Tue 181023 ニャ五郎/にゃごロク/悪童に注意(イタリアしみじみ23) 3742回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 181023 ニャ五郎/にゃごロク/悪童に注意(イタリアしみじみ23) 3742回

 というわけで、3回目のなでしこ忌が終わってしまった。毎朝なでしこと会えなくなってから、丸4年が経過したわけである。13年もいっしょに暮らしたネコだから、実際に具体的に顔を合わせなくても、いつでも足元でスヤスヤ眠っている温かい気配はなくなっていない。

 

 一方のニャゴロワはあれから4年、なでしこの姉として、実は妹として、1人でニャゴニャゴ元気に走り回っている。重い腎不全にかかったのは、なでしこより3年も早かったのに、連日の点滴に耐えて発病からすでに8年も生きた。何度も書くようだが、201012月、獣医さんは「余命100日」と宣告したのだった。

 

 そのことで獣医さんを責める気は皆無である。誰だって間違うことはある。というか、ニャゴの強靭な生命力はまさに前代未聞&空前絶後のものであって、まさかこんなに力強く生き続けるだなんて、獣医さんだって予想もつかなかっただろう。

 

 悪い方に予想が外れたのでは悲しすぎるけれども、ニャゴの場合はググッといい方に予測が外れたのだ。100日のはずの余命が30倍の3000日を超えて、しかもまだまだ元気。16歳になり、17歳の誕生日が着々と接近。このままなら、20歳を超えて長生きしてくれそうだ。

 

 そりゃ、点滴は0円ではない。ネコに医療保険はきかないから、点滴の薬液はそれなりにオサイフの負担になる。こんなに高いんじゃ、滅多なことではネコなんか飼えない。まさかオカネを理由にして、ネコを見殺しになんかできないじゃないか。

(9月9日、再び訪れたバルド山でヒツジの群れに遭遇 1)

 

 しかも諸君、ニャゴは大食漢だ。「ちゅーる♡ちゅーる、ちゃうちゅーる」みたいな楽しいオヤツなんか見向きもしない。「もっとしっかりしたゴハンでなきゃ、大人のネコは満足しませんよ」と、例の白い顔でたしなめるようにおっしゃる。

 

「ニャゴロワ」という名前も、次第に負担になってきた。19世紀ロシア文学に登場するロシア美女のイメージから、17年前の今井君は無理して「ニャゴロワ」を選択したのだったが、その後にシャラポワ、最近はザギトワ、何だかニャゴと名前が相似形の名選手が次々と登場して、さすがにちょっと恥ずかしい。

 

 しかも諸君、獣医さんの窓口で、大きな声で「今井ニャゴロワちゃん!!」と呼ばれるのである。「なでしこちゃん!!」の時は、周囲の人々も温かな微笑で応じてくれたが、「ニャゴロワちゃん!!」となると、待合室の人々の間にドヨメキが起こる。

 

「ほほお♡」「ほほお♡」「素晴らしい名前ですね」と絶賛を浴びると、控えめなワタクシとしてはやっぱり恥ずかしい。もっとずっと平凡に「シロ」とか「ホワイト」とか、イタリア語で「ビアンカ」とか、その白さを強調する名前にしておくんだったと思わず赤面する。

(9月9日、再び訪れたバルド山でヒツジの群れに遭遇 2)

 

 たまには読み違えもある。言い間違えというか「言いマツガエ」というか、ニャゴロワの「ワ」の字を「ウ」と勘違いしたオネーサマが「今井ニャゴロウちゃん」と呼んでくれた時は、さすがにムッとした。

 

 だってそうじゃないか。獣医さんのカルテにはハッキリ「女子」と書いてあるはずだ、我が純白の美女ニャゴロワを、「ニャゴロウ」だなんて、それじゃまるで「ニャ五郎」「ニャ吾郎」「にゃー悟郎」の世界じゃないか。

 

 ごく最近の出来事であるが、「ニャゴロワ」の「ワ」の字を「ク」と勘違いした受付女子もいらっしゃった。大きな声で「ニャゴロクちゃん!!」と呼ばれた時は、普段はマコトに温厚な今井君も憤然、「ニャゴロワですよ、ニャゴロワ!!」と、待合室に響き渡る大声をあげた。

 

 だって諸君、こんな純白の美女ネコに「ニャゴロク」だなんて、そんな名前をつけるような男に見えるかい? それは巨大な男子ネコのお名前。美女ネコに「ニャゴロク」はありえない。

(9月9日、再び訪れたバルド山でヒツジの群れに遭遇 3)

 

 ニャゴもさすがに激怒したらしく、その日は滅多なことで診察をさせなかった。獰猛な真っ赤な口をカッと開いて吠え続け、強烈な右フックに左フックを連発、獣医さんを激しく攻撃した。8年前の余命100日、あの弱々しかったニャゴちゃんは、いったいどこに消えたんだ?

