Thu 181213 花よりダンゴ、京都よりタコ焼き、紅葉より串カツ/北新地で20本 3770回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 181213 花よりダンゴ、京都よりタコ焼き、紅葉より串カツ/北新地で20本 3770回

 1210日、本来ならワタクシは、金沢から大阪に移動する途中に京都に立ち寄り、最終盤の紅葉を満喫する予定でいた。

 

 律儀にいったん東京に帰ってもいいが、金沢から大阪なら特急サンダーバードで2時間半の移動が可能。その途中で京都に寄って、北野天満宮の紅葉ライトアップを眺めていける。2週間前にはまだ青葉が7割だった「御土居」のモミジが、まだ十分に美しさを保っているはずだ。

 

 もちろんその場合、会社から宿泊費は出ない。そんなの当たり前だ、奈良と大阪でのお仕事は11日と12日。「前のり」の宿泊費は自腹になる。しかし諸君、たとえ自腹でも、今年最後の紅葉を京都で楽しみたいじゃないか。

 

 しかし、あれれ、「北野天満宮のライトアップは12月9日まで」。HPはそう書き換えられている。ワタクシの記憶が確かならば、間違いなく「1210日までに延長となりました」と先週のHPには出ていたはず。それが突然「9日で終了」、マコトにむごい再変更となっている。

  (大阪マルビル「蛸の徹」でタコ焼き24個を焼きまくる)

 

 金沢の駅でお弁当を買い、11時半のサンダーバードに乗り込んだ。京都には13時半、大阪には14時近くの到着になる。北野天満宮のショックを胸にしまいこんで、「越前朝倉物語」と言ふ不思議なタイトルの駅弁を貪っていくことに決めた。

 

 北陸新幹線の金沢−福井間は、たいへん順調に工事が進んでいるようだ。ミニ新幹線しか作ってもらえなかった秋田県の出身者としては、フル規格の新幹線、うらやましい限りである。加賀温泉には、どうやら各駅停車タイプの新幹線が停車するらしい。駅舎の工事も急ピッチのようすであった。

 

 その加賀温泉を通過する頃には「越前朝倉物語」もとっくに空っぽになった。あとは福井と武生を経て、かつては日本最長だった北陸トンネルをくぐり、敦賀から先は琵琶湖の絶景を眺めつつ、京都&大阪を目指すばかりである。

 

 長い旅の友は、金沢駅で買い込んだ日本酒2種。1つは「加賀鳶」300ml。もう1つはブランドを忘れたけれども「にごり酒」180ml。特濃牛乳みたいな濃厚な白色を呈している。何しろ「前のり」だから、今日はお仕事とは無縁。お酒も飲み放題なのである。

(タコ焼きの「蛸之徹」。タコ焼きを英語でPIZZA BALLと呼んでいる)

 

 そこで京都であるが、本日は「パス」と言ふことにした。北野天満宮に限らず、ネット情報をいろいろググってみても、どうやら京都の紅葉は先週がラストだったらしい。永観堂も真如堂も、宇治の平等院も宇治上神社も、紅葉という点では「今年はおしまい」と表示されている。

 

 もちろん紅葉とは無関係に京都の半日を楽しむこともできる。ちらほら小雪の舞う高雄に栂尾&槇尾、冬ざれの洛北に嵯峨野に大原、そういう散策も大好きだ。しかし諸君、何しろ電車の中でお酒を飲みすぎた。花よりだんご、京都よりタコ焼き。気分はひたすら大阪の粉モンを求めていた。

 

 いつものインターコンチネンタルホテルに少し飽きてきたので、今回の今井君はリッツカールトンに宿泊する。マリオットとウェスティンとシェラトンとリッツカールトン、豪華なホテルグループが1つに統合されて、ポイントなんかも貯めやすくなった。

(今夜はインターコンチではなく、リッツカールトンに宿泊する)

 

 今年のワタクシは、ミラノのウェスティンホテルに合計20泊もしたから、このグループでのステイタスがぐいぐい上がっちゃったのである。ゴールドを通り越して、今年の年末にはプラチナになる予定だ。

 

 うへ、インターコンチでは「スパイア・ロイヤル・アンバサダー」と言ふ恐るべき地位にあるけれども、リッツカールトンやマリオットやウェスティンでも、ちょいと暑苦しい「今井様」「今井様」のVIP特別扱いが待っている。大阪でも早速「ジュニアスイートに無料でアップグレードさせていただきました」と来た。

 

 こんな特別扱いを受けておきながら、「粉モン」「粉モン」「意地でもタコ焼き」と低く唸っている自分が恥ずかしい。しかし恥ずかしいかどうかではなくて、花よりダンゴ、紅葉よりタコ焼き、その種の欲望に打ち勝つことはマコトに困難なのである。

(タコ焼き劇場の始まり。これがちゃんと球形になるんだろうか)

 

