251回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 220729 楽しいランチ、寂しい晩酌/迷惑ジーチャン/誕生日のひょうたん 4251回

 こうして毎日毎日、遊びに行った話ばかり書いていると、「要するにイマイは関西に2週間、遊びに行って来たんかいな?」と言われるかもしれないが、まさにその通り、実は遊びに行ってきたのかもしれない。志摩半島に舞鶴に京都の街歩き、昼の時間帯は関西のスタンダードな観光を日々満喫していた。

 

 ランチだって昼メシだって、もちろんランチと昼メシの違いぐらいはチャンと分かってくれる読者層だと信じているが、ランチの方は京都「浅井食堂」「グリル富久屋」「In the Green」で、昼メシのほうは大阪難波「岡長」「ぶどう亭」あたりで、人生に類を見ないほど楽しんできた。

(再び三たび、大阪難波の地下街「岡長」へ。厚揚げとジャガイモのおでんを満喫する)

 

 でも諸君、「遊んでばかりだった」などとは決して言わないでほしいのだ。そりゃポンポンの中身を調べてみれば、ハンバーグにエビフライにナポリタン、ダイコンと厚揚げとジャガイモのおでん、ついでに串カツに串揚げで満杯。とてもKusoマジメに仕事をこなしていたとは思えない。

 

 しかし夜の時間帯は、それはそれは来る日も来る日も仕事&仕事、ワーカホリックと言われても致し方ないマコトに真剣な仕事ぶりだったのだ。何しろこのご時世、少しでも「密」と誤解される写真をここに掲載することは出来ないから、どうもその熱烈な仕事ぶりが伝えきれなくてもどかしい。

 

 とにかくキャパ1/2ルールをひたすら厳守して、欲求不満の高まる夜のお仕事を丹念に継続した。岸和田から始まって、泉ヶ丘・群馬の前橋・なかもず・高槻・京都・西宮・堺東・また西宮・三田、まさに関西♡津々浦々、「行ったことのないところはありません」と、胸を張れるほどの勤勉さなのだ。

 (まだまだ足りない。ダイコンと厚揚げのおでんを追加する)

 

 すると諸君、ランチと昼メシが派手というか充実している分、「センセーはディナーとか晩ゴハンはどうしてらっしゃるんですか?」という質問が想定されるじゃないか。おお、我がお得意の「想定質問」 の出番である。

 

 イマイの授業が信じがたいほど分かりやすい秘密は、事前の「想定問答集作成」にある。ワタクシの予習は、想定問答集の作成が中心であって、「授業後には、きっとこんな質問がくるな?」と、前日や前々日にニヤニヤ、想定問答集をアタマの中で作成するのだ。

 

 場合によっては、「アタマの中」ではなくて、実際にA4版1枚に10項目、「予想される生徒の質問」を書き出すことさえある。あとは90分授業のタイムスケジュールの中に「想定される質問」を順次書き込んでいく。授業中に先回りして、質問への明確な回答を挿入してしまうのである。

(まだ「岡長」。下が「焼き厚揚げ」、上「牛すじ煮込み」。我が胃袋に限界はない)

 

 するともちろん「授業が分かりすぎて、質問に行けない」という事態も発生する。質問に行きたくて&行きたくて切歯扼腕している生徒というのも、塾や予備校の世界にはワンサと存在するのだ。

 

 ママもパパも「わからないことがあったらすぐ質問に行きなさい」と言うし、先生たちも「不明な点はすぐに質問に来いよ」とグッと胸を張ってアドバイスしてくれるが、いやはや大ベテラン今井は、その姿勢をヨシとはしないのである。

 

 まず、それは時間の無駄だ。というか「授業で100%わからせる」という教師としての責任の放棄と言ってもいい。「わからない点の発生」を放置して、要するに授業の不完全さを容認して開き直る。「ぜーんぶ分かっちゃいました」と生徒たちが快哉を叫ぶシーンを、最初から無理だと決めてかかっているだけなんじゃないか。

 

 というか、「分かりませんでした」「教えてください」「教えてください」と、若くカッケー先生の周りに生徒の輪ができれば、そこからいろんな不都合だって生じたりする。人と人とがジャレあえば、愛もキズナも生まれるが、あってはならない不都合が生じる可能性も低くはない。

