Sun 210321 まず定食屋を見つけたまえ/大分「五車堂」キング定食1500円(4007回) | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 210321 まず定食屋を見つけたまえ/大分「五車堂」キング定食1500円(4007回)

 いま四国の高松から帰ってきた。寒冷前線の真上を飛んだから、ヒコーキは最初から最後まで大揺れ。名古屋の上空あたりで「飲み物サービスを打ち切ります」のアナウンスが入り、それでもワタクシは赤ワインを1本キチンと飲みきった。だって諸君、1月下旬から始まった東奔西走の全国行脚がこれで完了。完了の単独祝勝会ぐらいやりたいじゃないか。

 

 ヒコーキには、見るからに「新生活スタート」という若者たちがたくさん乗っている。高校生から大学生へ、大学生から社会人へ。3月21日とは、まさにそういう日であって、いやはやマコトにおめでたい。中には高校生から予備校生へというヒトビトだっていらっしゃるだろうが、それだってやっぱりある意味おめでたいのである。

 

 まだ全く似合っていないスーツの彼は、両親に高松空港まで送ってもらった様子。空港でたった1軒だけ店を開けていたカフェで、50歳代後半と思われる両親とともにサンドウィッチを頬張っていた。単独祝勝会のワタクシの前にはもちろん生ビール。3月下旬は、そこいら中に温かく感動的な光景が溢れている。

 

 東京に着いたら、まずは落ち着いた定食屋を2軒でも3軒でも、近所に見つけることである。定食屋がなければ、お蕎麦屋でもカレー屋でもいい。学食や社食もいいが、やっぱり頼りになるのは近所の定食屋。定食屋さんの優しいオバサマや無愛想なオジサマほど、一生の思ひ出になるオトナは滅多に見つからない。

(大分「五車堂」のキング定食、1500円。カツにハンバーグにエビフライに串焼き。大満足の定食でござった)

 

 ワタクシの場合、忙しい出張先でも地元の定食屋を探してブラブラする。3月10日、再びの九州出張で博多から大分にたどり着いた時も、すぐさまホテルから這い出して大分駅前のアーケード街に闖入。「五車堂」の看板のある由緒ありげな定食屋のカウンターに陣取った。

 

「五車堂」は、サンドウィッチの持ち帰りでも歴史のある店らしいが、やはり何と言っても揚げ物とカレーが売り物の定食屋。ガラスケースの中に昔ながらの食品見本がズラリと並び、カツカレー/とんかつ定食/ハンバーグ定食/エビフライ定食、どれにもたっぷりのキャベツ千切りサラダがついてくる。

 

 今井君は、この種の食品見本に異様に弱いのである。18歳の1年間は、学食と生協食堂のA定食/B定食/C定食/Sランチで何とか生き延びた。A定食150円、B定食180円、C定食220円、Sランチ320円。学食の値段までいまだに記憶しているんだから、どれほどこの種の定食に頼って学部1年を生きぬいたかが分かるだろう。

(博多から大分まで、特急「ソニック」グリーン車にふんぞりかえって旅をした)

 

 そして諸君、あれから数百年が経過した今でも、ありふれた定食屋のありふれたメシの気配にワタクシは目がないのである。ありふれていればありふれているほどよろしい。ヒネリを利かせた定食なんてのはもってのほか。味噌汁に山盛りゴハンに揚げ物オンパレード。それ以外の定食にはご退場願いたい。

 

 新生活スタートの若者を支えるのは、どうしてもそういう定食である。あとはカレー、付け合せのケチャップ色のスパゲッティ、キャベツの上のしなびたパセリ、ウィンナやゆでタマゴやプレスハムの切れ端。そういうものを胃袋に詰め込んで、今井君は20歳まで胃袋を鍛えぬいた。

(大分アーケード街の老舗「五車堂」。左が定食屋の入り口、右はサンドウィッチ&弁当の持ち帰りをやっている)

 

 だからこそ諸君、孤独な出張の大分「五車堂」でワタクシが注文したのは「キング定食」。居酒屋でも定食屋でも、意地汚いワタクシは「その店で一番高いもの」を注文することに決めている。

 

「キング定食」、1500円。他のメニューはみんな1000円前後だから、1500円のキング定食は群を抜いて高い。まずはビッグなロースカツ。200グラムがあろうかというロースカツの上に、これまたビッグなハンバーグが横たわる。コイツもおそらく150グラムは下らない。

 

 カツ&バーグの横には、またまた大っきなエビフリャーが2つ。その脇にタマネギとソーセージとベーコンの串焼きが2本。もちろんキャベツ千切りとパセリもつき、何故か串焼きの下からリンゴ1切れが出現して、これで1500円。どうやら諸君、これは2人で分け合って食するべき代物である。

 

 しかし大分でも今井の食欲は全く衰えを見せない、いやはや、食うわ&食うわ、山盛りご飯にスープまで含めて、この豪華定食を貪り尽くすのに15分もかからない。

(大分「五車堂」、旨そうな食品見本。こりゃ誰だってひきつけられる)

 

 ただしマコトに残念なことに、この店は「アルコール抜き」なのである。大分での仕事は翌日11日。この日は翌日の公開授業に備えた「前乗り」だったのだから、ナンボでもアルコールを消費していい1日だった。

 

 しかし「うちは定食屋なのでお酒は置いてません」とスカッと言われてしまえば、これだけ大量の食品をビール抜きで完食する以外に道はない。「ウーロン茶」「コーラ」「ジュース」の文字が壁の貼り紙にはあったけれども、この年齢になってカツやハンバーグをコーラやジュースで胃袋に運ぶのはさすがにイヤである。

 

 まあ若い諸君、もしもこの春から新生活が始まるなら、この「キング定食」に負けないメニューのある定食屋を、自室から徒歩15分圏に見つけ出したまえ。

 

 どんなにヘコんだ1日でも、こんなにもりもり飯を詰め込めば、春の庭先のイネ科の雑草よろしく、力強いやる気の芽が次から次へとニョキニョキ、「絶対にワタシは負けません」の一言が口をついて出てくるはずだ。

 

1E(Cd) Böhm & BerlinerMOZART 46 SYMPHONIEN 5/10

2E(Cd) Böhm & BerlinerMOZART 46 SYMPHONIEN 6/10

3E(Cd) Böhm & BerlinerMOZART 46 SYMPHONIEN 7/10

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