Wed 180912 2ヶ月/努力の酢漬け/リモーネで酢漬け(イタリアしみじみ9) 3716回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 180912 2ヶ月/努力の酢漬け/リモーネで酢漬け(イタリアしみじみ9) 3716回

 2ヶ月とは約60日であり、約9週間であり、約1440時間である。ワタクシみたいな中年になれば、2ヶ月なんかあっという間に過ぎてしまい、「あわわ」「うわわ」「1440時間、オレはいったい何をしてたんだ?」という、茫然自失の対象に過ぎない。

 

 しかしそれでも、実際にはなかなか大した活動をしているのである。2ヶ月前とは、7月12日のことであるが、あそこから今井君はキチンと公開授業6回、河口湖合宿10日間をこなし、過去問解説7学部分、長文読解問題30問近い解説も完了させた。

 

 それと並行して祇園祭やら山鉾巡行やらねぶたも満喫し、甲子園での金足農の試合は全て2回ずつ観戦し、返すカタナでイタリア滞在17日も完了。何のことはない、全国の中年男子の中で、こんな多彩な活躍を続けているヤツは、滅多なことでは見つからないんじゃないか。

 (前回の記事に書いた「ワイングラスの持ち方」実演編)

 

 これだけ忙しければ、ブログ2次会のほうも途切れがちになる。マコトに申し訳ないが、イタリアの旅と絡んだこの3週間ほどは、その更新も4日に3回、3日に2回、そういう頻度になってしまっている。

 

 過去10年、ほとんど休むことなく連日の更新に励んだ身として、まずは「うーん、ダラシないな」という自責の念にかられ、書かない日の張り合いのなさに粛然とし、「よっしゃ、秋冬シリーズが始まったら、また『1日も休まないぞ』ぐらいの気合いでかき進めよう」とコブシを固めるのである。

 

 まあ諸君、ようやく金農フィーバーも収まった。思えば2ヶ月前の7月12日、高校野球も「県大会がそろそろ始まるかな?」という頃である。大相撲名古屋場所は、横綱も大関もどんどん休場が決まって、1年前なら十両や幕内下位だった力士たちのバトルばかりが目立っていた。

 

 金農旋風は、このたった2ヶ月の大フィーバーだったのである。2ヶ月前には吉田君もまだほとんど無名。金足農の存在についても、過去2回の旋風を知っているのは、長年の熱心な高校野球ファンと、今井の授業で金足農の話を聞いた全国数十万人の「モト生徒」諸君だけだった。

 

 そもそも、今年6月の「東北大会」でさえ、金足農はベスト8止まり。同じ東北でも、仙台育英や光星学院や花巻東に比較すれば、知名度も実力もほとんど「格下」とさえ見られていたはずだ。

(シルミオーネ滞在4日目の朝食風景。凶悪なハチ君たちの襲撃で、さっさと退散することになった)

 

 7月12日の段階では、「金足農 吉田」でググッてみても、出てくる新聞雑誌記事はホンの1つか2つ。その後の県大会の初戦で150km/hを出しても、あんまり相手にする人はいなかった。「長靴での雪中ランニングで足腰を鍛えたらしいです」みたいな、地方トピックス扱いだった。

 

 むしろ同じ秋田県でも、注目されていたのは春のセンバツに出場した由利工の佐藤亜蓮君。亜蓮と書いて「あれん」と発音する。「21世紀枠」という訳のわからん「枠」でセンバツに出場したが、初戦で敗退した。

 

 話題になったのは「報徳学園との練習試合で5—2で完勝」という練習試合のレベルの話だけであるが、それでもストレートは常時140km/h超を計測。プロ注目の高校生と言われた。

   (ガルダ湖滞在4日目、リモーネの町を訪問する)

 

 だから諸君、7月12日の段階では、金足農ナインもそれを引っ張る吉田君も、そんなに突出した存在ではなかったのである。今井君のモトに「おめでとうございます」「授業でのカナノーについてのお話は、ホントだったんですね」というお祝いの言葉が殺到したのは、甲子園出場が決まった7月25日以降のことだった。

 

 1ヶ月前の8月12日には、もう2回戦が終わって、旋風が吹き始めていた。とはいえ、3日後に控えた3回戦の相手は横浜高校。旋風も「微妙にピープー吹きかけたところで終わり」という予測でいっぱいだったのが、今から1ヶ月前のことである。

 

 だから若い諸君、今の段階で結果が出ていなくても、決してあきらめてはならない。基礎基本のないところにはどんなミラクルも生まれないが、もしも基礎と基本をビシッと積み上げてきた自信があるならば、2ヶ月先には甲子園準Vに勝るとも劣らない偉業を達成している可能性もあるわけだ。

 

 2ヶ月後なら、1112日。4ヶ月後なら、1月12日、6ヶ月後なら、3月12日。うお、まさに目の前にその日があるじゃないか。今はギュッと奥歯を食いしばって、あんまり奥歯が心配ならスポーツ用品店でマウスピースぐらい買ってきて、ギュギュッと努力を続けたまえ。

       (リモーネの船着場付近 1)

 

