Sun 200607 東進的単独合宿のススメ/マテーラ探訪(アドリア海岸探険記11)3941回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 200607 東進的単独合宿のススメ/マテーラ探訪(アドリア海岸探険記11)3941回

 2005年に東進に移籍して以来、2018年の夏まで14年にわたって、ワタクシは「東進河口湖合宿」に欠かさず参加してきた。

 

 合宿は4泊5日。第1期が721日から25日、第2期が7月26日から30日。河口湖畔のホテルや宿屋を10軒も借り切って、首都圏を中心に高3生が数千人、「ほぼ丸1日 → 音読ざんまい」という日々を満喫した。

 

 それを14年も続ければ、「合宿に参加しました」という青年だけで数万人。ちゃんと計算したわけではないが優に数万人を超え、今やどこの大企業や役所や病院にも「東進の泥臭い河口湖合宿で人生の基礎ができました」と胸を張る人々が存在する。泥臭く基礎基本を徹底することでしか、ホントの実力はつかないのだ。

        (マテーラ、夕景 1)

 

 ワタクシはもともと田舎出身のコンプレックスが強く、「ワタクシは上品な知性派でございます」と気取った顔をする弱虫である。この種の泥臭さが苦手で、東進移籍当初は「合宿はキライでござる」と、逃げ回ることばかり熱心だった。

 

 1990年代初期に予備校講師になった後も、河合塾・駿台・代ゼミ、ターミナル駅前の美しい巨大戦艦校舎の中で、まるでの大学教授みたいなお殿さま扱いが大好き。2005年に東進に移った時、合宿参加を依頼されてまず脳裏に浮かんだのは「イヤだよ」の一言であった。

 

 しかし諸君、ホントに不承不承、ホントに「いやいやながら」、1分に1回深い溜め息をつきながら河口湖の宿舎「美富士園」に入ってみると、いやはや、よく分からないが肉体と精神の一番奥深いところから、マグマのようにフツフツと煮えたぎる熱いものが湧き上がってくるのが分かった。

        (マテーラ、夕景 2)

 

 その後のイマイがどれほど合宿好きになったか、それは今ここで語るよりも、毎年毎年ブログに書き続けてきた「河口湖合宿♡実況中継」を読んでいただいた方がいい。

 

 今日の記事を最後まで読み終えた後、毎年7月21日から30日に詳細に書いてきたブログの合宿関連記事を、PCの人はポチッと、スマホの人はネロっとして、読み込んでみてくれたまえ。2008年から2018年まで11年分の河口湖合宿を熱く追体験できるはずだ。

 

 考えてみてくれたまえ。2008年の記事で背中の写真が写っている高3生諸君は、あれから12年、すでに30歳になっている。2012年の諸君だって、今年はもう26歳だ。

 

 やっぱり間違いなく「継続は力」なのであって、ワタクシのクラスの生徒諸君だけで1年で180人(第1期90人・第2期90人)、合宿合計14年で2500人を超える青年諸君が、夏の河口湖の今井「H1クラス」から旅立っていったことになる。

       (マテーラ、夕景 3)

 

 それなのに昨年2019年、さすがのイマイも寄る年波のせいか、肉体ばかりかココロにも少なからぬ疲労を覚え、7月の河口湖合宿を初めて「お休みにします」という選択をした。伝説の「今井♡H1クラス」に参加しようと努力を続けていた諸君には、マコトに申し訳ないことをした。

 

 昨年のワタクシのコンセプトとしては、「お休み」というよりむしろ「卒業」であり、生意気な言い方をすれば「後進に道を譲る」というつもりだったのである。「H1クラス担当」だなんて、予備校講師の誰が考えても華々しい栄光の座じゃないか。

 

「そろそろワタシは卒業します」という思いで、いったんあの泥臭くも懐かしい場を去ったのだが、諸君、どうも「虫の知らせ」というものだったのかもしれない。2019年にイマイが仮卒業、すると2020年、厄介なコロナの旦那が中国からやってきて、河口湖合宿そのものが「卒業?」の憂き目にさらされた。

