Tue 190604 モナコ到着/日本庭園/強烈アップダウン(南仏カーニバル紀行3)3842回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 190604 モナコ到着/日本庭園/強烈アップダウン(南仏カーニバル紀行3)3842回

 羽田を午前1時ごろに出発するヒコーキに乗れば、フランクフルトには翌朝6時に到着する。機内で過ごす時間は12時間であるが、何しろ8時間の時差があるから、体感的には「たった5時間しか経過していないや」という感じ。羽田のラウンジで痛飲したお酒も抜けて、マコトに爽快な気分でヨーロッパ入りとなる。

 

 今頃イギリスはEU脱退で大騒動の真っ最中。フランスはフランスでどこもかしこも激しいデモが渦巻いている。ドイツだって連立政権の危機だだし、スペインはカタルーニャ独立運動がくすぶっている。ユーロ圏全体がグラグラ煮立っているみたいだが、まあフランクフルト空港は平穏だ。

 

 イタリア–フランス国境のイタリア側には、アフリカから流入したたくさんの難民がフランス入国を求めて集まっている。地中海側はヴェンティミリア、アルプス側はドモドッソラ。これから行くモナコの東にはマントンの町があり、マントンのさらに東がヴェンティミリアである。

(2月20日、モナコの海。向こうはレモン祭りの開催されるマントンの町、その先はもうイタリアだ)

 

 ニース行きのヒコーキまで3時間あるから、またまたラウンジで豪華な朝食を満喫する。ソーセージもハムもチーズも食べ放題、大好物のプレッツェルも、香ばしい塩たっぷりでワタクシを待っていてくれる。せっかくお酒が抜けたところだが、これでビールをグイグイやらなかったら、バチがあたる。

 

 ニースまでは、1時間半ほどの旅である。機内ではデカいパンが配られ、ぬるいドリンクがペットボトルからプラコップにジャッと注がれたりするけれども、今井君は窓の外の景色に夢中。だって諸君、2月末の真っ白なアルプスを飛び越えるのだ。ぬるい水なんか飲んでいる場合ではない。

 

 前回のニース空港は何しろ15年も前のことだから、ちっとも記憶にない。今井君も若かったので、あのころは「空港からホテルまでタクシー」などという贅沢をカッコいいと思っていた。今は空港からもひたすら路線バスか電車を利用する。そっちの方が格段に楽しいじゃないか。

          (モナコ風景)

 

 ニース空港からモナコまでは、どうやら電車でも行けるようだ。空港からフランス国鉄の駅まで新しいトラムで1駅か2駅、そこから各駅停車の電車で1時間の道のり。それもなかなか便利に違いない。

 

 しかし何しろ今日は疲れている。だって昨日まで広島でお仕事だったのだし、四苦八苦してようやく東京にたどり着いた後は、今度は夕暮れの新宿でお仕事。息つく暇もない強烈な移動の果てに、こうしてニースにやってきた。巨大スーツケースも引きずっている。

 

 こういう場合は、荷物から解放されてノンキに居眠りしながらバス移動を満喫したい。ニース空港からモナコまでは2種類のバスがあって、①完全かつカンペキな地元民向け路線バスと、②高速道路を突っ走る旅行客向け路線バスである。

(モナコにて。毎日この教会に挨拶しながらホテルと駅を往復した)

 

 ワタクシとしては、①のジモティ♡バスのほうに圧倒的な魅力を感じるのである。ニースからエズを経由してモナコまで、青い地中海を右に見ながら、ずっとコートダジュールを駆け抜ける。進行方向右側の席を確保できれば、移動自体が最高のお楽しみになるじゃないか。

 

 しかし諸君、ジモティ♡バスは何しろ徹底的に停車する。1分走っては停車、また1分走っては停車、それじゃモナコまで2時間も3時間もかかっちゃう。ワタクシは早くチェックインして、ホテル最上階のお部屋からもコートダジュールの眺めを楽しみたいのだ。

 

 そこでワタクシは高速バスの乗り場に向かい、約1時間後のバスを利用することにした。さすがニースだけあって、2月下旬の風はもう暖かい。薄いコートで吹きっさらしに立っていても、ちっとも寒くない。わざわざ日本人に「トイレはどこですか?」と尋ねるフランス人までいて、待ち時間もそれなりに楽しいのである。

(モナコ、日本庭園。グレース公妃の熱い希望で建設された 1)

 

 最初ガラガラだった高速バスは、途中の第2ターミナルから乗り込んできたフランス人団体で超満員になった。南フランスの2月下旬はどこもかしこもカーニバルで、ヨーロッパ全土から善男善女がどっと押し寄せる。

 

 別に善男でも善女でもないのかもしれないが、とにかくお祭りは楽しいじゃないか。青森ねぶたに秋田の竿灯、博多山笠に徳島の阿波踊り、そりゃ時間があればナンボでも駆けつける。

 

 今回のサトイモ君が公開授業ラッシュのスケジュールを縫って強引に10日のモナコ旅行を企てたのだって、ニースのカーニバルとマントンのレモン祭りを満喫するためである。さすが善男善女の代表格だ。特にマントンのレモン祭りは、15年越しの懸案事項となっていた。

