Tue 190326 テキスト編集/ホテルに落胆/クリスマス市(冬ロンドン再訪記3)3818回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 190326 テキスト編集/ホテルに落胆/クリスマス市(冬ロンドン再訪記3)3818回

 昨日からいよいよ吉祥寺のスタジオにこもって、ワタクシの「特設単科講座」5講座の収録を始めた。テキストを全て新しく編集して、4技能試験に全面的に対応した講座にするのである。

 

 テキストの編集は、昨年12月の下旬から始めた。1222日まで秋冬の全国行脚を続け、翌日いきなりロンドンに旅立ったわけであるが、そのヒコーキの中からテキストの編集を開始した。

 

 もちろんいきなりPCをパチパチやるんじゃなくて、編集はこの頭の中でジワジワ進めるのである。ヒースロー空港到着までの12時間、メシも食べず、映画も見ず、読書もせずに、狭いエコノミーの座席にデカい肉体をギュッと埋めたまま、アタマの中で仕事が続いている。

(ロンドンの横断歩道。「LOOK LEFT」「LOOK RIGHT」の表示がある。EU離脱に揺れる今は「LOOK BOTH WAYS」が生々しい)

 

 傍目には「何をボーッとしてるんだ?」「映画の2本か3本ぐらいみたらいいじゃないか」と思われるかもしれないが、里芋君の頭の中では、合計12冊のテキストの全貌がモワモワゆっくりと構成されていく。

 

 メシを食べないのは、ヒコーキに乗り込む前にダイアモンドメンバーラウンジでたっぷり貪ってきたからである。チキンカレーに天ぷら蕎麦、ソーセージにチーズにハム類。ついでだからお稲荷さん2個もパクつけば、「もうこれ以上は入りません」、0円で胃袋はパンパンに膨れ上がる。

 

 しかも諸君、何度も書いているように、ANA国際線エコノミーのお食事は、この3〜4年のうちに目に見えてクオリティが低下、あまり食欲をそそらない。特に帰国便のお食事は期待しないほうがいい。乗り込んですぐに「食事はいりません」とお断りする。

(大改修工事中のビッグベン。冷たい雨の中、観光客がどっと繰り出していた)

 

 そのロンドン行きのヒコーキで、CAのチーフの方が挨拶にいらっしゃった。

「今井様でいらっしゃいますか?」

「今日このヒコーキを担当するCAの中に、学生時代に先生のお世話になった者がおります」

「のちほど挨拶に参りたいと申しておりますが、よろしいでしょうか?」

とおっしゃるのである。

 

 ヒコーキに3回乗れば1回の割合で、「受験生時代お世話になりました」とCAのオカタの挨拶を受けるが、さすが国際線は12時間の長旅だ。ワタクシに挨拶するのにも、上司であるチーフに許可を受けてからのことになる。規律はたいへん厳しいようだ。

 

 もちろん何も遠慮することはない。ご挨拶にいらっしゃるのを待ちながら、頭の中では12冊分のテキストの構成を始めた。ライティング・リーディング・リスニングを中心に、スピーキングとディクテーションまで混じえて、重要な文法事項をどう散りばめるか、何しろ90分の授業110回分だ。12時間かけても、全体構成は完成しないのである。

  (ロンドン、ホテルマリオット前のクリスマスツリー)

 

 こういう12時間を経て、それなりに頭の中はヘトヘト。普段ならヒースローからロンドン中心部まで電車を利用するところだが、いつの間にかフラフラとタクシー乗り場に向かった。

 

 ワタクシは、ロンドンのタクシーが大好き。2020年のオリンピックに向けて、最近は東京でもロンドンタイプのタクシーが増えてきた。マコトに素晴らしい。東京でタクシーを利用する場合も、今井君はできるだけロンドンタイプを選んでつかまえるようにしている。

 

 何しろ足元が広いのである。荷物も起きやすい。セダン型より天井が高いので、心の余裕ができる。そういう広々としたクルマをロンドンでものんびり占領して、クリスマスの夕暮れの眺めを満喫した。

      (大英博物館も冷たい雨に濡れていた)

 

 途中、ハロッズ本店の前を通過する。クリスマスの買い物客が、巨大百貨店の外にまで溢れ出ている。EUからの離脱の騒動でロンドンはたいへんなことになっているかと思っていたが、いやはや、中心街は平穏で優雅、楽しいクリスマス♡イブイブを迎えていた。

 

 宿泊は、2008年のロンドン訪問以来「いつかは泊まってみたい」と憧れていたテムズ川沿いのマリオットホテルである。しかし、うーん、外側はマコトに立派であるが、あてがわれたお部屋は一瞬で「こりゃいかん」と溜め息をつくレベルだった。

 

「バスタブなし」「シャワーのみ」はまあ慣れているにしても、冷蔵庫が全く機能していない。いちおう電気は通っているのだが、中身が全く冷えていない。寒い冬でも風呂あがりにはビールが必須の今井君は、ほとんど普通のタンスの引き出しみたいな冷蔵庫を見下ろして茫然とするばかりだった。

