Sun 200202 壁になるのが理想/営業が余りに巧みである/「蛇崩」とは何か  3907回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 200202 壁になるのが理想/営業が余りに巧みである/「蛇崩」とは何か  3907回

 年が明けてすでに1ヶ月、夢でも見ているようにボンヤリ30日あまりを過ごして、気がつけば「何もしないうちに2020年は残り11ヶ月」というありさまになってしまった。

 

 もちろん諸君、ワタクシとして最も思い入れの強い講座「A組」の収録を、1月前半から中盤の10日間で一気に完了している。本来なら「正月早々、思い切り充実した作品を仕上げた」と、コブシを天に向かってつき上げたいところだが、収録開始の前々日に左足のアンヨをケガしてしまったせいか、どうも怪気炎が上がりにくい状況だ。

 

 ま、心配はいらない。アンヨの親指の爪はキレイに剥がれかかっていて、すでに歩行には何の支障もないし、痛みだって全くなくなった。「A組」収録の第7日、12講目を収録中に傷口から血液が溢れ出し、それでも次の13講目まで気力で収録し終えたが、いやはや、あれから半月、傷口はカンペキに塞がった。

 

 21世紀の大横綱・白鵬関さえ、さすがにアンヨの怪我には勝てないようで、初場所は休場、白鵬ギライの人々からずいぶん厳しい非難を浴びている。非難されればされるほど今井君は大横綱ビイキになるので、それは朝青龍の末期にも同じだったし、アンチが圧倒的に多かった北の湖の時も同じだった。

     (1月31日、大阪府正雀の大盛況 1)

 

 ヒール役を自ら買って出るなんてのは、やっぱり大したもんじゃないか。まだ日本語も知らなかった白鵬が、日本の相撲界にやってきたのは2000年のこと。ワタクシがまだ「代ゼミ四天王」の一角を占めていた時代である。

 

 横綱に昇進したのは2007年。だから諸君、すでに横綱13年、マコトに見事に日本の相撲界を支えてきたウルトラ大横綱である。メディアの諸君は、彼に対する非難や批判を、もう少しだけ控えめにしたほうがいいんじゃないか。

 

 ルールにもキチンと記載され、江戸時代以来多くの大力士がウリにしてきた「カチあげ」を、白鵬だけが「品格がない」と責められるのはあまりに酷である。

 

 白鵬が横綱になってからの13年間、彼がわたりあった横綱&大関を列挙してみよう。朝青龍・栃東・魁皇、千代大海・琴欧洲・把瑠都・琴光喜・琴奨菊・日馬富士・稀勢の里・鶴竜・豪栄道・照ノ富士・高安・栃ノ心・貴景勝。これほどの猛者たちのチャレンジを見事にはねのけてきたのだ。さすがに立派じゃあーりませんか。

 

 豪栄道は引退してしまったが、来場所は大関から陥落した力士が十両以上に4人もいるという異常な事態になる。照ノ富士の復活にワタクシは熱い涙をこらえることができないが、やっぱり白鵬の活躍の圧倒的な息の長さにも、やっぱり我々は大喝采を惜しむべきではない。

     (1月31日、大阪府正雀の大盛況 2)

 

 そして諸君、ついでのついで、ほんのついでで結構だから、今井の大活躍の息の長さにも、やっぱりコッソリ&ヒッソリ喝采を送ってくれないだろうか。

 

 予備校講師に転身したのが1991年。うぉ、まもなく30年達成だ。別に自慢するわけであるが、ほぼ全ての期間を「スーパー講師♡」で通してきたのでござるよ♨

 

 しかもその営業力の見事さにも、全く陰りが見られない。今井が公開授業に訪れさえすれば、内部生を上回るほどの外部生が殺到し、しかもその外部生たちは迷うことなく我々の仲間になり、それをキッカケにその校舎は地域1番校に成長していく。カッカッカ。

 

 是非とも今井を「予備校界の白鵬」と呼んでいただきたい♡ ヒール役だって、代ゼミ時代以来それなりに引き受けてきた。ヒールを引き受けるツワモノなり長老なりがいないと、業界全体の活力が削がれるものである。ルックス抜群の新進講師たちの前に、ガバッと立ちふさがる巨大なサトイモ壁でいたいじゃないか。

     (1月31日、大阪府正雀の大盛況 3)

 

 確かに、コロナウィルスのスーパースプレッディングが懸念され、かつ困ったスキャンダルなんかも発生すれば、公開授業の参加状況に若干の影響は免れない。しかし長老キウィ男爵の勢いはちっとも衰えないのである。

 

 128日、2020年最初の公開授業は、東京のど真ん中・市ヶ谷で。かつてシャープ東京本社だったビルの大会議室が満員になった。定員180名の会場に、申し込みベースで260名の参加予定になった。

 

「これって、どうなっちゃうの?」

「大量の立ち見が出ちゃいますよ」

というドキドキものだったが、幸いというか何というか、この日は「東京23区でも積雪の恐れ」「夕方から朝にかけて雷を伴った豪雨の恐れ」というスーパー悪天候。幸いなことに「大量の立ち見が発生」という事態は避けられた。

 

 こうしてサトイモ壁の進撃は今年も続く。まさに「進撃のサトイモ」「進撃のキウィ」という恐ろしい勢いであるが、1月31日は大阪に飛び、阪急京都本線「正雀」駅そばの雑居ビル会場に130名が集結した。

 

