Sun 190203 もう春一番/小田原/錦糸町/比叡から琵琶湖へ(京都すみずみ21)3795回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 190203 もう春一番/小田原/錦糸町/比叡から琵琶湖へ(京都すみずみ21)3795回

 時の経つのはマコトに早いもので、あんなに浮かれたクリスマスもお正月も、もう1ヶ月以上むかしのお話だし、首都圏の中学受験も山場はまもなくオシマイが近づいている。

 

 下手をすれば諸君、もうすぐ桜が咲き出しちゃう。むかしむかしの日本では「梅は咲いたか、桜はまだかいな?」と首を長くして春の訪れを待ち受けたものだが、温暖化が進行した21世紀には、梅も桜もこちらの思惑を完全に無視して、ピンクのツボミがむくむく膨張しつつある。

 

 このままむくむく&むくむく、ひたすら膨張する速度を緩めてくれないと、「入学式は満開の桜の下で」「入社式後、新入社員の最初の仕事はお花見の場所取り」みたいな、奥ゆかしい日本の伝統はみんなガラガラと瓦解する。卒業式の頃に「もう桜も終わりました」だなんてのは、いやはや、情緒の「じょ」の字もない。

       (2月1日、小田原の大盛況)

 

 大学入試も高校入試も、入試当日の北風の冷たさに首をすくめ、ママの作ってくれたお弁当の温もりを感じながら、白い息を吐いて会場に向かいたい。それなのに「4月下旬なみの汗ばむ陽気」なんてのがやってきたら、そんなに興ざめなことはない。

 

 合格発表だってそうだ。入試の心地よい緊迫感から10日、「おや、梅が咲いている」「おや、ツクシが顔を出した」「おお、オオイヌフグリが咲いている」「そろそろ春が近いな」と呟きつつ発表の掲示板の前に立つのが日本の伝統であった。

 

 ところが諸君、2月下旬または3月上旬、掲示板の前に漂っているのはすでに「ほのかな春の気配」などという可愛らしいものではない。とびかうスギ花粉、飽和状態といっていいPM2.5、激しいクシャミから飛散する各種のウィルスや病原菌、そういう世界である。

(文部科学省「トビタテ! 留学JAPAN」もすっかり定着した。超有名&超巨大企業に伍して、我々の名前がトップ4社に並んでいる。今井君は、誇らしいのである)

 

 こんなふうになってしまうと、第一志望合格にしても何にしても、一生の思い出に残らない可能性だってある。「いやー、あの日はホコリっぽかった」「いやー、あの日は蒸し暑かった」「いやー、汗ばむ陽気だったよ」、そういうのはやっぱりイヤじゃないか。

 

 だから諸君、そういう春の風情を満喫するためだけにでもいいから、この温暖化、何とかみんなでストップしていきたいのだ。「2月3日や4日に春一番」だなんてのは、いくら何でもフライイングが過ぎますぞ。

 

「立春前の春一番」って、いけないんじゃあーりませんか? それって、受験する前に届いた合格通知とか、卒業試験前に受け取った卒業証書とか、彼女にコクる前に彼女から拒絶のLINEが来ちゃったとか、そんな違和感を禁じ得ないのである。

        (東京・錦糸町の大盛況)

 

 そもそも今日はまだ節分だ。季節の分かれ目だから節分、「春は名のみの風の寒さよ」とか呟きながら、恐る恐る玄関や裏口を開け、あまりに冷たい北風に唖然としながら「鬼は外!!」「福は内!!」と小声で叫ぶのがいいのである。

 

 モワッと暖かい南風を顔に受けて「うぉ、あったかいな」というんじゃ、そりゃあまりにも拍子抜け、恵方巻の大量廃棄も問題だが、むしろ買い込んだ自宅の恵方巻の腐敗のほうが心配で、巻き込まれたイクラやウニに鼻を当ててクンクン、「腐ってないかな?」、その光景は早春の名に値しない。

 

 それでも、明日は立春が間違いなく訪れる。春節でドッと日本に押し寄せる中国の皆様の大軍団と同様、われわれにはそれを避けるすべは残されていない。モワッとした春の空気と中国の大集団は、セットで2019年の日本を包み込むのである。

(新幹線グリーン車で発見、「クラッシャー上司が企業を蝕む」。ワタクシはいわゆる「上司」ではないが、襟は正さなきゃいかん)

 

 かくいう今井君は、すでに早春シリーズの全国行脚を開始して10日が過ぎた。千葉県北習志野で大人しく始まった春シリーズであるが、函館・愛知県豊橋・神奈川県小田原・東京錦糸町と進んで、だんだんイマイも調子づき、スケジュールが本格化してきた。

 

 このまま219日まで、休む間もない東奔西走&南船北馬が続く。本日からは関西3連泊。おそらく春節の中国の皆様が大挙して訪れるせいで、大阪のホテルは軒並み高騰し、いつも宿泊する大阪梅田のインターコンチネンタルホテルなんか、1泊8万とか10万とか、恐るべきお値段が提示されていたりする。

 

 そこまで高騰すると、KUSO真面目な今井君としてはどうしても尻込みせざるを得ない。ウェスティンとかリッツカールトンでも「プラチナメンバー」として君臨するのであるが、そこもまたバカ高い値段になっている。ここはやっぱり自重して、出張手当にふさわしい地味なホテルに宿泊することにする。

 (延暦寺、根本中堂。秋田高校の修学旅行以来の訪問だった)

 

 一昨日の小田原は、箱根おろしの冷たい北風の中、120人もの参加者があった。ワタクシは新宿から小田急ロマンスカーで小田原へ、復路は最終の新幹線「ひかり」で、日付が変わる直前にオウチに帰ってきた。