 一方、今井君ぐらいの中年オジサマになると、残念ながら2ヶ月先や6ヶ月先にミラクル達成の可能性は全く見えないのである。「努力を続けたまえ」と打ち込んだつもりで、「努力を酢漬けたまえ」とMac君にからかわれると、「うーん、努力の酢漬けねえ」と、思わず考え込んでしまう。

 

 だって諸君、こんな中年になってしまって、どんなミラクルを期待して努力を続けると言うんだ? 努力なんか酢漬けにして、思い切り発酵させてみるぐらいしか、道はないんじゃないのか。

 

「地道に発酵を続ける」。実は今から10年前に、そのことを理想として「ブログ10年継続」を宣言したのである。どんな地道な発酵でも、10年継続すれば何かが起こるんじゃないか。そう思った。

 

 そして実際、10年1日も休まずに継続して見せたが、うーん、発酵は思うように進んでいなかった。10年達成の直前に、自らの手で18年熟成させた日本酒を開けてみると、自分自身とは別格の熟成ぶりに、返って自分が可哀そうになるぐらいだった。

       (リモーネの船着場付近 2)

 

「よっしゃ、数と量で勝負!!」みたいなことだって考える。「10年で世界194都市を訪問」なんてのは、まさに数で勝負の世界。「数量の迫力で発酵と熟成を一気に進行させよう」という発想に、マコトに情けない焦りが見え隠れする。

 

 10年で194都市訪問は間違いなくすげーことである。しかし諸君、それでもやっぱり熟成はちっとも進まない。「どこかでミラクルが起こってくれないかな」と夢を見る反面、小狡いこともいろいろ思いつく。

 

  例えば「訪問した日本の都市も数に入れちゃおう」なんてのがそうである。日本ももちろん世界のうちだ。訪問した日本の都市も入れて水増しすれば、都市数は一気に100150も増えて、「世界500都市を訪問しました」とホザける日も遠くない。

 

 なにしろ諸君、今や数字の水増しは大流行中。日本で一番賢いはずの人たちも、ひたすら水増し&水増し、芳醇な酒もすっかり水っぽい。今井君だけが水増し仲間に加わっちゃいけないという法はないだろう。

 

 しかしここでワタクシの潔癖症がヌッと顔を出す。水増しなんか絶対にイヤだ。「2回訪問した都市は2都市に、3回訪問した都市は3都市に数える」みたいな水増し法も、やっぱりゴメンなのだ。

 

 それなのにこうして、シルミオーネとミラノの旅。3ヶ月前と同じルートでイタリアの旅17日間を敢行する。うーん、努力の酢漬け上、あまりに損な旅程にしてしまった。

(リモーネ風景。レモンが溢れているのは、土産物屋の店先だけである)

 

 旅の4日目、ガルダ湖の北の町リモーネを訪問する。リモーネとはLIMONEであって、町の名前を聞いた瞬間、誰でもタワワに実るレモンが爽やかな風に揺れる光景を連想するはずだ。

 

 だからリモーネの町の人気はきわめて高い。南岸シルミオーネの港を出る段階で、高速船は超満員。ほとんどの乗客が、バルド山麓の町マルチェージネか、その先のリモーネの町を目指すのである。

 

 シルミオーネからリモーネまでは、高速船で2時間あまりの旅。南北に細長いスペードの形の湖を、西岸と東岸の港に順々に立ち寄りながら稲妻の形でジグザグに進む。

 

 一気に北上するなら1時間もかからないだろうが、稲妻シグザグでしかも1回の寄港にたっぷり時間をかける。シルミオーネ→ ガルダ → サロ → ガルドーネ → ガルニャーノ → マルチェージネ → リモーネ。朝9時半に出発して、リモーネに到着するのは正午の時間帯だった。

(リモーネで、酢漬けの淡水魚の盛り合わせを満喫。たいへんおいしゅーございました)

 

 しかし諸君、町にLIMONEなんか、ちっとも成ってないのである。港にもなし、町中にもなし、湖に沿って町外れまで歩いていっても、たわわに実って風に揺れる美しいレモンは、影も形もない。

 

 あるのは、土産物屋の店先のリモーネだけなのである。仕方がないから土産物屋でレモンのキャンディーを1袋、レモンのお菓子も1袋、ダマされたような気持ちで購入し、かろうじて小粒のレモンが数粒だけ熟しかけたレモンの木を植えたレストランで昼食をとることにした。

 

 注文したのは、ガルダ湖の淡水魚料理の盛り合わせ。うぉ、酢漬けだ、酢漬けだ、酢漬けの山盛りだ。今井君は酢は大嫌いだが、お魚の酢漬けは大好き。秋田のハタハタ寿司、今年1月函館の寿司屋で出してもらった飯寿司。コハダの握りなんか、10貫でもラクラクだ。

 

 だからガルダ湖の酢漬けのお魚も、あっという間に平らげた。どういうわけか分からないが、その辺を飛び回る凶悪そうなハチ君たちも、この酢漬けの匂いが大好きの様子。酢漬けの周りを、クマみたいな日本人と凶悪なハチが取り巻いて、ともに努力の酢漬けを満喫したのであった。

 

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