Mon 200210 北海道帯広・江戸川区船堀の大盛況/新A組「はじめに」を執筆  3909回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Mon 200210 北海道帯広・江戸川区船堀の大盛況/新A組「はじめに」を執筆  3909回

 やっと「寒気の底」が来て、寒いのが大好きなワタクシは嬉しくてたまらない。バターは冷蔵庫の中でガチガチに凍っているほうがいい。チョコレートだってガリガリ君だって、どろどろ生ぬるく融け出せば、正直言って目も当てられない。

 

 やっぱり清少納言どんは賢い女性である。なるほど冬は早朝がいい。「雪の降りたる」は言うまでもない。「昼になりて、ぬるくゆるびもてゆけば、わろし」であって、ワタクシは「ひろし」であるが、やっぱりぬるいのは「わろし」と言うしかない。

 

 だから、北海道の帯広はマコトに楽しかった。やっぱり真冬には氷点下20℃じゃなきゃ「わろし」であって、「ここで居眠りなんかしたら凍死するぞ」「寝るな、寝ちゃだめだ、起きろ、起きるんだ!!」と絶叫するほどの緊張感がいい。

      (北海道帯広、180名の大盛況 1)

 

 帯広の公開授業は、出席者180名。地元の帯広柏葉高校は、今から30年ほど前、東大理科三類に2名現役合格した伝説の高校であるが、180名中150名がその帯広柏葉の生徒である。

 

 さすがに優秀な諸君が多くて、昨年9月にリリースしたばかりの今井リニューアル講座の受講がどんどん進んでいる。「E組から始めて、もうC組も終わりそうです」という男子がいるかと思えば、「すでにB組が半分終わりました」という女子もいらっしゃる。

 

 彼ら彼女らのテキストやノートを見せてもらったが、おお、受講の姿勢もなかなか素晴らしい。今井ほどのベテランになれば、受講中のテキストの書き込みをチラッと見ただけで、どれほど素晴らしい受講態度かまで一目瞭然で分かってしまうものである。

      (北海道帯広、180名の大盛況 2)

 

 帯広のスタッフもまた生徒思いの熱いセンセが多いようである。懇親会に出席したヒトはワタクシを含めて12名。しかし生徒たちの相談を熱心に受けているうちに時計の針はどんどん進み、懇親会の開始は22時近くになった。

 

 それでも諸君、22時から23時までのわずか1時間のうちに、今井は出席した全てのセンセたちと親しくなった。今井の隣に座ったのは、帯広の責任者を務める社会科の先生。いかにも「授業大好き」という数学の先生や、誰だか忘れちゃったけれども有名ベテラン俳優にそっくりな落ち着いたオジサマもいらっしゃった。

 

 公開授業の司会を務めてくださったのは、「20代女子です」豪語するオネーサマ。その向こうには「山形県新庄の出身です」というイケメン男子もいらっしゃった。諸君、テーブルに乗り切れないほどの焼き鳥に十勝牛ステーキにイカの天ぷら、こういう食事会ほど楽しいものは他に考えられない。

      (北海道帯広、超ベテランの大奮闘)

 

 翌日は帯広から新千歳空港に向かい。中国人観光客が激減してもなお激混みの千歳からヒコーキで羽田に戻った。しかし諸君、今井のチョー多忙は相変わらずであって、羽田からオウチに戻る間もなく、電車を乗り継いで直接次の公開授業先に向かう。

 

 それが「江戸川区船堀」である。「どこなんだ、そりゃ?」であるが、今井としては2年ぶりの船堀訪問である。羽田から直通の都営地下鉄浅草線で北上し、「東日本橋」で都営新宿線に乗り換えれば、馬喰横山から東に7駅目が船堀(ふなぼり)だ。

 

 いやはや、「北海道♡」「九州&沖縄♡」「関西♡」みたいな派手さの感じられない出張であるが、公開授業にかける今井君の意欲はちっとも変わらない。

 

 2年前の船堀は、確か出席者70名強。新校舎が出来たばかりで、当時の校舎長もたいへんな苦労をして出席者をかき集めた。あれから2年、今や新しい校舎長が大健闘中。出席者は約105名に増え、「初めて東進に来てみました」という新規生も40名が含まれていた。

     (北海道帯広、豪華な花束をいただく)

 

