Tue 220517 意地でもカレー/火曜定休の街/本家と元祖/美味、小いけカレー 4218回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 220517 意地でもカレー/火曜定休の街/本家と元祖/美味、小いけカレー 4218回

「そういえば、もうずいぶん長い間カレーを食べていない」。本日5月17日のワタクシもさっきお風呂の中でそう絶叫したし、ほぼ1ヶ月前の4月18日、函館のシェラトンホテルに滞在中だった今井君も、函館港の夜景を眺めながら、同じように絶叫した。カレーとはすっかりゴブサタになっていた。

 

 もちろん、「カレーうどん」ということなら、話は別である。カレーうどんなら、京都駅地下道の「味味香」で2日連続して満喫したばかり。しかし諸君、「カレーうどん」と「カレーライス」とは、全く別種の食べ物じゃないか。

 

 函館の今井君は、4月18日の深夜から4月19日の午前2時過ぎまで、「いったいどの店でカレーライスを貪ってやろうか」とメラメラ、ネット情報やら何やら、ありったけの情報を検索して「明日のランチは意地でもカレー」と、目の前が真っ赤に燃え上がる勢いだった。

(函館「小いけ 本店」のハンバーグカレー、目玉焼きトッピング。たいへんおいしゅーございました。左奥が「生姜のカレー漬け」。詳細は記事の終盤で)

 

 しかし諸君、「函館の火曜日」はすこぶる意地悪である。火曜日の飲食店は、ほぼ全面的に休業。営業しているのはファミレスと全国チェーンのお店だけだ。「おいしい」「好評」という地元の有名店は、どこもかしこも申し合わせたように「火曜定休」、マコトに頑なにお客をはねつける。

 

 例えば「レストラン雪河亭」。函館を代表する高級レストラン「五島軒」の本店であるが、HPには「4月中旬まで火曜定休」の文字が。そして間違いなく4月19日は「4月中旬の火曜」であって、翌日の午前10時に電話してみても、「定休日でございます」の音声が流れるだけだった。

 

 その「雪河亭」、4月下旬以降なら火曜日でも営業しているのかもしれないが、諸君、もし函館に旅するプランがあるのなら、火曜日は避けたほうが賢明だ。

 

 おお、役に立たない情報しか書かないことにしている今井ブログとして、ホントに珍しく「お役立ち情報」の掲載だ。こりゃ天変地異の一種なんじゃないか。

 

「函館に行くなら、火曜日は避けよ」。ちゃんとノートにメモするか、スマホ画面に取り込むか、床の間の掛け軸に墨で大書して日々ジッと眺めるか、何らかの方法でこの長老イマイの名言を忘却しないように努力したまえ。何なら、このブログのタイトルを「火曜日はダメよ」に変更してもいい。

(カレーの「小いけ」までは、函館駅前からトラムで5分ほど。「十字街」で降りて徒歩2分)

 

 しかし、うれしいじゃないか、捨てる神あれば拾う神あり、函館の老舗の中にはやっぱりチャンと、火曜日の胃袋の守護神が存在した。「小いけ 本店」、ここは火曜日のランチからビシッと営業、カレーに取り憑かれた今井の胃袋を、優しいその胸で力強く受け止めてくださるらしい。

 

 サトイモ君は欣喜雀躍、トラムで2駅の「十字街」に向かった。今井はサトイモだが、ジャガイモ君たちの代わりにカレーの鍋にジャンプしたいほどだった。昨夜の「赤レンガ倉庫」からも近いが、あんまりカレーが貪りたくて、わずか徒歩20分の散策より、トラム5分のほうがどうしても好ましく思えた。

(この人こそ「小いけ」のカレーを生み出したオジサマであるらしい)

 

  地元では、というかネット情報では、「小いけ 本店」vs「元祖 小いけ」の戦いが有名になっているとのこと。「本店」のお隣に「元祖」があって、本店と元祖の「小いけ」どうし、「ウチがホンモノの『小いけ』です」と、決してどちらも譲らないらしい。

 

 その話がウソかホントか分からないが、確かに店に接近してみると、「本店」の隣に「元祖」があり、「元祖」の隣に「本店」がある。間には幅4メートルか5メートルの道路をはさむばかりだ。

 

「小いけ」と「小いけ」がこんなに接近していて、しかもめでたく合併 →「いっしょにやりましょう」という運びにならないとすれば、まあウワサはホントなのかもしれない。

 

 どっちかが素直に「小池」にするか、「こ池」「小イケ」「恋け♡」と譲歩ないし飛躍ないし飛翔するか、それで決着をはかってもいいのかもしれないが、何しろ長い歴史と伝統があるんだ、そんな冗談すら言うべきではないのかもしれない。

(小いけ本店。おいしゅーございました。是非また訪問したい)

 

 ワタクシは、こういうライバル関係、そんなに悪いことだは思わない。変な足の引っ張り合いとか、誹謗中傷合戦とかに発展しない限り、微笑ましく熱い切磋琢磨なら、どちらも必ず品質の向上につながるはずだ。

 

 京都・今宮神社前の「あぶりもち」なんかが、いい例じゃないか。1000年前の平安時代から続く「元祖あぶりもち 一和」に対して、500年前創業「本家 根元 あぶりもち かざりや」。「前者(正式には一文字屋和舗)がオットリして好き」という人もいれば「後者のシッカリした味が好み」という人もある。

 

 それでいて、ケンカも罵りあいもニラミあいも、今は全くなし。マコトにほっこりと、幅10メートルもない神社の参道をはさんで、これからも300年、500年、「13本で500円」のあぶりもちを仲良くあぶり続けるだろう。

 

