Fri 211029 右目網膜の日帰り手術/隠れた名医/あっという間の回復に驚嘆 4113回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 211029 右目網膜の日帰り手術/隠れた名医/あっという間の回復に驚嘆 4113回

 これだけ思わせぶりに長々と引っ張っておいて、まさか「今日はまだ秘密にしておきます」というわけにもいかないだろうから、ここはさすがにスパッと正直に白状してしまおう。

 

 ワタクシは10月26日、右のお目目の「硝子体茎離断手術」を受けた。「網膜付着組織」離断のためである。おお、コワかった。手術直後の写真を眺めてくれたまえ。どれほどコワかったか、想像にあまりある。もう2ヶ月も前からこの手術が必要なことが分かっていて、だから言語道断にションボリしていたのである。

 

 今日29日は、すでに手術の3日後。とっくに眼帯もとれてスッキリ、晴れ晴れとしたエビス顔のサトイモに完全復帰しているから(本日ラストの写真を参照)、今井の公開授業を間近に控えている関係者の皆さま、おおいに安心して胸をギュッと撫でおろしてくれたまえ。

   (10月26日午後9時、手術5時間後のワタクシ) 

 

 11年前の201011月には、いきなり網膜がベロッと剥がれ、日本医科大で緊急手術ということになった。あんまり激しく剥がれたので、病院サイドでもよほどビックリだったらしく、教授自らが執刀、医局員やら医学部生やらがズラリと居並んで見学という仕儀に至った。

 

 昨日に続き「Fri 101022 ただいま生還しました 「緊急入院」「緊急手術」「右眼失明の恐れ」」を貼り付けておく。ここから十数回に及ぶ「今井君の速攻闘病記」、まだの人はぜひ熟読&味読してくんなまし。

 

 あの時は約10日の入院。豪華個室の病室に入れられて、手術後もずっと「うつぶせ寝」を強いられ、手術後1週間はその苦しさに延々と呻吟した。尖閣諸島周辺で「中国漁船の体当たり事件」が発生した頃である。

 

「授業に穴をあける」という極めてマレな経験をしたのも、あの時。諸君、今井君は大いに自慢するのであるが、予備校講師歴30年、病気やプライベートで授業に穴を開けたことはほとんど皆無なのだ。

 

 30年前、まだ駆け出しの「筑波ゼミナール」時代、原因不明の頭痛に悩まされ、秋の初めに一度だけ「どうしても立ち上がれない」という激烈な頭痛のせいで、突然の休講をお願いした。当時の生徒諸君は、もう50歳に近いことになる。

 

 そして11年前、11月中旬に予定されていた公開授業を、網膜剥離のせいで突然中止にせざるを得なくなった。不幸中の幸いというか、中止になったのは静岡での公開授業1回のみ。退院の翌日にはもう、千葉の船橋で果敢に公開授業を実施。黒いサングラスをかけて猟奇的に真っ赤に腫れ上がった手術痕を隠し、90分の熱演を成功させた。

(10月26日午後5時、こんなありさまで手術から帰宅。タクシーの運転手さんが異様に緊張していた)

 

 ま、そういうケナゲな男である。2021年、今回の右目の手術は、「このタイミングしかあり得ない」という日程に、無理を言って日帰り手術を押し込んでもらった。

 

 1024日に山口県防府の公開授業があり、その後2週間ポッカリ休暇があって、次の仕事は11月6日の沖縄。もし手術を受けるとしたら、ホントに1026日火曜日しか考えられなかった。

 

 ただし、もしもこの手術で網膜が再び剥がれてくるようなことがあれば、眼球内に高圧のガスを封入することになる。ガスの圧力で網膜を安定させるのであるが、もしそういうことになればヒコーキに乗ることができなくなる。

 

 ヒコーキ内の気圧の変動でガスが急激に膨張&収縮、眼球は破裂の危機に陥るのである。実は11年前、手術の1ヶ月後にやむを得ない事情で「仙台 → 福岡」「福岡 → 済州」「済州 → 福岡」の3便を利用、眼球内のガスの膨張&収縮が、どれほど激烈な痛みを眼球にもたらすか、実地に経験している。

 

 しかし今回はあくまで「網膜付着物の離断手術」であって、眼球内へのガス封入の可能性は1%程度。事前に担当医師と綿密に相談して、「99%大丈夫」という結論を得た。

(10月25日、博多駅にはハロウィーンを通り越してすでにクリスマスツリーが設置された)

 

 しかも諸君、万万が一、というか億が一「緊急にガス封入」という結果になったとしても、11月6日の沖縄には「船で行く」というルートを確保してあった。新幹線で東京から鹿児島まで7時間。鹿児島の港からはまるまる一昼夜、船は沖縄の那覇にたどり着くことになる。

 

