Sun 210411 準備は常に完璧だ/舞台を待ち焦がれる(アドリア海岸探険記30)4025回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 210411 準備は常に完璧だ/舞台を待ち焦がれる(アドリア海岸探険記30)4025回

 こんなに舞台が好きな人間は、それほど多くないと思う。とにかく舞台に出たい。目立ちたい。拍手喝采を浴びたい。もちろん若干のブーイングはどこでもあるから、いちいちそんなのは気にしない。と言う割に意外に小心で、不満の声なんか絶対に聞きたくない。

 

 この舞台好きは小学生の頃からちっとも変わらない。学芸会には必ず登場したい。登場するなら主役でなければイヤだから、もしも主役でなければムクれてズル休みする。生徒会の選挙にももちろん登場して、当選するよりもむしろ大爆笑と拍手喝采を要求する。

 

 18歳で東京大学に入学を拒絶されてから、しばらく目いっぱいションボリして、舞台への欲望をなくしていた。18歳から30歳まで、ずいぶん長い間ションボリが続いて、舞台はせいぜいカラオケのみ。いやはや地味な12年を送った。

(昨年:2020年6月、コロナ自粛3ヶ月目のイマイ里芋閣下。山賊のオカシラみたいな、「いつでも出撃OK」という気迫と眼光がいいじゃないか)

 

 30歳でおなじみ「パチン」「ぬるっ」があって、そこからは河合塾・駿台・代ゼミで、まるでそれ以前12年分のションボリ生活のカタキを取る勢いで、全ての舞台を満喫させていただいた。

 

 舞台は派手なほど好きなので、相手は200人より300人がいいし、300人より400人がいい。500人を超えればそりゃもう天国であって、今でも1年に2回か3回「800人ぎっしりです♡」などというのがあると、2ヶ月も前からワクワク、そのためだけに生きていたりする。

(オマケのミュンヘン、選択した店は市庁舎地下の「ラーツケラー」だった)

 

 それなのにこの1年、またまた里芋どんをションボリさせる暗黒のコロナ世界になっちゃった。昨年の里芋閣下がどんなにガッカリ&ションボリしていたか、本日1枚目の写真をご覧くだされ。

 

 昨年春に緊急事態宣言が発出されてから、2ヶ月にわたって一度も外出しなかった。もちろん床屋さんにも行かなかったし、ヒゲも頭髪も一切手入れしなかった。

 

 その外貌がこれ。この野性味あふれる相貌、まさに野獣、まさに山賊の頭領、万が一不用意に獲物が近づこうものなら、「一撃で倒してやる」という危険な気迫が漲っている。

 

 というか、この気迫は「いつでも舞台に飛び出す準備は出来ています」「誰でもいい、舞台を準備してくだされ」という宣言なのである。青く輝く眼光は蒼天を貫き、逆立つヒゲの1本1本が(少し白髪が増えたとはいえ)鋭い氷のヤイバよろしく逆立って敵兵を威嚇している。

(ミュンヘン市庁舎の地下「ラーツケラー」で、まずは熱いスープを満喫する)

 

 30歳以降の今井君の気迫は、常にこのレベルなのである。18歳から30歳までのションボリ期に、あまりに多くのエネルギーを貯め込んだ。「貯め込んだ」と書いて諸君、「チョめこんだ」と読んでくれたまえ。チョめこんだ膨大なエネルギーは、今後数十年経過してもまだなくなりそうにない。

 

 だから関係者の皆さま、今年も来年も再来年も、どんどん里芋閣下を舞台に立たせてくれたまえ。呼ばれれば、いつでも、どこでも、躊躇なく、直ちに駆けつける。大爆笑の連続と「抱腹絶倒の名講義」、最後には大喝采が確実なスンバラシイ公開授業を約束する。

 

  こういう舞台好きは、外国旅行中にももちろん変わらないから、数日前のポリニャーノ・ア・マーレの記事でも書いたが、居酒屋で演奏中のバンドの皆様にもしもマイクを向けられたら、絶対に逃げることはない。アカペラでもいい、熱唱を披露するのに「ヤブサカ」も何もあったものではない。

(ミュンヘン「ラーツケラー」で、アコーディオンとギターのバンドとともに。ドイツのジーチャン&バーチャンと盛り上がる)

 

