Wed 201202 11月下旬の札幌/札幌で大熱演/稚内の旅に出発/ツキサップ農園 3981回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 201202 11月下旬の札幌/札幌で大熱演/稚内の旅に出発/ツキサップ農園 3981回

 1123日の札幌は、コロナ感染急拡大の危機の真っただ中。新千歳空港も閑散、札幌駅も閑散、ススキノもすっかりションボリして見る影もなかった。GoToキャンペーンの対象から除外されたのは、その数日後だった。

 

 宿泊したのは、いつもとは違う「エクセルホテル東急」。普段の札幌なら、この10年なじみになったANAクラウンプラザホテルなのであるが、夏の終わりに「年末まで臨時休業します」という連絡があって、すでに予約していた1122日からの宿泊は、ホテルサイドからキャンセルされてしまった。

 

 もう1軒「JRタワーホテル日航」も候補にあった。実際この10月末、小樽での仕事の時はこのホテル最上階から北海道大学の全貌を眺め、「どうしても農学部のヒツジに会いに行こう」「ポプラ並木も眺めよう」と決意した。しかし諸君、このホテルは値段ばかり高くて、肝腎の部屋面積が圧倒的に小さいのである。

 

 いやいやまだまだ候補は残っていた。札幌駅前の「京王プラザ」。今井君のオウチに近い西新宿の京王プラザホテルをよく利用する。安倍シンゾーどんの大好きなお寿司「久兵衛」の支店だって存在する。

 

 しかし札幌の京王プラザは、駅からの距離が微妙に遠くて、タクシーにも乗りにくいし、地下道からのアクセスもできない。雪がチラチラしはじめ、場合によっては雪道用の靴も必要なこの季節に、地下道から入館できない京王プラザは、やっぱりリスキーなのである。

(11月23日、札幌の大盛況。午前350人、午後250人。コロナの災禍と積雪の中、ホントによく集まってくれた。スタッフの皆さんに感謝する)

 

 そこで浮上したのが、ススキノの奥に鎮座する「エクセルホテル東急」。黙って昔の「東急ホテル」のままにすればいいものを、何だかチャラチャラしたカタカナのネーミングに変えてしまったせいで、重厚感を喪失、人気も低迷気味。しかし以上のように迷いに迷って選択肢を絞った結果、22日と23日の札幌宿泊はここに決まった。

 

「プレミアムフロア」の大きな部屋に収まって、降り出した窓の外の雪を眺めた。テレビではまだ大相撲11月場所をやっていて、元大関・照ノ富士の感動的な序二段からの復活劇に、館内は熱く沸いていた。

(11月24日、ワタクシは「宗谷」で北海道最北端を目指す 1)

 

 小雪の夕暮れ、今井君は当然のようにジンギスカンを貪りに行くのである。ワタクシにとってジンギスカンはサッポロビール園に限るので、地元の人たちに老舗のどんな名店を勧められても、意地でもサッポロビール園に固執する。

 

 ヒツジの肉の香りや味もさることながら、ワタクシはこの15年通いつづけたサッポロビール園の雰囲気が好きなのである。内部の熱気を感じさせないほど、雪の中で深く静まり返った赤レンガの重厚な建物があり、しかし一歩中に踏み込めば、北海道の人々の質実剛健な熱気がレンガの壁にコダマしている。

 

 ただし今年はやっぱり、内部もまたシーンと静まり返っているのである。手洗いと検温を済ませて中に入ると、それこそ「キャパの1/2」の世界。サトイモ君がこの数ヶ月苦しんでいるガラガラ感は、ジンギスカンの殿堂をも支配していたのであった。

(11月24日、ワタクシは「宗谷」で北海道最北端を目指す 2)

 

 だから諸君、今回はズラリと並んだヒツジの肉の勇姿を写真でお見せできない。自粛警察の皆さまをあんまり刺激しないほうがよさそうだ。短い札幌滞在で、実は2度もサッポロビール園を訪れたのだけれども、写真は1枚も撮ってこなかった。

 

 すると、お酒も進まない。ビールは大好きなサッポロ・クラシックを選んだが、こんな静けさの中では大ジョッキ2杯がやっと。あとは大人しく日本酒を600mlほどチビチビやって、換気のために窓を開け放ったタクシーで早々とエクセルホテル東急に帰還した。

(11月24日、ワタクシは「宗谷」で北海道最北端を目指す 3)

 

 そのエクセルホテル東急が、12月は宿泊もレストランも全館が臨時休業を決めたのである。宿泊したばかりのホテルが、いきなり臨時休業のニュースになるなんて、サトイモ君のショックは小さくない。せっかく気に入って、「次回も♡」と考えていたところだ。何とか踏みとどまっていただきたい。

 

  こうして1123日、ダブルヘッダーの公開授業がやってきた。事前の申し込みでは、午前の部が470名、午後の部が320名、合計で約800名が参加の予定だった。

 

 10年前に300名でスタートした札幌講演は、毎年「前年の1.1倍になりました」という理想的な増加を続け、ついに1000名に迫る新記録を達成しようとしていた。しかしこのコロナ蔓延、「札幌市と大阪市だけGoTo除外」という騒動の真っただ中で23日を迎えることになった。

 

