Tue 180925 宇明家のこと/傷やクボミがいいですな/岩手県花巻の大盛況 3726回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 180925 宇明家のこと/傷やクボミがいいですな/岩手県花巻の大盛況 3726回

 まず諸君、20年の長きにわたってワタクシのお供を務めてくれた「予想の5倍重いカバン」と「ブラタモリ 宇都宮編」の関係について、そろそろ書いておかなければならない。あんまり長くひきずっても、ロクなことにはならない。

 

 いや、別に大したことではないのだ。前々回の記事で書いた「東京・四谷の餃子屋」の話である。2000年の初夏、まだ新人だったカバン君の留め金付近に、大きなクボミをつけられてしまった餃子屋だ。

 

 店の名前は「宇明家」。宇明家と書いて、もちろん「うめえや」と発音する。当時はチェーン店として日の出の勢い。首都圏を中心にに展開中だった。「うめぇ」「うめぇ」と客が唸るほど旨えから「うめえや」、そう考えていた。

 

 当時の今井の自宅は茶沢通り沿いにあった。茶沢通りとは諸君、三軒茶屋の「茶」と下北沢の「沢」をくっつけた単純明快なネーミングであるが、その三軒茶屋にも宇明家があった。

 

 西友の裏、キャロットタワーのふもと、世田谷パブリックシアターに近い路地だった。東急世田谷線の始発駅が近くにあって、チンチン電車がガタゴト走る昭和のカホリの街である。

 

 あの頃すでに三軒茶屋の店に何度か入り、「おお、なかなかうめぇじゃないか」とニヤニヤ、その同じ店が四谷にもあるのを教えられて、そりゃ是非とも行ってみなきゃと考えた。

(岩手県花巻の大盛況。午前中は150名のAクラスを2時間 1)

 

 2000年というんだから、まさに代ゼミでのワタクシの絶頂期である。全国生中継のサテライン講座も9講座に出演。スカパーの受講生数もグングン。「ま、この世界は制覇しましたかね」と、天狗のお鼻は高々と天を突き、向かうところ敵なしの高揚した気分だった。

 

 ならばわざわざチェーンの餃子屋なんかに入らなくても、せっかくの四谷の夜だ、近所には有名な高級店はナンボでもあったはずだが、諸君、安いお店でシットリ落ち着くのも決して悪いものではない。オカネはあっても、あえて安いお店を馴染みにするのがカッケーじゃないか。

 

 あれから19年、「宇明家」はネット上でもほぼ消滅している。ググってみると「ラーメンの宇明家・東京タワー店」というのが健闘しているようだが、おそらくこれは餃子の宇明家とは縁もゆかりもない存在であって、ローマ字でUMEIYAと表記がある。「うめぇや!!」ではないのだ。

 

 あのころはまさか、日の出の勢いのチェーン店よりも1個のカバンのほうが長生きするとは思わなかった。全国に10万以上の生徒がひしめいていた佐々木ゼミ(仮名)よりもカバン君は長生きし、今井が1990年代から予言していた金足農の快挙を目撃することになった。

(9月22日、翌日の岩手県での授業に備えて、前日から仙台に向かう。大キライな新幹線移動だ、うめェお弁当ぐらい貪りたいじゃないか)

 

 そんな大昔のことだ。まさか宇明家の「宇」が宇都宮の「宇」だなんて、想像を絶していたのである。しかし諸君、おそらくそうなのだ。宇明家という屋号、間違いなく宇都宮の宇が発端になっていたのである。だって関東で餃子と言ったら、何が何でも宇都宮じゃないか。

 

「ブラタモリ」の中では、そのことには全く言及されていない。ま、当たり前だ。しかし、東京芸大音楽科出身の女子アナを引き連れて、何とも鼻高々のタモリどんが日光街道のほとりに立ち、例の長い鼻の下をますます長々とさせていた時に、彼の後方を走り過ぎたバスの車体広告に、ワタクシは決定的な文字を発見したのである。

 

 広告には「宇味家」。ちょっと無理があるとは思うが、宇味家と書いて「うまいや」と発音する。宇都宮駅前店の評価は「食べログ」で3.56。なるほど、宇都宮の味だから「宇味家」であって「うまいや」。すると19年前のカバンのクボミの原因も、宇都宮の「宇」と密接な関係性があったわけである。

 

 諸君、呆れてくれたまえ、唖然&呆然、「よくもそれほどクダランことで感激のトリハダなんか作っているものだ」と、大きく肩をすくめてくれたまえ。しかしこの今井にとっては、20年をともに過ごしてくれたカバン君への思い入れはそこまで深いのだ。

