Thu 190117 センター直前/神頼み&豚汁/苔寺/コケケッコ(京都すみずみ14)3787回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 190117 センター直前/神頼み&豚汁/苔寺/コケケッコ(京都すみずみ14)3787回

 センター試験がこれほど目の前に迫ってくれば、さすがにもう神頼みぐらいしかすることはない。

 

 これがまだ11月下旬とか12月中旬であれば、「落ち着け」「最後まで諦めるな」「理社科にかけろ」など、言わずもがなのアドバイスをおくるところであるが、残り3日だや2日まで迫ってしまえば、「風邪ひくなよ」「栄養とってよく眠れ」その他、かえって受験生を焦せらせるのが関の山である。

 

 神頼みと言ふことになれば、湯島天神に北野天満宮に太宰府、日本の歴史を代表する賢者・菅原道真系の神社にお参りするのが一番良さそうだが、受験生が今からノコノコ出かけるわけにもいかないだろう。

 

 ついでに、菅原道真ご本人には何の問題も落ち度もないとはいえ、彼の名前に由来する「菅公 学生服」が、ポスターの文言を巡って批判されたばかり。ちょっと旗色も悪い。ここはパパやジーチャンは兄や姉にお願いして、近所の神社のオマモリを買ってきてもらおうじゃないか。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 1)

 

「神頼み」の一環として書くのだが、今日は朝10時から秋田・三吉神社で「梵天祭り」が行われる。梵天と書いて「ぼんでん」と発音する。いつ始まった祭りか分からない。江戸の文化文政時代にすでに記録が残っていると言うから、おそらく数百年の歴史を誇る。

 

「ケンカ祭り」としても有名。その様子はYouTubeでも見られるから、ケンカの激しさをぜひ画面で眺めて、それを神頼みの代わりにしてくれたまえ。「熱気も伝統・けんか梵天 太平山三吉神社 秋田」というタイトルのついたものをどうぞ。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 2)

 

「ママはどうすんの?」「オバーチャンの出番はないの?」であるが、そこはそれ、Pretty塾(仮名)も応援しているらしい「必勝メニュー作り」で夢中になっていただこう。

 

「炭水化物をとって、朝から頭をフル回転!!

「野菜たっぷり、消化の良いものを!!

「温かい汁物で、おなかに優しく!!

と、定番のビックリマークだらけであるが、何のことはない、ごく当たり前の日常を続けていればいいだけのことである。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 3)

 

 一番イケナイのは、語呂合わせのお菓子や何かをムスコ&ムスメの部屋に持ち込んで、ドヤ顔をする親である。「きっと勝つ」とか言われても、おそらく18歳のムスコはムカつくだけだ。

 

「今日はロースカツよ」とカツまみれのテーブルを設定されても、18歳のムスメはまず胃がもたれ、次に胃がムカついて、カツにそっぽを向きたくなる。

 

 そのカツが当日のお弁当にまで闖入して、ゴハンにのっけた海苔か何かで「がんばってね」のフォトジェニック弁当になっていてみたまえ。思わずカッとなって、ケアレスミスが増える原因にさえなりかねない。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 4)

 

「置くとパス」も、やっぱり面倒である。あくまでも「置くと」パスするのあって、そのパスを胃袋に入れてもちっともパスには繋がらない。ウィンナでオクトパスを作って、またまた海苔で「フダンの実力を出しなさい」とくれば、うーん、普段の実力は恥ずかしがって出てこなくなる。

 

 何を間違えたか、置くとパスのつもりで「酢ダコ」を買ってきたりする人もいらっしゃる。温かいお弁当にその酢ダコが闖入すれば、酸っぱいニオイが試験会場に漂い出して、本人ばかりか周囲の受験生まで迷惑する。

 

 ここはママもオバーチャンもPretty塾どんも大いに自重して、「変わった食事を作らないこと」「あくまで普段通りを心がけること」に徹したほうがいい。いろいろうるさく言われると、そのぶんだけ心が動揺する世代なのだ。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 5)

 

 今井君のオススメは、豚汁である。あったかい豚汁なら、別に普段通りじゃないか。胃にもたれることもなく、たんぱく質も野菜もみんな優しくとれる。あったかいゴハンの横に白い湯気をあげる豚汁があれば、前夜でも当日の朝でも、ゴハンが喉を通らないことはない。

 

 ヤフーニュースを眺めていたら、「タマゴかけご飯をフライパンで焼いてみました」というが人気なんだそうな。ま、悪くありませんな。カリッと仕上がったのをタッパに入れてお弁当、お昼の時間にカリカリ&パーリパリ、ネギを入れておせんべいみたいに薄焼きしたのを4枚ぐらい、そりゃ旨そうだ。

 

 ならば、同じことをうどんでやってみてもいいですな。お、中華麺はどうだ? キャベツの千切りにネギ、生姜に細切れ豚肉も中華麺に混ぜて、多めのタマゴであえて薄焼きにすれば、焼きあともキレイ、香りも大いに香ばしい。いやはや旨そうじゃないか。紅生姜でもいいですな。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 6)