 今井は、こういう大健闘や大奮闘が大好きなのだ。やっぱりこうでなくちゃいかん。ターミナル駅の駅前に巨大戦艦校舎を作って、努力なんかしなくてもドンブリ勘定で生徒は集まる、そういうバブルな運営の時代は終わりを告げた。ぎゅっと冷え込んだ2月の船堀で100名越え。そういう地道なガッツポーズを積み重ねていきたいじゃないか。

 

 こうして諸君、2月10日の今井は大阪のホテルに滞在中。ギュッとマスクをして感染症対策も万全であって、明日からの姫路 → 松山 → 和歌山 → 広島三原、早春シリーズの山場に備えている。

 

 ホテルのラウンジにこもって、リニューアルした「新A組」の「はしがき」というか「はじめに」を執筆した。テキストは2月下旬に校了になるらしいから、うまくいけば4月上旬か中旬には開講の運びになりそうだ。リスニングにこだわった上級者養成講座、ぜひ諸君、楽しみに待っていてくれたまえ。

  (帯広の祝勝会。短時間だが、大いに盛り上がった)

 

「上級者養成」という講座タイトルから明らかなように、「新A組」が対象とするのは「まだ自分は中級者」というマコトに謙虚な自覚をもち、「しかし可及的速やかに上級者の仲間入りをしたい」と考える向上心旺盛な諸君である。

 

「まだ中級者」の自覚は、「どうしても時間内に長文問題を処理しきれない」という日常的な経験から生ずるものである。模擬試験であれ実力テストであれ、中級者の前に立ちはだかるカベは、昔から必ず「制限時間」であり「時間との勝負」であって、終了のチャイムや試験監督者の「やめ!!」の声に怯えながら問題に取り組む苦悩は、中級者に共通のものである。

 

 模擬試験の結果も同様である。成績表上の講評にも「君は長文読解が弱いようです」「もっと読解スピードをつけましょう」「速読の訓練が必要です」の文言が繰り返され、正体のハッキリしない「速読」を求めて右往左往、結局なんの解決も得られないままに入試本番が迫ってくる。

 

 そもそも「速読」という言い方は極めて曖昧であって、もしも「速」という言葉を用いるなら「何の速度なのか」を明確にしなければならないはずである。

 

「自転車の速度なのか、クルマの速度なのか、新幹線か、ヒコーキか」「音速なのか光速なのか、それとも量子力学の世界なのか」、それを明示しないで「速!」「速!!」「速!!!」と繰り返しても、実際には何の意味もない。

 

「時速◯km」「秒速◯m」を明示するのが、速度を云々する者の責任である。むかしむかしの郵便に「速達」というシロモノがあったが、「速達」とは明日つくのか、明後日までかかるのか、それを明確にしなかったのが20世紀の郵便の決定的な難点であった。

(十勝牛ステーキ。実はこの前日、ワタクシは代官山のプチレストランで十勝牛ステーキをいただいたのだった)

 

 そこでワタクシは、大学入試の世界での上級者を目指す中級者の諸君に、ハッキリ「音速」を提示したいのである。音の速度で長文リーディング問題を理解できる能力があれば、少なくとも難関大学合格者のレベルでなら上級者を名乗る資格があるのではないか。

 

 21世紀も中盤が見えてきた時代に「音速」とは、何ともノンキでホノボノとしたイメージだ。音の速度は秒速300メートルちょい、ちょっとした戦闘機なら、軽々とそのアナログな速度を超えていく。

 

 しかし外国語の理解の速度としては、とりあえず上級者のカテゴリーに入るのは間違いない。リーディングの問題として出題された英語のパッセージを、ネイティブの音声を聴いただけで理解できる能力。ワタクシが「新A組」で意図した「速」とは、そのような速度である。

 

 例えば北大・東北大・名古屋大・大阪大・九州大のレベルなら、出題されるリーディング1問の長さは80行程度。それよりもっと短いのが普通であって、それは早慶など難関私立でも同じことである。その80行を20分で読めれば、ほとんどの大学で悠々と制限時間内で解き終えることができる。

 

 ということは諸君、割り算すれば明らかな通り、国公立でも私立でも、難関大突破に必要なスピードは1分4行、1行15秒。数字で見る限り、慌てふためく必要は皆無なのである。

 

 それなのに「時間が足りない」という受験生の長文アレルギーないし長文コンプレックスをひたすら煽り立て、「目を速く動かせ」「視野を広げるんだ」「だいたい分かればいいんだ」の類いの奇妙奇天烈な「画期的速読法」が跋扈する。

   (帯広駅にて。「おお、北海道だ」の感激の風景)