 イタリアなら「フニクリ&フニクラ」「帰れソレントへ」の他に「マンマ」や「サンタルチア」もある。フランスなら「クラリネットをこわしちゃった」。今井君とカラオケに行った経験のある人ならみんな知っているが、その美声たるや、まさにボボンと腰を抜かすに値する。

 

 しかも、必ず「全員、起立!!」の号令が入る。誰でも知っているサビのところは、里芋閣下に合わせて全員が気持ちよく合唱に加わる。日本のカラオケなら、慶応大の応援歌「若き血」、ジーチャンが多い時は尾崎紀世彦「また逢う日まで」。しかし諸君、ドイツとなると選曲が難しい。

 

 2019年9月10日、午後3時のミュンヘンでワタクシが選んだ店は、市庁舎地下の「ラーツケラー」。ドイツの町の市庁舎には、地下に大きな居酒屋のあるところが多い。ライプチヒでもリューベックでも、午後2時とか3時とか、中途半端な時間に行き場に困ったら、市庁舎の地下に逃げ込めばビールにありつける。

 

 何しろ平日の午後3時だから、お客のほとんどはジーチャン&バーチャンだ。それでもアコーディオンにギターでバンドが演奏を始めれば、まず陽気なジーチャンが歌い出し、少し陰気なジーチャンも美声を披露し、やがて大人しいバーチャンたちも合唱に加わる。

 

 こうなると、東洋から訪問した今井君ももちろん合唱に参加したくなり、「いやいや、やっぱり独唱でしょう♡」という舞台欲は急激に高まってくる。しかし諸君、イタリアやフランスと違って、ドイツでジーチャンたちの愛唱歌に加わると、70年昔の戦争犯罪の記憶と複雑微妙に絡まりあって、選曲がマコトに困難だ。

 

 ワタクシが得意とするのは「リリー・マルレーン」である。サビの部分が近づけば「全員、起立!!」だって出来る。ただし「リリー・マルレーン」は第2次世界大戦時の流行歌。マリーネ・ディートリヒ版が有名だが、ベオグラード戦線や北アフリカ戦線で大流行した後、宣伝大臣ゲッペルスが目をつけて別バージョンを作ったりした。そういうのは、やっぱり避けたいのである。

(ミュンヘン「ラーツケラー」、ライオンさんがサトイモ閣下を迎えてくれた)

 

 フランスの「クラリネットをこわしちゃった」も、我々はNHK「みんなのうた」で慣れ親しんだ「オー パキャマラード パッキャマラード パオパオパ」のリフレインが「全員。起立!!」にもってこいだが、モト歌と言われる「タマネギの歌」となると、やっぱり国民どうしの対立感情を刺激する。

 

 モト歌も、「揚げたタマネギが大好きだ。タマネギ、旨いから大好きだ」で始まる前半はマコトに可愛らしい。しかしいきなり「でも、オーストリア人にくれてやるタマネギなんかない」と、ギュッと意地悪な歌になる。

 

 そのまま相手をケモノに例えて罵ったかと思えば、やがて「進もう、戦友たちよ、進もうよ」と激しい戦闘状態へ。「オー パキャマラード パッキャマラード パオパオパ」とは、実はその部分なのである。いやはや、「全員、起立!!」もいいが、そういう敵対的な高揚状態は作りたくない。

 

 慶応大「若き血」、早稲田大「紺碧の空」、昨年の朝ドラ「エール」で盛り上がった2曲についても、「全員、起立!!」をやる前に、やっぱりちょっと検証してみますかな?

 

1E(Cd) Cluytens & ConservatoireRAVELDAPHNIS ET CHLOÉ

2E(Cd) MiolinRAVELWORKS TRANSCRIBED FOR 10-STRINGED & ALTO GUITAR

3E(Cd) QueffélecRAVELPIANO WORKS 1/2

4E(Cd) QueffélecRAVELPIANO WORKS 2/2

5E(Cd) MartinonIBERTESCALES

6E(Cd) Bruns & IshayFAURÉL’ŒUVRE POUR VIOLONCELLE

7E(Cd) CollardFAURÉNOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc. 1/2

8E(Cd) CollardFAURÉNOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc. 2/2

9E(Cd) Cluytens & Société des Concerts du ConservatoireBERLIOZSYMPHONIE FANTASTIQUE

10E(Cd) LeniusDIE WALCKER  ORGEL IN DER WIENER VOTIVKIRCHE

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