Sat 190706 急病のお客さま/埼玉県大宮の大盛況/秋田犬の里/花輪線の思ひ出 3853回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 190706 急病のお客さま/埼玉県大宮の大盛況/秋田犬の里/花輪線の思ひ出 3853回

 とは言うものの、やっぱりそれは強がりに過ぎなくて(スミマセン、前回の続きです)、7月6日、今井は疲労困憊の極にある。7月2日は吉祥寺で2コマ収録、7月3日も吉祥寺で収録。4日には滋賀県草津で夕暮れから公開授業があって、京都に宿泊した。

 

 5日夜は豪雨のただ中を東京に戻って、銀座で単独祝勝会。「そんなのヤメにして、とっととネグラで熟睡したらいいじゃないか」と鼻で笑う人もいらっしゃるだろうが、滋賀県の仕事の後には残念ながら懇親会の「こ」の字もナシ。それじゃさすがに今井の疲労は濃くなるばかりだ。

 

 そして明日からは、夏シリーズ後半の胸突き八丁。熊本 → 大阪 → 金沢 → 大阪 → 神奈川① → 神奈川② → 広島 → 高松 → 千葉 → 滋賀 → 東京① → 東京② → 大阪 → 沖縄だ。諸君、約2週間の間、ネグラでゆっくり眠るなんて夢のまた夢だ。

    (秋田県大館駅前「秋田犬の里」にて 1)

 

 こういう時に一番うれしいのは、大盛況の後の大懇親会なのだ。大きな懇親会でデロデロになるうちに、重く蓄積した疲労なんかウソのように融けていく。今井が何より期待するのは、若いスタッフ諸君の力強い笑い声なのである。

 

 ところが諸君、7月4日の仕事の直後に言い渡されたのは「本日は懇親会はありません」の一言。あまりの失望に、濃厚なサトイモもあっという間に干しサトイモと化してヘトヘト、立ちがることも困難なアリサマだ。

     (埼玉県大宮、約200名の大盛況 1)

 

 こうして日々を送るうちに、10日、2週間、そのぐらいのスパンの時間がどんどん過ぎ去っていく。今日の記事には6月21日から22日の記録を書かなければならないが、それってもうとっくに2週間前、大阪G20以前の出来事である。

 

 21日、ワタクシは大阪から首都圏にヒコーキ移動。夕暮れから埼玉県大宮でお仕事があった。伊丹空港でヒコーキに乗り込んで「いざ離陸」という瞬間、「機内に急病の方がいらっしゃいます」という放送があって、離陸は1時間も遅れたのである。

 

「どなたか機内にお医者さまはいらっしゃいませんか?」という緊急アナウンスがあって、2Hに座っていた今井君の斜め前、1Kの席のダンナがスックと立ち上がった。どうやら彼こそが「お医者さま」なのである。よかった&よかった、30分ほどで救急車が来て、急病の方は無事にヒコーキから運び出された。

 

 お医者さまも席に戻って、ヒコーキは1時間遅れで離陸。羽田にもやっぱり1時間遅れで到着した。羽田到着、14時。ワタクシはこれからいったんオウチに帰って着替えを済ませ、18時には埼玉県大宮に姿を現す予定なのである。

   (埼玉県大宮でいただいたフルーツケーキ)

 

 ところが諸君、ヒコーキから降りてスマホをいじってみると、2件の留守番電話が入っている。1件は翌日宿泊する予定の岩手県の旅館からだったから問題ないが、もう1件はタクシー会社からの怒りの電話なのである。確かに、羽田からの定額予約で1330分に予約しておいた。

 

「あなたの予約時間が過ぎています」「留守番電話に設定されていて、連絡が取れません」「どうしてくれますか?」と、どうやらオペレーターはたいへんお怒りのご様子だ。

 

 最後には「迎車料金は払っていただきます」「そのおつもりで」と強い口調でキッパリ。留守電はガシャリと激しく切れていた。普段から愛用している「○京無線」という会社であるが、こういう場合は普段の親しい関係なんか全く考慮されないのである。

(新宿から埼玉県大宮には、東武線直通特急で30分の道のり)

 

 致し方ないので、オペレーターの上司の方とじっくり話し合うことにした。こういう場合の今井のコミュニケーション能力はマコトに高いので、こちらの置かれたやむを得ない状況を説明するのは朝飯前である。

 

 ヒコーキは定時で離陸の予定だった。しかし離陸直前に急病人が出て、離陸が1時間近く遅れた。しかしヒコーキのドアが閉まっていたのでケータイ電話での連絡は取れなかった。要するにヒコーキの乗客としてはどうすることも出来ない状況、それで予約したタクシー会社との連絡も取れなかった。不可抗力なのである。

(6月22日のワタクシは、秋田県大館「秋田犬の里」を訪れた)

 

 しかし諸君、まずオペレーターから「上司のヒト」に電話が繋がるまでに、マコトに不快な思いに耐えなければならない。上司のヒトも最初はたいへん不機嫌で、なかなか乗客の言いぶんを聞いてくれない。「それでも連絡ぐらい出来たはずだ」とおっしゃるのである。

 

 別の会社のタクシーに乗って、その中から電話をし続けたのであるが、以上の内容を理解してもらうのに結局30分もかかって、タクシーは羽田から渋谷区のオウチの近くまで来てしまっていた。

