Fri 210716 優柔不断・勇猛果敢・軽挙妄動/萩博物館/夏みかんとちょんまげ 4087回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 210716 優柔不断・勇猛果敢・軽挙妄動/萩博物館/夏みかんとちょんまげ 4087回

 萩焼の湯呑みを紙袋に入れてもらって、マコトにホクホク、雨上がりの萩の町の散策を始めた。7月5日、まだ梅雨の真っ最中で、晴れたと思えばまた雨、にわか雨が止んで陽が差すと、たちまち気温が急上昇してサウナ並みのモーワモワ、暑さに弱いワタクシにとって、これ以上考えられないイヤなお天気だった。

 

 しかし諸君、とにかく旅の目的だった「萩焼の湯呑み」は手に入った。これでおそらく今後20年か30年、旨いお茶が飲めるだろう。緑茶は静岡の深蒸し茶、キレイな緑色が萩焼の淡いピンクに映えるだろう。それを思えば、蒸し暑さなんか何とか我慢はできる。

 

 あとは、帰りにさっきの「昭雲堂」に立ち寄って、同じ作家の萩焼の徳利&盃をセットで購入すればいい。同様に20年か30年、旨い日本酒が堪能できるだろう。コーヒーカップも買っちゃおう。カップの方は少し安くてもいい。より透明感の高いカップで、コーヒーの色あいを楽しめるほうがいい。

     (夏みかんも、山口県萩の名物である)

 

 前回も書いたとおり、ほとんどの萩焼店が休業中。しかし優柔不断なワタクシにとっては、むしろこの方が好都合なのであって、あんまり多くの店が並び、あんまり多くの選択肢が存在すると、迷いに迷って結局なんにも選ばないで帰る結末になりかねない。

 

「選ばない」というより、「選べない」という方が正確なのだ。選択肢が多すぎると、選べなくなって選択権を放棄する。酒でも本でも焼き物でも、服でも靴でも鞄でも、優柔不断な人間を作るのは、選択肢が豊富すぎるという事態なのである。

 

 自ら優柔不断と告白するのは、もちろん謙遜に過ぎないのであって、ホントの今井は、いやはやひたすら勇猛果敢、今から15年前、冬のコートを選んだ時なんかは、ロロ・ピアーナの店に入店して30秒しかかからなかった。

 

 最初に右手に掴んだコートを一度も離すことなく、店員さんに値段を尋ねてギョッとしたが、めまいをギュッと抑えて「これにします♨︎」と勇猛果敢、「一発で仕留めた」という誇りを胸に店を出た。「このコートを少なくとも30年は着るぞ」と心に誓ったものである。

         (高杉晋作、生誕地)

 

 この勇猛果敢ぶりを「軽挙妄動」と非難する人もいる。極めて少ない選択肢から「エイヤッ」と掛け声をかけて一瞬で選択する今井君に、「もっとじっくり選んだら?」と苦笑を向けるわけであるが、諸君、共通一次からセンター試験の世代には、選択肢を4つ以上与えてはならないのだ。

 

 というか、4つ以上の選択肢が並んだ場合、ワタクシはまず素速く選択肢を4つにしぼる。他は見ない。というか、ないことにする。最初からなかったことにすれば、変に迷って優柔不断の泥沼に陥ることはない。他はみんな夢&幻なんだと自分に軽く言い聞かせれば、マコトに気が楽になる。

 

 というか「もっといいものはないか?」「もっとお得な選択肢はないか?」という迷妄は、要するに果てしない貪欲ぶりの証左であって、極度の貪欲の結果としての迷妄は、短い人生の時間を無駄にしかねない。

 

 着るものも読むものも、茶碗も湯呑みも徳利も一期一会であって、一期一会には一瞬の偶然が深く大きく寄与する。友人知人として付き合う人物も同じ偶然の一期一会であって、昔の英語の暗記例文集にあった「友人を選ぶ時はどんなに注意しても足りないぐらいだ」みたいなのは、今井君は大嫌いだった。

   (萩、萩博物館。ここも人っ子ひとりいなかった)

 