 しかも、夜半からしんしんと降り出した雪は、「札幌で今年初めての本格的な積雪」になった。パパたちのクルマだって、まだスタッドレスに代えていないに違いない。これは「むしろ欠席が普通」「欠席するほうが当たり前」の世界である。

   (名寄駅。昨年の音威子府の旅以来、1年ぶりだ)

 

 ワタクシの予想としては、午前200名、午後100名程度。1000人収容のホールは、午前も午後もきっとガラガラになるに違いない。どうやって落胆を抑え、どうやって90分 × 2回のダブルヘッダーをやり抜くのか、ほとんど「プロ根性が試される」みたいな、切羽詰まった状況に陥った。

 

 しかし諸君、やっぱり札幌の人々の熱意は素晴らしかったのである。会場「北海道新聞ホール」には続々と参加者が詰めかけた。午前の部350名。午後の部250名。これほど悲観的なシチュエーションの中で、合計600名もの参加者があった。涙もろい今井君は朝から夕暮れまでずっと熱い涙を抑えるのに苦心惨憺したのである。

 

 しかも、熱い大爆笑が制限時間いっぱい連続した。話す方も聞く方も分厚いマスク越しで、お互いの表情もなかなか分からない中、コミュニケーションの手段はこの爆笑だけなのである。「反応は抑え気味に」ということは理解していても、それでも大爆笑の声が連続する。これほど嬉しいことは他に滅多に考えられない。

   (和寒駅。昨年の音威子府の旅以来、1年ぶりだ)

 

 第1部スタート、1030分。第2部終了、1630分。6時間に及ぶ大熱演が終わって、今井のワイシャツは透き通るほど汗でびっしょり、ネクタイも汗が大量に染み込んで、ほどくこともままならない。普段なら「さあ懇親会に行きましょう!!」と勇みたつ時間帯に、1人でタクシーに乗り込んでホテルに帰った。

 

 第1部・第2部とも、今井君の登場前に30分ほど、中学部数学のエース講師が高校入試に関するプレゼンテーションを行なった。これがマコトに巧みなのである。ワタクシとしても、彼のプレゼンテーションをいろいろイジりながら、ますます講演を充実させることができた。彼には大いに感謝しなければならない。

(音威子府を過ぎたあたりの天塩川。さすがの今井君も、ここまで来たのは40年ぶりだ)

 

 こうして札幌での仕事を終え、ジンギスカンも十分に満喫したあとは、いつものように北海道探訪に出なければ気が済まない。大雪の留萌本線を増毛まで行ったこともあれば、日高本線に乗って鵡川までシシャモを貪りに行ったこともある。昨年は大雪の北海道をどこまでも北上、音威子府で黒い蕎麦をすすった。

 

 今年はその音威子府からさらに北上し、最北端の稚内から宗谷岬とノシャップ岬を眺めてこようという企画である。札幌駅7時半の特急「宗谷」に乗り込めば、5時間後には稚内に到着する。貸切タクシーで3時間日本の北の果てを走り回ったあとは、稚内空港から新千歳までヒコーキ、さらに羽田までヒコーキ、そういう計画を立てた。

(豊富駅。40年前、天北線が健在だった頃にここを通過した)

 

 しかし諸君、その前にワタクシは札幌のランチで貪ったスープカレーのことにも触れておきたい。訪ねた店は札幌市月寒「ツキサップ農園」である。1階が濃厚なソフトクリーム屋、2階がイタリアンレストランになっている。ランチにヨサゲな店をネット検索したら、偶然この店を発見した。

 

 しかし「ツキサップ農園」とタクシーの運転手さんに告げても、怪訝な表情をするばかり。「そんな店があるんですか?」「わざわざ月寒までいらっしゃる必要があるんですか?」という対応である。それどころか、帰りのタクシーがあるかどうかを心配して、「店の外で待ってましょうか?」とまで親切に言ってくださった。

 

 確かに、初冬の雨が降り出した札幌市月寒は「帰りのタクシーが来てくれるかどうか」の不安がムラムラと心を暗くするような雰囲気。店の飼い犬が珍しそうに東京からの客を迎えてくれた。

(札幌市月寒「ツキサップ農園」のスープカレー。おいしゅーございました)

 

 23日の仕事の前の日だったので、ワタクシは巨大な肉片の入ったスープカレーとともに、バローロの赤ワインを1本注文した。心配してしばらく外で待っていてくれたタクシーもやがて姿を消し、1時間あまりでバローロもなくなった。スープカレーも素朴な味で悪くなかった。

 

 そしてつまらない心配をするまでもなく、タクシーはUberですぐに呼べた。またまた運転手さんは「あの店って、タクシーでいらっしゃるほどの有名店なんですか?」と訝しげに訪ねた。

 

「いやいや、なかなかのもんでしたよ」と笑いながら、22日のワタクシは、換気のためにタクシーの窓を大きく開けた。行きのタクシーも、帰りのタクシーも、もちろん「ツキサップ農園」でも、マコトに楽しく地元の人々とコミュニケーションが続く。こんなふうに元気で笑っている限り、我々はコロナなんかに負けはしないのである。

 

1E(Cd) Philip CaveCONONATION OF THE FIRST ELIZABETH

2E(Cd) Rachel PodgerTELEMANN12 FANTASIES FOR SOLO VIOLON

3E(Cd) SirinuSTUART AGE MUSIC

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