Mon 211011 混雑を避けて駅弁４つ／駅弁の寿司は酸っぱすぎ／また広島の大盛況 4104回

　広島での公開授業が２つ連続して、10月２日が広島、10月９日も広島、土曜日に広島入りして日曜日に帰京する、全く同じスケジュールになった。２日も９日もマツダスタジアムで広島カープの試合があり、広島駅前はカープのユニフォームを着た人々で大いに賑わっていた。

　しかし諸君、「大いに賑わっていた」というとマコトに景気がいいけれども、何しろワタクシはまだコロナがコワい。ワクチンは８月中に２回接種を済ませ、効いた証拠に副反応で異様に眠い日々も２週間経験したのであるが、それでもまだ人混みがコワい。

　だからヒコーキでも新幹線でもやたらにビクビクしていて、どこからか咳の声が聞こえれば顔を逆方向にそむけ、居酒屋で騒いでいる人々を発見すれば直ちにお勘定をして逃げるように店を出る。

　さすがに、そんなに楽しそうに盛り上がっている人々に「もっと静かにしてもらえませんか？」と注意するのは無粋で憚られるから、まあ気になったらやっぱりサッサと店を出たほうがいい。

　　　 　（10月９日、またまた広島での大盛況　１）

　２日には、お好み焼きの「電光石火」に入った。広島の真新しい駅ビル「ekie」にはお好み焼き屋だけで「みっちゃん」「麗ちゃん」「福ちゃん」「電光石火」の４軒が軒を並べる。

　前３者は似たり寄ったりのごく普通の広島タイプお好み焼きだが、「電光石火」は上下に大きく膨らませた球形が特徴的。前回の記事の写真１枚目を参照してくれたまえ。

　ただし、以前にも書いたことがあるが、すでにすっかり全国展開してしまっていて、東京でも大阪でも博多でも松山でもごく普通に「電光石火」の球形お好み焼きが食べられる。名古屋でも横浜でも今治でも渋谷でもOK。いやはや、要するにすっかり人気店になっちゃった。

　すると諸君、「わざわざ広島に来てまで電光石火を食べなきゃいけないの？」という気分になる。人気が出すぎて希少価値がなくなり、「なんだ、渋谷や横浜の店と全く同じじゃないか」と、広島ekieで返ってガッカリするわけだ。

　しかも先々週２日の土曜日は、店内にたいへん無遠慮な大声集団がいらっしゃった。見れば、60歳を過ぎたか過ぎないかぐらいの男性３人。３人ともゴマシオの長髪にキャップをかぶり、ジャンパーに薄汚れたズンポ姿。野性味あふれる中高年集団。もちろんマスクなんか最初からしていない。

　会話の内容から判断するに、プロ野球を観戦しながら全国を旅していらっしゃる様子。札幌ではこうだった、仙台ではこうだった、この間の福岡ではこうだった、そういう思い出を声高に語っては、３人で声を合わせていかにも面白そうに声を張り上げて爆笑する。

　中高年男性が３人とか４人とかでそうやって旅をすれば、「接待を伴う飲食店」にもまあ当然のように出入りするらしくて、仙台国分町の飲食店では接待がどうだったとか、博多中洲では誰ちゃんがどんなバカをやらかしたとか、その種のハナシもふんだんに挿入される。

　　　　　（10月９日、またまた広島での大盛況　２）

　いやはや、聞きたくもないその手の挿話と爆笑が原因で、飛沫感染とかエアロゾル感染なんかしたら後悔してもしきれないから、目の前の球体を可能な限りスミヤカに胃袋に送り込み、可及的スミヤカにお勘定を済ませて、直ちに宿泊先のシェラトンホテルに逃げ込んだ。

「えきえ」という、何となく発音しにくい駅ビルから徒歩で30歩ほど。シェラトンはマコトに便利なロケーションであって、今井君の広島での常宿である。新しくて清潔、接客もマコトに心地よい。

　だからその翌週、10月９日もまたシェラトンホテル。ただし「シェラトンに入る前に広島ランチ♡」と熱く浮き立っていたワタクシのココロは、駅ビル「ekie」内の混雑ぶりにポキリと折れてしまった。

　お好み焼き屋は４軒とも、すでにコロナ前を彷彿とさせる大混雑。先週のオジサマ３人組はいないだろうが、ほぼ相似形というか、むしろ三角形の合同条件を３つとも思い出させるようなオジサマたちが、そこいら中で大声の会話と大爆笑のシーンを繰り広げていらっしゃる。