     (埼玉県大宮、約200名の大盛況 2)

 

 いやはや、この電話の一件でまたまた疲労困憊。大宮に出発するまで1時間半を、その疲れを癒すだけに費やした。諸君、ナツメ♡ソーセキ「草枕」に指摘されるまでもなく、とかく世間は生きにくいものである。

 

 それでも埼玉県大宮に到着してみると、約200名の生徒諸君が詰めかけてくれていて、まさに大盛況。こうなれば蓄積疲労も一気に吹き飛ぶのである。

 

 新宿から大宮までは、もちろん通勤電車でも行けるのだが、何しろ夕方の首都圏の通勤電車の惨状は昭和さながらである。あんな満員電車に詰め込まれて、万が一「痴漢です」なんてことになったらコワイから、今井君は座席指定OKの東武線直通特急を利用した。

 

 しかし諸君、大宮もまた「懇親会はございません」。もちろん首都圏での公開授業後はすでに15年間ずっと「懇親会はございません」を貫いているのだから、「ございません」と言われても別にショックはないが、最近はいろんなところで「ございません」の連続だ。慣れていても、やっぱりボディブローにはなるのである。

(6月22日、秋田県大館から盛岡まで花輪線で南下する)

 

 翌日のワタクシは、朝9時のヒコーキで秋田県の大館能代空港に向かった。埼玉県からオウチに帰ったのが22時半、翌朝の起床が5時、バスタ新宿に姿を現したのが7時 → 羽田到着が8時というんだから、いったいこのクマ蔵、どこまでタフなのか想像もつかない。

 

「どうして大館能代空港?」という疑問については、「岩手県での仕事のついでに、秋田犬に挨拶したかった」と答えるしかない。大館能代空港から古びた小さなバスに乗り込んで2時間、小雨のJR大館駅に到着すれば、駅正面の「秋田犬の里」で、雄々しい秋田犬がスックと立って待っていてくれる。

  (秋田県人の今井も、なかなかここまでは来ない 1)

 

 ワタクシは秋田県人であって、0歳から18歳まで秋田県秋田市で過ごしたし、秋田を愛することでは決して人後に落ちないが、県内第2位の都市・大館を訪れるのは、何を隠そうこれが初めてなのである。

 

 というか、能代や鷹巣や角館を訪問したのも、この数年が初めての経験だし、角館から鷹巣まで一気に北上する秋田内陸縦貫鉄道に乗車したのも、2ヶ月半前が初体験なのであった。「灯台モト暗し」というか何と言うか、とにかく我が人生初の大館に降り立って感慨もひとしおなのであった。

   (秋田県大館駅前「秋田犬の里」にて 2)

 

 待っていてくれた秋田犬は、今年2歳になる男子である。ワタクシは日々ネコまみれで暮らしていて、ネコの匂いが全身に染み込んでいるという自覚があるから、あんまり秋田犬に接近してネコの匂いで苛立たせてはならない。

 

 秋田犬はたいそう神経の細やかな生き物であって、ネコまみれの熊オヤジなんかが必要以上に接近すれば、神経の苛立ちは想像に絶するものがある。その挙句に「とりあえずガブリ」なんてことになれば、可哀そうなのは犬君のほうである。

  (秋田県人の今井も、なかなかここまでは来ない 2)

 

 だからあくまで遠慮がちに、彼の半径5m以内には決して接近しないように最新の注意を払うのである。分厚い耳にも触れてみたいし、丸くキレイに巻いた尻尾も弄んでみたいが、そこはググッと我慢して、大っきなソフトクリームをナメ&ナメし、大館名物♡曲げわっぱのお弁当箱をいじくりまわして、2時間ほどを過ごした。

 

 大館からはJR花輪線に乗り込んで、岩手県の県庁所在地♡盛岡を目指す。濃紺の十和田湖の存在を北東の空の下に感じながら、険しい奥羽山脈を北西から南東へ斜めに横切るのである。

 

 所要時間は約3時間。十和田八幡平国立公園を縦断するルート。食べかけのタケノコをくわえたツキノワグマ諸君が、こっそり木陰からこちらを見つめているだろう。

  (秋田県人の今井も、なかなかここまでは来ない 3)

 

 遠い遠い昭和の昔、秋田と盛岡を繋ぐのはこの路線しかなかった。今や秋田新幹線が1時間に1本の割合で走り抜ける田沢湖線が開通する前は、秋田と岩手はマコトに縁の薄い関係、わずかにこの花輪線に準急「よねしろ」が走って、1日に2往復するだけの隣人同士だった。

 

 今井は幼い頃、父・三千雄に連れられて、この路線に点在する小さな小さなスキー場を何度も訪れた記憶がある。花輪水晶山・田山・竜が森。今もなおその多くが存在して、細々と営業を続けているらしい。新緑の斜面が初夏の雨に濡れて、「おお、久しぶりですな」とニヤリと笑うように見えた。

 

1E(Cd) Rachel PodgerTELEMANN12 FANTASIES FOR SOLO VIOLON

2E(Cd) SirinuSTUART AGE MUSIC

3E(Cd) RampalVIVALDITHE FLUTE CONCERTOS 1/2

4E(Cd) RampalVIVALDITHE FLUTE CONCERTOS 2/2

5E(Cd) Anne-Sophie MutterVIVALDIDIE VIER JAHRESZEITEN

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