Sat 210605 今日14年目に突入/カレーの味/苦い思ひ出/ナマか映像か12(4068回) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 210605 今日14年目に突入/カレーの味/苦い思ひ出/ナマか映像か12(4068回)

 本日からこのブログは14年目に突入する。驚くなかれ諸君、14年である。4歳児は大学1年生になり、6歳の子は成人式を迎え、かつての高1生は30歳に到達し、60歳だった人は「後期高齢者」の仲間入りをする。それほどの長い間、同じタイトルと同じ表紙でブログを書き続けた。

 

 2008年6月5日、記念すべき第1回の記事は、今もなお人気が高く、アクセス数も多い。14年前の若き今井君が、いかにも昭和の文学全集の文体で意気込みを綴っている。

 

 いやはや、いま読むと気恥ずかしくなるほど肩に力が入っているが、何しろ14年前、要するに今とはほとんど別人だ。強烈な恥ずかしさには目をつぶって、このまま放置することにする。

 

 もし気になる人がいたら、毎年の6月5日の記事を読み返してみてくれたまえ。2009年・2010年・2011年・2012年・2013年・2014年・2015年・2016年・2017年・2018年・2019年・2020年、あんなに頑固だった今井君も、こうして同じ日付で並べて定点観測をしてみると、ずいぶん大人に成長したようなのである。

(2021年6月5日。おなじみ「銀座デリー」の極々辛カシミールカレー。やっぱりこの色が大好きだ)

 

 コロナの真っ只中とは言え、さすがにブログ記念日に何もしないでオウチにこもっているのはイヤだから、せめてランチだけでも楽しんでくることにした。銀座まで地下鉄千代田線に乗って、ゆりこ様にきつく叱られる「人流」の一部になりながら、ブログ記念日にふさわしい馴染みのカレー屋に闖入した。

 

「銀座デリー」、何度も何度も繰り返しこのブログに登場していただき、何度も何度も同じ極々辛カシミールカレーの写真を掲載させていただいた。ワタクシにとって最も大切な飲食店の一つである。

 

 ワタクシは、目標の5000回を超えてブログを続けていくつもりはさすがにないから、あと約930回書いたらそれで満足してこの世界から撤退する。どのぐらい勤勉に書き続けるかによるけれども、最速であと2年半、以前よりちょっと予定が延びて、2024年3月31日ぐらいに撤退を完了するつもりでいる。

 

 だからせめてそれまで、銀座デリーのカシミールカレーには、何が何でも変わらないでいて欲しい。実は先月2021年5月下旬に1度だけ、「あれれ、味が変わっちゃったよ」という一瞬があった。あんなにとんがっていた極々辛のカシミールが、「ええっ」と絶叫したくなるほどマイルドに味が変わっていたのである。

(2021年5月28日、この日だけ、カシミールがマイルドになってしまっていた。1枚目と3枚目の写真と比較してくれたまえ)

 

 今日のカレーの写真を3枚、じっくりと見比べてくんろ。1枚目が、本日2021年6月5日のカシミール。2枚目が、2021年5月28日のカシミール。3枚目は、20171220日のカシミール。カレーの色を見比べれば、2枚目だけにあの強烈な凶悪さが影を潜めているのが分かる。

 

 諸君、ワタクシも確かに14年前の今井と比較すれば、人間として&講師としての意地悪さやら凶悪さやらが影を潜めて、いかにもマイルド、いかにも好々爺、ビリビリ辛口オジサマの魔力からすっかりカドがとれて、近づきやすいというより、ハッキリ言えば「ナメられやすい」系に変貌しつつある。

(2017年12月20日の、「銀座デリー」のカシミール。おお、やっぱりこの色の極々辛じゃなきゃいかん)

 

 しかし諸君、そうはいかないのだ。5000回を見事に達成するまでの間は、極々辛カシミールと同じように、熱く意地悪に予備校講師の日々を書き続けていきたい。幸いなことに、5月中旬から書き続けている「ナマか映像か」のシリーズが好評、この時期としてはアクセス数もグイグイ伸びてきている。

 

 とりあえず、まだまだ少なくとも10回は続きそうなシリーズを楽しみに読み続けてくれたまえ。「ウィーン滞在記」のサブタイトルについても、思索の足りない人は「中身と全く関係ないじゃないか」「写真と文章の中身、全くカンケーねんじゃね?」とムクれているかもしれないが、まあ諸君、その辺も辛抱強く待っていてくれたまえ。

 

 こんなに「カンケーねえ」と読者がムクれていたシリーズの内容と、ウィーンや大河ドナウの旅の記録が、間もなくあまりに見事な形で融合して、「なんだ、今井って結局たいへんな才能の持ち主だったんじゃないか♡」と、多くの人が大きな感激を語り出す仕組みになっているのだ♡

(銀座デリーのカリフラワー料理。大好物だが、これもずいぶんマイルドになっちゃった)

 

 さて、今井君は何しろ「90分の肉体感覚」を誇り、自らのタイムマネージメント能力を自慢にしているぐらいだから、前回の記事に書いたような「尺に入りきらない」という苦悩の体験は滅多にない。代ゼミ時代もほぼ皆無、東進移籍以降も、「90分ぴったりで終わるセンセ」の定評がある。

 

