Sat 220402 梅比べ/ネコジャラ市の11人/城南宮/北野天満宮/岡山の大熱演 4185回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 220402 梅比べ/ネコジャラ市の11人/城南宮/北野天満宮/岡山の大熱演 4185回

 3月9日、宿泊していたのが大阪駅前のリッツカールトンホテル、仕事のスケジュールは「19時から岡山で公開授業」だったから、ワタクシはこの早春の1日を、「京都♡梅くらべ」で優雅に過ごそうと考えた。

 

 午前中に洛南の城南宮、昼から北に向かって北野天満宮、午後3時ぐらいに京都四条でお蕎麦をすすって、そこから岡山まで新幹線で一気に西進すれば、余裕たっぷりでお仕事に間に合う。

 

 大阪から京都までは、在来線の特急を利用する。理想的なのは鳥取の倉吉からやってくる「スーパーはくと」。大阪と新大阪の後はもう終点・京都だから、6両だったか8両だったかのディーゼル特急はもうガーラガラ。コロナが心配なら、これを利用して満員電車を回避するほうがいいだろう。

 

 ただしさすがに運行本数が少ないから、もし「スーパーはくと」がダメなら、金沢行き特急サンダーバードでも致し方ない。ただし、ちょうどこの頃にはさすがの第6波も鎮静化しはじめ、大学生の卒業旅行グループやら、修学旅行の大集団やらで、金沢行きはそれなりに混雑している。

 (京都洛南「城南宮」。ワタクシの人生で3回目の訪問だ)

 

 この日は幸い「スーパーはくと」に乗れて、京都まで快適に移動できた。ただし諸君、その数日後に乗った「サンダーバード」では、すでに「座席の回転」をしている大学生グループが2組もいた。車内放送であんなに「座席の回転はご遠慮ください」と繰り返しているのにである。

 

 卒業旅行なら、座席を回転させて金沢までワイワイおしゃべりして行きたい気持ちはわかるが、いやはや、みんながこんなに神経質になっている時に、席を向き合わせにしてお弁当を食べながらペチャクチャ、周囲を気遣う様子は全く見られない。

 

 さすがに「いくら何でもそいつぁー困ります」であって、車掌さんが言わなかったら「今井君の出番♨︎」という危機一髪の場面であったが、おお車掌さん、マコトに毅然と対応なさっていた。

 

 昔のワタクシなら、車掌さんを押しのけてでも「オレの出番!!」とばかり猛ダッシュしていたところ。車掌さんの毅然とした態度に、ワタクシも救われたようだ。

(何度眺めても、ウットリするほど華やかな城南宮の枝垂れ梅。実はこの数日後、今年2回目の訪問をした 1)

 

 京都から城南宮まではMKタクシーを利用、時間もオカネもそんなにかからない。近鉄電車の竹田駅あたりから「油忠不動産」の看板が車窓に目立つようになる。城南宮付近は、アパートもテナントビルも駐車場も「何が何でも油忠」の雰囲気だ。

 

 すると諸君、今井君は思わず「ネコジャラ市の11人」を思い出してしまう。1970年から1973年までNHKで放送されていた人形劇であるが、「ひょっこりひょうたん島」と「新八犬伝」の2つの超有名作品に挟まれた、まあちょっと残念といえば残念な作品かもしれない。

 

 主人公は、この町の初代市長・黒ネコのガンバルニャン。そのガンバルニャンに、3代目市長のバンチョ・ホーホケ卿だの、シーラのカン太郎だの、世界有数の大富豪という触れ込みのズズチャズ・ズチャーズ様だの、まあありとあらゆる奇妙な存在が絡んでくる。

 

 困ったことに、異様に記憶力のいい今井君は、今でも「ズズチャズ・ズチャーズ、ズズチャズ・ズチャーズ、ズチャーズさまがやってくる」と言ふ人形劇の挿入歌が歌える。「ズチャーズ・テンジャラス・ストア」を経営する男である。

 

 どうして「あぶらちゅう」から「ネコジャラ市の11人」かと言ふに、この人形劇の中にネズミの侠客一家が登場し、その一家の「山ちゅう親分」と、子分の「勉強ちゅう」が、ドラマのレギュラーとして活躍するのだ。

 

「山ちゅう親分」は、気分と場面によって東京弁と上方弁を使い分ける。「勉強ちゅう」は、「ネズミ東大」を目指してモー勉強中の浪人生。何かにつけて「勉強になるなあ♡」と慨嘆し、深い溜め息をつく。

 

「山ちゅう」「勉強ちゅう」ともに、何となく我が身に似たところがあるので、はるかなはるかな昔の人形劇ではあるが、事あるごとにワタクシの脳裏に「ズズチャズ・ズチャーズ」の歌が蘇る。

 