(大英博物館前の店で、幼い頃のニャゴロワとナデシコを発見)

 

 ま、今回の旅は短い。23日から宿泊して、29日にはもうチェックアウトするのである。しかもお部屋にいるときは、ずっとテキストの編集だ。まだまだPCパチパチの段階ではなくて、「傍目には茫然&朦朧」のアタマの中のお仕事。バスタブも冷蔵庫もナシでも、たった1週間なら我慢できるだろう。

 

 部屋のデスクは十分に使いやすそうだ。ビールは二重窓の中間で冷やせばいいだろう。幸い12月下旬のロンドンはギュッと寒い。内側の窓と外側の窓の間の気温は、夜間なら約4℃と思われる。タンスの引き出しみたいな冷蔵庫より、飲み物を冷やすのには向いていそうだった。

 

 さっそく荷物を片付けてから、テムズ川に沿って夕暮れの散策に出た。いやはや観光客の増加ぶりは尋常ではない。2008年の冬のロンドンも、2009年8月にダブリン・ウィンダミア・エジンバラと回った旅の締めくくりのロンドンも、こんなに混んではいなかった。

 

 というか、当時はガラガラの印象が強かった。「なんだ、ロンドンってあんまり流行ってないな」という落胆が先に立つほどだったし、「朝食でもドレスコードがあります」とフロントで言い渡された超高級ホテル・リッツだって、あの頃は満室にもなっていなかった。

(ダブルデッカーの多くがこのタイプの新車両に代わっていた)

 

 ま、クリスマスのせいもあるんだろうけれども、ビッグベンからロンドン・アイにかけて、「もう足の踏み場もない」という大混雑。中国語以上にロシア語が幅を利かせていて、巨大観覧車ロンドン・アイの乗り場にはロシア人の大家族がズラリと長蛇の列を作っている。

 

 ドイツ発祥のクリスマスマーケットはロンドンにも進出。しかしやっぱりどうもクリスマス市というものは、ドイツで味わったほうがいいようだ。ライプチヒやドレスデン、ニュルンベルグやベルリンと、どこがどう違うのか明確ではないが、パリのクリスマス市でも感じた違和感は、ロンドンではいっそう大きかった。

 

 ニッチもサッチもいかないほどの大混雑の中を進み、あまりに冷え込んできたのでホットウィスキーをラージサイズで飲み干し、それでも温まらずに早々にホテルに帰ることにした。

 

 途中コンビニサイズの小さなスーパーでビールを数本購入、さっそく冷蔵庫がわりの2重窓の中間に置いて、翌朝の風呂あがり(というかシャワーあがり)の痛飲に備えた。

(スーパー混雑の大英博物館で、とりあえずロゼッタストーンの前に立ってみた)

 

 こうして諸君、旅の第1日は呆気なく終わってしまった。23日にロンドンに到着、29日にはもうロンドンを去る。こんな短期間の旅は、4年前のシンガポール、3年前のサンフランシスコ、2年前のホーチミン、そのぐらいしか記憶にない。ワタクシの旅のスタンダードは2週間なのだ。

 

 そういう思いがあったせいか、翌日もサトイモ君は朝からションボリしていた。たった1週間なんだからションボリしている暇はないはずなのだが、「たった1週間か」「たった1週間か」と何度も独り言を言いつつシャワーを済ませ、窓の間でよく冷えたビールをプシュッとやって、それを朝食ということにした。

 

 外は冷たい雨である。冬のロンドンなんだから、冷たい雨の日々は覚悟の上だが、それにしても冷たそうな雨である。こんなゾッとするほど冷たい雨の中、窓の外にはどこからか続々と観光客が溢れ出てくる。何しろ目の前がビッグベン、お隣がロンドンアイなんだから、この混雑も「ムベなるかな」と言っていい。

(大英博物館で、ふと秋田銘菓「諸越」を思い出した。「諸越」と書いて「もろこし」と読む。ググってみてくんろ)

 

 どうせ大混雑なら、いっそ大混雑のメッカまで行っちゃった方がいい。ワタクシはほとんど投げやりになって、「こりゃ大英博物館で山手線並みのスーパー混雑を満喫してこよう」と考えた。

 

 傘をさしてウォータールーの駅をひとめぐり、とりあえずオイスターカードを購入する。SuicaというかIcocaというか、要するにその類いのカードである。10年前のロンドンでは、駅窓口でいろいろ手続きが必要だったが、今や自動販売機であっという間に買える。便利になったものである。

 

 カードに20ポンドほどチャージして、あとは勝手知ったるロンドン地下鉄を縦横無尽に乗り回すだけである。輪切りにすればオムスビの形の可愛いロンドン地下鉄が大好きだ。コイツに乗り込めば、外の冷たい雨とは無縁であって、おかげで朝のションボリぶりはとりあえず解消したのだった。

 

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