Wed 210505 刀折れ&矢尽きて、まだ戦う/955回の覚悟(ウィーン滞在記11)4046回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 210505 刀折れ&矢尽きて、まだ戦う/955回の覚悟(ウィーン滞在記11)4046回

「大型連休も今日が最終日」。ということは、ワタクシも長く続いた籠城生活を、ホントなら今日でオシマイしなきゃいけない。3週間近いお部屋の中の籠城で、何がピンチになったかといえば、「掲載すべき写真がなくなった」のである。

 

 最後の砦として大事にとっておいたネモフィラの写真を使い尽くして、昨日の段階でホントに「刀折れ、矢尽きた」という状況。断崖の上の堅固な城砦に立てこもった今井の頑固な籠城軍であったが、もうコメもなし味噌もなし、井戸の水も枯れ果てて、馬に飲ませる水もなしという大ピンチである。

 

 その点については、読者諸君も同じなんじゃないか。眼下の大平原ではコロナの大軍が高らかに凱歌をあげながら、3重4重に城を取り囲んでいる。なすすべなし。厭戦気分が充満して、敵意はすでにコロナ軍ではなく、むしろ味方の将に向けられている。

 

「もっとしっかり強いリーダーシップを発揮してほしい」。口をひん曲げて味方の将たちに皮肉を浴びせ、それで鬱憤を晴らした気分になってニヤリ、「とは思いますけどね」と失笑して去っていく。追い詰められた人々の厭戦気分を最も如実に表した姿である。

(ウィーン・オペラ座前で大繁盛のケーキ屋「アイーダ」。2019年12月24日、ケーキ大好きのワタクシはチョコレートケーキを購入。オイシューございました)

 

 兵糧も尽き、水も尽き、気がつけば刀も槍もみんな折れ、弓の弦は切れて、放つべき矢も尽きた。残っているのは「さあいよいよだ、今こそ雄々しく立ち上がろう」という気力だけである。

 

「大型連休がオシマイになっちゃう」という事実は、その気力に火をつけるには最高のチャンスである。もちろん戦うべき敵は、マコトに厄介な変異コロナの大軍であるから、不注意に立ち上がるわけにはいかない。

 

「お外に出て弁慶よろしく大暴れ」というのでは、敵コロナ軍の思うツボ、コロナの手裏剣が雨あられと飛んできて、あっという間に全滅の惨状を呈する。

 

 現状で我々が「立ち上がって何をするか」であるが、弓のツルを張り直し、折れた刀や槍を修理してピカピカ、「抜けば玉散る氷のヤイバ」の状態に研ぎ直し、食糧と水をかき集めて蔵を満たし、戦士のケガを癒して総合的な戦力の回復に努めるばかりである。

 

 ま、要するに「立ち上がるけど、オンモには出ない」のである。オンモに出る衝動は分かるが、例え歩き始めたミヨちゃんが赤い鼻緒のジョジョ履いて「オンモに出たい」と泣いていても、「今はオンモに出られないんだよ」と優しく諭してあげなきゃいけない。

(むかしながらのウィーンのトラム2号線。オペラ座前に到着)

 

 しかしこの場合、やっぱり今井は困り果てるのである。何しろ籠城3週間、掲載する写真がなくなった。大砲の準備は出来たが砲弾がない、鉄砲隊は張り切っているが火縄に火がつかない。外は変異コロナ兵がウジャウジャしているから、忍びの者さえ偵察に出られない。

 

 むかしなら、困った時にはニャゴロワのアクビの写真とか、なでしこの尻尾や肉球の写真とか、ナンボでも抜け道はあった。しかし、なでしこは20161020日、ニャゴロワは201910月16日、ともに秋の夕暮れにこの世を引退。今頃は天国から「今井君もたいへんですね」と苦笑しながら、ワタクシの悪戦苦闘を見おろしている。

(クリスマスイブのシュテファン寺院。ウィーンは快晴だった)

 

 残った抜け道は「過去の外国旅行の写真」である。過去16年、1年に4回か5回のペースで外国旅行を繰り返した。海外勤務でも長期留学でもなくて、しかし外国滞在1200日を超えていれば、この場に掲載すべき写真はナンボでもあるはずだ。