「たった130名かい?」とおっしゃるかもしれない。しかしそれは「阪急・正雀駅」を知らないオカタの発言だ。特急どころか、急行も準急も止まらない。そもそも「正雀」と書いて何と発音するのか、関西人でも知らない人がいるんじゃないか。

 

 正解は「しょうじゃく」。読み方もよく分からないような、各駅停車のみの薄暗い駅前に130名、こりゃ大長老サトイモでもなけりゃ満員にするのは困難だ。

 

 しかも諸君、130名中50名が「初めて東進に来てみました」という業界用語における「完全外部生」。それをたった100分の授業後に「大多数が継続を決意」というところまでもっていく営業力には、自ら舌を巻くほどである。

  (2月2日、渋谷区松濤「鍋島公園」を訪問する 1)

 

 その100分のあらましを書けば、次のようになる。

① まず「なぜ長文読解が弱いのか」と問いかける。

②「やるべきでないこと」を列挙する。チャラチャラした授業、速読、英語のシャワー、アメリカの赤ちゃんになれ、「ボクしか知らないんだ」の類いのトリビア。みんな思い当たるところがあって、爆笑に次ぐ爆笑が止まらない。

③「今はまず、落ち着きたまえ」の一言の後、「やるべきこと」を列挙する。消化不良なんか起こさないから、どんどん授業を受けたまえ。単語と文法とリスニングを徹底したまえ。最も効果的な音読の仕方は…

 

 最後の「」だけは企業秘密としてここでは伏せておくが、以上の話の後に、某難関国立大の長文問題を1問、ビシッとカンペキに解説する。解説に入る前に、「解説はちょうど60分で終わります」、例えば「2057分までに完了します」と宣言する。

  (2月2日、渋谷区松濤「鍋島公園」を訪問する 2)

 

 しかも神ワザのように、ピッタリ20時57分で完了。「どうですか、諸君もこんなふうになれば『時間が足りなかった』と嘆く必要はなくなりますよ」「言わば今のは模範演技」「マネできるように、どんどん授業を受けてください」と続く。

 

 残った時間10分ほどで、当然のように営業活動と広報宣伝活動を実施する。しかも「ここからは営業です」「広報宣伝です」とハッキリ生徒諸君に告げるのである。彼ら彼女らは決してコドモではない。このイベントが要するに営業活動であることぐらい全員が知っている。それをオブラートに包んでゴマかそうとすれば、むしろ嫌悪の元になりかねない。

 

 ま、こういうマコトに素直な流れだから、ほとんどの生徒諸君が「よっしゃ、このままここでバリバリ勉強しよう」と決意するのである。ワタクシとしてもごくごく素直に語り、だからこそ止まらない大爆笑の連続となり、楽しくて楽しくてたまらず、だから生徒諸君!も楽しくて楽しくてたまらない。双方ともストレスなんかゼロなのである。

(代々木公園、むかしむかしの「オリンピック村」を訪ねる。左から「よふかしおに」「はやねちゃん」「はやおきくん」「みそしるちゃん」「おさごはんまん」。拡大して眺めてくんろ)

 

 2月2日、久しぶりに時間の余裕があったから、うらうらとした春の陽気に誘われて都内ウォークを満喫した。参宮橋から代々木公園・渋谷・松濤・代官山と歩き、中目黒から祐天寺まで。片道2時間近い道のりだったが、目黒川の支流「蛇崩川」に沿ってきついアップダウンが楽しかった。

 

「蛇崩川」と書いて「じゃくずれがわ」と読む。「蛇が崩れる」という漢字も、「じゃくずれ」という発音も、たいへんインパクトが強烈であるが、間違いなく「じゃくずれ」であり「蛇崩」なのである。

 

 中目黒から自由が丘、今ではまさにハイソな高級住宅地であるが、むかしむかし江戸時代まではここは「衾(ふすま)村」と言った。目黒川や多摩川の大きく蛇行する湿地帯で、しばしば氾濫の被害が出た。

 

「ふすま」は「はざま」の転訛で、要するに谷間の意味。低湿地が多く、馬が頻繁に足を取られたために「伏馬」の漢字が当てられたりした。「むかし長雨の後に近くの大岡山から大蛇が襲ってきた」という伝説がある。

  (中目黒駅付近に今も残るおどろおどろしい地名)

 

「蛇崩」という地名は名古屋や木曽地方にもあって、「じゃくずれ」または「じゃほう」と発音する。「豪雨で崖崩れがあると生きた蛇がたくさん流されてきた」「むかし崖から大蛇が現れた」などの伝説があり、「蛇崩れ」のことを「蛇抜け」と呼ぶこともある。

 

「豪雨の後に急に沢の水が止まると、蛇抜けが迫っている」「蛇抜けの水は黒々としている」「蛇抜け直前にはキナ臭いニオイが漂ってくる」などという。「じゃ」はもともと「砂」であって、土砂崩れの転訛したものだという説もある。福井の「九頭龍(くずりゅう)川」の名前にも、それなりの関係性を感じるはずだ。

 

 いやはや、むかしむかしの地名は大切だ。今はハイソな住宅地であっても、過去の大災害が地名に思い切り刻まれている。今年もこれからたっぷりウォーキングをして、傷ついた左のアンヨをもっともっと鍛え、東京やら京都やらのむかしむかしをギュギュッと探っていきたいのである。

 

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2E(Cd) Bernstein & New YorkBIZETSYMPHONY No.1 & OFFENBACHGAÎTÉPARISIENNE

3E(Cd) Prunyi & FalvaiSCRIABINSYMPHONY No.3 “LE DIVIN POÈME”

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