 

 さて「京都すみずみ」であるが、今日の前半の話題にはマコトにそぐわない奥ゆかしい苔の庭園の写真をズラリと並べてしまった。京都・西芳寺、いわゆる「苔寺」の庭園風景である。

 

 苔寺に入るには、まず往復葉書で申し込みをしなきゃいけない。いつから始まった習慣か分からないが、今井君が受験生だった時代からすでにそういう制度になっていたから、この習慣は太古の昔から続く古式ゆかしいものであるらしい。

 

 往復葉書がかえってきたら、そこに指定された日時を守って西芳寺に向かう。桂川を西にわたって、川の流れの音がまだ風にのって微かに聞こえてくるあたりに苔寺の門がある。1回の拝観に100人弱の人が集合する。

 

 まず本堂に集まって、お説教を聞く。お説教の後で、100人が声を揃え、住職の声と木魚の音に合わせて般若心経を唱える。今井君みたいに肉体の言語道断に硬い人物のために、本堂には椅子席もいくつか用意されている。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 7)

 

 般若心経が終わると、いよいよ苔の庭園に入場が許される。ここでコケの説明を聞く。「すぎごけ」「ひのきごけ」「しらがごけ」。ワタクシは子供の頃から「すぎごけ」の大ファン。小学館「植物の図鑑」とにらめっこしながら、その美しさにうっとりとして小学生時代を過ごした。

 

 あとで声をかけられたのだが、丁寧に説明をしてくださった若者は、今井君の元生徒でいらっしゃった。我々の「桂駅前校」に通い、東京の超有名私立大学に合格、敏腕商社マンを経て、今は実家である西芳寺の仕事をしているんだそうな。苔の説明が巧みなのもムベなるかなである。

 

「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐と言ふらむ」文屋康秀。「ムベ」「ムベなるかな」とは「いかにもそうであるなぁ」と言ふ納得の言葉である。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 8)

 

 ただし諸君、「ムベ」という植物もあって、漢字では「郁子」または「野木瓜」と書く。全国の「いくこ」諸君、諸君の名前はもしかしたらこの「ムベ」に由来するのかもしれない。トキワアケビともいい、アケビ科、アケビとそっくりの甘い果実である。

 

 伝説によれば、ムベの命名は天智天皇なのである。天智天皇が近江の村でマコトに元気な老夫婦に遭遇。「お前たちは何故そんなに元気なのだ?」の質問に、老夫婦は「この果実を食べてますから」と答えた。味わってみた天智天皇が「むべなるかな」とおっしゃり、そこから「むべ」と名付けられた。

  (西芳寺の苔のように、地道に基礎を貫きたまえ 9)

 

 そこで諸君、巧みな苔の説明を聞き終えた今井君は、さっそく美しい苔の庭園の散策に出た。世界のセレブが多くお忍びで訪れるというのも「ムベなるかな」であり、スティーブ・ジョブズが訪れたらしいのも「超ムベ」であって、マコトにケッコーなお庭である。

 

 すると諸君、愚かな今井君は「苔、結構」から「こけこっこー」へと話題を転換したくなるのだ。普段は「こけこっこー」と真面目に時を告げるニワトリ諸君も、西芳寺の周辺では「こけ、けっこー」「こけ、けっこー」と鳴くんじゃないだろうか。

          (西芳寺、外観)

 

 アメリカのニワトリさんは「cock-a-doodle-doo」であり、フランスやイタリアでは「cocorico」ないし「coquerico」、スペインでは「qui quiri qui」、ロシアは「クカレクー」であって、まさに千差万別。西芳寺の周辺で「こけ、ケッコー」と言わないかどうか、ニワトリさんに尋ねてみなきゃ分からない。

 

 ワタクシとしては、アメリカのニワトリには違和感を覚える。あの声に「D」の発音が3回も入るなんて、ニワカには信じがたいのである。ヨーロッパの「ココリコ」「コクェリコ」「キキリキ」も、うーん、何だかずいぶんキコキコしてますな。。

       (美しい庭園を2回り半した)

 

 なお鶏にもいろいろあって、「cock-a-doodle-doo」と時を告げるオンドリは「rooster」。今井君が中学生だった頃は「cock」と習ったが、この単語にはちょいと困ったニュアンスがあるので、「鳴くのは、雄鶏だよ。」は「Roosters crow.」と言う。

 

 雌鶏は「hen」、ひよこは「chick」。雛鳥や若鳥は微妙なところだが、食肉に加工されるとchickenで、残酷に切り刻まれてツクネにされちゃうと「chicken meatballs」。ささみ「tender」砂肝「gizzard」軟骨cartilage」。いやはや諸君、外国語学習って、ホントにたいへんですな。

 

1E(Cd) Richter & Borodin QuartetSCHUBERT”TROUT”  “WANDERER”

2E(Cd) MenuhinSCHUBERTSYMPHONY No.1 & No.4

3E(Cd) MenuhinSCHUBERTSYMPHONY No.2 & No.6

6F(Ms) 中谷芙二子:霧の抵抗:水戸芸術館

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