　　　　　（10月９日、またまた広島での大盛況　３）

　お店でのランチは、こりゃ諦めなきゃいかん。せっかく緊急事態宣言が解除されたばかりなんだ。サトイモどんが不機嫌なお顔をして大急ぎでランチを飲み下している様子は、店の人だって迷惑だろう。ワタクシは「今回の広島は、徹底して駅弁をエンジョイしよう」と決めた。

　シェラトンホテルの部屋で１人、ランチもディナーも明日の朝食も駅弁。その姿はマコトに悲しく寂しいが、野性味あふれるオジサマ集団を睨みつけながら貪るお好み焼きよりははるかに好ましい。

　そこでまず、駅ビル「ekie」の駅弁屋さんで駅弁４種を購入。

① 広島 わっぱ寿司

② 広島名物 活あなご飯

③ 廣島 上等弁当

④ 瀬戸内六穀豚 ミルフィーユカツサンド

　もちろんいきなり４つを貪るのではない。まず①は９日のランチ。②は９日のディナー。③を10日の朝食、④が10日のランチ。賞味期限はどれも10日の昼ごろだから、一気に４つ買ってシェラトンライフをゆっくりエンジョイすればいいわけだ。

（広島駅弁１号「わっぱ寿司」。「寿司」と「飯」を勘違いした）

　ただし①については、ちょっとした勘違いがあって、ワタクシとしては「わっぱ飯」が欲しかった、まさか「わっぱ寿司」とは認識していなかった。

　諸君、「駅弁のお寿司」というものは、どこで購入してもほぼ例外なく酢の味がキツすぎる。おそらく賞味期限とか「万が一の腐敗を心配して」ということなのだろうが、蓋を開けたが最後、周囲のお客がみんな鼻をつまむほど酸っぱい酢の匂いが拡散する。

　いつだったか、新大阪から新幹線に乗り込んできたお客さんが嬉しそうに駅弁のお寿司の蓋を開けたことがあったが、周囲の座席からから「酸っぺえ」という悲鳴が上がった♡ 富山駅の鱒寿司とか、金沢駅や福井駅のカニ寿司とか、、うーん、酢はもう少し控えめにした方が旨いんじゃないか。

　今回の広島の「わっぱ寿司」も、諸君、写真に写っているレンコンに鼻を近づけた瞬間、シェラトンの隣の部屋に聞こえるぐらいの勢いで「げ、酸っぺえ♨」という下品な叫びを禁じ得なかった。せっかく無料でアップグレードされたお部屋なのに、一晩ずっと酢の匂いが抜けなかった。

　だから、19時からの公開授業に向かう時も、ワタクシのお部屋はまだ酢くさかったのである。諸君、駅弁を買うときには「めし」か「すし」かをよーく確かめてからにしたまえ。

（駅弁１号「わっぱ寿司」。中身はこんな感じでございました）

　スタッフとの待ち合わせは、ホテルロビーで17時半。会場の「佐伯区民文化センター」は広島駅前からクルマで30分ほど、地元では「五日市」として知られている街であるが、車内でもやっぱり「ボク、酸っぱくありませんか？」とスタッフに尋ねたくなるほどだった。

　出席者は、約300名。先々週２日に行った公開授業が奇跡的なほどの猛烈な評判を呼び、その好評を伝え聞いた保護者の皆様が、ギュッと会場に詰め掛けてくださった。

　２日の広島が、100名の予定で170名。９日の広島が、200名の予定で300名。この２年、コロナのせいで広い会場が軒並み使用禁止になり、しかも会場定員の1/2までという制限も厳守してきたから、「出席者が多ければ多いほど嬉しい」という今井にとってはツラい日々が続いたが、そろそろトンネルの向こうにハッキリ明かりが見えてきた。

　もちろん、まだ定員1/2ルールは厳守し続けなければならない。キャパ600人の会場に300人、写真を眺めてもまだ２年前のパンパンパン、白い湯気の立ち込める大盛況とは大差がある。

　しかしやっぱり、「でも当初の予定の1.5倍の出席者がありました」「先週の大評判のおかげですかね」、そう言ってスタッフみんなで顔を輝かせるのは、心の底から嬉しいものである。あのレンコンの酸っぱい匂いも、授業が始まった瞬間にもうすっかり忘れてしまっていた。

1E(Cd) COMPLETE MOZART／DIVERTIMENTI・SERENADES 1/11

2E(Cd) Dieter Reich：MANIC-“ORGANIC”

3E(Cd) Tuck & Patti：AS TIME GOES BY

4E(Cd) Candy Dulfer：LIVE IN AMSTERDAM

7D(DMv) PRISONERS

10D(DPl) 狂言：大蔵流 木六駄（茂山弥五郎 茂山千五郎）／ 和泉流 武悪（野村万蔵）／ 和泉流 見物左衛門（野村万蔵）

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