Mon 220411 早春シリーズ後半戦へ/京都・鍵善でクズキリ/大和西大寺の大盛況 4193回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 220411 早春シリーズ後半戦へ/京都・鍵善でクズキリ/大和西大寺の大盛況 4193回

 314日のたった1日の休みをはさんで、翌15日から今井君の東奔西走&南船北馬が再開された。

 

 折り返し点を過ぎても、まだまだつくづく長い行軍が続くのであって、ここから奈良  姫路  沖縄  船橋  徳島  相模大野  海浜幕張  千葉  南浦和  三鷹、3月15日から26日までの我が行軍は、早春スケジュールの前半に勝るとも劣らない青息吐息の日々である。

 

 ただ、どう言うんだろう、相模大野から先の日々には「血湧き&肉躍る」という類いの感慨がない。東京・横浜・千葉・埼玉、マコトに地味に首都圏を右往左往するばかりだからかもしれないが、「日々旅にして旅を住処とす」と言ふ基本的感動に欠けるのである。

 

 ま、そんな贅沢を言っている場合ではない。3月15日は、奈良県・大和西大寺。17年前に東進に移籍してくる前までは、「大和西大寺」、マコトにエキゾチックな響きを感じた。

 

 まさかこんなに頻繁に訪問する駅になるとは思わなかったが、諸君、17年でおそらく合計40回以上、「大和八木」「橿原神宮」「柏原」「八尾」そして「大和西大寺」、大阪南部から奈良西部にかけての近鉄電車沿線は、気がつけば我が懐かしいホームグランドの1つになっていた。

(3月15日、奈良大和西大寺の会場は「秋篠音楽堂」。名前からしてあまりに奥ゆかしいじゃないか。ここに170名の生徒諸君が集結してくれた)

 

 若い諸君には特にオススメしたいのが、「とにかくたくさん訪ねてみること」である。反感を感じていようと、違和感を感じていようと、とにかく構わず訪問を繰り返す。するといつの間にか熱い親近感が湧き上がり、第2第3のふるさとのように思えてくる。

 

 ついでに、その土地の言語も学ぶこと。フランスでもイタリアでも、スペインでもウクライナでも、中国でも韓国でもロシアでも、いったん言語の基礎の基礎を習得し始めると、政治・経済・外交の上でどんなに大きな問題が生じていようと、少なくとも強烈な親近感だけはグイグイ成長してくる。

 

 大事なのはまさにその親近感なので、いったん親近感が湧き上がれば、何が何でも仲良くしたくなり、何が何でも相手の心の奥の奥まで知りたくなり、無意味に対立&対決しようとする選択が、あまりにも下らなく思えるものである。

(奈良・大和西大寺の会場でケーキをいただく。おいしゅーございました)

 

 いやはや、東進に移籍してまるまる17年、今井君が何よりも感謝しているのが、関西全域の人々へのマコトに深い親近感の成長である。いつの間にか、今井君独特の「エセ関西弁」で話し始め、しかもそのエセ関西弁についての地元の評価も極めて高い。

 

 普通、首都圏の人間がNHKの朝ドラを見続けて関西コトバを学んだ場合、関西の人々は一瞬でそのエセぶりを見抜いてしまう。「キショク悪い」と一蹴され、そのエセぶりを容赦なく嘲笑・失笑・爆笑されてオシマイだ。

 

 しかし諸君、今井君のエセ関西弁は、すこぶる評判がいい。嘲笑されるどころか、「正調♡関西コトバ」として認められ、それどころか「ホンマモンの関西人以上に関西人っぽい」というマジな激賞さえ受けるのである。

(京都・四条烏丸「からくさカレー」にて、チキンの赤カレー、ビーフの黒カレー、その相がけでルー大盛りを注文する)

 

 実は、それも当然なのだ。今井君の関西コトバは、18世紀から19世紀にかけての人形浄瑠璃・文楽から吸収したもの。近松門左衛門に近松半二に鶴屋南北のホンが濃厚に染み込み、文楽の世界で活躍した全ての太夫・三味線弾き・人形遣い、彼らの息遣いが深く濃厚に染み込んでいる。

 

 ま、別に自慢するわけであるが、やっぱりその辺は語学の才能だ。地元の人々の言葉の響きが、その温かみやら深いニュアンスやら、基盤となる歴史やら文化やら、バックグラウンドの全てを包摂して今井君の自家薬籠中のものとなる。もう誰もエセとは思わない。というか、「関西人以上に関西人っぽい」と言ふ恐るべき次元に入り込む。

 

 ま、いいか。3月15日、今井君は夕暮れから奈良・大和西大寺、その名も「秋篠音楽堂」と言ふマコトに奥ゆかしい会場で公開授業の予定。宿泊していた大阪駅前リッツカールトンホテルを昼前に出て、午後遅い時間まで京都で過ごすことにした。

 

 とりあえず昼食を予約していたのは、丸太町付近のうなぎのお店。しかしいやはや、実際に入店してみると「こりゃいかん」「こりゃダメだ」と、黒々とした絶望が湧き上がるような残念なお店だった。ワタクシはすぐに予約を取り消して、敢然と四条烏丸のカレーの店に予定を変更した。

