Wed 181031 強引にマイウェイ/モー息の寮歌/五漁村(イタリアしみじみ27) 3746回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 181031 強引にマイウェイ/モー息の寮歌/五漁村(イタリアしみじみ27) 3746回

 何度見ても、どう見直しても、自分撮りした写真の大ワルおやじぶりはもうどうしようもない。なんなんだ、この不敵なホホエミは? 若い諸君、これを他山の石として、決してこんなオトナになってはいかん(スミマセン、前回の続きです)。

 

 前回、記事1枚目として掲載したチンクエテッレにおける我がホホエミには、そういう教訓をこめたつもりなのである。確かにここまで不敵なホホエミじゃ、ハロウィーンの変装だか扮装だかを無理にしなくても、十分に渋谷の街をノシ歩けるほどだ。

 

 そしてこれこそ諸君、まさにゴーイング・マイウェイの代表格として生きてきた悪いオトナの標本なのである。高2の春から高3の秋まで医学部を志望しておきながら、11月にいきなり文転するようなヤツなんだから、せめてホホエミぐらいには不敵さが充満してなきゃいけない。

 

 いや、「充満」などという表現はまだ自分に甘いのだ。正確には「不敵さが飽和状態」「もうこれ以上は不敵のフの字も溶解しない」と言ふレベルである。Macくんも呆然として「不敵さが10万」とか「妖怪しない」とか、ハロウィーンに相応しい異様な変換を繰り返す。

     (イタリア・チンクエテッレの風景 1)

 

 学校の方針が気に入らなければ、「Pretty塾」でも「どうすんだい?」でも、どんどんビシビシ遠慮なくヤメさせてもらって、あくまで自らの道を切り拓く。その強引さはとっくにゴーイング・マイウェイを超越し、正確に表現すれば「強引にマイウェイ」に近い。

 

 秋の夜長に我が来し方を振り返ってみるに、どれほど強引にマイウェイを貫いてきたか、ほとんど茫然自失のありさまである。しかも諸君、そこには反省とか自責の念とか、その類いのつつましい感情はカケラもないのだ。まだまだ強引にマイウェイを貫くぞと、むしろコブシはさらに硬度を増すのである。

 

 今井君と付き合いの長い人なら、このへんで気づくはずであるが、「なーんだ、要するにダジャレを言いたいだけなんじゃあーりませんか?」なのである。

     (イタリア・チンクエテッレの風景 2)

 

 オジサンたちとカラオケに出かけるとオジサンの中には必ず「マイウェイ」を歌いたがる困ったヤカラが存在し、「ヤメてくれよ」「マイウェイだけはヤメてくんなまし」という周囲の懸命の懇願にも関わらず、強引にマイクを握ってマイウェイを歌いまくる。

 

 今井君はマコトにズルいサトイモであるから、マイウェイの前奏が始まるやいなや、すぐにメニューをめくってドリンクや料理を注文し、注文が済むとトイレに立って、ひっそりマイウェイの終了を待ち受ける。

 

 ドアの外で様子を伺い、マイウェイ終了の気配とともに部屋にもどり、届けられた温かいヤキソバをズルズル吸い込みながら、「いやはや、強引にマイウェイでしたな」と朗らかに笑い、さてそれではと自分のオハコを5曲ほど熱唱、ヒトビトの顰蹙を一身に集めるのである。

 

 すると諸君、驚くじゃないか。最近のオジサンの中には「48」とか「46」とか、その手の女子大集団のオウタを嬉しそうに熱唱なさるオカタだって存在するのである。強引にマイウェイのオジサマも、女子大集団の一員になりきって嬉しそうに熱唱していたりする。

     (イタリア・チンクエテッレの風景 3)

 

 かくいうサトイモ君は、女子大集団に関する知識はほぼゼロである。悔しいから完全に知らんぷりをして、次なるオハコ5曲ほどをリモコンから送信、ひたすら我が登板のチャンスを待つ。7回表とか8回表を任される中継ぎないしセットアッパーの気分である。

 

 しかしオジサマたちもさるものであって、今井の登板機会を封じようと「モー娘」などという古式ゆかしい奇襲攻撃を展開する。ヒット&ランか、2ランスクイズか。その女子集団についても、ワタクシはちっとも知らないのである。

 

 茫然自失の今井投手としては、オウタに参加していない他のオジサンたちとダジャレの限りを尽くすしかない。

「どうかねえ、あいつらがモー娘をやってるんなら、オレたちは『モー息子』でいこうじゃないか」

「おお、賛成賛成。モーニング・ムスコ、略してモームスといこうじゃあーりませんか」

 

「しかし、いやはや、モーニング・ムスコとなると、いささか困りますな。下品すぎませんかね」

「そう言ふ捉え方をする人もいるだろうね。ならば諸君、『ハイヌーン・ムスコ』、略して『ハイムス』ってのはいかが?」

「暑すぎて、熱中症を誘発しませんか?」

 

