Wed 200902 里芋、朝の新聞ヤメるってよ/NN&民民うるさい/後継を育てる 3963回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 200902 里芋、朝の新聞ヤメるってよ/NN&民民うるさい/後継を育てる 3963回

 この数ヶ月、今井君はずっと不機嫌だった。その不機嫌の原因が分からなくて、ますます不機嫌が募った。原因さえ突き止められれば、それで不機嫌はいくらか改善したのだろうが、なかなか原因が分からなかった。

 

 安心してくれたまえ。授業では目いっぱい上機嫌なのだ。授業が始まりさえすれば、その上機嫌はもう留まるところを知らない。生授業でもそう、収録授業でもそう、とにかく強烈に上機嫌だ。

 

 8月25日には「オンライン♡双方向授業」というヤツもやってみた。「難関私大長文読解・早慶レベル講座」のシメという位置づけだったから、受講生はどうしても首都圏が中心になったが、得意のパラグラフリーディングを縦横無尽に駆使しつつ、針が振り切れるほどの上機嫌で120分間を突っ走った。

(銀座デリーのカシミールカレー。おいしゅーございました 1)

 

 同様に829日、新宿西口駅前の超ハイスペック校舎に、110名の保護者を迎えてまたまた上機嫌。「誰か止めてください♡」と懇願するほどの強烈な講演会100分が実現した。

 

 相変わらず某テレビ局ワイドショー的な自粛警察を恐れつつ、定員300名超の教室で「定員の1/3」を厳守。感染防止対策も万全、講師イマイも100分間、マスクを装着したまま熱く語り続けた。

 

 ただし諸君、最近は決めゼリフを言ったら一瞬マスクを外してカメラ目線になるのが流行中。上機嫌な今井君も防衛大臣のマネをして、決めゼリフのたびに2秒ずつマスクを外し、いかにもキウィ、いかにもサトイモな素顔を見せ、ギュッと会場内を睨みつけてみせたものである。

(江ノ島の名店「江ノ島亭」から藤沢&平塚方面を望む。いやはや、暑い1日でござったよ)

 

 こういうふうだから諸君、たとえ「不機嫌だ」「ずっと不機嫌だ」と書いても、心配しないでくれたまえ。「もしかして病気?」「どこか身体の具合でも悪いの?」の類いのご心配は全く無用のこと。健康この上ないサトイモ小僧であることは、この食欲を見ていただけば間違いない。

 

 8月下旬には、またまたわざわざ鎌倉まで出かけて、江ノ島で生シラスに釜揚げシラス、店のオバサマが狂喜乱舞するほど激しくズルズル胃袋に流し込んだ。ついでだから、アジのたたきにサザエの刺身も注文して、これを生ビール2杯と日本酒4合とともに、小腸やら大腸までギュッと詰め込んだ。

 

 それで終わりにしたのなら、まだ「お身体が心配です」というお節介な人がワラワラ登場するかもしれないが、鎌倉の帰りの今井君は、なんとそのまま銀座に出現して、写真のような極辛カレーを貪った。そんじょそこらの極辛カレーではない。銀座を代表する名店「デリー」の、泣く子も黙る極辛カシミールカレーだ。

(銀座デリーのカシミールカレー。おいしゅーございました 2)

 

 まあそういうわけだから、3ヶ月も4ヶ月も続くこの不機嫌は、病気とか身体の不調のせいでは決してない。あえてその原因を数え上げれば、

 ① 仕事がヒマすぎる

 ② ちっとも海外を旅できない

 ③ 2020年の入試英語が稚拙すぎる

 ④ 朝のトイレで新聞を読んでいる

 ⑤ 暇だから、ついつい地上波テレビを見てしまう

の5点が挙げられる。

 

 ①は、別にオカネの問題ではない。今井君は時間給ではなくて年俸制だから、仕事がヒマでも超多忙でも、いただくオカネはちっとも変わらない。しかし諸君、何しろ今井君ほどの戦力だ。働けば働くほどギュッと社会に貢献できるのに、せっかくの働く機会が減っている。たった1時間ヒマしただけで、もう罪悪感でいっぱいだ。

