Mon 200629  新講座収録開始/福島県郡山で公開授業/「峠の力餅」を買いに 3951回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 200629  新講座収録開始/福島県郡山で公開授業/「峠の力餅」を買いに 3951回

 誕生日ホンチャンの翌日・6月27日、ホントにホントに久しぶりのお仕事があったので、意気揚々と東京駅から新幹線に乗り込んだ。

 

 しばらく遠出をしないでいるうちに、新幹線の乗り方まで新しくなっていて、事前にSuicaのナンバーを登録しておけば、東北新幹線もスカッとICカードで乗車できるシステムになっている。

 

 向かったのは、福島県郡山。前回の遠出は2月の新潟県長岡だったから、JR東日本関係で見事につながった。3月のたった3度の公開授業は、池袋・成城学園前・練馬。マコトに身近な首都圏の校舎以来、コロナ野郎のせいで、あたしゃすっかり心も肉体も、頭脳にいたるまでナマってしまった。

(名付けて「峠の力♨︎ナポリタン」。福島駅の駅ビルで貪った。どうしてワタクシがそう命名したのか、詳細はこの超長文を読み切ってくれたまえ)

 

 そこで諸君、せっかく郡山まで遠出したついでに、ちょっと足を伸ばして福島まで北上。福島で在来線に乗り換えて、昔なら「奥羽本線」、今は「山形線」ということになっている2両編成の列車に乗り込んだ。

 

 確かに、「県境をまたいだ旅行」はまだ自粛したほうがいいのかもしれない。自粛警察のカタガタも、まだまだ監視の目を光らせておいでかもしれない。しかし今回ばかりは、サトイモの緩みを大目に見ていただきたい。

 

 だってこの空白の3ヶ月のうちに、ワタクシ自慢の肉体は5kgも6kgも膨張。人によって違うとは思うが、ワタクシは「肉体の膨張」が「頭脳の縮小」に直結するタイプ。あんなにシャープだった思考力も、湿気でベットリの大気よろしく、ぼんやり&どんより、何だかちっともシャープさを感じない。

(福島はNHK朝ドラ「エール」の舞台。古関裕而でいろいろ熱く盛り上がっていた)

 

 それでは、困るのである。何故なら諸君、旅から帰った直後の6月29日からは、新講座の収録が始まる。新講座のタイトルは「過去問 難所対策講座」、その難関私大編(早慶レベル)を今井が担当する。

 

 早稲田に慶応に関学に同志社、あの超難問がずらりと並ぶ超長文の読解問題を6問。90分×5コマで完全に解説しきろうという企画である。

 

 こりゃいかん、ナマった心と肉体を一気に回復させ、精神を研ぎ澄まし、キレッキレの授業にしたい。我が自慢の頭脳のキレを、砥石で恐ろしいほどにシャープにさせておかないと、「ただ全訳しただけ」というボケた授業になりかねない。

(奥羽本線「峠」の駅。難所・板谷峠、標高626メートルの駅である)

 

 どんよりした目つきで「こなれた日本語にしないと減点だ」とか「完全に和訳してから解くのが正攻法、それ以外はみんな邪道」、そう大見得を切って見せても、そんなことでは難所の対策なんかには絶対にならない。

 

「時間が足りねぇ」「時間内に解けねぇ」という受験生諸君の悩みの解決にはちっともならないばかりか、むしろ欲求不満を溜めさせるだけだろう。そんなのでオカネをいただくのは反則だ。ここはどうしても研ぎ澄まされたシャープさを見せつけ、「よっしゃ、これを身につけなきゃ」と固い決意を固めて欲しい。

(古色蒼然としたこの看板、今井君の高校生時代に、すでに古色蒼然としていた)

 

 ということになれば、収録直前のダラけた今井に必要なのは、何をおいてもまず「旅」なのである。マスクで厳重に楕円のお顔を覆い、クシャミや咳をしないように気を引き締め、新幹線車内でも密を避けてギュッと周囲に気を配り、お弁当もガマンして手指の消毒を頻繁に行い、福島には12時半過ぎに到着した。