 タコ焼きとか串カツみたいなものは、ごく普通のサラリーマンがワンサと集まる類いの店でないと、何よりも大切なナニワの雰囲気が味わえない。「ソースの2度づけは禁止やで」は、有名になりすぎてちょっと面倒だけれども、タコ焼きはとりあえず大阪マルビル地下2階の店を選んだ。

 

 東京の丸ビルは丸の内にあるから丸ビルであり、ついでに「新丸ビル」なんてのもあるが、大阪駅前のマルビルは、丸の内とはほぼ無関係であって、ビルそのものが丸い円筒形だからマルビル。赤くてまあるいマルビルは、1976年からすでに40年、大阪梅田のランドマークになっている。

 

 まさにサラリーマンのランチのメッカなのである。14時過ぎ、すでに我が同胞諸君はツマヨージをくわえて意気揚々と会社に戻った頃であるが、今日も多忙を極めたランチの雰囲気は、狭い地下街にまだ濃厚に漂っている。

 

 選んだタコ焼き屋は「蛸之徹」。すでに空席のほうが多い時間帯、「お好きなテーブルへどうぞ」というオバチャンの声も若干疲れ気味。午後の大阪の気だるい空気が不思議に懐かしかった。

(店のオバサマの指導のもと、次第にタコ焼きらしくなってくる)

 

 注文したのは、ごく一般的なタコ焼き12個と、エビとネギがたっぷり入った豪華版12個。タコ焼き24個ぐらいオヤツ代わりに飲み込めるというのが、里芋オジサンの強烈な自負なのである。

 

 ただし諸君、ここで驚くべき事態が発生した。タコ焼きは、焼いてもらったのがお皿に並んで出てくるんじゃなくて、目の前のタコ焼き用鉄板で、自分で焼いて食するという趣向なのである。これがなかなかうまくいかない。

 

 今井君は子供の頃から先生にも友人たちにも「器用貧乏」と指摘されるほど、何をさせてもビックリするほど上手なのに、何一つ一流になれない困った男。料理もお絵描きも授業もみんな、見ている人を刮目させるほどの腕前を示すけれども、大学で教鞭をとるところまではどうしても到達できない。

 

 学界を震撼させるような論文を書く誠実さも粘り強さもないし、だからこそ予備校講師あたりがちょうどお似合い。全ては粘り強さ不足、忍耐力と継続性がないせい、自分のていたらくをその方面から言い訳して「努力が苦手なんです」「才能はあるんですけど」と、ゴマかし続けてここまで来た。

   (堂島&北新地は、国産ビール発祥の地である)

 

 だからタコ焼きの12個や24個、あっという間にまん丸に焼いてみせるという自負がある。だって誰が見ても器用貧乏、才能は十分にキラキラ光っているのに、その才能を研ぎ澄ます努力が足りないだけ。そう他人にも自分にも言い聞かせてここまでコロコロ転がってきたサトイモどんじゃないか。

 

 だから諸君、目の前の鉄板にドロドロ注ぎ込まれたタコ焼きのモトが、ちっともうまく丸まらない現実に、今井君が受けたショックはマコトに大きなものがあった。あれれ、あれれ、このままじゃモトのまま真っ黒焦げに焦げちゃうだけじゃないか。

 

 それを見かねて、店のオバサマが助けに来てくれた。聞けば、中国の人も欧米の人も、タコ焼きを焼くアクティビティにみんな夢中になって帰るんだそうだ。

 

 確かにその通り。高級料理店の高級料理を沈黙のうちに胃袋に送り込むだけより、オバサマの指導を受けながら下手なタコ焼きを焼く方がおそらく数倍は面白い。

    (晩飯は北新地。創作串かつ20本を爆食いする)

 

 焼き上げたタコ焼きは、ビール片手にキチンと全て平らげた。おかげで口の中に数カ所のヤケドを負ったけれども、ヤケドの痛みは数日で消える。タコ焼きを焼きながら店のオバサマと爆笑した思い出は、数年間なくならないだろう。

 

 ま、そのぶん、晩飯はちょいと奮発して北新地。しかしやっぱりせっかくの大阪なんだから、串カツというか串揚げというか、東京のメシ屋では真似できないジャンルを選んだ。

(20本のうちの1本目は、昨日のワタクシが食しそこねたカニでござった)

 

 晩餐は、「国産ビール発祥の地」の石碑からほど近い「串揚げ 新八景」。店の名前はパッとしないし、それぐらいなら目と鼻の先のミシュラン1つ星店、おでん屋「万ん卯」の方がよかったのかもしれないが、やっぱりどうしても串カツが食べたかった。

 

 なんと20本もの串揚げが、次から次へと運ばれてくるのである。いやはやこれもまた楽しすぎますな。「花よりダンゴ」「京都よりタコ焼き」「紅葉より串カツ」。これはこれで正しい休暇の過ごし方だったと自ら頷きながら、リッツカールトンの贅沢なお部屋に意気揚々と帰還したサトイモ君なのであった。

 

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