 ま、そういうことである。前回の記事に掲載した萩焼の器3点を眺めながら、「何故その3つでなければならなかったのか」「もっといい品があったのではないか」と腕組みしてツラツラ悩むのは無駄、その軽挙妄動を責めて「無駄遣い」「衝動買い」と悪罵を浴びせるのは愚かである。

 

 そんなことで悩んでいるより、せっかくの萩、滅多に訪問できない遥かな小京都だ、勇猛果敢な今井君は梅雨末期の猛暑に熱中症の不安を抱えながら、高杉晋作やら吉田松陰やら青木周蔵やら、かつて山川出版の日本史教科書で慣れ親しんだ人物たちの、生家やら由縁の地やら石碑やらを訪ねて散策を楽しんだ。

 

 それにしても諸君、「由縁」と書いて「ゆかり」、いやはや我がMac君はありとあらゆる「ゆかり」を記憶していらっしゃって、由香里に裕佳梨に優花里に由嘉利、祐香里に友加里に夕加里に有香里、まるで「ゆかり博物館」であるが、最近はこの「ゆかり軍」に対して「ゆりか軍団」なんかも果敢に参戦するから、いやはやなかなかたいへんだ。

  (名物・夏みかんを使用した夏みかんソフトクリーム)

 

 そこでワタクシは、由縁ないし所縁の地を大汗をかきながら探訪するのをもうヤメにして、ギュッとクーラーの効いた萩博物館に闖入することにした。ゆかり博物館より、やっぱり萩博物館がいいじゃないか。

 

 もちろん博物館に闖入する目的は、クーラー以外に「ビール」ないし「命の水」を求めたのであって、萩の名物・夏みかんを素材にした夏みかんソフトクリームなんてのも、「私を食べてください」と涙目で待ち受けている。

 

 博物館には、「長く地元史を研究しています」というタイプの中高年ボランティアの人々が笑顔で待ち受けていて、お願いしなくてもピッタリ隣りに寄り添い、萩の名士たちの事蹟をルル説明してくれる。

 

「ルル」とはもちろん「縷縷」または「縷々」であるが、ブログの小さなフォントでは「縷縷」なのか「数数」なのか分からないだろうから、諸君の視神経の疲労を慮って「ルル」としたまでのことである。

 

 ただしそこまで慮っても「慮る」が読めなくて「なーに? リョるって」と首を傾げる人もいるだろうし、「慮」「虜」「」、とらかんむり系は視神経の過労を引き起こしやすいクセモノが揃っている。

 

 今井君もまたそのクセモノの一種であって、せっかくボランティアのオジサマたちが頑張ってルル説明に努めてくれても、イマイの知識量は実に膨大、オジサマたちのそれを遥かに上回っていたりする。意地悪な質問やらハグラカシやら脱線やら、「こりゃかなわん」とオジサマたちが逃げ出しちゃうような、イヤなことを平気でする。

   (ちょんまげビール。オイシューございました)

 

 ついでだから、博物館の一角の小さなお店で夏みかんソフトクリームを味わい、さらについでだから冷たいビールも注文して、猛暑の萩♡散策で失った水分を一気に取り戻す。「ちょんまげビール」というフザけたネーミングが何ともクセモノ、素晴らしいじゃないか。

 

 しかし諸君、あまりにも多種多様な電子マネー、何とか早めに少数にまとめられませんかね。ワタクシは「ID」「交通系」「ANAペイ」の3種しか使わないが、いやはやよく考えるとボーゼンとするほど多種多様で、中高年のオジサマ&オバサマが働く小さな店では、「電子マネー」を指定しただけでパニックが発生する。

 

 もちろん、使う側はスカッとたいへんいい気分。しかし処理する側のオバサマ連は「これってどうすんだっぺ?」「なんだね、そのポイとかペイとかパイとかいうもんは?」と、老眼鏡をつけたり外したり、そのパニックの渦は鳴門海峡の渦潮を上回る大渦となって、小さな店舗を飲み込む勢いなのである。

 

1E(Cd) Jochum & ConcertgebouwBACHJOHANNES-PASSION 2/2

2E(Cd) SchiffBACHGOLDBERG VARIATIONS

3E(Cd) SchreierBACHMASS IN B MINOR 1/2

4E(Cd) SchreierBACHMASS IN B MINOR 2/2

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