Sat 200912 何だかユカイ/東大京大の世界ランキング/なぜコンサル系に進む? 3964回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 200912 何だかユカイ/東大京大の世界ランキング/なぜコンサル系に進む? 3964回

 とうとうホントに「中10日」というアリサマになっちゃった。前回の記事が9月2日、気がついてみれば今日は9月12日、おやおや冗談でも何でもなく「旬刊」「旬報」の世界に突入してしまった。熱心な読者の皆様、10日も同じカレーの写真でスミマセンでした。

 

 日々勉学に励む諸君には、是非このワタクシを「他山の石」としてほしい。「他山のサトイモ」「他山のキウィ」でも何でも構わない。とにかく「あんなふうになっちゃいけないな」「意地でも毎日継続しなきゃな」、そう決意していただかなければならない。

(麻布十番「堀井」の十割蕎麦、太打ち。「1本ずつでも、酒のつまみにもいいですよ」と店長さんがアドバイスしてくれた。いやはや、心からおいしゅーございました)

 

 こう見えても、2008年6月5日から2018年6月26日まで10年、「1日も休まず継続します」という宣言を見事に守りきったサトイモなのである。東日本大震災の10日ほどと、網膜剥離緊急手術の直後、さすがに若干の例外は入ったけれども、他はホントに見事な継続ぶりだった。

 

 考えてみれば、あの頃の方がずっと楽だったのである。当たり前の日常が当たり前に継続すれば、若干キツそうに見えることでも、案外ラクに続けられる。筋トレでも勉強でもユーチューブ投稿でも同じことである。

 

 諸君、それがいったん「非日常」のカテゴリーに入ってみたまえ。心も身体もぐったり力を失い、ネッチョリ&ネットリ怠惰の沼に沈み込んで、文章を書くのも、外国語を音読するのも、動画投稿も腕立て伏せもスクワットも、何が何でもやりたくなくなる。

 

 別に「書くことがない」わけではないのだ。書くことならナンボでもあって、実際に我が友Mac君の画面には「書くべきこと」のリストが存在し、リストは日々着実に充実していくのだが、何しろ書くことが非日常化してしまった状況では、キーボードの上の指がちっとも動こうとしない。

 (創業200年。いろいろな時代劇にも登場する名店である)

 

 例えば諸君、「世界大学ランキング」などという余計なものを作る人がいる。大学にランクをつけて、それをどう活用するのかサッパリ分からないが、朝日新聞社をはじめとして、日本の人々はとにかくランキングが大好きだ。

 

 全く縁のない人々まで「オックスフォードとハーバードとMIT、どこが一番優秀なんだ?」とワラワラ騒ぎ出し、「東大は何位?」「京大は何位?」と知りたがり、最後には「どうしてシンガポールや中国の大学に負けてんだ?」とわめきだす。

(お蕎麦をすする前に、まずは焼いた蕎麦味噌でビールと日本酒を楽しむ)

 

 いやはや、単純な「住みたい街ランキング」では気が済まず、「買って住みたい街」と「借りて住みたい街」に細分化してランキング表を作成、あげくに「どうしてあの街が?」「なぜ大宮?」「なぜ北千住?」「なぜ本厚木?」と肩をすくめてニヤニヤする。

 

 そのくせ、「横浜がトップ」というマコトに大雑把な大見出しを掲げて平気でいる。「横浜が吉祥寺を抜いた」というのであるが、吉祥寺は1つの小さな繁華街にすぎず、一方の横浜は人口300万の大都市であって、JRと私鉄と地下鉄の駅が無数に並ぶ。比較の対象になるはずがない。

 (お蕎麦の前に、鴨焼きも満喫。おいしゅーございました)

 

「高校ランキング」もまた、余計なお世話の代表格。これまた朝日新聞社と毎日新聞社の得意ワザであって、微に入り細を穿って「東大ならココ」「京大ならココ」「医学部ならココ」、「いやいや現役合格ならココ」「数ではなく、率で比較しなきゃ無意味」、1年ずっとそんなこんなでテンヤワンヤを続けている。

 

 最近はネタがなくなって、その分析が早慶合格者から明治法政中央合格者まで広がり、それもやっぱり「現役か浪人かが重要」「数ではなく率が大切」「複数学部合格者の存在も考慮に入れなきゃ」と、もう血マナコだ。

 

 スガさんが総理になりそうになると、今度は「大学別♡大臣輩出ランキング」まで登場。あんなに頑張ってマスコミ塾にまで通って巨大新聞社に就職したのに、こんな仕事ばかりさせられて、悔しくならないのかね。

(この店の名物、真っ白なお蕎麦。まずこれを平らげ、最後に本命の「太打ち十割蕎麦」に挑む。それが今日1枚目の写真)

 