 

 京都の飲食店で失敗することはほぼ皆無であるが、ごくマレにこんなこともある。「うな重」ということになっていたが、重箱にはゴハンだけがテンコ盛り、肝腎のうなぎのほうは、縦に割いた半分のそのまた半分が1筋(幅3cm、長さ15cm)、あまりの恥ずかしさにブルブル震えるように乗っかっている。

 

 これでは諸君、客としてはもしここで「敢然と」立ち去らなきゃ、客としての体面さえ保てないじゃないか。幅3cm・長さ15cmのうなぎを直視した瞬間、ワタクシは間髪を入れず「今すぐお勘定お願いします」と告げて、厳しく席を立ったのである。

  (京都祇園「鍵善良房」で冷たいクズキリを堪能する)

 

 そこで向かったのが、烏丸四条「からくさカレー」。チキンがメインの赤カレー、ビーフがメインの黒カレー、その2種類の相がけ・ルー大盛りを満喫して、幅3cm & 長さ15cmのうなぎを出された屈辱を、一気に忘却のかなたに押し流した。

 

 そのあとの午後は、早春の京都祇園を散策して過ごした。何しろ諸君、「幅3cm & 長さ15cmのうなぎ」の屈辱は余りにも深い。重箱のゴハンの上にチョコンと乗っかったあの惨めな姿、カンタンに言えば「ニボシのヒラキ」「メザシのヒラキ」の風情だった。

 

 いや、何も贅沢を言うわけじゃない。問題は、店の人のキョージの問題だ。尋ねると、「このスタイルで15年続けてきています」とのお答え。うひゃ、うなぎ君たちのキョージは、いったいどこに捨ててきたんだい?

 

 あんまりキョージが心配だったので、ワタクシは四条通りを八坂神社に向かってトボトボ歩きながら、思わず「鍵善良房」に入り込んでしまった。「鍵善」と言えば諸君、もちろんクズキリで超有名な名店である。

 

「今井君が、クズキリ」。そのミスマッチに驚かない人はいないだろうが、今井君自身、盛りそば2人前ほどもあるクズキリの量にビックリして、思わずその場にひっくり返りそうな勢いだった。

 

 たっぷりの黒蜜が、たっぷりの蕎麦ツユの風情。冷水にひたったクズキリは、ほとんど盛岡のワンコ蕎麦の風情。岩手県の大谷翔平君やら佐々木朗希君やらが奇跡的な大活躍を続けるのも、こんなたっぷりのワンコ蕎麦やクズキリのおかげなんじゃないか。

(近鉄奈良駅から近鉄ご自慢の「ひのとり」プレミアム席で大阪に戻る 1)

 

 そういうクダランことを思いながら、黒々とした黒蜜に浸したクズキリをあっという間にすすり尽くした。いやはや「超甘いものだけでポンポンがパンパン」、さすが京都は奥が深すぎて、田舎者の今井君なんかは、黒蜜の真っただ中でアップアップする思いなのである。

 

 その京都から近鉄電車でこの日も一気に南下して、大和西大寺に到着、17時半。公開授業の会場は駅前の「秋篠音楽堂」、つい半年前に別の主催者による公開授業で訪れたばかりである。参加者は、約170名。キャパ1/2を厳守すればまさにギリギリの受講生諸君が集結した。

 

 控え室の前で、秋篠音楽堂の担当者と立ち話に興じた。「秋篠寺」の話。秋篠寺の国宝「技芸天」の話。この20年で3回も秋篠寺を訪問し、技芸天の姿を拝見しては感激した話、昔々の10円切手のデザインが、秋篠寺の技芸天だった話。ワタクシとほぼ同年輩と思われるオジサマと、笑顔でずいぶん長く語り合った。

(近鉄奈良駅から近鉄ご自慢の「ひのとり」プレミアム席で大阪に戻る 2)

 

 そういうふうだから、奈良・大和西大寺での公開授業はまたまた激しく真っ赤に燃え上がり、昨夜感激に震えながら眺めた東大寺二月堂のお水取りに勝るとも劣らない熱い熱い大喝采になった。

 

 最難関国立大学の長文読解問題を1問まるまる解説して、なおかつこの大喝采。今井君のエネルギーって、いったいいつになったら弱体化するんですかね。

 

 むかしむかしは「90分、すべて雑談だけで」という手法が主体だったけれども、今や90分の7割から8割が本格的な長文の授業。それでも「超満足率」9割、「やりがいがサイコー」という反響はますます高まるばかりだ。こりゃ意地でもまだ10年、今井君は第一線で仕事を続けたくなるのである。

 

1E(Cd) AFRICAN AMERICAN SPIRITUALS 1/2

2E(Cd) AFRICAN AMERICAN SPIRITUALS 2/2

3E(Cd) Maria del Mar BonetCAVALL DE FOC

4E(Cd) CHAD Music from Tibesti 

5E(Cd) Nanae MimuraUNIVERSE

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