Thu 220609 赤坂の風が涼しい/金糸梅とタチアオイ/銀座ライオンの長靴グラス 4233回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 220609 赤坂の風が涼しい/金糸梅とタチアオイ/銀座ライオンの長靴グラス 4233回

 梅雨に入っても、東京大横断のウォーキングをやめるわけにはいかない。もちろんウォーキングと言っても、普通に歩くだけだ。よく朝の公園なんかで中高年のオジサマ&オバサマ集団がやっているような、腕をキュッと90度に曲げてハイスピードで突き進む本格的なヤツではない。

 

 しかし別に本格的なヤツでないとしても、実際には本格オジサマ&本格オバサマより距離もはるかに長く、スピードも決して負けてはいない。新宿から青山 & 赤坂を通って銀座まで、たった2時間で踏破する。途中1度も休まない。何度か立ち止まってお茶かポカリをゴクリとやるだけである。

 

 すると毎回、赤坂で風の感触がガラリと変わるのに気づく。最も劇的なのは、ホテルニューオータニの巨大な建物に四谷側の正面エントランスから入り、赤坂見附側の出口から出た時である。

 

 もちろんホテルを通路がわりに使うような行動は推奨できないが、まあたまになら、ホテルショップを冷やかしながら歩くぐらいいいじゃないか。  

 

 四谷側では、汗が噴き出してくるぐらい蒸し暑かったのが、赤坂サイドに出た途端、心地よい涼風が辺りを吹き抜け、ホッと一息つけるのである。

(銀座ライオン・銀座7丁目店で、長靴型グラスの黒ビールをいただく。未成年者諸君には、「父の日プレゼント」にこのグラスをオススメしておく)

 

 ワタクシはもちろん専門家でもブラタモリの番組構成者でもないから、その原因は全く分からない。しかし赤坂の地形が何らかの形で関係しているのは感じる。赤坂は、坂の下の町である。青山から赤坂に向かう時でも、六本木から赤坂を目指す時でも、必ず急な坂を下っていく。

 

 赤坂に着くと、山王神社横の急坂の向こうに日比谷高校があるが、だから日比谷サイドから見てもやっぱり赤坂は坂の下。坂の下に冷たい空気が吹き降りてくるのは当然なんじゃないか、タモリさんならそうおっしゃってニコッとイタズラっぽく笑うかもしれない。

  (青山から赤坂へは、「薬研坂」の急坂を降りていく)

 

 赤坂見附からは、溜池山王 → 特許庁前 → 文部科学省前 → 農水省前、たいへんお偉いお役人さまたちが闊歩する辺りを通って、日比谷公園に出る。

 

 いやはや霞ヶ関なんかを散策していると、せっかく赤坂の涼風で爽快な気持ちになっていたものが、再びギュッと暑苦しさが増してくる。やっぱりワタクシはお役人さまが苦手なのだ。

 

 あんなに連日連夜の激務に明け暮れて、しかもちっとも弱音を吐かない。怠け者の今井君なんか、足元にも及ばないその強靭な精神力の気配が、うーん、どうしても近寄りがたいのである。

  (青山から赤坂へ、丹後坂を降りていくルートもある)

 

 しかし霞ヶ関から日比谷にかけての界隈も、今年はどこもお花が美しい。財務省の前ではヤマブキに似た黄色い花が満開。「ヤマブキみたいだけどヤマブキではない花」として最近どこかでちょっとバズったらしいが、これが「キンシバイ」、漢字で書くと「金糸梅」。まあ諸君、気になったらググってみてくれたまえ。

 

 ついでに、ワタクシぐらいの世代の人間だと「金糸梅」から「金瓶梅」を連想する。「金瓶梅」は、明の時代の中国で書かれた娯楽小説。「水滸伝」のストーリーの一部分を切り取って発展させたものらしい。昭和の神田神保町の古書店街には、たくさんの「金瓶梅」が積み上げられていた。

 

 娯楽色が強いので、息子が「金瓶梅」なんかを読んでニヤニヤしているのを発見すると、世の中の父や母はあまりいい顔をしなかったが、そのあたりはボッカチオ「デカメロン」なんかでも一緒。あまり難しい顔はしないほうがいい。

    (日比谷図書館の周囲でタチアオイが美しい)

 

 さて散歩道も終点に近づいて「日比谷図書館」が見えてくる。土曜や日曜には、すぐそばの日比谷野外音楽場から爆音のような大音量の音楽が響いてくるが、平日の午前から午後にかけては、読書を愛する静かな人々がひっそり佇んでいたりする。