 

 それは「速」と言っておきながら、その「速」の示す本当のスピードを示さずにいる予備校講師たちの怠慢から始まった喜劇なのである。ワタクシは、極めてアナログな「音速」をここに提示する。

 

「音速」とは、リスニングの試験でネイティブスピーカーが英文を読み上げるスピード。80行の長文読解問題なら3分から4分、A組テキストに収録された東京大学の120行を超える小説文でも6分から7分。これが「音速」である。

 

 80行の読解に、中級者がかけている時間は平均して15分から20分だから、我が「A組」修了時に受講生が達成している「音速」の読解スピードは平均より10分以上短縮され、リーディングの問題がそのままリスニング問題として出題されても全くたじろがない上級者が生まれることになる。これはもう上級者というより「勇者」の名に値する。

 

「新A組」が目指すのは、そのような落ち着き払った真の勇者たちである。長文読解問題をリスニング形式で出題されても、ちっとも驚かない。それどころか、印刷された文字を見ながら解いた他者の成績を悠然と凌駕する。そういう実力を目指すのである。どうだい諸君、圧倒的にチャレンジしがいのある20コマだと思わないか?

        (新得までの列車)

 

「予習」こそ、この講座の最も重要で特徴的なパートである。予習の段階では、決して「全訳」などしてはならない。むかしむかし、20世紀とか昭和の時代には、予習とは常に「全訳を作ること」であり、諸君のパパやママはノートに全訳を書いては、授業中にその全訳を赤ペンで自己添削したものである。

 

 しかし諸君、我々が目指すのはあくまで「音速」なのだ。全訳を書いて自己添削するアリさんやカメさんの歩みをマネていては、上級者の音速を達成することは不可能である。

 

 文字にせずに「お腹の中で全訳」というのも、要するに五十歩百歩。日本語に頼ってえっちら&おっちら、スキーで言えば「ボーゲンで青息吐息、やっと山麓まで降りてきた」というレベルである。

        (芽室までの列車)

 

 そこで「新A組」では、「ダウンロードした音声を3回、意地でも文字を見ないで聴く」「音声から大意を把握する」ことを予習のカナメとする。音声のみで大意を掴んだら、その情報だけから設問を解いてみる。

 

 もちろん設問を解く時には、該当部分の文字を見ながら解くのであるが、音声のみで大意を把握した後なら、むしろ全文訳した後よりも設問は解きやすいかもしれない。

 

 採用した問題は、名古屋大学1問・京都大学9問・東京大学10問。誰がどう考えても、日本の学部入試で最も難しいリーディング問題を20問、遠慮なしにズラリと並べた。これほど難問ぞろいのテキストを、音声だけを頼りに解きまくったというだけでも、受講生諸君の揺るぎない自信に繋がるものと信じる。

(トマム駅。中国からの人々が、みんなションボリしてしまっていた)

 

 早慶志望者などから「なぜ東大と京大ばっかりなんですか?」「どうして難関私大の問題が1問もないんですか?」という疑問が寄せられるかもしれない。「A組って、国公立志望者だけの講座なんですか?」という、マコトにもっともな質問である。

 

 しかし、読者諸君も感じているだろうが、私立大学の問題には、難関でも中堅でも「設問が煩雑すぎて英語に集中できない」という共通の欠点がある。「私大の問題を素材に授業を進めると、細かな事務処理能力はつくが、ホンモノの英語力が育たない」。予備校での英語教育に精通した人なら、誰でも感じていることである。

 

 早稲田・慶応・上智。昭和の昔から「上級」と名のついたテキストなら必ず大量に収録されるその種の難問を新A組テキストに全く採用しなかったのは、あくまで「事務処理能力はつくけれど英語力は伸びない」という素材を排除するためである。

 

 もしも早慶系の問題演習に励みたいのであれば、それは「志望校対策」や「過去問演習」のカテゴリー。ワタクシの「新A組」は、「出題形式に慣れたほうが有利」という類いのせせこましい発想ではなく、あくまで上級者の名にふさわしい英語力を育むことに集中したいのである。

 

1E(Cd) Kubelik & BerlinerDVOŘÁKTHE 9 SYMPHONIES 2/6

2E(Cd) Kubelik & BerlinerDVOŘÁKTHE 9 SYMPHONIES 3/6

3E(Cd) Kubelik & BerlinerDVOŘÁKTHE 9 SYMPHONIES 4/6

6D(DMv) FIRST BLOOD

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