Fri 220121 寒さが強烈/濃厚カニ軍団の総攻撃/共通テスト英語に立ち向かう 4160回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 220121 寒さが強烈/濃厚カニ軍団の総攻撃/共通テスト英語に立ち向かう 4160回

 いやはや、2022年冬の東京は、異様なほどに寒い。昨日が「大寒」だったから、寒いのは覚悟の上だが、ワタクシの長い長い人生の中でも、こんなに寒い冬は記憶を探ってもほとんど出てこない。

 

 深夜の寒風に耐えながらウォーキングに出ると、冷たい風に吹かれたアンヨがピリピリ痺れるぐらい痛い。いわゆる「シバレル」という世界であるが、シバレルとシビレル、語源はおそらく同じ根っこに繋がっている。

 

 2005年の2月、フィレンツェで出会ったイギリスの若者たちが、「この種の寒さはイギリスでは経験したことがない」と震えながら大笑いしていたが、確かに諸君、フィレンツェはアルプスおろし、東京は群馬からのカラっ風、シビレル寒さのクオリティはきっと同じものである。

(酔っ払い蟹。生のカニの足を1本、日本酒の古酒に漬けた珍味)

 

「今年はラニーニャ現象が起こっているので、寒さがつのり、雪も多くなります」と、そういえば昨秋11月ごろに気象予報士のオネーサマがにっこり笑っていたような気もするが、生まれてから18年を雪国で過ごした今井君がこんなにブルブル震えているんだから、この寒さはおそらく記録にも記憶にも残るものである。

 

 ワタクシの記憶としては、これほどの寒さは15歳の冬と18歳の冬が最後。ともに自分の受験の年であったが、15歳の冬の秋田は大雪に覆われ、来る日も来る日も雪ダマを投げて過ごした。

 

 重たい雪ダマを1日に100個、空き地の向こうに100メートル離れた小さなマトを設定し、そのマトにバシバシ命中させていたんだから、大雪の冬がもう2年か3年続いていたら、今井君はきっとイチロー選手みたいな名外野手に成長していたに違いない。

    (いよいよ総大将「カニ雑炊」の準備が進む)

 

 18歳の冬も、15歳の冬に負けないぐらいの大雪であって、大学受験のために上京する特急電車が5時間も遅れた事情については、すでにこのブログで何度も書いた。

 

 奥羽本線経由で山形と福島を通っていた特急「つばさ」、羽越本線で新潟や長岡を経由する特急「いなほ」、何しろどちらも豪雪地帯を通るから、あの大雪では5時間遅れも当然だった。

 

 若き今井君はその5時間遅れを利用して、山川出版の日本史の教科書を見事に通読。本来なら8時間で上野駅に到着する特急が、5時間遅れで13時間かかったおかげで、日本史の教科書は縄文やら弥生やらの時代から、江戸・明治・大正に進み、上野直前の大宮駅を通過する頃に太平洋戦争が終結した。

 

 だから今でも、ワタクシにとって平安と鎌倉は山形であり、室町と江戸は福島であり、明治以降の近代は栃木県のイメージ、近代から現代のイメージは埼玉県と重なる。大学受験とは、マコトに印象深いものである。

(料亭の大将も我が個室に登場。「これからカニ雑炊を仕上げます」と挨拶してくれた)

 

 何しろ18歳の11月上旬まではバリバリの理系、というか、正確にはムリムリの医系志望だった今井君だ。「ムリムリ」の所には、「意地でも行くぞ」という力強さと、「無理&無理」という無惨な諦めを重ねていただければ、状況の正確な理解ができるはずだ。

 

 11月中旬にいきなり文転して、期末テストでは数学Ⅲと理系物理と理系化学をやりながら、受験勉強は日本史と世界史と古文&漢文を無理やり仕上げなければならなかった。その苦しさは脳細胞の奥の奥まで染み込んで、ついさっきの昼寝にも、またあの時の危機感が夢に現れた。

 

 夢の危機感は、まず「もう間に合いません」という激しい焦りが1つ。数学Ⅲを1日、理系物理を1日、有機化学を1日、それで仕上げなければ卒業が苦しい。そういう焦りはさすがに脳細胞の奥にギュッとはさまって、ちょっとやそっとのツマヨージでは取り除くことができない。

(海老を大量に煮込んで作った甲殻類スープ。個室の外まで甲殻類のニオイがムンムン充満した)

 

 もう1つの危機感は「もうこれ以上は入りません」という、脳と胃袋の許容量に関するもの。まあかつては神童と自己認識していた今井君だ、許容量はケタ外れに大きくて、もしも「記憶容量」という話になれば、滅多な人が当時の今井君に勝てるとは思えない。

 

 しかし、一方で有機化学やら数Ⅲの微積分をやりながら、他方で日本史・世界史・古文&漢文を東大文系レベルで進めるとなると、コップどころかバケツでも風呂桶でも、信じがたいほど簡単に決壊する。

 

  許容限度の危機について、今回の「豪華カニづくしコース」、ホントに生々しく思い出させてくれた。「おお、そのルートからカニの話に回帰してきたか」と、諸君もニヤッと意地悪く微笑してくれたと思うが、まあ確認してくれたまえ、「豪華カニづくし」、前回書いた前半で、すでに5皿を胃袋に残らず流し込んだ。

 

「そろそろ満腹♨」と溜め息&吐息、「誰かそろそろ勘弁してくれないかな」と、溜め息&吐息が青息&吐息に変わったところで、仲居さんが自慢そうに運んできたのが、今日1枚目の写真の「酔っ払い蟹」。生のカニのアンヨが1本、日本酒の古酒の中に漬かって酔っ払っているというシロモノだった。