(帰りのヒコーキは都心上空を飛んだ。東京タワーもキレイに見えた)

 

 さて、今井のディナーであるが、仕事が終わってホテルに帰ってくるのは、早くても22時。23時を過ぎることも多い。

 

 コロナ前なら、その時間帯から居酒屋に出入りして晩メシを楽しむこともできたし、そもそも仕事先で必ず懇親会・祝勝会・宴会がセットされていて、地元の若い先生方とたっぷりディナーを満喫できた。

 

 しかし今やその類いは、全て禁止ないし中止。寂しくタクシーで22時、または電車でホテルに23時、もうヘトヘトに疲れたサトイモ君は、コンビニ飯と缶ビールと安い日本酒で、早朝2時か3時まで、場合によっては夜が明けるまで、悲しい晩酌を繰り返すだけなのである。

 

 6月も下旬、いよいよ関西シリーズは、25日の和歌山と、26日の尼崎塚口を残すのみとなった。25日和歌山での公開授業は、出席者110名。26日、我が誕生日の尼崎塚口での公開授業は、校舎の自習室での開催だ。「密」に詰め込んでも140名のキャパだから、1/2ルールを厳守して70名の参加となった。

 

 和歌山までは、新大阪からJR特急「くろしお」を利用する。難波から南海特急サザンでもいいが、サザンの終点・和歌山市駅からJR駅前の会場までは、タクシー代が2000円もかかる。

  (帰りのヒコーキから、レインボーブリッジを望む)

 

 早めに到着してしまったから、駅前の某ホテルのコーヒーショップへ。アイスコーヒーを注文して1時間弱、1人でマコトに寂しく&悲しくヘナヘナ座っていた。今井がアルコールなしのドリンクで1時間もヘナヘナしているなんて、5年に1回あるかないかの大珍事だ。

 

 すると諸君、その店におかしなオジーチャンが闖入してきた。「類はともを呼ぶ」とか、そんなことを言ってニヤニヤしないでくれたまえ。確かにこのサトイモだって変なオジサマだが、闖入してきたオジーチャンの変ぶりは、今井をはるかに凌駕する。「ホットコーヒーちょうだい」と叫んだ大声が、明らかに常軌を逸している。

 

 ワタクシのテーブルから10メートルほど離れているが、ジーチャンが呟いている独り言のボリュームはあまりにも大きい。何だかいかにも常連っぽく振舞っていても、ウェイトレスの困惑ぶりから、おそらくこの店として困ったお客であることは明らかだ。

 

 そして、いったんウェイトレスをつかまえたら、もう意地でも離さない。たったいま久しぶりに大阪に行って大活躍をしてきた話。年金暮らしでこの店のホットコーヒーがどんなに楽しみかという話。これから新しいズボンを買いに行くが、このあたりでどの店がいいかという話。延々と続く。

(ヒコーキからの都心風景。左端が東京タワー、中央はるかにスカイツリーも写っている)

 

 つかまったウェイトレスの困惑ぶりが、手に取るようにわかる。どうにかしてあげたいが、まだそのタイミングではない。そのうちジーチャンは大きな黒い長財布を取り出し、「さっき郵便局から年金を20万円引き出してきた」と言って、おそらく20枚の1万円札を扇子のように広げ、自分のシワシワ顔をあおいでみせた。

 

 そして諸君、その中から2枚だか3枚だか引っ張り出して、「これ、アンタにあげましょう」とウェイトレスに突きつけた。店の客は、ワタクシとジーチャンのみ。店のスタッフも、奥には何人かいるのかもしれないが、夕方の寂しい時間帯で、とりあえずウェイトレスは1人しかいない。

 

 ジーチャンの闖入から、すでに15分以上が経過している。2万だか3万だか、ジーチャンはオカネをどうしても引っ込めない。もちろんウェイトレスのオネーサマだって、そんなもの受け取るわけにはいかない。

 

 膠着状態は5分以上続き、「もらってくれへんのか?」「いただけません」「なんでや?」「いただくわけにはいきません」「どうしてや」「とにかくいただけません」「どうしてもらってくれへんのや?」という押し問答は、とうとう「ワシのカネが受け取れへんのか?」「老人をバカにしとんのか?」という領域に達した。

(誕生日のワタクシは、難波の串カツ「ひょうたん」を選択 1)