 

 金曜日のせいもあったのか、ロマンスカーも満員、指定席全席が売り切れという盛況だった。「景気が向上した実感は全くない」と新聞もテレビもマコトに頑固であるが、むかしあんなにガラガラだったロマンスカーが立錐の余地もないとなれば、こりゃ確実な景気回復じゃないか。

 

 小田原で降りると諸君、驚いたことに小田原駅は強烈な温泉臭に包まれていた。最初は「温泉くさい人々がワンサといるのかな?」とも思ったが、これはどうやら強い箱根おろしのせいである。

 

 大涌谷・箱根湯本・芦ノ湯・強羅温泉、その方角から強風が吹き下ろせば、温泉くさくなるのも「ムベなるかな」じゃないか。温泉くささは、駅に降り立った直後から、公開授業が終了してもまだ続いており、スタッフの皆さんとの懇親会の席を立って新幹線に乗り込むまで続いていた。

        (雨模様の比叡山にて)

 

 その新幹線車内で発見したのが、「クラッシャー上司が企業を蝕む」という大きな文字と、コワーい猛禽類がネクタイをビシッと締めている写真。グリーン車内では無料で読めるビジネス情報誌「WEDGE」のカバーストーリーである。

 

 いやはや、ついにそんな言葉まで生まれるようになったか。ワタクシは30歳のころから名目上は「自営業」であって、「部下」とか「上司」だった記憶なんか、分厚い時間のはるかかなたに消えてしまったが、これから先の人生で「クラッシャー上司的存在」に決してならないように、日々自ら襟を正さなければならない。

 

 それにしてもJR東海、なかなか意地が悪いじゃないか。東海道新幹線のグリーン車なら、全ての座席にこの雑誌が備え付けられている。車内販売で買えば500円だか600円だか払わなきゃいけないのに、グリーン車ならゼロ円、その辺もちょいといやらしい。

     (ケーブルで延暦寺から坂本の町を目指す)

 

 そして諸君、この座席に座るエラい方々の中にも、クラッシャー上司はたくさん含まれているはずだ。「ついさっきもクラッシャー」「今日だけで5回クラッシャー」「明日もきっと目いっぱいクラッシャー」。そういうコワい方々が、この雑誌の表紙をご覧になってどう感じるか、うーん、やっぱり皮肉すぎやしませんか。

 

 翌2月2日は少し冬の寒さが緩み、フライイング春一番の情報を繰り返しお天気リポーターが伝える中、ワタクシは地下鉄千代田線を大手町で半蔵門線に乗り換えて、東京東部の交通の要衝・錦糸町の街に向かった。

 (ケーブル延暦寺駅。これもまた重要な文化財である)

 

 地下鉄車内で「今井先生ですか?」と尋ねる男子学生に遭遇。「福岡県小倉の校舎で今井先生の授業を受けてました」「今は受験の帰りです」「第1志望は慶応法学部。あと2週間、ずっと東京のホテルに滞在してます」とのことだった。健闘をいのる。

 

 錦糸町の校舎は「洋服の青山」の入る雑居ビルの4階。5年ぶりぐらいの訪問になる。出席者約100名。「ホントに長文読解が苦手なのか?」という問いかけからはじめて、量の面でも質の面でも、大学入試の長文読解にコンプレックスをもったり、アレルギーやノイローゼに陥る必要のないことについて、濃密・濃厚・強烈に雄弁をふるったのである。

(ケーブル坂本駅に到着。琵琶湖のほとりの散策も楽しい)

 

 さて、「京都すみずみ」であるが、今日のところは比叡山延暦寺の写真数枚で許してくれたまえ。すでに21回目になるこの連載、「すみずみ」というタイトルにふさわしいものになるように、メジャーな観光地は全て避けながらここまできた。

 

 だから、金閣に銀閣、南禅寺に東福寺、清水寺に天龍寺、龍安寺も祇王寺も鞍馬寺も、全て避けて書いている。だから諸君、比叡山延暦寺も、その根本中堂も、ここであんまり詳しく書くわけにはいかないのである。そもそも根本中堂は内部写真撮影禁止でござる。

 

 今日のところは「ここからちょっと滋賀県に入ります」という予告にとどめておきたい。今井君の京都の旅は、比叡山を越えて滋賀県に入り、琵琶湖の西岸・坂本の町や、琵琶湖の東岸・長浜の町にまで入り込むのである。それどころか長浜からお船に乗って、竹生島から近江今津へ、里芋の旅は果てるところを知らない。

  (比叡山の裏側に、雨模様の琵琶湖が姿を表した)

 

 だから今日はまず延暦寺の裏に抜けて、駅舎も重要な文化財になっている坂本行きのケーブルに乗り込むところまでを、掲載した写真で紹介しておきたい。

 

 比叡山の坂を少し降りたところで、雨模様の空の下に琵琶湖の勇姿が現れる。かつて比叡山の僧兵たちが、手に手に真っ赤に燃えるタイマツをかざし、長い薙刀を小脇にかかえて、夜の山道を琵琶湖畔の町に駆け下りていった。その伝説的な荒々しい僧兵軍団を思えば、鳥肌の立たない人はいないだろう。

 

1E(Cd) Maggini String QuartetELGARSTRING QUARTET in E MINOR & PIANO QUINTET in A MINOR

2E(Cd) Barbirolli & HalléTHE BARBIROLLI ELGAR ALBUM 1/2

3E(Cd) Barbirolli & HalléTHE BARBIROLLI ELGAR ALBUM 2/2

4E(Cd) Elgar & LondonELGARSYMPHONY No.2

5E(Cd) Barbirolli & HalléTHE DREAM OF GERONTIUS 1/2

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