 

「ニャ五郎」「にゃご六」とくれば、次は7・8・9と続くんじゃないか。「にゃご七」「にゃご八」「にゃご九郎」。ネコも高齢になると、何となくそんな扱いを受けるのか? まだまだ日本は、ホントの福祉社会とは言われませんな。

 

 とは言うものの、かく言う今井君だって、たくさんの「言いマツガエ」を続けている。ついこの間も、「危険、学童通学路」という看板を「危険、悪童通学路」と読みマツガエて、爆笑したものだった。

 

 だって諸君、その時ちょうど下校中だった男子小学生たちを眺めるに、こりゃ明らかに悪童だ。拾った棒切れを側溝に突っ込んでかき回し、棒の先にくっついて出てきたいろんなものを仲間どうしぶっつけあって喚声をあげている。まさに「危険、悪童通学路」の世界だ。

(9月9日、再び訪れたバルド山でヒツジの群れに遭遇 4)

 

 もちろんかく言ふ今井君だって、数百年前の小学生時代は「危険、悪童通学中」の総帥格。ピンポンダッシュはもちろん、「酒屋さんに雪玉を投げ込む」という恐るべき破壊行為までやって、激烈に叱られた。

 

 3時間目の体育がイヤで、保健室に飛び込んだ。「熱がある」とウソをついて、保健室のセンセのスキをつき、煮えたぎるやかんの口に体温計を突っ込んだ。結果として体温計は42℃を差し、緊急で親が呼び出される大騒動になった。

 

 ヨイコの皆さんは決してマネをしないこと。それでも世界児童画コンクールで金賞をいただいたのは、「自画像を描け」と言われて緑と紫を徹底して使ったのがポイント。美術系のセンセをその手で感激させることができると知っていたのだ。

 

 緑と紫を塗りたくった絵を見て、担任のセンセがまず激怒した。ほとんど吊るし上げみたいに叱られているところに、お目当ての美術系のセンセが回っていらっしゃった。その瞬間、教室の雰囲気が一変。「キミは、見たままを素直に描いているね」と絶賛、あっという間にコンクール出品が決まった。

(9月9日、再び訪れたバルド山でヒツジの群れに遭遇。黒い牧羊犬も元気だった)

 

 まさに「危険、悪童通学中」であって、何を隠そうワタクシは、そのままオトナになっちゃった。悪童、おそるべし。読みマツガエ、おそるべし。というか、ワタクシのイメージでは、悪童は悪童のまま、変に矯正の努力なんかしないほうが楽しいのかもしれない。

 

「柴太」なんてのもあった。もちろん柴犬であるが、書きマツガエて「柴太」。柴田くんの家で柴犬を飼って、柴田柴太郎。シバタんちのシバタ。シバタ・シバタ。その程度の話でも、十分に楽しいじゃないか。

(再訪したバルド山の山頂から、ガルダ湖北端の町リーバを望む)

 

「ひまなつり」もいい。3月3日は桃の節句。女子ばかりがもてはやされて悔しい男子は「今日は楽しいヒナ祭り」じゃなくて「今日は眠たいひまなつり」と唸って居眠りしていればいい。「ひまなつり」とは「ヒマな釣り」であって、何にも釣れなきゃ釣れない方がノンキでよろしい。

 

 諸君、イマイの人生は、要するにその程度のものなのである。だから9月9日、再びガルダ湖を訪れてちっとも恥ずかしさを感じない。9月7日、「これでガルダ湖ともシバシの別れだ」と惜別の涙にくれた。9月8日、シルミオーネの町ともしばしの別れを惜しんだ。 

  (バルド山頂から麓の町マルチェージネを望む)

 

 にも関わらず9月9日、今井は再びミラノからガルダ湖を訪れ、ペスキエラから船に乗って、バルド山からの絶景を堪能する。マルチェージネ、リモーネ、リーバ、そういう町を山頂から見おろし、羊の群れや牧童や牧羊犬の姿に陶然とする。強烈に自由自在、あまりに自由に生きる姿は、自分でも恐ろしい。

 

 中年に育った悪童、まさに「おそるべし」であって、むかしの日本で大流行した「ちょい悪オヤジ」とは、まさに悪童イマイの30年後なのである。どれ、今日はどんな悪童ぶりを発揮しますかね。ガルダ湖に戻った今井君は、舌なめずりする気分で湖畔の町々を眺めたのである。

 

1E(Cd) Nevel & Huelgas EnsembleCanções, Vilancicos e Motetes Portugueses

2E(Cd) SPANISH MUSIC FROM THE 16thCENTURY

3E(Cd) The Scholars baroque EnsemblePURCELLTHE FAIRY QUEEN 1/2

4E(Cd) The Scholars baroque EnsemblePURCELLTHE FAIRY QUEEN 2/2

5E(Cd) Corboz & LausanneMONTEVERDIORFEO 1/2

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