 

 もっと働かしてくんろ。もっと働かせてくんろ。日本の若者たちの元気ためにも、もっともっと仕事をもってきてくんろ。天にも地にもそう願っているのに、みんなで遠慮して今井に「仕事しろ!!」と命ずるのを躊躇ってくれる。遠慮はいらんことだ、もっとどんどん仕事を持ってきてほしい。

(名店「江ノ島亭」のアジのたたき。おいしゅーございました)

 

 ②は、別に「海外」とは限らない。国内の旅も同じことだ。仕事と旅は今井のガソリンであり重油であって、仕事と旅がなければ今井は燃料切れになる。プスン&プスン、旅と仕事がないとエンジンが停止しかねない。ボクの感染防止対策は常に万全なのに、海外への珍道中はどうやらはるか先のこと。これで不機嫌にならないはずはない。

 

 ③については、近いうちにじっくり書きたいと思う。「近いうち」と言っても、こんなにブログ更新が間遠になり、すでに「週刊」「旬刊」「隔週刊」のありさまでは、いったいいつ書くのか見当もつかないが、まあとにかく超ベテラン講師として、近いうちに名古屋大学と早稲田大政経学部について、どうしても厳しい指摘をしなきゃいけない。

 

 なお、「旬刊」とは10日に1回のこと、「隔週刊」とは2週間に1回のこと。むかしむかし「ぴあ」という昭和の情報誌が「隔週金曜刊」、略して「隔金ぴあ」を名乗って大流行した。昭和の時代に大学生活を送った人々にしか通じない話である。

(名店「江ノ島亭」のサザエの刺身。おいしゅーございました)

 

 ということは諸君、問題なのは④の「朝の新聞」と、⑤の「地上波テレビ」の2つである。よーく考えてみると、特に④「朝の新聞」が長期間続く不機嫌の原因であるらしい。

 

 いちおうボルテージを下げて朝「の」新聞と言っておく。ワタクシは朝一番に冷たい炭酸水を一杯、冷たい緑茶も一杯、それに熱いコーヒーを2杯と、新鮮なフルーツ数切れを胃袋に流し込む。1時間ほど経過すれば、お腹の活動が活発になって、当然のように例の薄暗い小部屋が恋しくなる。


 そういう場所にしゃがみ込んでも、ワタクシの世代の人間はどうしても活字が読みたい。出る物は出る物で、素直に元気にお腹から外に出て行けばよろしい。人間サマはそれに構わず、何でもいいから目で活字を追いたいじゃないか。

(朝日新聞8月24日夕刊の「素粒子」。ワタクシは、こういうイヤらしい揚げ足取りがキライだ)

 

 その場合、むかしむかしのその昔から、新聞の活字が友達だった。今井君にとっての「新聞」とは、小学3年のころから朝日新聞であって、朝の新聞に朝日新聞を欠かしたことがなかった。

 

 秋田での中学時代には「秋田魁新報」、千葉県松戸で下宿していた頃に2年ほど「毎日新聞」に浮気したことがあったが、「秋田魁(さきがけ)新報」は新聞社が主催していた「中3県内学力テスト」で全県トップ5番目までに入っていることを確認するためだったし、「毎日」の2年は配達業者がもってくる景品の洗剤につられただけだった。

 

 だから諸君、少年時代から青年時代を経て成年期・中年期・壮年期、朝の小部屋のワタクシの知性は、常に朝日新聞とともにあったのである。小学校高学年から中学卒業までの6年間、作文や小論文を書かされてもその文体は「天声人語」や「社説」のマネであって、懐かしいやら恥ずかしいやら、今思えば恥の多い子供時代を過ごした。

 

 若き今井君は朝日の読書欄と文化欄が大好き。将棋の名人戦も、大山康晴やら中原誠やらの対局を忠実に将棋盤上でなぞりながら熟読した。2020年8月24日、文楽の人間国宝・豊竹嶋太夫が亡くなった時も、さすが朝日、その功績を誠に的確に簡潔に描いてみせていた。