 

 しかしこのブログもすでに4050回に迫っている。4050回も書き続けていれば、外国旅行の写真も使い尽くした。読売新聞の4コマ漫画「コボちゃん」はすでに13800回であるが、ネタはちっとも切れそうにない。自らと比較して、そのネタの豊富さに驚くばかりである。

 

 2014年まで継続した毎日新聞「アサッテ君」は、1974年に始まって13749回も続いた。4コマ漫画の長寿記録にもなった。20141231日、アサッテ君の一家が揃って「蛍の光」を歌うシーンが最終回。おお、泣かせるじゃないか。

 

 今井君のブログは、その種のセレブ作品と比較することさえ失礼な「一般人の長文ブログ」。世にも時代遅れなシロモノであるが、あと2年半、あと955回、5000回を達成したら「蛍の光」をここに掲載して最終回とする覚悟をほぼ決めている。

(クリスマスイブのお昼すぎ、一斉に店が閉まりはじめ、ウィーンの街から人影が消えた)

 

 しかし、やっぱりタマがないのは厳しい。水も兵糧も尽き、頼みに思っていたニャゴもなでしこも逝った。残る外国旅行の写真も、201912月のウィーン滞在記が最後。1230日に帰国した旅で、すでに1223日まで写真を使い果たした。

 

 つまり諸君、城砦の外のコロナ大軍包囲網を前に、あと955日の籠城に耐えながら、しかし倉庫のタマは残り5日分しか残っていない。そんな状況だ。

 

 4月20日、ちょっと無理をして忍者イマイ半蔵は城砦の外へ斥候に出た。具体的には銀座まで地下鉄に乗り、老舗の松屋百貨店でスーツを修理に出し、銀座SIXの向かいの焼き鳥屋でランチを楽しんだ。

 

「スーツの修理」とは、秋冬スーツの腕の部分が、激務のために抜けそうになっちゃったのである。スーツの腕が抜けるほどの激務が今は懐かしい。やっぱりオジサマというものは、激務のおかげで力が貯まる。ガソリンで走って電気がたまるハイブリッド車みたいなものである。

 

 しかし諸君、腕の抜けたスーツの写真じゃ、ブログ掲載には繋がらない。仕方がないから焼き鳥屋の個室に陣取って、非常事態宣言までの最後のランチを満喫した。まだランチならワインも飲めた頃である。しかしやっぱり、飲食の写真撮影は遠慮した。

(2019年12月24日午後。ウィーンは「まるでロックダウン」の静寂に包まれた)

 

 そしてあの日、我が大切なポンポンが反乱を起こした。いけなかったのは。おそらく「極めて生々しい鳥さし」であり「まあ生々しい生白子」であり、「大っきな卵黄4個入りの鶏そぼろゴハン」であったのだが、4月下旬の今井君はほぼ戦闘爆撃機と化して、書斎前のトイレを長時間占領するハメになった。

 

 だから諸君、忍者イマイ半蔵は、あの日からむしろ「籠城せざるを得ない」というバカな羽目になり、戦意もほぼ喪失して、映画&映画また映画の日々を送ってきた。

 

 しかし若者諸君、諸君はこんなアホ忍者のマネをしていてはならない。若い諸君には、「書物を片手に立ち上がる」という正しい立ち上がり方がある。数学でも物理でも化学でもいい、文学書でも哲学書でも語学書でもいい。論文を書き始めてもいい。

 

 長い長い籠城の鬱屈を、書物や研究や論文に叩きつけて、この難局を突破できる日をひたすら待ち続けたまえ。もちろん、諸君がいま17歳とか18歳であるならば、それが受験勉強であってもちっともかまわないはずである。

 

1E(Cd) David SanbornLOVE SONGS

2E(Cd) David SanbornHIDEAWAY

3E(Cd) Jaco PastoriosWORD OF MOUTH

4E(Cd) Anita BakerRAPTURE

7D(DMv) LONESOME JIM

10D(DMv) BETTER LIVING THROUGH CHEMISTRY

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