Wed 191204 今井先生ですか?の嵐/三権分立の本質/未来と教育を語るチャンス 3890回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 191204 今井先生ですか?の嵐/三権分立の本質/未来と教育を語るチャンス 3890回

 この2週間はほとんど東京で大人しくしていて、来る日も来る日も都内ウォークを満喫している。来春早々の「新A組」収録に備えた減量作戦も兼ねている。「今井を銀座で見かけた」「今井が千駄ヶ谷あたりでウロウロしていた」「今井が麻布十番に突如出現した」などという目撃情報も少なくないはずだ。

 

 いやはや「お、今井だ♡」「ウソだろ、今井先生だ!!」という視線の多さには恐れ入る。銀座のデパートでちょっとブランドショップを覗いていたら、「もしかして今井先生ですか?」と声をかけられたし、その直後に東銀座の越前料理屋に入ったら、店のマネージャーが「むかし東進で大ファンでした」とニッコリしてくれた。

 

 先週末の今井は、京都に出現した。11月末日から12月1日にかけての週末、今年の京都の紅葉もいよいよ散り際の絶頂を迎えていた。京都の紅葉に挨拶せずに新年の準備に入るだなんて、あまりにも寂しいじゃないか。

 

 写真は前回の記事に掲載したが、阪急嵐山の駅から入って、常寂光寺・二尊院・化野と嵯峨野を歩き、馴染みの「平野屋」で抹茶を味わってから、地下鉄で一気に山科へ。山科・毘沙門堂の大混雑に一驚を喫した後は、岡崎の真如堂を目指し、平安神宮で晩秋の夕暮れを楽しんだ。

  (11月15日、神奈川県長津田、280名の大盛況 1)

 

 そういう京都散策の間にも、次から次へと「今井先生ですか?」の声と遭遇するのである。常寂光寺では、パパやママと一緒に晩秋の京都を旅する風流な男子がそれだった。岡崎あたりでは、自転車で追いかけてきた男子が「先生の授業を受けて、京都大学に合格できました!!」と息を切らせながら挨拶してくれた。

 

C組・B組・A組と受講して、京都大学の工学部に合格しました」「今このすぐそばに下宿して京大に通っています」「京大、ホントに最高です」と、嬉しそうに言ってくれた。一緒に写真にも収まった。

 

 そのありさまを眺めつつニコニコしていたのが、2名の大学生女子。美味しそうな甘味屋の前で列を作って待っていたが、「長いコートがなかなか面白い」と、今井のコートに感興を催した様子。何しろ32年前に購入した伝説のコートだ。1990年当時の世界の首脳たちが、ほぼ同じデザインのコートを身につけていたはずである。

  (11月15日、神奈川県長津田、280名の大盛況 2)

 

 平安神宮から南禅寺に向かう道では、「これはもう諦めるしかないな」というほどの「お、今井だ♡」ラッシュ。帽子をかぶったりメガネを買いかえたり、何とかカムフラージュしようと努力してはいるが、もうそんな努力は一切ムダのようである。

 

 出会った20歳代中盤のカップル3組が、3組とも次から次へと「あ、今井先生だ!!」とお互い満面の笑みでつつき合っているのである。3組は、それぞれ約20メートルの間隔をあけてやってきたから、おそらくお互い何の関係もない。

 

 最初のカップルが歓声をあげ、次のカップルが20メートル後からまたまた歓声をあげ、そのまた次のカップルが3たび歓声をあげる。もう帽子もメガネも何の役に立たない。普通の人なら、「社会のマドでも開いてるのかな」と、目立たないようにその場所に手をやるぐらいの勢いである。

 

 こりゃ「選挙に出たら当選するかも」という世界。もちろん私は政界などというものに何の関心もないから、「選挙に出る」などという人生の選択肢は全くあり得ないが、ひと昔前の参議院で「全国区」というシロモノがまだあった頃なら、最下位当選ぐらいは可能性がありそうだ。

(11月10日、大阪・天満の「ツキとすっぽん」を訪れる。看板はナシ、目印はこれだけの隠れ家店である)

 

 しかし諸君、2019年の日本の国会を見ているかぎり、こりゃいくらなんでも私には耐えられない。どうして野党の皆さまは、最後の最後まで「桜を見る会」の追及に夢中で、教育問題を熱く真剣に論じる千載一遇のチャンスをミスミス逃してしまったんだ?