(朝日新聞8月24日夕刊が、豊竹嶋太夫の死去を伝えていた。嶋太夫の語りを、思えば40年も聴いてきた)

 

 しかし諸君、かつてワタクシの愛してやまなかった朝日新聞には、今やかつての面影はない。読むにたえないダブルスタンダードがこれほど前面にニュッと押し出して来たんじゃ、朝の小部屋のお供として、もはや持参するに値しないのである。

 

 ダブルスタンダードの中身については、ネットの巷でナンボでも指摘されているから、今井なんかがここでチマチマ実例を例示するには当たらないだろう。一方を「理念なき数の論理」「単なる数合わせ」と大々的に非難し、他方は「小異を捨てた大きなカタマリ」と表現して無反省に背中を押す。

 

「国民に圧倒的人気の総理候補」についても、通信社による緊急電話調査の対象はたった1000件。1000のサンプルでは調査の名に値しないというか、大学生のレポートどころか、小中学生の夏休み自由研究と択ぶところがない気がする。

 

 しかも、真っ昼間の固定電話に出た人が約500、ケータイ電話が約500。今の時代に、何と固定電話とケータイが半々の割合。サンプルの取り方が、21世紀に相応しいとはとても思えない。

(銀座「デリー」の逸品。カリフラワーとオクラを濃厚カレー味でいただく。これが3皿あれば、赤ワイン1本は軽い)

 

 現首相が憎くて憎くてたまらない気持ちはわかるが、「やっちまった」というか何というか、9月2日、まるまる1面を使って「拝啓 安倍昭恵さま」と題し、ファーストレディの責任を追及。3人の論客がそれぞれに彼女の7年8ヶ月を一方的に皮肉っている。

 

 こりゃいかん。こんなの読んでたら、そりゃ不機嫌になる。何度も繰り返すように、ワタクシは決して安倍シンパでも自民党支持者でも何でもないし、過去の選挙で自民党の候補者に投票したことは1度もない。しかしこの紙面、いくら何でもヒドすぎる。

 

「武士の情け」だって、考えなきゃダメだ。ホンの4〜5日前にダンナが重病で涙の辞任会見をしたばかりのその奥方を、今この場で服装だのワンピースのことまで小姑の小言よろしく散々にイジるなんてのは、あまりにひどいイジメだと感じる。

 

 なお若い諸君、小姑と書いて「コジュート」と発音する。かつて愛した朝日が昭和のコジュート役だなんて、そりゃワタクシも不機嫌になって当然だ。

 

 せめて、もう数週間待てなかったのか。政権批判に速報性が必要なのは分かるが、これほど偏向して口汚い批判ばかり、海外の首脳からもたくさん賞賛の声が寄せられた稀有な外交手腕を全否定し、「成果はゼロ」「何の解決もなかった」と大見出しを踊らせるんじゃ、政治を志向する若者はますます激減する。

(朝日新聞9月2日朝刊「拝啓 安倍昭恵さま」。彼女の生き方はともかく、いままさに失意のヒトに、さすがにこれはないと思う)

 

 不機嫌の原因は、これにとどまらない。すっかり身軽になって小部屋を出てくると、今度は民放のワイドショーの群れがサトイモを襲う。「BPO倫理規定違反」のヤラセで叱られたばかりのA局を含め、どこもやっぱりわずか1000のサンプル調査で「抜群の国民的人気なのに」を繰り返している。

 

 お馴染み自粛警察のリーダー♡テレビ朝日。その他どこのチャンネルに合わせても、「ANN」に「FNN」に「JNN」、「えぬえぬ、えぬえぬ、何だかエヌエヌうるさいな」と思っていたら、念の入ったことに「NNN」がやって来た。「えぬえぬえぬ」、いやはや、みんなよっぽどエヌが好きなのだ。

 

 ついでに「みん」も人気絶頂らしい。今やほぼ全ての政党に「みん」がつく。自由民主・立憲民主・国民民主・社会民主。今の日本なら「民主」なのは100%も200%も当たり前なんだから、もう民主の文字は省略して「自由党」「立憲党」「国民党」「社会党」「維新党」でいい。というか、印刷代も含めてずっとエコな感じでいいんじゃあーりませんか?