 かく言う今井君は、前回の記事で書いた通り、小学3年から日常として継続してきた朝の新聞を辞めた。あくまで朝「の」新聞であって、「朝日新聞」のことではないが、ダブルスタンダードの批判と皮肉と非難しか見当たらない朝「の」新聞をヤメてみると、いやはや朝から晩までマコトに気分がよくて、毎日毎日全てがユカイである。

 

 確か「ダイアモンドユカイ」という人がいて、人気ロックミュージシャンでいらっしゃるらしいが、今やワタクシは「ナンデモカンデモ ☆ ユカイ」の状況。朝「の」新聞、早くヤメればよかった。「トニカク ☆ ユカイ」「ハゲシク ☆ ツーカイ」の躁状態は、朝「の」新聞さえヤメれば、簡単に実現できたのだ。

(蕎麦の仕上げは、「浪花総本店」のたいやき。これまたおいしゅーございました)

 

 むかしの今井といえば、「ナンデモカンデモ ☆ フカイ」「ナンデモカンデモ ☆ フユカイ」な日々。15年前や20年前の今井と付き合ったことのある人ならみんな頷くだろうが、今井自身マコトにフユカイな人物で、常にキツい渋面、常に怒りに溢れ、常に誰かを痛烈に批判し痛罵し、常に誰かとケンカしていた。

 

 それが今や、この驚くべき柔和さだ。いつでも上機嫌、誰とでも仲が良くなり、蕎麦屋でも鰻屋でもカレー屋でも、そこいら中の人と仲良くなって、タクシーの運転手さんと延々と話し込み、目的地に到着しても運転手さんのほうから「もっとお客さんと話していたい」と打ち明けられる。

 

 もちろん、フユカイ君からユカイ君への変化について、「野性味がなくなった」という人もいる。鋭さを感じないとおっしゃるわけだ。しかしそれは「気鋭から円熟への脱皮なのです」とカッコよく反論させていただく。ヘヘヘ、まあいいじゃないですか。楕円のサトイモに、鋭利さは必要ないのである。

(夏の終わりのうなぎを食べにいった。先週の話である 1)

 

 新聞社の皆さまも、ランキングばかり作って悦に入っているんじゃなくて、ではどうやって東大や京大のランキングを上げるのか、「住みたい街」と言われるために地域のどんな努力が必要なのか、どんな動画投稿を続ければランキング上位に君臨できるか、合流新党の支持率をどうすればせめて10%に出来るか、処方箋を示す努力をしたらどうなんだ?

 

 他山の石の代表として、ワタクシは「継続」を処方箋の1行目に大書したいのである。合流新党は「スキャンダル追及は全て他党に任せ、我々は対案を示し続けます」「予算審議の場で、徹底的に対案を提示し続けます」と、そういう継続を宣言し、しかも継続を実行する。

(夏の終わりのうなぎを食べに行った。先週の話である 2)

 

 東大の世界ランキングが36位、京大の世界ランキングが65位、そりゃショックだ。「東大に合格しました」というだけで日本では一生の勝ち組になれるイメージなのに、「世界36位」って、それが東大生にも東大の教員にも東大の卒業生にも、ショックでないはずはない。

 

 しかしこの状況、おそらく長年にわたってマスメディアが作り上げてしまったテイタラクなのである。だって諸君、「東大」でググってみたまえ。おすすめキーワードとして、「東大」よりも先に「東大王」が出てくる。東大王・東大・東大阪市プレミアム商品券・東大寺・東大病院・東大和市の順番だ。

 

 いやはや、東大よりも東大王。こんなアリサマで世界ランキング36位なら、まずまず御の字じゃないか。ワタクシは、東大の王を名乗るほどの優秀な学生にクイズばかりやらせているテレビ局が情けなくてならない。東大京大への進学を夢見ている小中学生や高校生に、困った誤解を与えかねない。

 

 東大生タレント候補を、駒場や本郷にスカウトしに行くなどという陳腐なことは、もうヤメにしたらどうなんだ? 「美しすぎる東大生」「カッコよすぎる東大生」みたいなセリフは、東大生に対するハラスメントなんじゃないのかい?

(鰻屋の日本酒飲み放題。日本酒好きなら誰でもうなずく銘酒が並ぶ)

 

 優秀な東大王や京大王には、大学での研究に邁進していただきたい。今はコロナで構内に入れないとしても、東大に合格するほどの知性の持ち主なら、本来はクイズじゃなくて研究、テレビ局じゃなくて図書館とゼミ室と研究室、そういう場所で1分でも1秒でも多く過ごしてほしい。

 

 というか、指導教官の皆さまは学生たちに何もおっしゃらないのだろうか。「キミキミ、キミは『東大王』の一員だそうだけれども、この間のレポートはイマイチだったね」「卒論のほうは進んでますか?」「優秀なんだから、マジメに研究を進めてくれなきゃ、世界の損失になりますよ」。教授も教育者なら、ビシビシ厳しく忠告すべきなんじゃないか。

