Fri 200416 メディアの劣化とフテ寝の日々/ルンド探訪(デンマーク紀行8)3926回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 200416 メディアの劣化とフテ寝の日々/ルンド探訪(デンマーク紀行8)3926回

 5日も6日もブログの更新をサボって、それでいったい何をしていたかといえば、① フテ寝 ② 映画 ③ まあ読書である。ふてくされている時にはどうせ何をやっても大したプラスにはならないので、①から③で一番楽しかったのが、①の「フテ寝」という惨状であった。

 

 いよいよ緊急事態宣言が全国規模で発出されることになって、予備校の世界の古老であるワタクシとしても、一応ヒトコト言っておかなければならない。

 

 確かに前回4月10日に予言した「13日のミゾレ」はなかったが、諸君、それでも広島県内や山梨県内では4月中旬の大雪に見舞われた。東京でもあと2℃ほど気温が下がっていたら、十分にミゾレの可能性はあったはずである。

 

 だから東京のミゾレ予言は「当たらずと言っても遠からず」だったのであって、13日の東京都内はとても4月中旬とは思えないほど冷え込んだ。いやはや「的中!!」寸前、惜しいことをした。

(フテ寝の日々、サトイモのヒゲも髪も、眉毛さえ伸び放題だ)

 

 まあお馴染みメディアでは「遅すぎますね」「遅っ!!」ということになるんだろうが、まず、このタイミングでの全国への宣言には十分に意味があって、

 東京や大阪での感染抑止に一定の効果が見られたこと

 宣言による消費行動にパニックが見られなかったこと

以上2点を検証した上で、慎重に全国宣言を行う決意をしたのだと思われる。

 

 もちろん、7都府県から他の道府県への人の流れを食い止めるネライもあってしかるべきで、5日前の記事でワタクシが指摘しておいた通り、ある一定の県に緊急事態を宣言すれば、隣の県へのヒトの移動が始まるのは当然のことである。

(リューベック、酔っ払い悪魔。サトさんのヒゲと似てるじゃないか)

 

 明日のメディアには、おそらく「遅すぎますね」「遅っ!!」の文字が溢れるのである。しかしむしろメディアの担当者が自覚してほしいことは、「この1ヶ月あまり、報道の質が一気に劣化している」という由々しき事態である。

 

 劣化の事実を如実に感じられるのが、「Yahoo!ニュース」である。立ち読み感覚で雑誌やテレビ番組のサワリを速読できるから、この10年のワタクシの朝は、Yahoo!ニュースを10分ほど点検することで始まっていた。

(コペンハーゲンに戻る前に、もう1度リューベック・ホルステン門の勇姿)

 

 むかしむかし今井が学部生の頃は、こんな便利なものはなかったから、ほぼ連日必ず本屋さんに立ち寄って1時間、手当たり次第に雑誌を立ち読みすることから始まった。

 

 本屋さんでなくてももちろんOKなので、大学の授業には出席しなくても、とりあえず大学の図書館か学部の読書室に駆け込むのである。代表的な全国紙とブロック紙を点検し、新聞コーナーの横に並べられた雑誌を10冊ほど速読すれば、まあ世の中にはついていけた。

 

 学部3年ぐらいまでなら、それだけで十分に「情報通」でいられるから、20歳から22歳ぐらいの若き今井君は本屋・図書館・読書室でそういう朝を過ごすのが習慣だった。

       (ドイツ、リューベック駅)

 

 ただし、そういう日々を送っていると、必ず悪友という困ったものができてくる。平日午前の遅い時間帯、図書館の新聞コーナーにいけば極めて高い確率で今井をゲットできるわけだから、「コーヒー飲みに行かないか」「蕎麦でもすすりに行かないか?」「メシでもどうだ?」という誘いがしょっちゅうかかる。

 

 昼11時にそういうことになれば、自販機のコーヒーを何杯もお代わりしながら午後も遅くなり、蕎麦はやがて酒になり、あたりが薄暗くなってしまえば、「今夜もこのまま飲んじゃおう」というダラシない結論に至る。

 

 ヘルマン・ヘッセは、そんなダラシない人生を嫌悪し、極めて若い時代にその種の悪友を振り切って真摯な努力を重ねた。しかし何しろもともとダラシないことでは天下一品の今井君だ。図書館から始まる泥沼は底なしで、気がつけばその泥沼にどっぷり浸って今に至った。

(コペンハーゲンから電車で30分、バルト海をわたってスウェーデン・ルンドの駅に到着)

 

 おっと話がズンズンずれていく。さすがリューベックの酔っ払い悪魔をも凌駕する激烈な酔っ払いだ。話そうと思ったこと&書こうと思ったことから、饒舌はどこまでも離れてマコトに果てしない。古老として書いておこうと思ったのは、「メディアの劣化」のことだった。