(岩手県花巻の大盛況。午前中は150名のAクラスを2時間 2)

 

 前々回の記事の中で、ワタクシは「完全無欠であるより、こんなクボミが出来てしまったからこそ、カバンに対する愛着がギュッと高まった」という意味のことを書いた。

 

 カバンに限らない。ネコだって、犬だって、いや人間だって、あまりに完全無欠な存在に対してはなかなか愛着が向かないものである。あのとき四谷の宇明家で大きなクボミが出来なかったら、果たして20年もの付き合いになったかどうか、少しばかり首をかしげるのである。

 

 そういう熱い想いに酔いながら、土曜日夜のワタクシは「ブラタモリ」を眺め続けた。すると諸君、話は急展開して「大谷石の魅力」を語り始めるに至った。

 

 大谷石とは、軽石凝灰岩のこと。今井君のコドモ時代、住宅建築に大谷石を使用するのが大ブームになって、秋田のオカネモチの豪邸でも、たっぷりの大谷石が使用されるようになった。

 

 しかし大谷石は、完璧な石材ではないのである。凝灰岩の中にたくさんの軽石が詰まっていて、これを「味噌」と呼ぶ。確かに色も風合も味噌そのものであって、この味噌が多すぎるとポロポロ脆く崩れやすい。

 

 その味噌の欠点が、返って大谷石への愛着を高めるのである。完全無欠なカバンじゃイヤだが、四谷の店で出来ちゃった深いクボミを撫でながら、「長く付き合っていこうな」と涙を流していた19年前の今井君と、話は同じことである。

 

(岩手県花巻北高校の講師控え室で豪華お弁当を貪る。赤トンボが2匹、講師室の中をのどかに飛び回っていた)

 

 以上、9月22日の仙台のワタクシは、馴染みの寿司屋「寿司哲」に出かけることもせず、宇都宮というたいへん地味な街を特集したNHK番組を眺めながら、夜遅くまでメソメソしていた次第である。

 

 翌23日は、岩手県花巻で「最難関大英語」の授業を60分 × 4コマ。岩手県の高校入試で300番以内の成績だった諸君が花巻に集結し、東大現役合格を目指して朝から夕暮れまで英語と数学の授業を受ける。


 英語は今井、数学はS田センセ。2015年から始まった恒例の特別授業で、今年で4年目。毎年6月下旬と9月下旬の2回がセットになっている。 朝9時スタートだから、朝5時に起床、仙台発7時6分の新幹線で新花巻に向かう

(岩手県花巻の大盛況。午後は約100名のBクラスを2時間)

 

 6月は英語3時間&数学3時間、マコトにスッキリした時間割だが、9月には英語2時間&数学2時間の時間割に変わる。残った2時間を受験産業の教務課の人が担当してパワポをカチカチ、分かりきった心構えや勉強のやり方を中心に、ありがちな営業活動を行うプログラムになっている。

 

 営業活動を行うのは、いずれも(仮名)で「Pretty塾」の人と「バネッサ」の人。30歳代半ばのオネーサマとオニーサマが熱弁を振るう。そのせいで時間割が複雑になり、今井とS田センセの拘束時間が長くなる。何より困るのは、生徒諸君の拘束時間が長くなることである。

 

 だってそうじゃないか。「受験の心構え」と称してパワポでカチカチやる資料を見せてもらうに、「基礎を大切に」「自分をコントロールせよ」「自分を甘やかすな」「すぐ復習」「論理的思考力を鍛えよ」「丸暗記じゃダメ」「規則正しい生活を」「いろんな参考書に手を出すな」、そこら中に溢れている受験情報ばかりなのだ。

 

 しかも念の入ったことに、ほとんど同じ情報(ないしお説教)を、わざわざプリティ塾とバネッサの2社の人から聞かされる。せっかく張り切っている生徒諸君が可哀そうだ。「こんなの、資料を読めば瞬間的にわかる」であって、この2時間、もっともっと今井とS田センセの授業に集中させてあげたいと熱望する。

 

 来年の時間配分について、そこいらへんもキチンと考えたいのである。プリティちゃんやバネッサちゃんの営業活動、もう必要ないんじゃないかい? 6月に英数6時間、ならば9月にも英数6時間、もっともっとシンプルに、授業に専念した方がよくないか? 少なくとも今井はそう感じるのであった。

 

1E(Cd) Human SoulLOVE BELLS

2E(Cd) Patricia BarberNIGHTCLUB

3E(Cd) Yohichi MurataSOLID BRASS 

4E(Cd) CHET BAKER SINGS

5E(Cd) Art PepperSHOW TIME

total m95 y1597  dd24067