 

 その日比谷図書館の前のタチアオイがまた美しい。タチアオイは植物としての形がちょっとアンバランスで、花がたくさんつけば着くほど不安定になり、やがてばったり地面に倒れてしまうのが玉に傷だ。

 

 何となくワタクシなんかは、身につまされるところがなくもない。いろいろ何でもかんでも興味を持ちすぎて、結局何もかもホンモノにならず、バッタリ地面に倒れた時代を思い出す。「風吹かば倒る」であるが、ただしその前提は「我に大力量あり」なので、倒れてもすぐに起き上がればいいだけのことである。

(ウォーキングの仕上げに、銀座ライオンで唐揚げにかぶりつく)

 

 5月下旬、日比谷公園ではドイツビールのフェスティバル開催中だった。横断幕には「オクトーバー・フェスト」とあり、どうして5月にオクトーバーなんだかよく分からないが、色とりどりのバラの咲き乱れた気持ちいい一角に、ドイツのビールを求めてたくさんの人々が詰め掛けていた。

 

 時計を見ると、まだ午前11時。おやおやお昼前からオクトーバー・フェストで乾杯だなんてのは、なんと素晴らしい光景じゃないか。こういうフェストには、5月だろうが10月だろうが御構いなしに闖入する今井君であるが、この日はちょっと遠慮しておくことにした。

 

 というのも諸君、ワタクシは「ヴァイツェンビール」がちょっと苦手なのである。小麦を使った白ビールのことであるが、例えばベルギービールでもその代表格「ヒューガルテン」はヴァイツェン系なので遠慮、もっぱら「シメイブルー」「ステラ・アルトワ」「デュヴェル」を注文することにしている。

 

 5月の日比谷のオクトーバー・フェストは、どうもドンピシャでドイツのヴァイツェンばかりをズラリと揃えたらしい。確かにドイツの人はヴァイツェンが大好きで、ドイツのオジサマ数名が屋外のテーブルを囲めば、そのテーブルにはズラリとヴァイツェンが並んでいる。

(ウォーキングの仕上げに、銀座ライオンでガーリックトーストにかぶりつく)

 

 ワタクシは、むしろ日本のビールのほうがいい。特にこの梅雨の時期だ。長靴の形のグラスに入った黒ビールがギュッとよく冷えていれば、季節感もぴったりだ。バラの花に集まったたくさんのハチ君たちに、ジョッキの周りをブンブンされたんでは、剣呑でビールの味だって分からなくなる。

 

 むかしから今井君が愛するのは「銀座ライオン」、まだコロナが怖いから、銀座7丁目店の2階にあがって個室にどっかと腰を下ろせば、オジサマやオニーサマのグループが飲食しながら馬鹿笑いに興じていても、そんなにコロナも怖がらずにいられる。

   (ドイツの薄焼きピザ「フラムクーヘン」が旨い)

 

 この場合、ランチでもディナーでも、メシのほうはごくごくありふれたメニューで構わない。というかここは「ライオン」だ、豪華で風変わりでタレントさんが表情を歪め & 身体をよじるほどの美味が並ぶわけではない。

 

 しかしワタクシは、あくまで普通の平凡なものが食べたいのだ。まずはチキンのからあげ。ガーリックトースト。そしてフラムクーヘン。フラムが「炎」、クーヘンが「菓子」、ドイツの薄焼きピザである。

(銀座ライオン「銀座7丁目店」で、長靴型グラスのハーフ&ハーフをいただく。未成年者諸君にはもう一度「父の日プレゼント」にこのグラスをオススメしておく)

 

「それなら普通のピザのほうがいいじゃないか」と思う諸君は、オトナになったら是非、試しに来てくれたまえ。さすがにビールの本場の料理だ。もしビールを心ゆくまで楽しみたいなら、ピザでお腹がいっぱいになってしまわないように、フラムクーヘンを選択したほうがいい。

 

 まあこの辺りのお話は、あくまで「オトナになってから」が前提。しかしワタクシのこのブログ、すでにオトナである読者の方がはるかに多い。昔の生徒たちもナンボでもいるし、加盟校サンの社員の方もたくさんいらっしゃる。たまにはオトナ専用の話題で迫るのも、悪くないじゃないか。

 

1E(Cd) Rattle & Bournmouth:MAHLER/SYMPHONY No.10

2E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 1/2

3E(Cd) Goldberg & Lupu:SCHUBERT/MUSIC FOR VIOLIN & PIANO 2/2

4E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 1/2

5E(Cd) Wand & Berliner:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & No.9 2/2

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