Mon 211129 キティちゃん新幹線/お相撲の話/オジサマたちはツラすぎる 4132回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 211129 キティちゃん新幹線/お相撲の話/オジサマたちはツラすぎる 4132回

 今日の写真は、ほぼ全てが「キティちゃん新幹線」。写真と全くミスマッチで申し訳ないが、とりあえず今日のワタクシが陥っている「お相撲ロス」について書かなければならない。

 

 すっかり観客も戻ってチケットは完売、我々の公開授業と同じように「キャパ1/2ルール」があるらしく、見た目にはやっぱり空席が目立つけれども、一時の「無観客」「ほぼ無観客」時代とは比べ物にならない。

 

 1128日の千秋楽、あえて相撲協会は「満員御礼」の垂れ幕を出した。小学1年生の頃からテレビでお相撲に親しんだ今井君なんかは、あんまり嬉しくて涙ぐんだほどである。

 

 わちゃわちゃ押しまくっては、はたかれてバッタリ。べちゃべちゃ肉体をぶつけあっては、足がもつれてベッチャリ。その種のダラシないワチャワチャ相撲がどんどん増えていくようで情けないが、豊昇龍とか霧馬山とか、しぶとい本格的な四つ相撲力士もグイグイ力をつけてきた。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 1)

 

 夢のような復活のドラマも相次いでいる。大関から序二段まで落ちて再び大関へ、ついに横綱に昇りつめて新横綱で2場所連続優勝、照ノ富士の奇跡的な復活物語も、やっぱり誰かにキチンと描いてほしい。前回記事の「キャメリー」や、2018年甲子園の金足農旋風に続くワタクシからの提案だ。

 

 スキャンダルからの復活も、そのスキャンダルがキャバクラ通いに関わるものであってみればさすがに情けないが、まあ諸君、お相撲を知らない人もとりあえず「阿炎」の復活は讃えてあげて然るべきだ。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 2)

 

「阿炎」と書いて「あび」、「炎」を「火」と読ませるわけだが、小結と前頭上位を往復する実力者だった者が、コロナ拡大真っ最中のキャバクラ通いが発覚、しどろもどろの言い訳がバレたのも響いて、半年=3場所の出場停止、幕下まで陥落してしまった。

 

 そういうスキャンダルを捉えて、居酒屋のカウンターあたりで、「アビというより『キャビ』だよね」などとヒドいことを言った酔っ払いもきっと♡いただろう。しかし諸君、幕下から十両、十両から幕内とズンズン復活を遂げ、とうとう11月場所は13勝2敗、優勝した横綱を土俵際まで追い詰めもした。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 3)

 

 こうなるとやっぱり元大関の朝乃山にも奮起を促したいじゃないか。スキャンダルの性質はほぼ同じだが、何しろ責任の重い大関の立場。出場停止は1年=6場所にも及び、大関は平幕・十両・幕下を通り過ぎて、三段目まで急降下する。

 

 スキャンダルが「接待を伴う飲食店」への出入りだから、居酒屋のカウンターでは「朝乃山じゃなくて『夜乃山』じゃないか」と、これまたヒドいことをいった酔っ払いもきっと♡いたに違いない。

 

 しかし諸君、いくら「夜乃山」と悪口を言われても、明けない夜はない。シェイクスピア作品にだって、「夜明け前が、一番暗いのだ!!」とある。「マクベス」中の正義漢マクダフのセリフだったか、それとも「リチャード3世」の終盤だったか、ワタクシは失念してしまったが、とにかく夜明け前が一番暗く、しかし明けない夜はない。

 

 今頃はきっと、照ノ富士にも阿炎に負けない豪快な復活劇に向けて、「夜明乃山」から「朝焼乃山」、やがて「朝日乃山」として不敵な笑みを浮かべているだろう。阿炎どんが謹慎3ヶ月のうちに強烈に肉体を鍛えてきたように、夜明け&朝焼けの朝乃山も、誰にも文句を言わせない強い大関になって戻って来てほしい。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 4)

 

 しかしそれにしても謹慎まるまる1カ年、いくら何でも長すぎないか。大卒のお相撲さんの現役生活、22歳で始まって35歳ぐらいまで続くとすれば、まあせいぜいで15年。すると今度の謹慎は、相撲人生の1/15を棒に振ったことになるのだ。

 

 ま、コロナ真っただ中のキャバクラ通い、しかもそれが大関となれば致し方ないのかもしれないが、千秋楽の解説で北の富士サンが深い溜め息をつきながら慨嘆していた通り、ワタクシも「長すぎやしませんか?」と感じるのである。

 

 謹慎も、それが長過ぎれば、返って良くない結果を招きかねない。せっかく「夜明乃山」「朝日乃山」になって復活するはずが、この1年の謹慎に気力も体力もヘトヘト、「昼乃山」「午後乃山」「夕暮乃山」にまで行ってしまわないとも限らない。

 

 冬はつとめて。清少納言どんがおっしゃる通り、ギュッと冷たく引きしまった朝がいいので、昼近くなって「ぬるくゆるびもてゆけば、わろし」。わろし乃山になっちゃったら、元も子もない。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 5)

 

 マスメディアが「品格」「品格」の一点張りで、大関や横綱をイジメ始めたのはいつからだろう。北の湖あたりから始まって、曙・朝青龍・白鵬と、外国人横綱を中心に「憎らしいほど強い」タイプの横綱には、まず間違いなく「品格問題」が発生する。

 

 朝青龍と白鵬に関しては、このブログでも何度も繰り返し指摘してきた。いくら精進してブッチギリの優勝を続けても、気がつくと新聞もテレビのワイドショーも、普段お相撲なんかちっとも見ない人たちまで「でも品格はゼロですね」と、口の端をひん曲げてニヤリと笑ってみせる。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 6)