 

 きっと教授の皆さまは、ご自分の研究が楽しすぎ、研究に熱中するあまりに、学生の指導に熱心さが欠けているのだ。もちろん「そうであって欲しい」という気持ちもある、東大や京大の教授になるほどの頭脳なんだから、学部生の指導なんかより、ご自身の研究に没頭してどんどん業績を積み上げていただきたい。

(うなぎの湯引き。酒飲みには、このぐらいの軽い盛り方がちょうどいい)

 

 しかし、テレビ出演やバイトに夢中になって勉学を2の次にする学生がいたら、厳しい一言で目覚めさせるのも大切な仕事の一部。メディアではランキングの低下を「カネが足りない」「研究費削減が原因」と、ひたすらカネの話にしたがっているが、教授の皆さまの教育に関するモラルも是非取り上げて欲しい。

 

 東大生の親の年収は、今や慶応を凌駕する。別にオカネに困っているわけでもない東大生が、大学に通わずに塾講師のバイトに夢中になることが多すぎないか。というか、塾経営者が「東大生が教えます」のフレーズに依存しすぎていないか。

 

 東大に何とか合格はしたが、さすがに東大の中では自らの優秀さがちっとも目立たず、one of themとして埋没していく。そこで、塾講師。「東大生です」といえばチヤホヤされ、「東大生が教えてくれる」という宣伝文句がパンフレットに躍る。優秀な受験生だった頃の栄光の思い出にひたってウットリすれば、コワい教授の顔なんかもう見たくもない。

(曲げわっぱ入り。控えめな鰻が、大酒飲みにはちょうどいい)

 

 そうして卒業後は「コンサル系に就職」。コンサルタント・コンサルティング・コンサル系、確かに「超高給で優遇」「福利厚生も充実」なのであるが、うーん、要するに自分ではリスクをとらず、リスクをとって懸命に前進する人々に傍からアドバイスする仕事である。

 

 実務経験ナシ、ましてや経営の経験もナシ。しかし優秀な東大出身者として、実務担当者や経営者に上から目線でアドバイスする。「戦略コンサル」「戦術コンサル」の人々である。

 

 ワタクシもかつて某予備校で、「気鋭の講師」代表として「経営改善会議」に出席を要請され、有名コンサルから派遣された優秀なヒトビトと熱く議論を重ねた。というか、たっぷりケンカを売って、その「経営改善会議」を閉鎖に追い込んだ。

 

 コンサルの皆さまは、自分で戦うことはしないが、戦い方の相談に乗って報酬を得る。自分でマラソンを走った経験はないが、どうすれば完走できるか、どうやれば持久力がつくか、どうすれば優勝できるか、傍からコンサルティングを行う。エベレスト登山とか南極探検でも同じ、自分で戦いに挑みはしないが、「寄り添って」高邁な助言を与える。

(ヒルトン新宿の「カレーフェア」にも行ってきた。ビュッフェ形式だが、コロナ対策は万全だった)

 

 うーん、その辺が問題なんじゃないか。日本で一番優秀な学生たちが、学部にいるうちは塾講師として受験生に「寄り添って」助言を与え、卒業後はリスクをとって戦う人々に「寄り添って」助言を与える。社会の混沌の中で危険な戦いに挑むより、安全を確保して寄り添うサイドから離れようとしない。

 

 かつて東大総長だった濱田純一教授は、2013年の入学式で「タフでグローバルな東大生になってほしい」と力強く式辞を述べた。「クイズ番組と塾講師で学部時代を楽しみ、卒業後はコンサルで高給をもらって生きてください」とは言わなかった。

 

 あれから7年、東大の世界ランキングがどうなったか。それをもしメディアが真剣に取り扱おうとするなら、駒場と本郷を何度でも訪れ、1人でも多くの教授や学生と問題点を語り合い、独自の処方箋を示すべきだと考える。ランキングの低さを面白おかしく取り上げるだけじゃ、責任放棄も甚だしいのだ。

 

 問題なのは、国から配られるカネではない。教授たちが学生たちの指導にもっと真剣になり、「テレビ局や塾講師のバイトは最小限にして、1分でも1秒でも多く研究室で研究に励みなさい」と言い続けること。学生は1本でも多くの論文を読み、教授は1本でも多くの論文を書くこと。その果てしない継続。そういう耳の痛い話なんじゃ、あーりませんか?

 

1E(Cd) Yohichi MurataSOLID BRASS 

2E(Cd) CHET BAKER SINGS

3E(Cd) Art PepperSHOW TIME

4E(Cd) Maceo ParkerSOUTHERN EXPOSURE

5E(Cd) Max RoachDRUMS UNLIMITED

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