 おお、さすがユーチューブ、「ネコジャラ市」の動画さえ見られる世の中だ。「あぶらちゅう」ついでに、ぜひ諸君、 ネコジャラ市の追体験をしてくれたまえ。

(何度眺めても、ウットリするほど華やかな城南宮の枝垂れ梅。実はこの数日後、今年2回目の訪問をした 2)

 

 こういうふうで、まもなく人生3回目の城南宮に到着した。なかなかの人出で、やっぱり第6波がホンの少し鎮静化、人々はすっかり緩み始めていたようだ。もちろん今井君だって、仕事前にノコノコこんな遠くまで繰り出してきたんだから、人のことを云々できる立場ではない。

 

 どうだい諸君、昨日の記事にも4枚掲載した華やかで妖艶な城南宮の枝垂れ梅の写真、もう一度とくと眺めていただきたい。写真を眺めるだけでも十分うっとりするが、これにメジロたちの元気な声と、美しい翼の緑が加わり、紅梅よりもぐっと濃厚濃密な白梅のカホリが梅園内を満たすのだ。

 

 広い梅園内を散策しながら、ふと「午後のスケジュールを変更した方がよくはないか」と、ふと考えたのである。午後の予定は、冒頭にも書いた通り大好きな「北野天満宮」。同じ梅でも、この城南宮の華やかで妖艶な梅園を満喫した後では、北野の梅の小さな花が少し寂しく思えるんじゃないか。

(北野天満宮の「小梅の梅子ちゃん」たち。こちらはまた別の緊張感が素晴らしい 1)

 

 そしてやっぱり、その心配は的中したのである。午後2時、竹田から北野まで、京都の街を南から北に一気に縦断して北野天満宮に到着してみると、うーん、やっぱり老木にちらほら咲き出した小さな梅の花たちが、最初のうちはどうしても寂しく見えてならなかった。

 

 しかし諸君、それも結局は最初だけ。小さい梅には小さいなりの可愛らしさがあり、むしろ梅は小さいことにこそ個性があって、「おい君、こんなに寒いのに、そんなに小さくて大丈夫か?」と、一輪一輪の花に声をかけてやりたくなったりする。

 

 もちろんホントにそういうことをすれば、それは間違いなく困ったオジサンの仲間入りを意味するのであって、今井君はまだその種のサークルに入会したいという気持ちはない。派手な梅も素晴らしいが、可愛く可憐にぎゅっと緊張している小梅の梅子ちゃんたちも、魅力では決して引けを取らない、そういうことを言いたいだけである。

(北野天満宮の「小梅の梅子ちゃん」たち。こちらはまた別の緊張感が素晴らしい 2)

 

 北野天満宮の前に並んでいた個人タクシーに乗り込んで、四条大橋まで戻ってきた。お馴染み「松葉・北店」でニシン蕎麦をすすって、それから岡山に向かおうという計画だった。

 

 京都のお寺や神社の前に並んでいる個人タクシーの運転手さんには、なかなかクセのある人が多くて、「東京から来た」と答えただけで「東京ゆうても、田舎もんの集まりやろ」と激烈なお説教が始まることがある。「京都は1200年や。あの店も、この店も、みんな東京より500年も前から続いてるんやで」というわけである。

 

 つい最近までは、外国人観光客に関する悪口雑言を聞かされることもあった。コロナ前のインバウンド最盛期であるが、車内で食べカスを撒き散らされてどれほど迷惑しているか、嵐山あたりから延々と京都駅前まで、「こんなこともあった」「あんなこともあった」と機関銃のようにまくしたてられた。

(四条大橋そば、「松葉・北店」の元祖ニシン蕎麦。この日はいつもよりさらに大きなニシンをサービスしてくれた気がする)

 

 しかしこの日の運転手さんは、マコトに穏やか。というか、穏やかすぎて「大丈夫か?」「もしかして眠ってらっしゃるんとちゃいますか?」と、山ちゅう親分並みのエセ京都弁が出そうになるほどだった。

 

「松葉」の元祖ニシン蕎麦で準・満腹になって、夕暮れの今井は一路新幹線で岡山を目指した。京都から岡山は、たった1時間。岡山の人が京都大学に合格したら、自宅から新幹線で通学することだって、まあ不可能ではない。

 

 岡山での公開授業は、「優秀な生徒の割合が多い」とのことで、使用したテキストは最難関大の長文問題をまるまる1問扱う「E」テキスト。確かに参加者の名簿を眺めると、合計130名のうち岡山を代表するハイレベル高校の在籍者が、7割から8割を占めている。「E」テキスト、この日も大爆笑が続き、最後には熱い大喝采を浴びたのであった。

 

1E(Cd) Miles DavisTHE COMPLETE BIRTH OF THE COOL

2E(Cd) Art BlakeyMOANIN’

3E(Cd) Human SoulLOVE BELLS

4E(Cd) Patricia BarberNIGHTCLUB

5E(Cd) Yohichi MurataSOLID BRASS 

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