Fri 220107 ワタクシの雪国マウント/お風呂は90分/ミニかまくらと雪見酒 4157回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 220107 ワタクシの雪国マウント/お風呂は90分/ミニかまくらと雪見酒 4157回

 あっという間に2022年も1週間が経過してしまって、今やもう、年越し蕎麦の思ひ出も、紅白歌合戦の低視聴率の話題も、みんなオミクロン大行進の陰に隠れて消滅の危機にある。クリスマスなんか、1年も前の話に思えるぐらいだ。門松も松飾りも引っ込めてしまわないと「非常識な人だなあ」と世間の指弾を受けかねない。

 

 だって諸君、この世の中は恐ろしい。雪国の人たちが「その程度の雪であんまり騒ぎなさんな」とちょっと肩をすくめてみせただけで、あっという間に「雪国マウントとられた」「雪マウント、ウザい」「北から目線はヤメにしたら?」など、一斉に反撃を食らう。まあお互い、トゲトゲしくなるのはヤメようじゃあーりませんか。

   (昨日の雪で、早速ミニかまくら作りました 1)

 

 だから例えば「1月4日に年越し蕎麦をすすりました」などというフザけたブログ記事をいつまでも放置しておくと、「非常識なサトイモだ」「何にも知らないんだな」と、あんまり冗談がお好きでない人々の一斉攻撃が始まりかねない。

 

 その1月4日、銀座で「5日遅れの年越し蕎麦」をすする前に、間もなく建て替えが始まるらしい「和光本館」に立ち寄った。誰でも一目で「おお、銀座だ」と分かる和光の時計塔、明治時代から時を刻み続け、関東大震災も太平洋戦争もゴジラの攻撃も、何とかみんな乗り越えてきた和光本館が、2022年に改修工事に入る。

 

 だから諸君、「迎春♡」「明けましておめでとうございます」と時計塔に挨拶し、新年の記念写真ぐらい撮っておきたいじゃないか。和光本館に出かけたからといって、何も高級腕時計を眺めるばかりが能じゃない。

(まもなく改修工事に入る銀座・和光本館。立派な門松、マコトにおめでたい)

 

 とりあえずは、まず和光前の堂々たる門松の写真を撮影。この門松はまもなく姿を消しちゃうから、1月4日は絶好のチャンスだった。ついでに近くの「ロロ・ピアーナ」に立ち寄って、年末に購入した冬のコート1着を受け取り、意気揚々とお蕎麦屋に向かったわけである。

 

 実は諸君、その時点で今井君の雪国生まれ&雪国育ちのお鼻が、ピクピク動き出していた。「これは雪になりそうだ」という予感は、驚くなかれ、嗅覚に一番早く現れるのである。

 

「お、来たぞ、雪国マウント♡」であるが、諸君、こりゃホントの話だ。その段階でワタクシは周囲の人々に「2〜3日のうちに雪が降るよ」「天気予報で言ってるより、おそらく2倍以上の雪が降るよ」と、繰り返し予言していたのである。

 

 うぉ、うぉ、こりゃすげー雪マウントじゃないか。というか「ほら見ろ、だから言っただろ」というお馴染み「ほらみろオジサマ」の典型だ。しかし雪国の古老の予言、キチンと耳を傾けてくれた人も少なくなかった。

 (銀座「小松庵総本家」で5日遅れの年越し蕎麦をいただく)

 

 だからまあ雪マウント、ぜひぜひ許してくれたまえ。考えてみれば年明け早々1月2日の記事で「大雪の初詣の思ひ出」を書いたのも、雪マウントおじさまの予感の1つだったのかもしれない。

 

 そこで諸君、1月6日正午の今井君は、オウチの狭い中庭に雪がチラつき出したのを眺めるや否や、「ほらみろ」「ほらみろ」「だから言っただろ」と狂喜乱舞、電話はかけるはメールはするは、思い切りはしゃぎ出したのである。

 