(出来あがった濃厚なカニ雑炊。甲殻類スープのニオイは、ついに料亭全体を満たした。※次の写真は、カニぎらいの人には「閲覧注意」です)

 

 いや、もちろん美味しいのである。珍味であり、美味であり、オナカにさえ空きスペースが残っていれば、酔っ払っていようがいまいが、カニの足の3本や4本で苦しい青息&吐息をつくような今井ではない。

 

 しかし、うーん、古酒の甘い濃厚な風味が、ポンポンパンパンの今は、なかなか強烈に脳細胞を刺激する。刺激された脳細胞は、思わず胃袋やら食道やらに「無理しちゃいけないよ」という信号を送り、すると胃袋と食道から「うっ♡」「うげ♡」「げろっ♡」という呻きが漏れる。

 

 何とか粗相を抑え込みながら、いよいよ最後の強敵「カニ雑炊」の来襲を迎える。ここまで胃袋が対応してきた強敵は、香箱蟹・かぶら蒸し・お造り・焼き蟹・蟹味噌・揚げ蟹・酔っ払い蟹、いずれ劣らぬ濃厚な面々である。

 

 そこに威風堂々と姿を現した総大将「蟹雑炊」は、何と「海老を20匹ほどアタマごと煮込んで作りました」という海老汁が主体。オレンジ色の濃厚濃密な甲殻類スープの中に、カニの身と大量の米粒を投入してグツグツ煮込み、サトイモ大将を徹底的な甲殻類責めで降参させようという作戦である。

(こんな立派なカニを、次から次へといただいた。全てマコトにおいしゅーございました)

 

 諸君、この攻撃は激烈を極めた。スープの濃厚さももちろんだが、最大の敵は「ニオイ」。カニで破裂しそうになっているポンポンに、個室に充満する甲殻類スープの濃密なニオイはきつい。ニオイはついに個室を占領し、トイレまで付いてくる。広い料亭全体の空気がニオイの飽和状態に達し、玄関も外の庭も、甲殻類の呪いに満たされた。

 

 コトここに至って、「こりゃ共通テストの英語リーディングと同じ作戦ですな」と、マコトに不謹慎な一言がワタクシの口をついて出た。

 

 共通テストの英語リーディングは、何と合計36ページ。のべ300行を超える英文が、「これでもか」「これでもか」「ガハハ、これでもかいな?」と、全く同じ味わいの英文軍団が、息もつかせず次から次へと受験生の胃袋を襲い続けて80分、長文読解問題は大小あわせて10問、設問数は48に及ぶ。

 

 たとえ「不謹慎」と言われても、カニ軍団とリーディング軍団、戦略にも戦術にも共通のものを感じざるを得ない。同じ味わいのものを大量に投入し、次から次へと新手を繰り出して、しかも次第次第に攻め手が濃厚になっていく。

 (デザートの三宝柑ゼリー。心からホッといたしました 1)

 

 第1問は、まあ軽く5分ぐらいで仕留める。第2問も、10分程度で仕留めて「何だ、この程度か」。第3問ぐらいで「ちょっと重たい相手だな」と桃色吐息、第4問で桃色吐息は青息吐息に変わると、「どうだ、そろそろこっちが攻める番だ」と、カニも英文もニヤリとイジワルに微笑する。

 

 そこで第5問、「酔っ払い蟹」の登場。伝記文やら物語文やらで「うげ」「うげげ」と言わせておいて、ついに勝負の第6問に至る。しかもそれが「A」「B」に分かれている。いまワタクシの前に立ちはだかったのも「エ」「ビ」であるから、まあここでも不謹慎な相似形は継続する。

 

 だから、要するに意地悪なのだ。同じ味わいと同じ難易度、しかしだんだん味が濃厚になり、大きさや重さや長さも増して「どうだ、そろそろ降参か?」「どうだ、『参った』と言えば許してやる」と、グイグイ押しまくってくる。

 

 対する今井君は、「うっ」「うげ」という粗相の寸前の呻きを漏らしながら、それでも甲殻類軍団の波状攻撃を押し返し、何とか落城の危機を持ちこたえた。波状攻撃なんのその、長文軍団にも甲殻類軍団にも、落城なんか絶対にしないガッツが今も残っている。

 (デザートの三宝柑ゼリー。心からホッといたしました 2)

 

 そしてベテランの粘り強いガッツのその先には、爽やかな柑橘類のデザートが待っていてくれた。正直言って諸君、「一生の思ひ出に」と大枚をはたいたこの日の豪華カニづくしコースで、一番旨かったのはこの三宝柑ゼリーだったし、柑橘の爽快なカホリこそ、今井落城を防いだ最高の功労者だった。

 

 すると当然のこととして、「この恩を爽快な授業で報いなければならない」と決意する。1月中旬のワタクシは、2022年の強烈なリーディング問題をラクラクと攻略する方法を熱く研究中なのだ。

 

 こんな濃厚なイジワルに責めさいなまれても、決して「うっ」「うげ」系統の嘔吐の危機に頻することなく、常に爽快な柑橘系のカホリを漂わせながら、悠々とこの試練を乗り越える戦略と戦術。1月下旬から3月下旬まで30回に及ぶ全国行脚で、ワタクシが最大の自信を持って解説して回るのは、まさにその話なのである。

 

1E(Rc) Collegium AureumMOZARTEINE KLEINE NACHTMUSIK & SYMPHONY No.40

2E(Rc) RubinsteinTHE CHOPIN I LOVE

3E(Rc) Solti & ChicagoDEBUSSYLA MERPRÉLUDE A L’APRE MIDI D’UN FAUNE & RAVELBOLERO

4E(Rc) チューリッヒ・リチェルカーレ:中世・ルネサンスの舞曲集

7D(DMv) MUSE

10D(DMv) BOMBSHELL

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