(モナコ、日本庭園。グレース公妃の熱い希望で建設された 2)

 

 超満員のバスは、ニースの北側から高速道路に入り、山中を激走する。青い春の海の眺めを楽しみに右側の席を占領したが、海なんか一瞬たりとも見えない。むしろ進行左の席の方が、谷あいの村々を見晴るかす風景を楽しめる。

 

 どうしたんだMac君、最近調子がおかしいぞ。「谷あいのムラムラをミハルカス」だなんて、バグが入ってんじゃないの?「谷あいのムラムラ」だなんて、どうも何だか危なっかしいじゃないか。

 

 モナコに到着、正午過ぎ。9連泊するホテル・メリディアンの目の前にバスが停車してくれて、とりあえず快適な移動はこれで終わりである。このホテルグループでも今井君はプラチナ会員であって、正午ですでにチェックインが許される。

 

 ミラノではウェスティン、パリではインターコンチ、ロンドンはマリオット、大阪はリッツカールトン、そういう贅沢に慣れちゃったので、うーん、メリディアン、ちょいと違和感がないことはない。フロントクラークの対応がイマイチ、バルコニーに出るガラスの引き戸がうまく開かない。

(モナコは坂の町。どこでも強烈なアップダウンが立ちふさがる)

 

 しかし、まあいいじゃないか、最上階からの地中海の眺めはとりあえずスンバラシイわけだし、つまらん贅沢を言っているより、とりあえずモナコの街を散策してきたほうがいい。

 

 さっさと荷解きを済ませたワタクシは、誤って睡魔に負けてしまったり、そしてそのまま第1日を無駄にする愚を避けて、早速オンモへ出てみたのである。早春の太陽が照りつけて、ジャンパーなんか着て歩けばたちまち汗だくになるほどの陽気であった。

 

 JARDIN JAPONAIS DE MONACOがホテルのすぐ近くに存在する。海岸を5分ほど歩くと美しい日本庭園の門が見えてくる。石庭もあれば、茶室もあり、小さな滝の流れ込む池では、たくさんの鯉が泳いでいる。

 

 モナコのグレース公妃が「日本大好き女子」でいらっしゃって、交通事故で亡くなる前に庭園の建設が始まり、1994年に完成したんだそうな。モナコに来て最初にこういう庭園を巡るのは、なかなか心癒される経験であった。

(モナコ・モンテカルロ駅。エスカレーターを降りて、さらにエレベーターで降りて、さらにまたエスカレーターを降りる)

 

 ただし諸君、旅の初日のサトイモ君は、少々ムクれてしまったのである。だって周囲にお店がちっとも見当たらない。冷たいビールの飲めるバーもなければ、手頃なレストランもほとんど見つからない。超高級&有名であるらしい店が1軒あったが、そんなの必要ないから、とにかく冷たいビールがほしい。

 

 スーパーも見つからない。地図上はすぐ近くに2軒存在するはずなのだが、地図というものはマコトに意地悪なもので、急峻なアップダウンについては、グーグルマップでも簡単には分からないようになっている。手近なスーパーまで、まさか「階段を200段」だなんて、そりゃひどいじゃないか。

(モナコ・モンテカルロ駅、地下ホームへのエレベーター)

 

 駅も遠い。徒歩30分もかかる。いや、普段の今井君なら、徒歩30分ぐらいビクともしない。かつては自宅から秋田県立秋田高校まで徒歩で片道50分、しかも猛吹雪の中を歩いて通った健脚だ。

 

 そのうちに「猛吹雪の日でも、深い雪道を自転車で20分」、それを高2 → 高3と続け、超短足だがスーパー健脚というマコトに不思議なサトイモ人間に成長した。

 

 しかしモナコのサトイモは、片道30分「プラス急峻な階段200段」という現実を知って、唖然&呆然としたのである。グーグルマップにも、アップダウンの存在をぜひ記載してもらわなきゃ困る。等高線付きのバージョンを意地でも開発してもらいたい。

(モナコ・モンテカルロ駅。贅沢な照明は日本の駅に劣らない)

 

 日本でも、同じことだ。長崎に尾道、強烈な坂道の上り下りが分かんなきゃ、安心して旅ができない。それとも、ワタクシが無知なだけで、とっくにそのぐらいのテクはみんな駆使しているんですかね?

 

 それでもその翌朝から、ワタクシは元気にホテルと駅の往復を続けた。スーパーで思う存分ビールを買い、ラディッシュやらセロリやらネーブルも目いっぱい買い込んで、健康な食生活を満喫した。強烈なアップダウンを実にカンタンに克服したのであるが、そのワザは次回の記事で披露することにしよう。

 

1E(Cd) SurfaceSURFACE

2E(Cd) Surface2nd WAVE

3E(Cd) Candy DulferLIVE IN AMSTERDAM

4E(Cd) Patti AustinJUKEBOX DREAMS

5E(Cd) Richard TeeTHE BOTTOM LINE

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