 

 事ここに至って、さすがにワタクシは席を立ち、何しろ和歌山で一番の高級ホテルだ、セキュリティだってしっかりしているはずだ、マネジャーをお呼びして対処をお願いすることにした。これは完全にセキュリティ案件だろう。

 

 ちょうどそこへ、ワタクシの今日の仕事のスタッフも現れた。このコーヒー店で待ち合わせていたのである。ホテルのマネジャーもほぼ同時にやってきて、やっとこの困ったジーチャンへの対処が始まり、ワタクシはスタッフの皆様と別の店に移動して、今日の打ち合わせを開始することにした。

 

 というわけで諸君、おかしなジーチャンの出現でいささか調子は狂ったが、和歌山でのお仕事もまた大成功。思えば初めて和歌山での公開授業に臨んだのは、すでに17年前のことになる。つまりあのころ生まれた赤ちゃんたちが、今日の受講生なのだ。

 

 ところでジーチャンであるが、あの後もまだ延々と粘っていた模様である。1時間後、「別の店」での打ち合わせが終わって公開授業の会場に向かう途中、こっそり例のホテルの店を覗くと、なおジーチャンはマネジャーと激論を交わしている様子だった。

 

「何があかんのや」「ワイのカネをワイが何につかおうと、アンタにカンケーあらへんやろ」「ネーチャンがオカネを受け取るまで、ワイはここを動かんで」。聞こえたわけではないが、聞かなくても想像はつく。これはもうマネジャーの何とかできる案件ではない。セキュリティのお仕事だ。

(誕生日のワタクシは、難波の串カツ「ひょうたん」を選択 2)

 

 こうして日々汗みずく、23時のホテルにほうほうのていでたどり着き、コンビニ飯で晩酌を続ける日々は最終盤になった。シリーズ最終回の尼崎塚口の会場からリッツカールトンホテルに帰り着き、気がつくと6月26日、「今日はオレの誕生日だったな」と、深い溜め息をついた。

 

 何しろ誕生日だから、せめて翌日には何か記憶に残るような食事をしたい。しかし諸君、コロナが収まっていた頃のこととて、大阪は梅田も難波も心斎橋もたいへんな人出、どこの飲食店をのぞいても超満員の大行列だった。

 

「誕生日なので、特別にワタクシだけ先に入れてくれませんか?」と頼み込むわけにもいかない。そんなことしたら、あの和歌山のオジーチャンに勝るとも劣らない厄介者になっちゃう。

(誕生日のワタクシは、難波の串カツ「ひょうたん」を選択 3)

 

 しかし大阪の地元民もみんな入店を諦めて、その辺のファストフードの店で済ませようとしている。「いやはや、いやはや、困ったな」とつぶやきながら、半ば諦めてちょっと大きめの串カツ屋をのぞいてみた。「ひょうたん」と大きな赤い提灯を出した店である。

 

 どうしたものか、ここはガーラガラ。大阪でガーラガラのお店は、まあ普段ならヤメておいた方が無難なのだが、何しろ長い大阪シリーズが完了した日、しかも我が大切な誕生日、たとえ100年生きても100回しか経験できない大事な誕生日だ。このままスゴスゴ東京には帰れない。

(大阪難波「ひょうたん」の16本セット。明らかに多すぎた)

 

 というわけで、誕生日の今井君は、おとなしく大阪難波「ひょうたん」のテーブル席に着席した。その選択、その行動を、大阪の人がどう評価するかは知らない。しかし諸君、店の名前まで明記してしまったし、写真も数枚掲載しちゃった。だから、店の選択が成功だったか失敗だったか、ここには書かないことにする。

 

 ただしさすがに、「16本セット」は多すぎたかもしれない。もちろんいつもの今井なら、串カツの16本ぐらい15分もかからずペロリと胃袋に収めるのだが、どうもこの日は、そのペロリを困難に感じたのだった。

 

1E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 4/4

2E(Cd) Mascagni & Teatro alla Scala di Milano:MASCAGNI/CAVALLERIA RUSTICANA

3E(Cd) Molajoli & Teatro alla Scala di Milano:LEONCAVALLO/I PAGLIACCI

4E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK VIOLIN CONCERTO & SARASATE

5E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 1/2

total m62 y661  dd27690