 

 確かに、メディアの諸君にももう「書くべきニュースが何もない」のである。Yahoo!ニュースは、新聞と雑誌とテレビから主な記事を切り貼りしてズラリとキレイに並べてくれるわけだから、立ち読みにはもってこい。この10年、わざわざ本屋に行かなくても、雑誌の贅沢な立ち読みを可能にしてくれた。

  (ルンド大学。ルンドは大学生の率が高い町である)

 

 しかし諸君、この1ヶ月のテイタラクは何なんだ? 4月16日現在、画面の7割から8割は、専門外のタレントさんや引退した政治家の愚痴が占めている。メディア全体がそういうテイタラクになっていることを如実に示すものである。

 

 そういう記事に目立つのが、マコトに安易なテンプレートである。「をバッサリ」「を一刀両断」「チクリと苦言を呈した」「悲鳴が聞こえてきます」「もっと国民に寄り添って」の類いの用語がズラリ、テンプレートのオンパレードにしか見えない。

 

 又聞きに基づく批判や、マゴ引きを元にした「バッサリ」、「欧米では」「先進各国では」の「では」&「では」→ 出羽守も大量発生。ちゃんと取材して、キチンと自分で考えて書いた記事は稀であって、ほとんどが「タレントさんがバッサリ」「元政治家が一刀両断」「野党幹部がチクリ批判」を伝えるばかりである。

 

「バッサリ」「チクリ」とは、論理的思考は一切ヌキに、情緒的・感情的に大袈裟な拒絶の態度を表明したというだけの副詞である。その種の副詞が列挙されている芸能ニュースとほとんど違わない画面を眺めても、かつての本屋の豊かな立ち読みの記憶は蘇らない。

            (ルンド大聖堂)

 

 そうなると、古老君はもう午前から午後にかけてフテ寝でもするしかないのである。もちろん読書でも散歩でもすることはナンボでもあるし、場合によっては「動画投稿サイト」などというものから「発信!!」という行動だって考えてもいい。

 

 しかしその「動画投稿サイト」、あまりにも多くの人が参入して、おしくらまんじゅうよろしく、もう完全に飽和状態、悪名高い「3密」を髣髴とさせる。これだけYouTuberが大量参入している世界に、古老君がウカウカ参戦なんかしたって、「どけどけ!! どけ!!!」「邪魔だ!!」と怒鳴りつけられるのが関の山だ。

 

 というか、ワタクシは「同種の番組には出演しない」というしっかりした契約を交わしている。だから自由気ままな発信サイドにノコノコ参戦することはあり得ない。あとは、2019年度に110コマ×90分、165時間分もリニューアルした最新の今井講座を、生徒諸君がどれほど積極的に使ってくれるかにかかっている。

       (ルンド大聖堂にて)

 

 いやはや、こういうご時世だ、ワタクシの講座をナンボでも使ってほしいのである。いろんなところで「オンライン授業」が進んでいるが、どんなオンライン授業と比較しても、数倍どころか数十倍の効果を発揮できる講座ばかりなのだ。どんどん受講できるようなシステムを構築してほしい。

 

 というか、緊急事態宣言が解除された暁には、スクランブル体制で全国を駆け回りたい。普段は「オファーのあった校舎」を回ることになっているが、2020年中盤から後半の今井は、「たとえオファーがなくても全校舎に押しかけたい」ぐらいの、ブクブク熱く煮えたぎる思いを抑えかねている。

 

 もちろんそうは言っても、全国1200校舎だったか1300校舎だったか、1日に2校舎ずつ回ったって600日かかる計算になってしまうけれども、6月以降の200日で200校舎、決して不可能なスケジュールではない。

 

 諸君、「6月以降で200校舎」、それは無理としてもせめて150校舎、いろいろ難しい話はヌキにして、是非とも実現させてほしいのだ。今井は、高速で泳いでいなければ死んじゃうマグロとおんなじなのだ。

      (ルンド大聖堂、クリプタにて)

 

 完全休養が始まって1ヶ月の4月16日、すでに何だか身体も心もナマってしまい、「絶好調!!」と絶叫できないもどかしさで連日フテ寝を重ねている。

 

 だって諸君、この15年、公開授業がない時期には世界中をノシ歩いて、マグロの本能を満足させてきた今井君なのに、今年は世界中どこにも出かけるところがないじゃないか。今や世界は、あまりに狭く、あまりに息苦しいのだ。この状況は、短くても来年春ぐらいまで続きそうだ。

 

 うーん、そりゃツライ。そりゃあんまりだ。今井の分身が映像としてナンボ前代未聞の大活躍を続けているとしても、御本尊がもっともっと活躍しないと息がつまる。

 