「ではここは一番思い切って『猛烈ムスコ』はどう?」

「いやむしろ『モーレツに不機嫌でムスッとしたオジサマたち』のほうがインパクトがありそうだ」

 

「なるほど、それを略してモームスッ!!」というわけね。ニコリともせず、ピクリとも笑わず、戦前の旧制高校寮歌を歌いあげようじゃないか」

「嗚呼玉杯に花受けて。紅燃ゆる花の丘。今井って昔からそういうの、すげー得意だったじゃん」

      (チンクエテッレでビールを楽しむ)

 

 というわけで諸君、これだけクダランことを語り合った末、女子大集団のオウタで疲れ果てたオジサマたちから強引にマイクを奪い、今井君は一高・二高・三高の寮歌を激烈に歌いまくる。最近のカラオケにはその種の古色蒼然としたオウタもズラリと揃っている。

 

 気がつけば早稲田大学「紺碧の空」慶應義塾大学「若き血」から、明治大学校歌「白雲なびく駿河台」まで、まあそのへんはもうマイクを必要としない。カラオケでアカペラ、オジサマたちはみんな肩を組んで蛮声を張り上げる。マコトに強引な夜は、こうしていよいよ終盤に迫っていく。

  (5 TERRE、押し合いへし合いのチケット売り場) 

 

 ブログの写真にチンクエテッレの絶景を数枚かかげ、サブタイトルも「イタリアしみじみ」としておきながら、しみじみバカバカしい夜の記憶を書き連ねているところをみると、諸君、このサトイモおじさんはどうやらチンクエテッレが余り気に入らなかったのである。

 

 まず何と言っても、チンクエテッレの港町に入ったあたりで発見した中国語の看板の「五漁村」という文字で気合を削がれた。チンクエテッレとはイタリア語で書けば確かに「5terre」であり、すると間違いなく「五漁村」なんだけれども、うーん、今ひとつ気合が入らなくなっちゃった。

 

 大混乱のチケット売り場で押し合いへし合い、おしくらまんじゅうの末にやっと船に乗り込むと、もう窓際の席なんか空いていない。美しい海岸風景を堪能しようとミラノから3時間も4時間もかけてやってきたのに、船の真ん中の席で縮こまっているしかない。

   (チンクエテッレには、La Speziaの駅から入る)

 

 船を占拠したのは、まずは中国人の団体ツアーの皆さま。続いてドイツのやんちゃな男子高校生諸君。間違いなく修学旅行であるが、やんちゃな男子集団が5漁村の静かな佇まいなんか落ち着いて眺めているわけがない。同じクラスの女子諸君にちょっかいをかけるのに夢中だ。

 

 派手めの女子連も、負けず劣らずやんちゃであって、男子からのちょっかいに巧みに対応している。高校生のドイツ語と団体ツアーの中国語が飛び交い、欧米のオジサマ&オバサマたちもどんどんワガママな行動に走って、船内は間もなく騒然。収拾がつかないありさまとなった。

 

 本来ならワタクシ、「いつかチンクエテッレに長期滞在しよう」「2週間どころか、3週間でも4週間でも滞在しよう」と考えていたのだ。しかしこんなに騒然とした五漁村じゃ、その計画も考え直した方がいい。

 (豪快なスパゲッティ・ボンゴレ。さすがチンクエテッレだ)

 

 午後、5つの漁村のうちの1つで遅い昼食をとることに決めた。しかし漁村のなずなのに、存在するのは中途半端なレストランが数軒のみ。漁村の主人公・たくましい漁業従事者は、押し寄せる観光客に押しのけられて、もうここにはいらっしゃらない様子である。

 

 その時の豪快なスパゲッティ・ボンゴレが上の写真である。今井君も学部生の頃は、連日こういうのを作っていた。麺ばかり3人前も4人前も茹でて、バターと胡椒と塩で味つけ、そこへシーチキンかサバの缶詰をまるまる1個投入、フライパンでさっと炒めてフライパンから直接むさぼった。

 

 ま、こういうのは間違いなく旨いのである。一気にむさぼって、ギュッと冷たいビールを500mlか1リットル一息に飲み干せば、もうそれ以上の贅沢は考えられない。しかし諸君、もしもそのビールがヌルかったら一切合財が台無しだ。この日のビールがどうだったか、それはここには書かないでおく。

 

1E(Cd) Anne-Sophie MutterVIVALDIDIE VIER JAHRESZEITEN

2E(Cd) KrauseBACHDIE LAUTENWERKEPRELUDES&FUGEN 1/2

3E(Cd) KrauseBACHDIE LAUTENWERKEPRELUDES&FUGEN 2/2

4E(Cd) Karajan & BerlinerBACHMATTHÄUS-PASSION 1/3

5E(Cd) Karajan & BerlinerBACHMATTHÄUS-PASSION 2/3

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