Fri 210326 春に職場を去る人々/担当の編集者が退職する/羽田「アカシア」(4012回) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 210326 春に職場を去る人々/担当の編集者が退職する/羽田「アカシア」(4012回)

 どうだい、この「有言実行」ぶりは? 「ここからはほぼ毎日です」と宣言したのが3月15日。早くも2週間近く「ほぼ毎日」は継続して、このぶんならあっという間に5000回に到達する。2008年から2018年まで「完全に毎日」を有言実行で実現した今井君を侮ってもらっては困る。

 

 ただし諸君、気軽に「あっという間に5000回達成」と言っても、「あっという間」の「あっ」には2年+数ヶ月の継続が必要だ。マコトにマコトに長い「あっ」であって、常識的には不可能な「あっ」である。

 

 まもなく高1になろうとしている15歳の男女が、高3の受験期に至るまでの「あっ」である。あと数日で「1年遅れの入学式」を迎える大学新2年の19歳が、見事に卒論を書き終わり、学部卒業式を迎えるまでの「あっ」なのだ。

 

 そう考えれば、人生自体が「あっ」なのであって、ブログを書き始めた2008年の頃に30歳だった人は、2021年、とっくに40歳を過ぎている。2008年にはまだ新入社員に毛が生えたぐらいだった人も、すっかり頼れる中堅幹部になりかけている。

(高松のホテルの和食店「瀬戸」にて。純米吟醸酒を1人しみじみ満喫した)

 

 高松での公開授業を終えて羽田空港に戻って来ると、ワタクシのスマホに「3月31日で退職することになりました」という寂しいメールが入っていた。この10年、今井の著書の担当だった東進ブックスの編集者である。

 

 前任者のM谷氏から「今井の英文法教室」の編集を引き継いでくれた。「Y下さんです」と紹介されたのは、新卒まもない感じの若い編集者。筆の遅い今井君を励まして何とか出版にこぎつけてくれた。

 

 結婚後も出産後もしっかり仕事を継続し、「さあ、音読だ」の大ヒットを生み出してくれたのもY下さんである。お子さんは、おそらくもう小学校中学年のはずだ。

 

 丁寧なメールには「数年前の出版時『さあ、音読だ』が飛ぶように売れた思い出は忘れられません」という嬉しいセンテンスもあった。いやはや、もう新しい参考書を執筆する気のあまりない今井君を、退職までよく励ましてくださった。今後のご活躍を心から期待している。

(高松のホテルにて。ジュニアスイートに無料アップグレードされていた)

 

 3年前だったか4年前だったか、長く今井の授業収録を担当してくれていたK久保氏が「退職します」と報告してくれたのも、やっぱり春3月、ちょうどこの時期のことだった。彼とは最後にコーヒーを飲みながら1時間、じっくり過去のことや今後のことを話し合ったものである。

 

 K久保氏が東進にやって来たのは2005年春。東進では完全に今井と同期であって、授業のことではそれなりに意見の対立もあった。それだけに直前講座「英語 超頻出事項のまとめ」での今井の熱演ぶりに関し、最後の最後に彼が感動と感激を語ってくれたのが嬉しくて、ほとんど熱い涙が流れそうになった。

 

 今年の春は、それ以外にも2人、数年にわたって一緒に仕事をしてきた青年N君とC君が転職を決意した。残念でならない。もっともっと一緒に仕事をしたかったし、もっともっと語り合いたかった。もっともっと一緒にお酒も楽しみたかった。これからのご健闘を心から祈るばかりである。

(高松は春の雨に濡れていた。手前が高松港、その向こうが屋島)

 

 羽田空港の今井君は、「担当編集者が辞めちゃう」というショックに耐えかね、しょんぼり肩を落として、飲食店を探して空港内をうろうろ歩き回った。

 

「自分はもうあまりたくさん参考書は書かないだろう」という予測は、おそらく当たっている。参考書というものは昔から「買うだけ」「積んどくだけ」「最後まで読む人なんかいない」というのが定番だったが、21世紀になってますますその傾向が顕著なのだ。

 

 だって、我々の授業なり「高速マスター」シリーズなりのほうが圧倒的に優れていて、今さら参考書の細かい活字を「蛍の光&窓の雪」、刻苦勉励して一字一字マジメに読み解いていくなんてのは、何だかすっかり時代遅れじゃないか。

 

 英語に関しては、授業以外にも優れたアプリなんかも溢れるように出ているし、YouTubeにも価値を認めざるを得ないものがナンボでも出現する。

 

 今どき、古臭い問題に古臭い分かりにくい解説をつけて「数十年にわたるロングセラー」、そういうのを自慢する時代ではなくなってきた。誰もホンキで読んでくれないものを書くなんて、ワタクシには余りに虚しすぎるのだ。

(羽田空港「新宿アカシア」にて。極辛カレーと、ロールキャベツ。オイシューございました)

 

 10年に及ぶワタクシ担当の編集者は、だから今井のそういう心情を察して、あまり無理強いはして来なかった。「書いてもらわなきゃ困りますよ」「先生の原稿を首を長くして待っています」、その類いの決まり文句はおっしゃらなかったのである。

 

 だからまさに「淡交」であって、著者と編集者の関係としては理想的。そのY下さんが「退職することになりました」と礼儀正しい挨拶のメールをくれれば、羽田空港でたった1人、ホントに長かったこの10年を思いながら、少しお酒でも飲みたいじゃないか。

 

 しかし諸君、3月21日の羽田空港は大混雑。思えば春の異動&移動期であって、大学を卒業して故郷へ帰る者、大学に入学して上京して来た者、転勤で家族を引き連れ地方に赴く者、寂しく単身で赴任する者、そういうヒトビトでどの店も満員。馴染みのワインバーにも入れなかった。

 

 そこで窮余の一策として選択したのは「新宿アカシア 羽田空港店」。極辛カレーとロールキャベツが自慢の店だが、ビールやあまり高くないワインも楽しめる。

 

 レジ横の狭いカウンターに陣取って、まずカレー、それからロールキャベツ、そのあとはしみじみ赤ワインのグラスを3杯 → 4杯と傾け、周囲で早春らしいいろいろな別れの挨拶が交わされるのに、ぼんやり耳を傾けていた。

 

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