 まずは諸君、昼のお風呂を沸かす。沸かすと言っても、もちろん100℃に沸騰させるわけではなくて、41℃に温めるだけであるが、日本では古来お風呂は「沸かす」というマコトに間違った表現を放置してきた。

(和光本館。立派なトラが銀座をお正月の銀座を睥睨していた)

 

 しかし北向きのお風呂場は、凍りつくほどに寒い。床暖房は存在するが、ワタクシはお風呂の床暖房を使用しない。アンヨが凍りつくほど床が冷たくないと、お風呂のお湯に感動がない。「冷たいよ」「冷たいよ」と爪先立って湯舟に進み、ドボンとお湯に楕円球の肉体を沈めたその瞬間の快感を、床暖房は台無しにしてしまう。

 

 そしてそのままホクホク、湯舟に90分つかる。医師や専門家はこんな行動をおそらく絶対に推奨しない。「少しずつ身体を温めて、ショックがないようにゆっくり湯舟に入りましょう」「のぼせないよう、入浴は15分程度が適当です」「長湯は禁物です」、その種の常識的な入浴を進めるのが、彼ら&彼女らの仕事である。

 

 しかし諸君、ワタクシは入浴前に腕立て伏せ100回、スクワット100回、シャドウピッチング → 右20回+左20回をこなし、肉体をそうやっていじめ抜いてから「冷たいよ&冷たいよ」→「湯舟にドボン」という悪習慣を、1年に365回繰り返して、すでに30年近くになる。

(東京の積雪。夕暮れから、ドテラ&下駄ばきで雪かきに取り組んだ。秋田の雪かき名人イマイは、わずか10分で終了 1)

 

「よく90分も入っていられますね」であるが、むしろワタクシは、あんなに気持ちいい温ったかお風呂を90分以下で済ませられる人が不思議なのである。最初の60分は、もちろん読書に励む。お風呂の読書以上に読書が捗ることは考えられないので、古色蒼然とした文学全集を読破するのには、お風呂の中が一番いい。

 

「赤本をやるのは、お風呂の中が最適」とさえ考える。お風呂の中なら、知らない単語を辞書で調べたくなっても、そうはいかないし、時間制限を度外視してのんべんだらりと全訳に取り組む気にもなれない。流れる汗をぬぐいながら、長文の大意を素早く把握し、大意からどんどん設問を解いていく練習になる。

 

 机の前に座って、辞書を引き引き1文1文の和訳を試み、設問の選択肢も1つ1つ該当箇所を見つけながら「◯◯行目に一致」「この記述と不一致」みたいな丹念なリーズニングをしていれば、1問60分もかかって「完璧だ!!」と絶叫するかもしれないが、実はその問題、たった15分で解かなきゃいけないということを失念してしまう。

(東京の積雪。夕暮れから、ドテラ&下駄ばきで雪かきに取り組んだ。秋田の雪かき名人イマイは、わずか10分で終了 2)

 

 さて、今井の肉体にも頭脳にも「60分」という時間感覚がビシッと染みついているから、お風呂の中で「そろそろ読書にも飽きてきたな」と本を閉じると、おお、まさにピッタリ60分が経過している。そこで本を風呂のフタに置き、「どーれ」と言って目を閉じる。

 

 目を閉じて、そのまま眠っちゃうのかといえば、さすがにそれは溺死の危険を伴う。目を閉じて、ワタクシは眠るのではない。瞑想に入るのである。瞑想とは諸君、別に難しいことではない。ボンヤリ何も考えないで過ごすだけで、十分に瞑想と言ふ言葉の意味に値する。

 

 お風呂の湯気が風に流れるさまを眺めているのもいい。驚くなかれ諸君、真冬のこの時期でも、ワタクシはお風呂の窓を開け放ってお風呂に入る。露天風呂の気分を味わいながら湯気の流れに視線を預ければ、こりゃほとんど修行僧の瞑想に近い。

   (昨日の雪で、早速ミニかまくら作りました 2)

 