 6日の那覇での仕事の翌々日、次の仕事は京都であるが、那覇から京都の移動もやっぱり船が可能。鹿児島まで再び一昼夜、鹿児島から新幹線で京都まで5時間。それが可能と何度も確認してから、今回の手術を決断した。沖縄への船便、こういう個別の危機に備えてもっと整備しておいてほしい。

(10月25日、福岡空港で250グラムのステーキを貪る。手術に向けての景気づけに、ステーキは最高だった)

 

 まあ諸君、もうこの3〜4年、ワタクシは右目の視力の低下に苦しんでいた。活字が細かすぎると、左目ではカンペキに見えているものが、右目では捉えきれない。「老眼」というのとは完全に違って、網膜への付着物が邪魔して焦点が合わないのである。

 

 この数年のワタクシが「過去問解説講座」を次々と若手の講師たちに譲ってきたのは、この視力の低下が理由だった。まず広島大・岡山大・熊本大を譲り、明治大文学部と早稲田(政経・法・文・国際)も若手に任せることにした。フォントが小さすぎて、右目が悲鳴を上げていた。

 

 それ以上に、「お風呂で読書ができない」というのが悩みのタネ。ワタクシはこの15年、お風呂に文学全集を持ち込んで、2段組や3段組の異様なほど細かい活字を1時間、夢中で追い続けてきた。しかし右と左の視力が違いすぎて、焦点が全く合わなくなった。

(短い闘病生活のおともには、タイヤキ君が最適だ。小倉とカスタード、手術の帰りに買ってきた)

 

 11年前の網膜剥離の時には、何しろ右も左も分からないから、適当な医者に相談して大学病院への紹介状を書いてもらい、ベッドに空きかあった大学病院に緊急移動して、いきなりその翌日に手術ということになった。

 

 しかし今回は「隠れた名医」と評判の高い個人病院にお願いすることにした。患者さんが殺到すると困るから名前は伏せておくが、世田谷区・新宿区・渋谷区あたり、それどころか首都圏全域の眼科医の皆様が、「止むを得ず手術が必要なら、やっぱりどうしてもあの先生」と、こぞって紹介状を書くような、そういう名医である。

 

 手術は、2615時半スタート。「14時半に来院」ということで、あんなにションボリしょげまくっていた今井君も、ギュッと覚悟を決めて「今日1日に耐え切ろう」と決意、午後2時のタクシーに乗り込んで、とりあえず時間は厳守した。

 

 同じ午後に手術を受ける人が10人近くもいる。スケジュールとしては「1人につき約30分」という過密ぶりだけれども、病院内は「いつものこと」という、マコトに落ち着き払った雰囲気が漲っている。

 

 患者はみんな「ワクチン2回接種完了まで、我慢して待ちました」という人々であって、今井君ももちろんその一人。もしコロナがなかったら、過去問解説講座をあんなにたくさん若手講師にゆずることもなしに、サッサと手術に臨んでいた。

(術後55時間が経過。右のお目目はまだ少し充血しているが、元気なエビス顔はすっかり回復した) 

 

 手術開始は、予定時間ぴったりの15時半。むかしSF映画で見た通りの近未来的な手術台に載せられ、投与される麻酔やら薬品やらについて綺麗な英語のアナウンスが流れるのを聴きながら、夢見心地で治療を受けた。

 

 11年前とは、どうやら全く違うのである。部分麻酔のお目目にメスの先端がジワジワ接近してくる恐怖も苦痛も、一切ナシ。マコトに手際よく優しく麻酔が施され、ブルーやピンクの薬剤が眼球内にユラリと拡散していくプロセスがマコトに美しい。手術台の上で「キレイですね」と口に出した患者は、きっとワタクシだけではないと思う。

 

 手術終了、16時。たった30分で手術台から解放され、網膜への付着組織はほぼ完全に除去された。頭皮が麻酔のせいで少し痺れているけれども、もうこれで何の支障もなく「オウチに帰っていい」のである。眼球の一番深いところにメスを入れて付着物を除去、それで術後にも全く痛みがない。

 

 一応「痛みが出た場合の頓服」ということでロキソニン2錠が処方されたが、あれから3日が経過して、痛みも違和感も皆無。視力はどんどん回復して、11月の沖縄も京都も大阪も札幌も、お仕事には全く影響がなさそうだ。

 

 こうして今井はまたまたエビス顔。コロナも土俵際で断末魔、右のお目目もグイッと健康を取り戻せば、今井君は外国旅行もお仕事も、急ピッチで元の調子に戻していきたい。諸君、こんなエビス顔で生きるには、仕事も旅も読書も決して怠けちゃいけないのだ。

 

1E(Cd) Holliger & BrendelSCHUMANNWORKS FOR OBOE AND PIANO

2E(Cd) Böhm & BerlinerMOZART 46 SYMPHONIEN 10/10

3E(Cd) COMPLETE MOZARTTHEATRE & BALLET MUSIC 1/5

4E(Cd) LET’S GROOVE 

7D(DMv) 3:10 TO YUMA

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