 

 夏ももうすぐ終わりなんだし、そんなにみんなで真夏のセミよろしく「みんみん」「みんみん」言ってる必要はないじゃないか。それとも、昔の不良高校生なみにこっそり喫煙してて叱られちゃったエダノさんを先頭に、数の力で「民主民主党」にしますか? 

 

 愛称「みんみん党」。さぞかし「天声人語」が「未来の党」の結党時と同様、諸手(モロテ)をあげて賛同してくれそうだ。ついでに「天声人語書き写しノート」でも買って、毎日ありがたく天の声を書き写してみるのもいいだろう。

(名店「江ノ島亭」にて。右が釜揚げしらす、左が生しらす。どちらもおいしゅーございました)

 

「今井君、朝の新聞をやめるってよ」。だって諸君、読んで不快になり、不機嫌が続いて、吐き気さえ感じるようなものを、1ヶ月5千円ものオカネを出して読み続ける必要はないだろう。

 

 小学校3年の春から、かくも長きにわたって愛してきた朝の小部屋の朝日新聞をやめる決意は、8月29日朝刊の「最長政権 突然の幕へ 『安倍政治』の弊害 清算の時」の見出しを見た瞬間のことである。

 

 中身は、読むにたえない。「深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない」と書き出し、考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する、敵と味方の分断」「民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いたことを忘れるわけにはいかない」と続く。

 

「考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する」の一言。そのまま滑稽なほどブーメランだけれども、どうも諸君、ここまで「憎し」「憎し」で強烈に凝り固まったのは、アベノマスクの記者会見で質問を切り返されたあの夜のことだったと思う。

 

「布マスク、貴社のホームページでも4000円で販売してると承知しておりますよ」。首相のその一言でグサッと深く傷つけられたあの瞬間。だから諸君、リーダーたるもの、軽薄すぎる笑顔やコラボ動画で世間を笑わせようとするのも問題だが、メディアの人間を傷つけすぎるのも厳禁なのだ。

(江ノ島「エスカー」60周年記念チケット。エスカレーター数連発、マコトに楽しうございました)

 

 そしてもう1つ、自らを脅かすほどの強烈な後継者とライバルを複数、必ず育成すること。安倍氏に足りなかったのは、後継者育成とライバルの養成である。

 

 民放テレビで「国民的人気」と称される例の政治家が、せいぜい出てきたライバルなのだ。仲間づくりが苦手で、党内グループがたった19人。多数派工作で優位に立つこともできず、テレビカメラの前でおだてられニコニコしているうちに、あっという間に置いてきぼり、首班指名レースから脱落してしまった。

 

「群れない」と言えば聞こえはいいが、「仲間づくりが苦手」はさすがにマズい。同じ失態を、国連の場で、外交の場で、国際経済の場で、繰り返すことになるのは必定だ。

 

 相手に裏をかかれ、先を越され、多数派を形成されてグーの音も出せず、逆転の望みのない窮地に追い込まれ、そこで白目をむいて「これはマットーなやり方ではない」「汚い舞台裏は苦手だ」と苦渋の表情で呻いても、一国のリーダーとして人々を幸せにすることはできない。

 

 複雑怪奇な国際政治の舞台で、20世紀までの日本の政治家とは異質の足跡を残した首相に対し、「長い間ご苦労様でした」と感謝しつつ、「しかし強力なライバルと強烈な後継者を育てなかったことだけは、明らかな失敗でしたね」と、それを言うのがメディアの仕事だと、愚かなサトイモは考える。

 

 それと同時に、マコトに話が矮小化して申し訳ないが、「そういうワタクシ自身も早く後継を育てなきゃ」、ないし「早く後継に育ってもらわなきゃ」、そう痛感する9月2日なのであった。

 

1E(Cd) Ornette ColemanNEW YORK IS NOW!

2E(Cd) Miles DavisTHE COMPLETE BIRTH OF THE COOL

3E(Cd) Art BlakeyMOANIN’

4E(Cd) Human SoulLOVE BELLS

5E(Cd) Patricia BarberNIGHTCLUB

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