 

 さっさと仮卒業した本人として、2020年初夏のワタクシはまさに「忸怩たる思い」なのである。仮卒業なんかするんじゃなかった。昨年の今ごろ仮卒業なんか思いつきさえしなかったら、コロナの旦那も我々のあの大迫力を恐れて、日本に上陸することさえ躊躇ないし遠慮してくれたんじゃないか。

     (マテーラ、夕暮れのドゥオモ 1)

 

 そこで6月7日、ワタクシが若い諸君に提案したいのが、若い諸君1人1人が「バーチャル合宿」「リモート合宿」「単独オンライン合宿」を企画することである。

 

 例えば東京都内の夏休みは、8月8日からの2週間ほどであるらしい。おそらく全国どの都道府県でも2020年の夏休み期間は、ほぼ統一されることだろう。

 

 そこで諸君、8月8日から約1週間、単独で自宅合宿をやってみないかね? 8月8日スタート、8月15日完了。伝説の河口湖合宿とほぼ同じ時間割を組んで、1週間で1講座のカンペキ受講を達成する。

 

 もちろんその場合、理想的なのは今井講座である♨︎。基礎強化を目指すなら「E組」。基礎完成を考えるなら「C組」、高いレベルで読解力&リスニング力をつけたいなら「B組」や「A組」。いや、仮卒業を思い巡らせた者として贅沢は言わない。他のセンセの講座もみんな素晴らしいから、とにかく1講座「これだ!!」という講座を選択したまえ。

 

 環境さえ整えば、受講場所は自宅で構わない。もしも東京流「ステップ2」で毎日の通塾が可能になるなら、お近くの校舎に通ってくれてもいい。1日平均3レッスンの受講を進めて、わずか1週間で1年分の20レッスン受講を完了する。おお、それなら河口湖合宿の2倍分の学習量になる。

     (マテーラ、夕暮れのドゥオモ 2)

 

 時間割は、例えば以下の通り。もちろん諸君の側でアレンジしてくれて構わない。1日3レッスンずつ進んで、7日目で20レッスンを修了。最後に「修了判定テスト」が待ち受けている。

0600:起床・朝食・自習(他教科など)

0900 → 1030:授業①

1030 → 1230:ひたすら音読を中心とする復習①

1230:確認テスト① 昼食

1330 → 1500:授業②

1030 → 1230:ひたすら音読を中心とする復習②

1700:確認テスト② 入浴&夕食

1900 → 2030:授業③

1030 → 1230:ひたすら音読を中心とする復習②

2230:確認テスト③

2330:就寝

 

       (マテーラ、岩山の教会)

 

 1日につき、学習時間は約12時間。むかしの我々の合宿では、4泊5日で「自分の限界を突破するんだ!!」とみんなで絶叫していたが、このスケジュールで1週間を過ごせば、1人1人が単独で限界を確実に突破し、どこまでも泥臭く基礎基本を徹底する先に、きっと新しい世界が待っている。

 

「そんなバカなこと」「そんな無理なこと」と、周囲の中途半端なオトナたちが冷笑ないし失笑するのは最初から分かっている。「消化不良を起こすぞ」「もっとバランスを大切にしなきゃ」。呆れたように彼ら彼女らは、アナタの顔を見て苦笑するのである。

 

 しかしそういう中途半端なオトナたちは、おそらく限界を突破したこともなければ、突破した後の新しい世界を想像したこともないのだ。つまらんオトナのつまらんお説教にすぎない。諸君、大学学部生まで含めて、そんな中途半端な言葉を振り払い、積極果敢に単独合宿にチャレンジしてみないか?