 

 福島で、在来線「米沢ゆき」に乗り換える。米沢は、上杉氏の城下町。米沢の町自体も歩き回りたいのであるが、それはまた明日のことにして、27日は午後7時から公開授業だから、列車に乗り込んで目指したのは「峠」という小さな小さな駅であった。

 

「峠」と書いて「とうげ」と読む。まあ当たり前だが、福島県と山形県の県境・険しい板谷峠のまさにテッペンに位置している。むかしむかし高校生の今井君がまだ秋田に住んでいた頃、秋田と東京を行き来するのには、多くの場合この峠を越えた。

    (目的だった「峠の力餅」をついにゲット)

 

 福島を出た下り列車は、笹木野・庭坂・板谷の駅に停車する。かつて上京時や帰京時に、利用した列車はさすがに特急か、悪くても急行だから、これらの駅には一度も停車したことがない。時刻表の中でのみ知っていた駅を眺めつつ、やっぱり感無量であった。

 

 庭坂駅を出ると、列車は一気に険しい坂を登り始める。板谷駅のまえに「赤岩」という駅があるが、各駅停車でさえ停車しない。むかしの田舎によくあった「信号所」というものなのかもしれない。高い崖にかかった鉄橋から見下ろす夏の川が、あまりにもキレイに澄み切っている。

 

 福島から30分弱で、列車は「峠」に到着。乗客の2割ぐらいはいわゆる「乗り鉄」ないし「撮り鉄」であって、「まもなく峠に停車します」というアナウンスで、彼ら彼女らが一斉にそわそわ動きだした。

 

 峠駅は、まあ当然であるが、無人駅。駅構内には「クマの出没に注意」という掲示がある。板谷峠は豪雪と急勾配で有名な難所であって、つい最近まで普通列車はスイッチバック方式で乗り越えた。諸君、「難所」だなんて、翌々日から「難所対策講座」を収録するワタクシにピッタリな旅先じゃないか。

   (ついにゲットした餅は、要するに大福餅であった)

 

 豪雪を避けるために、駅構内はスノーシェルターで覆われている。駅1つまるまる、全体が大きな屋根で覆われ、夏でもシェルターは取り払われることがないから、いつでも薄暗く、マコトに独特な雰囲気である。かつて特急「つばさ」や急行「おが」の車窓から眺めた峠駅に立って、流石にワタクシも感慨に震えた。

 

 ここはすでに山形県に入っていて、正式には米沢市大沢。標高は626メートル、奥羽本線内では最も標高の高い駅である。またまた諸君、「626メートル」という数字に注目だ。ワタクシの誕生日は626日。誕生日ホンチャンの翌日に、こりゃまたピッタリの旅先じゃないか。

 

 かつては近くに滑川鉱山があり、鉱山の鉄鉱石を新潟港に運搬するのにも、峠駅は活躍した。しかし鉱山は閉山、駅の役割も小さくなって、新幹線の開業以来スイッチバックもなくなった。夏草や ツワモノどもが 夢の跡。残ったのは、「峠の力餅」と、それが目当ての我ら乗り鉄ぐらいである。

(この勇姿を見よ。かつての主要駅には、駅弁売りのオジサンたちがこんな姿でズラリと並んでいたものだ)

 

 かつてはちょっと大きな駅ならどこでも「駅弁売り」のオジサンたちが大活躍した。列車がつくと「べんとー」「べんとー」「べんとー」の低い掛け声をかけながら、列車の窓に近づいて、旨い駅弁とお茶やお酒やみかんを売った。

 

 乗客もそれが楽しみで、大きな駅のホームに列車が走り込むと、停車する前から窓を全開にして、千円札を振って駅弁売りを呼び止めた。

 

 実際にそういうシーンを見たい人は、高倉健主演の映画「遥かなる山の呼び声」を見てくれたまえ。急行「大雪」と思われる列車が北海道・遠軽の駅に停車すると、高倉健が駅弁を買う。「弁当2つ、お茶」。おお、サイコーに感動的にシーンである。

 