 

 そういうイジメもどきが定着すると、お相撲さんもヤンチャ系の言動を慎むことに懸命になる。スーパー復活した照ノ富士のインタビュー、発言内容も表情も仕草も、余りにオトナな優等生であって、どれほど彼が隅々まで気を配っているか、少し痛々しいほどだ。

 

 健康な20歳代の男子が、相撲部屋で長く集団生活を続けていれば、普通ならいろんなヤンチャ系言動も発生するだろう。もちろん過度になってはいけないけれども、まだ20歳代の男子のことだ、そこまでお目目を三角&四角にして、ヤンチャの全てを睨みつけなくてもいいんじゃないか。

 

 歌舞伎の「幡随院長兵衛」(ばんずいんちょうべえ)には、お相撲さんたちが大タチマワリを演ずる場面がある。「黒鷲」と「桜川」という2人の力士のケンカから始まったことだが、江戸のお相撲さんたちのそのぐらいのヤンチャは許容範囲。こんなふうに歌舞伎にも、「ヤンチャこそ人気」の痕跡が残っている。

 

 もちろん諸君、いまは21世紀だ、ケンカもヤンチャももってのほかであるのは間違いないが、あんまり品格と品行方正ばかり強調しすぎると、元気なお相撲さんたちの笑顔が消えてしまいませんかね。ワタクシは朝乃山の謹慎1年=6場所、やっぱり長すぎると思うのだ。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 7)

 

 さてキティちゃんであるが、1115日朝の今井君は「岡山に行ってこよう」と思い立った。前日に鳥取の砂丘を旅したのは、JR西日本の企画キップを手に入れたせい。2日間、特急や新幹線を含めてJR西日本の全ての列車に乗り放題。10000円払ったその2日目が、まだまるまる残っていた。

 

 西は鳥取と岡山、南は南紀白浜、北は敦賀まで往復できる。しかし1115日、ワタクシは19時半から大阪・千里中央でのお仕事があって、あんまり遠くまで行って、帰ってこられない事態になるのはたいへんマズい。万が一そんなことになったら、それこそ「謹慎」の憂き目が待っている。

(何と「キティちゃん新幹線」。オジサマは、何とか耐えた 8)

 

 そこで、岡山を選択。岡山なら、たとえ何か事故でもあって新幹線が止まっても、在来線で大阪に戻ってこられる。姫路まで何とかすれば、そこからは私鉄を乗り継ぐ手だってある。

 

 しかしそうは言っても「のぞみ」「みずほ」で岡山じゃ、あんまり近すぎて旅の風情も何にもない。その点、各駅停車の「こだま」を選べば、新神戸だけじゃなくて、普段はなかなか行かない西明石や相生の駅にも止まってくれる。

 

 選んだのは、新大阪発11時半ごろの博多行き「こだま」。いやはや、まさかそれが「キティちゃん新幹線」とは、あまりに大きなトラップであった。

(新大阪から岡山まで、こういうものをかじって、キティちゃん責めに何とか耐えた)

 

 何しろ全車両、意地でもキティちゃんなのだ。1号車は、キティちゃんグッズを販売している特別車両。2号車から3号車だったか4号車だったかまでは自由席。自由席のシートには、ご丁寧にすべてキティちゃんのヘッドカバーがかかっている。

 

 トイレにも、くずもの入れにも、キティちゃん。車内放送のジングルもキティちゃん、どこを向いてもキティちゃん。「これはもう逃げられませんぞ」とばかり、徹底的にキティちゃん責めなので、潔いワタクシはもう逃げ回るのはやめ、トコトン付きあってみることにした。

 

 各車両のドア口には、新大阪から博多までの各県を代表するキティちゃんが描かれていて、1号車は、博多のイチゴとキティちゃん、4号車は鳥取のナシとキティちゃん、神戸の高級パンとキティちゃん、島根のシジミとキティちゃん、もちろん大阪はタコヤキとキティちゃんである。

(ついに岡山に到着。異様なミスマッチからようやく解放される)

 

 しかし諸君、「こだま」指定席に乗っているのは、ほぼ例外なしに40歳代&50歳代のマジメきわまりないオジサマたち。これほど濃厚なキティちゃん責めに、あきらめてハシャいでいるのは今井君1人、ほかのオジサマたちは完全に憮然として、無数のキティちゃんの存在を無視している。

 

 コワーい顔でPCのキーを八つ当たりのように叩き続けるオジサマ。スマホ画面を懸命に睨みつけているオジサマ。駅に停車するたびに「8分停車します」とのんびり溜め息、ふんぞりかえって快走する「のぞみ様」を何本も何本もやり過ごしながら岡山まで1時間弱、フシギなフシギなミスマッチの風景は延々と続いた。

(岡山で発見「三枚目 貝柱海老蔵」。いつか訪ねてきてもいい)

 

 やっぱりワタクシは、ネコには強いのである。何しろ17年もネコの姉妹と生活したのだ。キティちゃんみたいな純白のニャゴロワ、この際ニャゴを「ニャティちゃん」と呼べば、たとえ楕円のサトイモ閣下でも、キティちゃんの世界にまだ十分に入り込める。

 

 妹のミミィちゃんも純白らしいが、ワタクシのニャティの妹なでしこは、キジトラだ。しかしそのぐらいの違いは、別にいいじゃないか。

 

 なでしこを「ナディちゃん」と名付ければ、目の前にひらひらする無数のネコキャラは「17年付きあったニャティちゃんとナディちゃん」に早変わり。そういうことにして、ミスマッチの責め苦に岡山まで耐えて行ったのである。

 

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