 瞑想タイムは30分。これまた肉体にも頭脳にも30分という時間感覚がギュッと埋め込まれていて、いやはやピッタリ30分、ワタクシは瞑想からゆっくりを醒めていく。すると目の前は真っ白、視野も視界もほぼゼロの夢の世界に自分を発見する。

 

 と言ってももちろんワタクシ、冥界に迷い込むわけではない。モウモウと立ちのぼるお風呂の湯気が浴室内を占領し、湿度200%というか300%というか、厚紙やボール紙でもあっという間にヨレヨレになるほどの、猛烈な湯気の中にいるのである。

 

「お風呂の床暖房は使いません」と書いたのも、実はこの「モーモーたる湯気の世界」を愛するがゆえなのである。湯気の流れの向こう、はるかな天井のあたりに、うっすらと赤く光る電球の光もいい。もちろんLEDではあるが、「色温度」の最も高い電球を使っている。「色温度」というコトバ、知らない人は早速ググってくれたまえ。

   (昨日の雪で、早速ミニかまくら作りました 3)

 

 1月6日、90分のお風呂でうだるほど温まったサトイモ君は、汗でグショグショになったタオル1枚を合計20回も徹底的に洗ってはしぼり、湯気で曇ったガラス窓の向こうに、白く降り積もった都会の雪を眺めて「よし、今日は雪見酒にすんべ」と、予定を変更した。

 

 不要不急の外出には、もちろんちっとも魅力を感じない。外には出るが、雪かきとミニかまくら作り程度にとどめておく。その雪かきとミニかまくらにしても、「その程度の運動はした方が、雪見酒がますます旨くなる」という理由からなのである。

 

 午後5時半にはすっかり暗くなる季節だから、ミニかまくらが出来たらすぐに中にフラッシュライトを入れて、光るミニかまくらを満喫する。ただしあんまり「ばえ〜」を狙ったりするといろいろメンドーだから、ミニかまくら作りには3分、光るかまくらの写真撮影に1分、すぐにお部屋に撤退して雪見酒を温める。

   (昨日の雪で、早速ミニかまくら作りました 4)

 

 雪見酒のお燗は、湯煎に限る。「1分半でチン♡」でもいいが、お湯でゆっくりお燗して、47℃から48℃の燗酒がいちばん旨い。徳利は、淡いピンクの萩焼き。サカヅキも、やっぱり淡いピンクの萩焼きだ。温めた酒がなかなか冷めない厚手の徳利で、2合を30分ほどで飲み干すぐらいのペースを守る。

 

 テレビ番組の多くが殺伐として、仲間内の貶しあいや暴露話ばっかりだから、静かな優しい雪見酒には合わない。ワタクシが雪見酒の友に選ぶのは、30年以上むかしの人形浄瑠璃の映像。昭和後期は大阪「文楽」の黄金時代で、出演者の多くが後に人間国宝に選ばれたりしている。

 

 まあ諸君、こんなことをしていれば、「北から目線」「雪マウント」「何の自慢にもならない」みたいな、厳しい丁々発止に加わる気力もない。せっかくのミニかまくらも、今日7日の午後2時には跡形もなく消えてしまった。

 

 松飾りを外して、さて明日からは今井もギュッと心を入れかえ、共通テストの解説に向けて、グイッとマジメな一歩を踏み出そうと思う。ただしやっぱり90分のお風呂は必須。大問1つを15分以内で確実に解ける方法にたどり着くには、お風呂の湯気の中の瞑想こそ、最も効果があるようだ。

 

1E(Rc) Muti & PhiladelphiaPROKOFIEVROMEO AND JULIET

2E(Cd) Midori & McdonaldELGAR & FRANCK VIOLIN SONATAS

3E(Rc) Walter & ColumbiaHAYDNSYMPHONY No.88 & 100

4E(Cd) Akiko SuwanaiSOUVENIR

7D(DPl) 文楽:義経千本桜「椎の木の段」「小金吾討死の段」豊竹咲大夫 「すしやの段」竹本住大夫 竹本伊達大夫

10D(DMv) THE POSSESSION

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