 他にも京都には、「帆布」関連とか「八ツ橋」関連とか、昭和の時代ならテレビドラマになりそうな「本家 vs 元祖」のライバル関係が少なくないようだ。さすが長い歴史と伝統のなせるわざ、とにかくイヤな争いにならないように、長く切磋琢磨を続けてほしい。

(火曜定休、元祖 小いけ。次の函館訪問は火曜日以外にして、ぜひ元祖のカレーも味わってみたい)

 

 というか、予備校の世界にも「本家 vs 元祖」系のニラミあいは少なくなかった。講師の誰かが「〇〇式 秘密の英語速読法」みたいなものを発明する。すると目ざとい別の講師が「その速読法を改良した」と称して、「△△式 秘伝の英語読解法」を考案し、宣伝する。

 

 そういう場合、どちらも必ず人気講師であり、どちらもたくさんの「ファン」の生徒たちが後押ししていて、「本家〇〇速読法」「元祖△△読解法」の参考書が次々と出版され、本の売り上げ、夏期講習の生徒数、そんなことまで熱く競いあううちに、肝腎の学力向上のことは忘却のかなたに消える。

 

 実は20世紀終盤から21世紀初頭にかけては、英語でも数学でも国語でも、いろんな科目で頻繁にそんなスッタモンダが発生した。でもそのおかげで、予備校の授業がぐんぐんアップグレードされたことも事実だ。

 

 今や予備校の授業のクオリティは、20世紀とは別世界のハイレベル。ウソだと思うなら、予備校が舞台の映画でも見てみたまえ。「十八歳、海へ」「ダイアモンドは傷つかない」、どちらもモデルは代々木ゼミナールだが、「へえ、こんな授業だったの?」と、思わずひっくりかえりそうになる。

 

 さて、21世紀前半の予備校はどうか。まあワタクシ自身はもうすっかり大ベテラン、お相撲で言えば行司役、「長老」の域に入ったと言ってもいい。その辺の競争からは、そろそろ卒業できたように思う。というか、競争を卒業すべき年齢になった。

(本店と元祖は、こんなに接近している。京都のあぶりもち2店と、距離関係はほぼ同じだ)

 

 そこで肝腎のカレーであるが、「本店」を選ぶか「元祖」を選ぶか、その選択に悩むこともなく、残念ながらこの日は「元祖」の方が火曜定休。「火曜日はダメよ」の原則のおかげで、マコトにスッキリ「本店」に闖入することになった。

 

 30数席はある広い店内で、ワタクシは4人がけのテーブルを選んだ。何しろお仕事とは無関係の旅だから、まずビアを中瓶で1本。もちろんここは北海道だ、ビールは「サッポロクラシック」に決まっている。

 

 するとビールと一緒に「生姜のカレー漬け」が運ばれてきて、「たくさんありますから、足りなかったら言ってください」と嬉しいお言葉。オネーサマというかオバサマというか、つかず離れずの温かい客あしらいが巧みである。

(カレーで満腹、ワタクシは再びトラムに乗って、函館五稜郭を目指した 1)

 

 最近は「注文してから商品が出てくるまでの所要時間」について「着丼(ちゃくどん)」という表現を使うらしい。牛丼店でも天丼店でもうどんそばの店でも、「3分で着丼」「着丼まで15分もかかる」みたいな表現が目立つ。

 

 せっかくだからワタクシも流行に従って、この日は「注文から10 分で着カレー」。注文したのは、ハンバーグカレー目玉焼きのせ。着カレーまでの10分は、ビールと名物「生姜のカレー漬け」にピッタリだった。着カレーと同時に、2本目のサッポロクラシックも注文した。

 

 カレーをワンスプーン口に運ぶと、おお、美味である。「おお、美味♡」と呟いた直後に、「うぉ、うぉうぉ」が続く。驚くほど辛い。別に「極辛」「極極辛」「激辛」と名乗っているわけでもないのに、ヒタイや首筋や頭皮にズンズン汗が滲み出してくるぐらいの辛さだ。

(カレーで満腹、ワタクシは再びトラムに乗って、函館五稜郭を目指した 2)

 

 これはいい。幸い朝の出がけにハンカチを忘れずにトラムに乗った。ハンカチ1枚がグッショリになったところで、完食。どうやらこの独特の辛さは生姜のなせるところであって、なるほどそれで「生姜のカレー漬けならいくらでもあります」とおっしゃったのかもしれない。

 

 かいた汗の水分は、もちろんサッポロクラシックで補った。満腹してホッ、水分も補給してホッ、やっと落ち着いてメニューを眺めると、メニューの豊富さに目を見張る。トッピングも豊富。融かしたチーズをたっぷりカレーにかけていただく「チーズフォンデュカレー」なんてのもあるらしい。

(カレーで満腹、ワタクシは再びトラムに乗って、函館五稜郭を目指した 3)

 

「カレーが苦手な方に」という心のこもった別メニューもあって、おやおや「カツ丼」なんかもある。カツ丼にトッピングの「カレーソース・ハーフ」という選択もOKだ。

 

 後から入ってきた母と娘の2人連れは、30歳代の娘さんが大っきなカツカレー、70歳代と思われる母親は、きっとカレーがあまり得意ではないのか、カレーソースは「ハーフ」にして、穏やかな定食ものを注文していた。

 

 こんなに「本店」が旨いなら、ライバル関係にある隣の「元祖」もきっと間違いなく旨いだろう。火曜定休が残念なぐらい。大食漢のワタクシなら、この直後に「もうワンカレー行くか!!」と呟きながら、本店の玄関を出てその足で元祖に向かうような非常識な行動も、特に躊躇はないのである。

 

1E(Cd) Böhm & BerlinerMOZART 46 SYMPHONIEN 2/10

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