 

 私はコドモ時代、「三権分立」というものの本質について、社会科の先生と意見が合わず、強烈な対決姿勢を貫いた。社会科はコドモの頃の今井の得意科目。小学校では40歳代中盤の野口先生、中学生になってからはこれまた40歳代中盤の松淵先生を滅多やたらに困らせ続けた。

 

 だって私は、中央公論社「日本の歴史」26巻と、同じ中央公論社「世界の歴史」17巻を、中学生時代に読破しちゃったツワモノだ。「社会科は決して暗記じゃない」「論理的思考力を育てるための科目だ」「過去のアヤマチから未来への教訓をつかみとるんだ」と言い続けるセンセたちに、延々と反旗を翻した。

(大阪・天満「ツキとすっぽん」、マグロの中落ち。竹のスプーンでマグロの身をすくって食べる。おいしゅーございました)

 

 どんな試験でも満点を取り続ける今井に、先生方は意地でも「今井は記憶力がいいだけだ」「思考力が優れているわけじゃない」という結論に持っていこうとしたけれども、三権分立の話についての意見の対立は激烈だった。

 

 三権分立については、ロックやモンテスキューの時代から、要するに「3すくみ」論として扱われる。権力の一点集中を阻止するために、権力を3分割して、ジャンケンのグー・チョキ・パー3すくみよろしく工夫を凝らし、相互のチェック機能を確立したんだというのである。

 

 立法は行政に対して「法案調査」「国政調査」、司法は行政に対して「違憲立法審査権」、立法は司法に対して「裁判官の弾劾裁判」、行政は立法に対して「衆院解散権」、その他まあ諸君、高校入試の公民分野で必ず問われてきた世界じゃないか。

 

 しかし中学3年の今井は、そんな消極的な3すくみ論は大キライだったのだ。というか、「記憶じゃない」「論理的思考だ!!」とセンセが盛り上がっている割に、定期テストでも高校入試でも結局こういう用語を全て暗記しなきゃダメだなんて、そんなのおかしいじゃないか。

(大阪・天満「ツキとすっぽん」名物の「痛風鍋」。カニと魚とホタテとエビの鍋に、あん肝とタラの白子を投入して食す)

 

 そこで中3今井が授業中に手を挙げて主張したのは、「三権分立って、3すくみみたいな消極論じゃなくて、過去・現在・未来の時間軸に沿って権力を3分割するのが最も効率的だと考えたんじゃないか」という理解の仕方であった。

 

① 過去を綿密に考察し、過去の事実を裁くのが司法。

② 現在に責任をもち、現在を安定的に運営するのが行政。

③ 未来の安心と進歩を語り、未来を豊かにする役割を担うのが立法。

 

 どうだい、「司法は過去を、行政は現在を、立法は未来を担当する」、「時間軸に沿って扱うべき問題を3分割するのが最も効率的」という三権分立の理解、中3男子としてケッコすげんじゃね?

(大阪・天満「ツキとすっぽん」、そろそろ「痛風鍋」も煮えてきた。マコトにおいしゅーございました)

 

 あれから幾星霜、私の理解の基本は今もそこにある。だから諸君、未来を熱く語るべき国会議員が、まるで探偵ゴッコよろしく「みんなでシュレッダーを視察しました」などということになると、いやはやそれだけで強烈な重税感を感じるのだ。

 

 もしも未来を語りあうのが役目なら、今こそ徹底的に教育問題を論じるべきではなかったか。それも、元文部科学大臣の過去の発言を巡って責任を追及するとか、そんな過去の話をネポリン&パポリンするじゃなくて、あくまで未来志向で語り合ってほしかった。

(来年1月の「新A組」収録に備え、11月から東京都内ウォーキングを開始。麻布十番にも出没することにした)

 

 せめて「共通テストの記述式問題をどうするのか」。出来れば英語の4技能入試について、「民間テストという失敗の明らかな選択肢を捨て、あくまで国が責任を持って、5年のうちにスピーキング能力までテストできる制度を国が設計しようじゃないか」。そういう議論をする時間はナンボでもあったはずである。

 

 それなのに諸君、「桜を見る会」を国会に持ち出したあの日から、教育はほとんど国会で論じられることがなくなった。「過去のことは司法の担当」という三権分立の認識があれば、あんな問題は東京地検に告発するなり、プロの警察組織に調査を依頼するのが本筋だったはずじゃないか。

 

 若者たちの未来を大きく左右する入学試験問題について、結局はナーナーでB社のアルバイト採点やら、自社利益が優先の営業マンやらにお任せすることになりそうな情勢を、私は心から苦々しく思うのだ。

(麻布十番の名店「鰓呼吸」。魚料理が中心の居酒屋である)

 

 どうしてあの日あの時に、あの野党議員は桜問題なんかを持ち出してしまったのか。若者たちの未来を語る千載一遇のチャンスが訪れていた11月のあの日、未来を語るべき国会は、あっという間に過去に関するシロート集団の探偵ゴッコの場に堕してしまったのである。

 

 以上、東京でも京都でも、大阪でも福岡でも、「あ、今井先生だ♡」の嵐になる状況にありながら、「政治だなんて、全く興味がありません」と、むしろ嫌悪感を感じる理由なのである。若者たちがあまり選挙に関心がないのも、ほぼ同じ理由なんじゃないのか。

 

1E(Cd) Solti & ChicagoMAHLERSYMPHONY No.8 1/2

2E(Cd) Solti & ChicagoMAHLERSYMPHONY No.8 2/2

3E(Cd) Barbirolli & BerlinerMAHLERSYMPHONY No.9

6D(DMv) 300:RISE OF AN EMPIRE

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