 由美かおる主演「しなの川」でもOK。女学校の教師と駆け落ちして失敗した新潟のお嬢様が、刑事役の名優・加藤嘉に駅弁を買ってもらうシーンがある。上野駅だったかいな? ただし、こちらはあんまり勧めない。理由は書きませぬ。

 

 今や全国どこへ行っても、駅弁売りのオジサンなんてのを目撃することはできない。それどころか、地元の駅弁それ自体がピンチ、コンビニに追われて経営難、または後継者不在で廃業の危機。情けないことになっちゃった。

 

 しかし今日の峠駅では、「峠の力餅」という餅売りの姿でキチンと伝統を守っている。列車が駅に着くと、懐かしい木箱にたくさんの「力餅」を入れて立ち売りをしている、1箱1000円。これでは継続は難しいだろうが、HPを見るとなかなか意気軒昂のようである。

    (わずかな停車時間に、次々と餅が売れていく)

 

 しかし、何しろ豪雪と急勾配、高齢化の甚だしい過疎の町を繋ぐ路線だ。1日に停車する列車の数は限定され、「乗り遅れると3時間は列車が来ない」という状況。餅の販売は極めて難しい。停車時間はわずか1分程度。乗り降りが終われば、容赦なく無慈悲に列車のドアが閉まる。

 

 ワタクシは「峠の力餅」、是非とも応援したいのである。コロナ禍の真っただ中、社会経済活動再開の時に、「接待を伴う飲食店」は大反対だが、「力餅」のほうは「伝統維持の努力を伴う経済活動」じゃないか。これを応援しないわけにはいかない。

 

 幸いなことに、いま福島からやってきた列車だけは特別なのだ。下り・米沢方面行きの峠着は1320分。ここで「峠の力餅」を買って、写真も撮影させてもらい、駅構内をちょっと散策していると、6分後の1326分、逆方向の列車がやってくる。上り・福島行きである。これに乗り込めば、14時前に福島駅に戻れるという寸法だ。

(公開授業後は、もちろん祝勝会も懇親会も中止。コロナ君のせいである。その代わりに、豪華カツサンドをいただいた)

 

 いやはや、こうして626メートルの難所を攻略した今井どんは、無事「峠の力餅」をゲット、緑鮮やかな初夏の板谷峠から帰還した。福島駅の駅ビル内に、静かに営業しているイタリア飯屋を発見。ナポリタンを注文したのである。一昨日の「誕生日イブ」に、どうしてもプラスして貪りたかったナポリタンだ。

 

 それが今日1枚目のお写真。諸君、その勇姿をもう1度見直してくれたまえ。「これこそナポリタン」、パスタに力が漲って、それこそ「峠の力ナポリタン」にふさわしい。

 

 そして最後に諸君、このナポリタンが絶品だったのである。分からないものである。東京中を探し歩いても、滅多なことでは満足できるナポリタンには遭遇できない。それなのに、福島の駅ビルで地味に営業している小さな店のナポリタンが、「明日も来ようかな」とホンキで考えるぐらいに旨かった。

 

 店を出たのは15時。素直に新幹線に乗り込み、密のないガラガラの自由席で15分南下すれば、この日の仕事の郡山にたどり着く。公開授業は19時からなので、とりあえずホテルにチェックイン。スタッフとの待ち合わせ時間を待ち受けた。

 

 ただし今日もまた長く書きすぎた。大成功だった公開授業の模様と、翌日の米沢ラーメンの旅については、また次回の記事で読んでくれたまえ。おっと、ついでに、新収録の講座の出来上がりぐあいは、おそらく次の次の記事で書く予定だ。

 

1E(Cd) Haydon Trio EisenstadtJOSEPH HAYDNSCOTTISH SONGS 4/18

2E(Cd) Haydon Trio EisenstadtJOSEPH HAYDNSCOTTISH SONGS 5/18

3E(Cd) Haydon Trio EisenstadtJOSEPH HAYDNSCOTTISH SONGS 6/18

4E(Cd) George BensonTHAT’S RIGHT

5E(Cd) George BensonLIVIN’ INSIDE YOUR LOVE

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