 それでも5年に1回ぐらいの頻度で、「どうしても尺に入りきらない」の苦悶を経験する。スタッフがびっくりして「珍しいらしいですね」「体調は大丈夫ですか」とホンキで心配してくれる。その優しさに感謝&感謝、感謝の言葉しかない。

 

 今井君ほどのタイムマネージ能力があってもこんなふうだから、語りたいことがエベレストより高く積もった熱意の化身のようなセンセの場合は、「尺が足りない」「尺が足りない」と、常に悪夢と苦悶と絶望に襲われ続けることになる。

 

 ワタクシとして直近の「尺に入らない事件」は、2020年1月4日、「新A組」レッスン1の収録時だった。珍しい事件だから、こうして日にちやらテキストの種類まで明確に記憶している。

 

「新A組」は全て長文読解、京都大学が10問、東京大学が9問、この19問は全て90分で一発、「終了のチャイムとともに終了」。まさに大ベテランの名に相応しい鮮やかな包丁さばきだった。たった1回だけ「尺に入りきりません」の迷惑をスタッフにかけたのが、唯一「名古屋大学」を扱ったレッスン1だった。

(青山のイチョウ並木。黄金色に染まるまで、6ヶ月の辛抱だ)

 

 何しろ20レッスンを「東大&京大だけ」で突っ走ろうという講座だ。その「レッスン1」だけは、何しろ最初の授業だし、北大・東北大・大阪大・九州大のレベルを代表して名古屋大に登場していただき、旧帝大の長文を材料に「この講座の進め方」「この講座の受講の仕方」まで説明しきるというプランだった。

 

 そういう「講座コンセプトの説明」に、どうしても20分は必要。授業の最初と最後には、ネイティブさんに全文読み上げてもらってリスニング力も鍛えることになっているから、それにも合計10分が必要だ。

 

 すると、本文80行の解説と、設問9問の解説に残された時間は、60分しかない。レッスン1の名古屋大と、京都大学の読解問題10問については、全文の構文を明らかにして全訳をつける方針でいたから、諸君、それを60分というのは至難のワザだ。

 

 何と諸君、もう一度繰り返すが2020年1月4日、ワタクシはレッスン1の収録を、何と何と3回も失敗した。90分経過近くまで頑張って断念、「スミマセン、どうしても尺に入りきりません」と頭を下げること3回。午後3時に始まった収録は、午後7時を過ぎても一歩も進んでいなかた。

(東京・虎ノ門、高層ビルの谷間の金刀比羅宮。カレーの後は明治神宮まで3時間、15kmの散策を満喫した)

 

「体調は大丈夫ですか?」と、心配したスタッフ諸君が繰り返し尋ねてくれた。そして実際、あの日の体調は最悪だったのである。前日1月3日の真っ昼間、酒屋が届けてくれたウィスキーが3本入った袋を、手が滑って胸の位置から取り落とし、酒瓶3本はモノの見事に左足の親指を直撃した。

 

 流血が止まらず、「骨にヒビでも入ったか?」という激痛も止まず、それでも翌日の収録に備えて床屋さんに出かけ、とにかく見事なサトイモ姿になって、翌日の吉祥寺スタジオにタクシーで向かった。足の指にバンテリンを塗り、包帯ではなくバンソーコーでごまかした。

 

 何しろスタジオは事前予約で常に満室。酒瓶が足の指を直撃したぐらいで、気楽に「キャンセルしてください」などと申し出ることはできない。というか、一般参加ランナーとしてトップを走る大ベテランがそんなことでは、我がキョージが許さなかった。

 

 そういう事情まで加わって、もう一度繰り返そう、2020年1月4日、今井君は自身初となる「3度続けて尺に入りきらない」という大失態を演じた。あれこそが、コロナ蔓延の前触れとなる不吉な事件だったのかもしれない。

(6月5日午後5時、銀座を出発点に3時間、疲労困憊、ほうほうのていでここにたどり着いた)

 

 しかしそれでも4回目、スタッフの皆さまに何度も何度も深く頭を下げてお詫びを述べ、最終的に午後7時にスタートした収録は、8時30分に見事完了。最後の設問まで実に見事に解説し終え、ネイティブさんによる朗読が終了したところで、8945秒が経過していた。

 

 残りの15秒は、「さて皆さん、これで記念すべきレッスン1が完璧に終わりました」「残る19レッスン、出来れば60日での修了を目指して、どんどん受講を進めてください」と笑顔で語りかけ、そこでチャイムが鳴って、ワタクシばかりか、スタッフ全員が快哉を叫んだのである。

 

 読者諸君も、ぜひ一度「新A組」レッスン1を視聴してくれたまえ。あの90分の裏側には、これほどの努力と苦悶と拍手喝采と、マヌケな流血騒動が隠れているのだ。

 

「流血」とは何とも物騒な話だが、前日の流血は実はこの日も止まっておらず、履き続けて15年のチャーチの革靴の内側では、この日4回目の収録のうちに、再びズキズキ重く激しい痛みが襲ってきていたのである。

 

1E(Cd) Nevel & Huelgas EnsembleCanções, Vilancicos e Motetes Portugueses

2E(Cd) SPANISH MUSIC FROM THE 16th CENTURY

3E(Cd) Bobby CaldwellEVENING SCANDAL

4E(Cd) The BeatlesMAGICAL MYSTERY TOUR

7D(DMv) HAMLET

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