 諸君、お願いだ。6月以降、もちろんまだまだ3密を回避し、断三だか断蜜だかもギュッと厳守するから、とにかく今井を遠慮なくタップリ使ってほしいのである。いくら使われても擦り切れもヘコタレもしない、強烈なサトイモぶりを見せつけたい。

       (ルンド大聖堂、天文時計)

 

「掲載すべき写真がない」という状況も相変わらずだ。だから「デンマーク紀行」はまだまだ続く。2019年7月31日、リューベックの船員組合レストランで、高級おじさまウェイターにビビりながらランチを終えた後は、電車でハンブルグまで戻り、ハンブルグ空港からヒコーキに乗ってコペンハーゲンに帰った。

 

 この頃から高熱に悩まされていた。体温計を持っていなかったから、実際の熱がどういう状況だったかはわからない。しかし今井は1年に1回の頻度で高熱に悩まされるサトイモなので、39℃付近から一気に35.8℃の平熱に下げるスベを心得ている。

     (ルンド大聖堂の天文時計、拡大図)

 

 ひ弱な諸君は決してマネしてはならない。これは鋼鉄の肉体を持つサトイモが30年も40年もかけて高熱と戦いながら獲得してきたスパルタ療法である。

 

「熱が出てきたな」と思ったら、直ちに大量の水分を摂取する。ポカリが一番だが、アクエリアスでも普通のミネラルウォーターでも構わない。1リットルの水分を摂取したら、ぬるめのお風呂に1時間半、「もうこれ以上は無理」というところまで汗を流す。タオル1枚、絞れば汗がポタポタ落ちるぐらいに汗をかく。

 

 そこで水分を摂取し直す。もう一度言うが、絶対にマネしてはならない。何しろ諸君、今井はそこでビアを2缶、ほぼ2息で飲み干すのである。「アルコールには利尿作用があって逆効果」、お医者様はそうおっしゃるが、もしも尿で出ちゃったら、またすぐに補給すればいいだけのことである。

 

 さらにポカリないしミネラルウォーターで追い打ちをかければ、もう肉体は「ほぼ水分」という世界。その水分をさらに追い出し、追い出してはまた補給し、また追い出し、また補給し、一晩それを続ければ、あくる朝にはほぼ平熱に戻っている。

(ルンド大聖堂そばのフードコートでランチ、とりあえず濃厚スープ。おいしゅーございました)

 

 追い出し方もマコトに強引であって、前と後ろからバスローブを2枚重ね着する。ホテルのフロントに丁寧に相談すれば、バスローブの2枚や3枚、何とか補充してもらえる。「丁寧に」は、年の功を積めばだいたいなんとかなる。

 

 そうやって一晩、バスローブもみんな汗でグショグショになるころには、スッキリ&サワヤカ、サトイモはちょうど食べ頃の平熱に戻り、「よっしゃ、今日はどこに出かけるかな?」とニヤニヤ&ニタニタ、熱ではなく夢と希望で湯気を上げている。

 

 8月1日の今井君は、コペンハーゲンからバルト海を東に横切ってスウェーデンに入り、「ルンド」と「マルメ」の町を2つ、ハシゴしてくることに決めた。うぉ、これが8時間前に高熱で震えていたイモのすることかね? ただしデンマークでの熱は相当のクセモノだったらしく、ルンドに向かう電車の中でもまだ頭がフラフラした。

(ルンドのフードコートでランチ。要するに「小エビ大盛り丼」であるが、ご飯の代わりにパンが敷いてあり、パンと小エビの間にマヨネーズがワンサとつまっている。いやはや「北欧、おそるべし」だ)

 

「デンマーク紀行」であるはずなのに、まだあんまりデンマークを旅していない。ドイツだのスウェーデンだのをほっつき歩き、デンマークは初日のコペンハーゲンと、2日目の「ハムレットの舞台エルシノア」ことヘルシンオアしか見ていない。

 

 しかしまあいいじゃないか。今回の旅行記は写真ばかりの軽いもので終えようと思う。デンマークの次には、2019年9月の「アドリア海東海岸」、2週間スイカ食べ放題の記録が待っている。旅気分は、コロナがいくらか収まってからの6月ごろに味わってくれたまえ。

 

 最後に諸君、コロナって「収束する」んでしょうか、「終息する」んでしょうか。まだメディアではそのへんの用語さえしっかり整理されていないようだが、どんな学問でもその第一歩は用語の定義のはず。「バッサリ」「チクリ」「一刀両断」「苦言」、そういうイヤらしい言い方に終始していないで、まずはキチンと辞書でも調べ、分かりやすい用語の整理と解説から始めたらどうだろうか。

 

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