         (マテーラ夜景 1)

 

 その場合、単独合宿を始める前に、仲間たちに「1週間の不義理」を宣言しておくこと。LINE仲間にも「1週間だけ自分ははずれます」と伝えておく。

 

 誰か1人を決めて、単独合宿の進捗状況を欠かさず伝えるのも大事。彼氏がいたら彼氏、彼女がいたら彼女。ママとか兄とか姉なんてのも悪くない。冷笑的な友人や中途半端なオトナより、部活の後輩とか妹&弟みたいに、ちょっとだけ尊敬していてくれるヤツらのほうが、「アイツを裏切れないな」という歯止めがかかっていいんじゃないか。

 

 なお、もちろん以上の「単独合宿」は、決してオフィシャルなものではない。あくまで今井個人として「もしヌルい日々が寂しかったらやってみれば?」「生ぬるい日々を打破したかったら、やってみなはれ♡」というだけの、プライベートなご提案である。

 

 だから、もしも周囲のオトナたちに冷笑されるようだったら、ぜひ以上の文章を読ませてあげて、「ほら、超ベテラン講師が『ヌルい日常の打破作戦として、こんな提案してくれているんだよ』と、彼ら彼女らを説き伏せてみてくれたまえ。

         (マテーラ夜景 2)

 

 ワタクシとしては、こういう乱暴な世界に賛同してくれる人が、読者諸君の中からボンボン出現するのを期待している。司法試験とか会計士試験とか税理士試験とか、その種の資格試験にチャレンジ中の人だっていいのだ。そのための教材で、その資格にふさわしい強烈な単独合宿を、この夏のために企画してくれたまえ。

 

 ワタクシぐらいの年齢になると、さすがに体力も精神力も20歳前後の若い時代とは違うから、合宿的な世界からは「卒業」「仮卒業」みたいな弱気なことを言い出して、後になって「しまった」「まだまだあのままどっぷり浸かっていたかった」などと深く反省するのである。

 

 2019年、7月の仮卒業を痛切に反省したワタクシは、有りあまる体力を持て余して8月末の南イタリアを跋扈していた。「毎日スイカを1/2個」などという暴挙に出ていたのだから、どれほど体力&気力を持て余していたのかが分かる。

(マテーラのホテルにて。夕暮れ8時、コンサートのリハーサルが始まった)


 8月30日、マテーラでのランチの後はいったんホテルのお部屋に帰り、気持ちよくクーラーの効いたお部屋でワイン2本の酔いを醒ました。夕暮れまで昼寝を満喫して、午後7時すぎ、ホテルの中庭でコンサートのリハーサルが始まったのをきっかけに、マテーラの夜景を見ようと町に出た。

 

 8月末の南イタリアは、夕暮れの始まりが午後8時、9時でもまだ空が薄青く、太陽は地平線ないし水平線の上で不承不承に浮かんでいる。やがて人々の白い夏服が金色からオレンジ色に染まり、バラ色から紫に変わって、太陽が完全に沈みきるのはもう10時に近い。

(翌日8月31日のマテーラ。朝から焼けつくように暑くなった)

 

 マテーラの夜景はその後だから、午後7時に部屋を出たのでは、まだ町は夕景だ。ディナーもまだ全く始まっていなくて、人々はみな怠惰にカフェのテーブルに肘をつき、せいぜいオレンジ色のアペロールをかき混ぜているぐらいである。

 

 気温はまだ35℃近いから、急坂の多い町を徘徊すれば、相変わらず全身が汗まみれになる。岩山の教会の蒸し暑さは夕暮れになってますます耐え難く、せっかく10ユーロも払って中に入ったのに、500年以上昔の岩の壁画にいちいち感激する暇もない。

 

 それでも昼間の町の3密は、闇の濃さが増すにつれて次第に落ち着いてくる。繁盛しているリストランテからは、他の店が次々と閉店する時間帯になっても欧米人観光客の嬌声が響いてくるが、その声が教会の岩山にコダマする寂しい風情も、マテーラのような町ではまた悪くないのである。

 

1E(Cd) THE BEST OF ERIC CLAPTON

2E(Cd) Michael McDonaldSWEET FREEDOM

5D(DMv) THE INFILTRATOR

8D(DMv) PUSHING TIN

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